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まゆ子「ところでだ。」
釈「はい。」
まゆ子「せっかく地味子カードを考えているのだから、別の遊び方も開発するべきであろうよ。」
釈「さいですねえ。」

まゆ子「戦列歩兵ゲームをトランプでやる方法、というのはぜひとも必要ではないだろうか。」
じゅえる「それを先に言え。そちらを考える方がどう考えても先だろ。」
釈「今更ですが、ですね。」

まゆ子「なんだか段々とこちらに近づいてくる、というのをカードゲームで表現する方法がちょっと見つからなくてね、言い出すにもこちらにネタが無いとちょっと。」
じゅえる「そりゃそうだが、しかしどうしたものかな。ランダム性とひたひたと近づいてくる恐怖感を表現する方法か。」
釈「マスケットの当たらない命中率はカードを引けばいいわけですが、ひたひた感ですね。」

まゆ子「我々が持つアイテムは地味子カード53枚、地味子算盤です。」
じゅえる「ランダム性はカードを引けば良いとしても、」
釈「ですが先輩、戦列歩兵ゲームというのは味方の兵隊がどんどん死んでいくのをこらえて前進する所に面白さというのが有るのです。」
じゅえる「もっともだ。」
釈「カード53枚、兵隊としては良い数だとは思いませんか?」

まゆ子「うーむ、ただ単に兵隊として並べる。で、算盤を使って殺していくわけだな。」
釈「はい。」
じゅえる「となれば、敵軍もう1セット地味子カードを買ってもらわないとならない。」
釈「資本主義です!」

まゆ子「1〜13の札に、4つの季節。これが一個小隊となるわけだ。」
釈「1から10までのサイコロを用いますか?」
じゅえる「もっと簡単に、だがひたひた感があるべきではなかろうか。」

 

まゆ子「というわけで考えた。ひたひた感は戦列歩兵に不可欠なものだ。また弾が当たって即死するのも戦列歩兵の醍醐味だ。
 とはいうものの、そう簡単に死んでもらうとこれはこれで面白くない。何故ならば最後は銃剣格闘をしなくてはならん。」
釈「はい。」
まゆ子「どうやって最後の銃剣格闘にまで持ち込むか、これが最も肝要だ。」

まゆ子「というわけで、会敵距離500メートルからゲームを開始する。両軍季節の揃った地味子を10人並べて戦列として、残り20枚+絵札12枚を山札として用いる。」
じゅえる「少なくない?」
まゆ子「少ない。だがまあそこは後で考えるとして、500メートルで射撃した際の命中確率は0%。射程距離外だからね。」
釈「命中率云々の前に射程距離外ですね。」

まゆ子「両軍は次に行動する。どっちが先でも構わん。まずは前進だ。50メートル、つまり両軍が共に移動すれば相対距離400メートルになる。」
じゅえる「射程距離は?」
まゆ子「最大射程ということで、命中率1%以下。便宜上1000分の1としよう。」

まゆ子「さらに前進する。ただしここで考える。両軍共に接近すれば最終的に中間点で接触する事になる。」
釈「それではいけませんか?」
まゆ子「中間点より先で銃剣格闘に突入した場合、自分に戦闘力補正で有利、というルールを採用する。」
じゅえる「つまり、勇気を奮って前進した方が勝ちに近いわけだな。」

まゆ子「更に前進。相対距離は300メートルになる。このまま行けば5回前進したところで接触銃剣格闘になるわけだ。」
釈「100メートルずつ接近しますからね。」
まゆ子「というわけで発砲します。敵歩兵が死ねば、そりゃ当然敵弾数が減るわけで被弾確率は下がります。」
じゅえる「当然だ。」

まゆ子「しかし300メートルでの命中率は500分の1、400メートルの倍ですがほぼ意味が無い。
 以後100メートル近付く度に倍ずつ上がっていきますが、めんどくさいから。200メートルで200分の1、100メートルで100分の1。
 100分の1とはいえ地味子は10人居ますから、1回の射撃で10発撃って10回で1人が死ぬことになります。
 50メートルごと接近時の命中率はまた考えます。

