弥生ちゃんの部屋  

 

 現在弥生ちゃんは

ウエンディーズNo.1 衣川うゐ(しるく)の屋敷にある

座敷牢に押し籠められています。

弥生「おい、牢番!」

牢番J「なによ、えらそうに。」

弥生「そうるきゃりばーって凄いソフトが出るらしいから、ドリームキャスト買ってきて。」

牢番J「知らないわよ、そんなの。」

牢番S「弥生さん、それはどんなゲームなの。」

弥生「刀でちゃんちゃんばらばらするゲームよ。とってもリアルなの。」

牢番S「まあ。ゲームでそんな事が出来るのね。分かったわ。私が買って来ましょう。」

牢番J「待って! しるく、あなた、ドリームキャストって何か知ってるね?」

牢番S「ゲーム機なんでしょ。スーパーマリオとかが動く。」

弥生、牢番J「違う!」

弥生「それは任天堂だよ。ドリームキャストってのはSEGAの製品なんだ。」

牢番S「違う会社のなのね。でも同じではないの?」

弥生「全然ちがう。会社が違うと同じゲームでも動かないのよ。」

牢番S「まあ。それでは買った人が困りません?」

牢番J「いや、困るんだけどね。ともかくSEGAのでマリオは動かないのよ。

  ・・・ってしるく、あんたマリオってどんなのか知ってるの?」

牢番S「小さくて可愛くてヒゲが生えてるのでしょ。アメリカでも人気になった。」

弥生、牢番J「・・・どう思う。」「・・・もしかしてたまごっちの事かもしれない。」

  「・・・おやじっちってのはヒゲ生えてたわね。」「・・・心配だ。」

牢番J「あー、ともかく。SEGAの機械ではマリオは動かないのよ。

  動くのはソニックっていう青色のハリネズミなの。ものすごいスピードで走るのよ。」

牢番S「ハリネズミって走るの早いの?」

弥生、牢番J「いや・・・・。本物は遅いと思うんだけどね。」

牢番J「そんなのはどうでもいいけど、ともかくソニックが走る奴を買ってくればいいのよ。」

牢番S「分かりました。ソニックを買って参ります。」

弥生「白い機械よー。」

牢番S「心得ましたーー。」

牢番J「大丈夫かな。」

 

 二時間後。

 

牢番S「弥生さん、買って参りましたわ。ソニックです。」

弥生「そうるきゃりばーだったんだけど。」

牢番S「あら。でもソニックソニックってあれほどおっしゃって。」

弥生「じゅえるー。」

牢番J「あ、あはははは。いいじゃない、ソニックだってまだやってないんだから。」

弥生「そりゃそうなんだけどね。」

牢番S「そしてこれがSEGAの機械ですわ。お店の方がおっしゃるのには、

  いま日本国内ではソニックが動く機械はそんなに無いのだそうです。」

弥生「なんでやねん、って、何これ。黒いよ。」

牢番J「黒いね。」

牢番S「でもSEGAって書いてるでしょ。お店の方がおっしゃるには、

  SEGAの機械は白より黒!なんだそうです。」

牢番J「16って書いてるよ。」

牢番S「今までの機械より16倍早いんだそうです。」

弥生「・・・・お店の方がおっしゃるには、でしょ。」

牢番S「はい。」

牢番J「Gd-Rom入れるとこ、無い。」

牢番S「あら。でも読み込みはこっちの方が早いとか・・・」

弥生「お店の方がおっしゃっていたのね。」

牢番S「はい。よく分かりますね。弥生さんは。」

牢番J「ねえ、その店員ってひょっとしてセーラームーンの声で喋ってなかった?」

牢番S「せーらーむーんですか?はて、どんな声でしたか。」

弥生、牢番J「・・・・・」

牢番S「・・あの、もしかしたら何か私、間違えました?」

 

 弥生、牢番J、ぎろとにらむ。

牢番S「きゃあ!」

 牢番Sはぱたぱたと廊下を逃げていった。

 

牢番J「どうするのよ、これ。使えないわよ。」

弥生「別に、どうもしないわ。だって私、まだしるくにお金渡してないんだもん。」

牢番J「あ、あー、あーあー。そういう事か。じゃあ別に怒られる必要は無かったんだ。」

弥生「でもさ。」

牢番J「なに?」

弥生「レンタヒーローってROMカセットなのかしら。」

牢番J「そう、・・ね。明日探してくるわ。」

弥生「うふ。」

牢番J「うふふ。」

弥生、牢番J「うははははは。」

 

 こうして衣川邸の牢座敷の夜はふけていった。

 

END

 

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