 100メートルからの移動は10メートルになります。両軍ともに移動すれば80、60メートルと20メートルごとに近付く計算になりますが、実際は10メートルごとでしょう。
 何故ならば100メートルラインを越えれば弾が当たるから、射撃するべきなのです。両方共が一斉に動く、て例は少なくなるはず。
 最終的には最接近距離は50メートルになります。この時の命中率は10分の1。なにせ地味子は10人居る。撃てば一人死ぬ確率ですが、そこで死んでは面白くない。
 なかなか当たらないように計算式を考えます。」

釈「これがひたひた感ですか。」
じゅえる「まあ実際にはカードゲームだから動かないんだが、接近距離は別に表示するわけだな。」
まゆ子「地味子算盤の出番です。各種パラメーターを記録しますよ。

 さて。戦列はただ前進するだけでなく行動が幾つか可能です。
 前進・発砲・装填のどれかをターンごとに行います。
 前進はよしとして。「発砲」すると敵軍に命中判定をする義務が生じ、下手すると地味子が死にます。戦列歩兵だから。死んだ地味子の名を叫ぶ義務がプレイヤーには生じます。」

じゅえる「そういう小ネタはいいから、」

まゆ子「「発砲」すれば当然「装填」しなくちゃいけません。一回休みです。「装填」を抜かして「前進」はあり得ない。

 しかしながら、前進すればいいというものではありません。段々怖くなるから隊列が乱れて統率が出来なくなります。
 そこで統率というコマンドがあります。隊列の乱れを修正して士気を高めるものです。これをしないと命中率はがたっと下がり、敵の攻撃によりもっと士気が下がり最終的には壊滅します。」

じゅえる「戦列歩兵だからね。」
釈「そこの統率がまた大変なわけですよ。」
まゆ子「統率をするのは士官の役目ですが、統率コマンドを使うと士官に特殊なトライアルが科せられます。「狙撃」です。ライフルドマスケットを使った狙撃兵による攻撃を受けます。」
釈「やばいわけですね。」
まゆ子「やばいわけですよ。ただし防ぐ方法はある。「射撃」です。鉄砲撃つと発砲煙で何も見えなくなります。「狙撃」の命中率が極端に下がります。この時に「統率」をすれば良い。」
じゅえる「そういうルールなわけだ。」

まゆ子「また、敵が発砲した後も狙撃はありません。敵も自分の煙で何も見えないわけです。」
釈「その時は遠慮なく「統率」すべきなんですね。」

じゅえる「ちょっと待て、士官て誰だ?」
釈「誰です?」
まゆ子「あー、そうだな。兵隊が地味子であれば絵札の妹母婆とかだな。」
釈「士官がやられるとどうなります?」
まゆ子「まず統率ができなくなる。射撃命中率が下がる。銃剣格闘の勝率が落ちる。」
じゅえる「ふむ。慎重にやらなくちゃいかんわけだ。」

 

まゆ子「さて50メートルラインにまで来て撃ち合うとまあぼろぼろと兵隊死にます。ここでいい加減銃剣格闘でケリを付けるわけですが、銃剣格闘では死にません。」
じゅえる「何故?」
まゆ子「ゲーム終了だからです。というか、ここが戦争の面白いところで、勝てばいいというものではない。
 敵ことごとくを滅ぼして味方は兵1人だけが立っているから勝ち、こんな話は無いわけです。」

じゅえる「違いない。勝った後で継戦能力が無いんじゃ負け戦も同然だ。」
釈「なるほど、兵隊が死んでは元も子も無いわけです。」
まゆ子「そこで銃剣格闘をしたらある程度で兵を退く必要があるわけです。そのタイミングは第二軍の到着。」

じゅえる「次が有るのか。」
まゆ子「最低でも3セットは行うべきだと考えます。勝敗はトータルで計算しますが、初戦の負けは後の交戦にパラメーターとして引き継ごうと考えます。」
じゅえる「ふむ。」
釈「一度の勝ちの為に兵隊全滅にされてはいけないわけですね。」

まゆ子「だから銃剣格闘に陥った場合、「撤退」というコマンドが発生します。ま、銃剣格闘しなければ撤退できないわけでもあるのですが。」
じゅえる「逆に言うと、敵が撤退した場合深追いするのは悪手ということか。」
まゆ子「なんらかのペナルティを考えますが、敵が崩れて撤退すればそれ以上の戦闘は必要ありません。首を取るわけじゃ無し。」
釈「ふむふむ。近代のせんそうなわけです。」

じゅえる「つまり鉄砲で撃ち合ってる時にパラメーターが変化して、銃剣格闘時にはもう自動的に勝敗は決まる。そういう事か。」
まゆ子「そういう事ですが、ここで「躍進」というコマンドが有ります。50メートルラインに到達した時点で発生します。
 つまり走って敵陣に近付くというコマンドで、25メートルラインにまで到達します。」
釈「危ないじゃないですか。」
まゆ子「危ないですよ、敵命中判定もぐんと上がります。」
じゅえる「何故そんな行動を取るんだ?」
まゆ子「次の行動は「銃剣格闘」以外にありません。「躍進」に成功すれば銃剣格闘時の勝率がぐんと上がります。
 一方「躍進」する敵に対して「射撃」を敢行すると、敵が次の行動で「銃剣格闘」を行った場合受け身になってしまいます。」

じゅえる「つまり銃剣格闘で勝つ為に発砲を控えるか、敵を弾で撃ち殺して数を削ぐか二択なわけだな。」
釈「敵地味子が少ない場合は撃った方が得かもしれませんね。」
まゆ子「まあそういうことだ。兵数が少なくなった陣営はさっさと「撤退」して次の戦いに備えた方がいい。銃剣格闘での勝率を上げた方が引き継がれるパラメーターが大きいわけだよ。」

じゅえる「じゃあ敵が「躍進」をした場合、一番いい手は何?」
まゆ子「そりゃこっちも躍進して、というか素直に突撃して銃剣格闘だ。敵の躍進パラメーターの向上分をチャラに出来る。」
じゅえる「ふむ、つまり銃剣格闘突入なわけだな。」

釈「50メートルラインに突入して、即躍進は?」
まゆ子「敵地味子の数が多ければ弾数も多い。死にまくる事にしよう。」
じゅえる「あくまでも敵兵の数を減らした上での「躍進」だな。」

釈「それで「銃剣格闘」の勝敗判定はどうします?」
まゆ子「ま多い方が勝つんだけどね。」
じゅえる「普通にね。」
まゆ子「折角地味子数があるんだから、生き残り地味子の数を足して、さらに補正して、比較てするか。」
釈「それじゃあ1回しか判定が発生しませんね。面白く無いです。」
まゆ子「ふむ。」
じゅえる「隊列の崩壊、という要素を持ち込みたい。」
まゆ子「ふむふむ、納得だ。」

 

釈「ここはなにかカード的なものを重視したいですね。」
まゆ子「まあ保留としよう。」
じゅえる「そうだな、まずは「射撃」の命中判定だ。」
釈「ですね。」

まゆ子「あー、これは多分地味子カードを2セット使った方が便利良いと思いますが、1セットでも出来なくはない方法です。

 まず500〜100メートルラインまでの判定方法です。
 500メートル。無し。当たりません。
 400メートル。山札からカードを4枚引きます。カードには赤黒があるから、黒が4連続したら命中判定を行います。
 300メートル。カード3連続で黒なら命中判定。 350メートル。カード3連続で黒なら命中判定。ただし地味子への札が赤ならハズレ。
 200メートル。カード2連続で黒なら命中判定。 250メートル。カード2連続で黒なら命中判定。ただし地味子への札が赤ならハズレ。
 100メートル。カード1枚引いて黒なら命中判定。 150メートル。カード1枚引いて黒なら命中判定。ただし地味子への札が赤ならハズレ。」

釈「なるほど、確かに2セット有って別に使った方が混乱しなくていいですかね。」
じゅえる「敵味方、と審判の3人が居た方がいいかな。それで命中判定は?」
まゆ子「命中判定の必要が生じた場合、カードを1枚引きます。そして敵のどれかの地味子を選択します。ま、これもカードを2回引いて1枚めの順番の地味子に命中判定する、という方がいいかもね。」
じゅえる「いやそれは、命中判定が発生した時に引いた最後の札の数の地味子に対して命中判定を行う、でいいよ。」
釈「絵札が出た場合はどうします?」
まゆ子「自動的にハズレ。」

じゅえる「それで、対象となる地味子に札が当てられて?」
まゆ子「地味子の数と、当てられた札の数が同じなら、死にます。」
じゅえる「それだけ?」
まゆ子「それだけ。」
釈「おそろしく確率低いですね。」
まゆ子「戦列歩兵ゲームは死なないんだよ。なかなか。
 さて、恐怖はこれからだ。

 90メートルライン。自動的に1枚命中判定。対象は誰でもかまわん。
 80メートルライン。2枚命中判定。
 70メートルライン。4枚命中判定。
 60メートルライン。7枚命中判定。」
 50メートルライン。10枚命中判定。

 25メートルライン。20枚命中判定。


釈「絵札が出た場合は?」
まゆ子「ハズレ。」
じゅえる「確かに命中率は相変わらず低いのだが、しかし大事だなこれは。
 審判が枚数分配ってくれるという方がいいな、確かに。」

まゆ子「恐怖はまだある。もし歩兵が死んだとしても、配られるカード枚数は減らないのだ。つまり弾が重複して判定を受ける地味子兵も出てくる。」
釈「じゃあ補正というのは、カード枚数で調整できますね。」
まゆ子「うん。統率が取れてない陣営の場合はカードが減ったり、最初からハズレ判定をされたりしてしまう。」
じゅえる「ハズレ判定てのは?」
まゆ子「絵札が出れば以後の弾は全部ハズレ、という感じで。」
釈「10枚配られて、最初に開いた札が絵札だったら、全部ハズレですね。」
じゅえる「うーん、たしかに根性入ってない軍隊の弾ならそんな感じでいいかな。」

まゆ子「それから地味子兵はデタラメな順番に並んでます。というのも、ランダム性が完璧じゃないからです。
 つまり対象は誰でもかまわん、とは言ったものの、この地味子はぜひとも救いたいと考えるプレイヤーは居ます。」
釈「愛ですね。」
まゆ子「そういう時の為に、誰でもいいという時は左から順番にカードを並べるという風にします。不公正の無いようにね。
 このカード並びは「統率」の時にシャッフルして並べ換えできます。愛する地味子が危ない位置にあれば、「統率」してください。」
じゅえる「うん。」
釈「歩兵が死んだらカード配分重複しますからね。先頭地味子は死に易いですよ。やはり統率はしなくちゃいけないのです。」

まゆ子「それから50メートルラインだと10枚命中判定と言ってますが、兵が死んだら兵数分のカードしか敵に弾が撃てません。」
じゅえる「8人なら8枚ということだな。」
まゆ子「そこで「統率」です。小隊を再編したらまた10発撃てるようになります。この効果は次に兵が死ぬまで持続します。」

じゅえる「うーむ、釈ちゃんどうだろう? これでもまだいきなり「躍進」が強くないか?」
釈「そうですねえ、でも「統率」したら銃剣格闘でも強い、という風にしておけば、「躍進」の効果を相殺できるんじゃないですかね。」
じゅえる「いきなり銃剣格闘に雪崩込まない措置がもうちょっと欲しいな。」
まゆ子「じゃあ、「躍進」失敗というケースも考えておこう。25メートルラインでの命中率がどのくらいになるか分からないけれど、戦死が出たら「躍進」失敗ということで50メートルラインに戻される。」
じゅえる「25メートルラインでの命中判定でどのくらい戦死者出るだろうな?」
釈「死者がN人として、生者が10ーN人、20÷(10ーN)枚の札を1人の地味子兵は最低限得るわけです。整数で。」
じゅえる「兵数6くらいだと、3回判定食らうわけだ。うーん、(1/13)×20=1.538、一人は死ぬかな。」

釈「カード1組で敵味方に分かれても、まあ赤黒13枚ずつで引けば可能ですかね。26枚山札はありますから。」
まゆ子「不可能じゃないが、シャッフルの手間がめんどいな。」
じゅえる「快適なプレイを考えると、もう一組使うのが望ましい、だな。」

 

まゆ子「さてお待ちかねの銃剣格闘です。このフェイズに突入すると地味子は死にません。死ぬのは士官です。」
じゅえる「ほおほお。」
釈「士官が死ぬとどうなります?」
まゆ子「壊滅、「潰走」です。撤退ではなくもう統率もへったくれもなく逃げ出します。完璧敗北です。銃剣格闘はこれを最終的には目指します。」
じゅえる「ふむふむ。」

まゆ子「しかし銃剣格闘には回数の限りが有ります。おおむね5回を予定。これ以上戦うと、敵第二軍がやってきます。」
釈「第二軍がやってくるとどうなります?」
まゆ子「第二軍が戦場に到着するまでに撤退しないと、現有戦力で完全10枚揃いの地味子連隊と戦闘になります。むろん勝てっこありません。」
じゅえる「撤退するまでが戦闘です、ということだな。」
釈「でももうちょっと頑張れば敵が潰走する、て状態があるわけですよ。」

じゅえる「潰走するとどういうペナルティがあるんだ。」
まゆ子「第二軍戦闘時に地味子が9枚になります。兵力が減少するわけです。」
釈「ほお。それはたいへんだ。」
じゅえる「撤退するとどうなるんだ?」
まゆ子「士気が落ちた状態から戦闘を開始します。1回統率すれば修復出来るんだけど、更に士気が落ちていると2回3回と必要になります。」
じゅえる「敵に先手を取られるわけだ。」

釈「敵との中間線を越えての戦闘はアドヴァンテージがあるんですよね。」
まゆ子「まあ戦闘中ではないのかもしれないけど、中間線を越えて突出して銃剣戦闘で負けて撤退したとしても、ペナルティ無しです。士気旺盛という判定だね。」
じゅえる「それだけ?」
まゆ子「いや、そもそも戦争というのは陣取り合戦だから、3回を予定している戦列歩兵の衝突で中間線押し込んでる方が最終的な勝者となります。
 つまり第二軍の戦争は押し込んだ状態から始まります。」
釈「撤退してもですか?」
まゆ子「うん。だがさすがに潰走すれば中間地点に戻されます。逆に中間地点から押し込まれて潰走すれば、第二軍戦闘時には押し込まれた状態からマイナス1兵で戦争開始です。」
釈「その場合でも中間点は新規設定ですか。つまり、押し込まれた状態というのは戦列歩兵の、」
まゆ子「いや、そこはさすがに両軍会敵時の中間点を越えるか越えないかで計算します。第二軍の戦闘終了後に第一軍戦闘結果である距離と合算します。」

じゅえる「そして第三軍か。」
釈「第三軍には後続部隊は居ないわけですね? 銃剣格闘で皆殺しにしてもいいわけです。」
まゆ子「いやまあ、敵逃げるからね。殺す敵が居なくなった時点で「勝利」ですよ。」

 

じゅえる「それで銃剣格闘の判定は?」
まゆ子「ここで銃撃戦とはがらっと変わります。やり方は一緒だけど、カードを引いて、出た数字が地味子と同じ数だったら効果有り。

 地味子の順番は関係なしで、両軍共に同じカードで判定します。つまり審判が引いたカードを1枚提示して、その数と同じ地味子が居た場合効果。両軍共に同じ数の地味子が居た場合両軍ともに効果あり。
 そしてカードを引く数が多い方の陣営が終了した時点で銃剣格闘第1回終了。優勢がどちらかを判定します。」

釈「今度は当たる方がいいわけですね。」
じゅえる「地味子が多く生き残っている方が数が多いわけだ。で、判定てのは。」
まゆ子「さすがにすべてのポイントをカードに置き換えるのは無理があるから、ポイントの数と効果発生数とでごにゃごにゃして、」
じゅえる「まだ未定か。」
まゆ子「とりあえず地の利、中間点からどのくらい突出しているか。人の和、統率による士気の状態、躍進による補正などなど。天の時、カードの出目。を上手いことをだね。」
じゅえる「兵が多い方が単純に強い、てのだと面白くないぞ。」
釈「根性が座ってる方が強いのが、銃剣格闘です。」

まゆ子「カード引くだけでは足りないか?」
釈「逆転満塁ホームラン、てのが欲しいところです。」
まゆ子「ふむ。まあ銃剣格闘だって数でだいたい決まるのが史実なんだけどな。真正面からぶつかれば。」
じゅえる「陣形が崩れる、てのが欲しいんだよ。強ければ勝てるじゃなくて、戦列を維持した方が負けない。これをどうにかして実現する。」
まゆ子「ふむ。数を削り合うだけでは無理か。

 なるほど。ここにも指揮の巧みさというのが必要なんだな。」
釈「そうですね。左右中くらいに陣形を分けて、どこが押し込まれるとかを表現するべきでしょう。」
まゆ子「ふむ。いっそのことほんとに前進させよう。

 3列10行の中1列を開けて両軍を配置。地味子兵は数が足りないから行に空きが出来る。
 というか、ゲームの最初からそういう風に配置されている。
 で、前進接近して、50メートルラインで銃撃戦して、突撃して銃剣格闘に突入。これから札が動き出す。

 銃剣格闘で審判がカードを引いて数が合えば、地味子1歩前進。中1列に進出。カードを最後まで引いて1回戦終了。

 3列目を突破されたら壊滅だから、地味子を左右にスライドさせて防御する。また前進できなかったコマを左右にスライドさせて、防御の無い所にコマを配置する。
 で、第2回戦発生。中1列にまで進出した地味子にもう一度数が出れば、防御を押し出して3列目に到達。敵地味子列外に後退リタイア。以後機能しません。
 防御して接触している地味子に数が出れば、敵を押し返して中一列に進出。敵地味子は元の列に。
 敵地味子を列外に押し出した地味子は、もう一度数が出れば敵陣突破成功「大勝利」。
 敵リタイア地味子は全戦死。「潰走」

 中1列に進出していた地味子がノーマークで数が出れば3列目に進出。敵陣突破成功。「勝利」。
 ただし、この場合は敵地味子に人的損失無し。「敗退」

 銃剣格闘は5回戦まで。6回戦目に押し込まれている方の第二軍出現、7回戦終了時に敵を「敗退」「壊滅」させていないと直ちに敵第二軍との戦列歩兵戦闘が発生。まあ死にます。
 というわけで、「撤収」します。進出した地味子を1回ごとに1つ後ろに下げて、7回戦までに自軍最後列までに全地味子を収容したら完了。
 無事に撤収です。
 しかし潰走していない敵はそれを許しませんから、普通にカード引き続けます。「撤収する」方はカードの出目に関わらず後ろに下がりますから、押し込まれます。
 結果第3列を敵に割られると、それは「敗退」「潰走」になります。

じゅえる「敵をディフェンスしないで「敗退」を目指せばいいんじゃないかな?」
釈「それは兵数が多い方にしか取れない戦術ですよ。多い方は勝ちたいんですから。」
じゅえる「そうか? 両軍ともに「敗退」狙いでいいんじゃないか。」
釈「ううーむ。」

まゆ子「そういう手も無くもないが、地味子は横にスライドするが、障害物があれば動けないぞ。」
じゅえる「コマを飛び越えるとかは無し?」
まゆ子「無し。また接敵しているつまり押しくらをしている地味子は動けない。」
釈「当然ですね。」
じゅえる「つまり、最初にどう配置しているかでどうしようもなく決まってしまうのか。」

まゆ子「それに先手が圧倒的に不利でしょ。札を動かすのは後出しじゃんけんが圧倒的に有利。」
釈「それは士気が高く、アドヴァンテージを得ている者に与えられるべきです。」
まゆ子「うむ。まあカードはどの出目があるか分からないからな。」

じゅえる「じゃあそういう事で。」

 

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まゆ子「さて、ところで戦列歩兵というのは要するに軍隊、国同士の戦いなわけだ。」
釈「はあ。」
まゆ子「自分が何の為に戦うか、これが定義されていなければ戦争自体が始まらない。」
じゅえる「ゲームだからいいじゃないか。」

まゆ子「いや許さん。
 というわけで、プレイヤーはゲーム開始時に自分の国を選びます。」
じゅえる「芸が細かいな。」
釈「気分の問題ですからね。たしかになりきりは必要です。」

まゆ子「ゲームに出てくる国家は6種類。簡単に言うと絵札「妹母婆」の3枚赤黒です。女王様になります。」
釈「ふむふむ。」
じゅえる「そういう話ね。なるほど。」

まゆ子「というわけで考えます。妹は王女様、母は女王さま、婆は女帝様。」
釈「王国、王国、帝国ですね。」
じゅえる「王女様はー、あーそうだな公国のプリンセスにしよう。」
釈「公爵領ですか。まあ王と公の違いは質的には特にありませんからね。」

まゆ子「共和国陣営も考えよう。大統領、総統、盟主。」
釈「盟主というのは都市国家ですか。商人たちが街を議会で取り仕切ってるんですね。」
じゅえる「まあ、なんというかそういうのは浪漫だな。」
釈「大統領は共和国ですね。フランスですよ。」
じゅえる「革命国家だな、ギロチンの嵐が吹き荒れるんだよ。」

釈「まあそれはいいんですが、戦列歩兵時代に総統は居たんでしょうか?」
まゆ子「あー、ドゥーチェとかドージェを念頭において考えているのだが、ダメかな?」
じゅえる「その時代なら元首、と呼ぶべきではないかな?」
釈「その意味でしたら、でも元首って使いにくいですよね。」

まゆ子「執政官でもいいんだが、日本語訳にした場合頭領とか総統でいいんだよ。どうするかい?」
じゅえる「ふむふむ、共和国にこだわらずに軍事政権という事で執政官で行けるんじゃないか?」
釈「軍事国家ですか。いやしかし、戦列歩兵時代にはやはり王位とかなんか裏付けが無いと困りますよ。」
まゆ子「うんむ。まあ執政官の方が古臭くていいか。ローマに先祖返りしたみたいで。

 じゃあこうしましょう。ここは宗教国家なのだ。」
釈「おお、教皇が居るわけですね。」
まゆ子「教皇が居て、しかし軍事力は執政官が掌握しているのだ。行政権を含めてほとんどの世俗の権力は執政官が司る。
 それを任命するのが教皇だ。形式上だけどね。」
じゅえる「まあ、許される範囲のウソかな。でもそれって普通に大臣だよな。」
まゆ子「そうか。うん、そうだな。宰相とか宮宰とかいうやつだな。」

釈「では

  赤                            黒
 地味子公国−妹アイモート 公爵代理王女   地味子共和国−妹シスタ 大統領
 地味子王国−母カアチャ2世 女王       神聖地味子教国−母ママミヤ 宰相
 地味子帝国−婆ロリバー 女帝          地味子同盟−婆マグラン 盟主

まゆ子「地味子公国は摂政姫殿下だな。」
釈「父公爵が病に伏せって、周辺の敵国が侵略してくるのを防ぐ健気なお姫様です。」
じゅえる「そういう細かい事情があると、戦いも納得しやすいな。
 しかし、アイモートって名前はなんだ? これはまんま「いもうと」だろ。」
まゆ子「なにかご不審の点でも?」
釈「いけませんか?」
じゅえる「いや、まあ、……どーでもいーか。ハハハ」

まゆ子「地味子王国カアチャ女王さまは慈愛深い方です。彼女がいうことに間違いは無いのです。」
釈「国民の愛情と信頼を一身に受けておられる尊いお方なのです。」
じゅえる「あー。」
まゆ子「国民の平和と幸福の為に、ぜひとも必要な隣国の領土の資源や農地を獲得するのですよ。」
じゅえる「あー、別に平和を求めるわけじゃないのね、女王さまは。」
釈「ちゃんと働いているから国民の敬愛を受けるのです。」

まゆ子「地味子帝国の女帝ロリバーは長年に渡りこの地域での覇権を争ってきた百戦錬磨の帝王です。
 今日も帝国の版図を拡大するために惜しみない努力を注いでおられます。」
釈「侵略バンザイ!」
じゅえる「ロリ婆あという奴はだいたいそういう積極的な政治姿勢を取るからな。」
釈」地味子バンザイ!」

 

まゆ子「地味子共和国は長年続いた王政を市民革命で打倒して立てられた共和国です。
 最近までギロチンの嵐が吹き荒れましたが、シスタ大統領が擁立されて安定を取り戻しました。」
釈「国民に人気の大統領です。」

まゆ子「ただ最近まで国内が混乱していたので敵国の侵入を受ける事も多く、軍事的には休まる暇がありません。
 また王党派が共和国政府を転覆させようとテロ攻撃を繰り返すので、未だ世情は不安を隠せません。」
釈「故に、対外的な勝利を欲します。
 さらにシスタ大統領はひそかに帝政への成り上がりも視野に入れているのです。」
じゅえる「うん、なかなかいいぞ。」

 

まゆ子「神聖地味子教国は、かってこの地域を支配した「ピルマル教団」の総本山が有る国家です。
 現在も国家元首は教団教皇が務めていますが、最近の近代的な変革の時代に古い教団組織がついていけなくなりました。
 そこで軍事力の行使も含む行政権を、宰相と呼ばれる人が司っています。」

釈「ピルマル教団ですか。」
じゅえる「またか。」
まゆ子「いや、どのように使ってもどこからも叩かれない宗教となると、やはりオリジナルに限るだろ。」

じゅえる「教皇に任命されるというのだから、これはパラディンだな。」
釈「パラディンとは元々はローマ皇帝の侍従や親衛隊を意味する語です。」
まゆ子「なるほど、ではパラディンと呼称しよう。でも対外的には宰相とします。」
釈「世界中のピルマル信者から尊敬される教皇さまのパラディンです。有能なお方なのですよ。」
じゅえる「だが宰相ママミヤは、裏では教団支配をさらに制限して世俗の権力の強化を図る策士でもあるのだ。」
まゆ子「うむ、一筋縄ではいかないよ。」

 

まゆ子「地味子同盟とは、地味子湾に面する都市国家群が集まって他の強国から独立の権利を守るために結成された軍事・通商同盟です。
 同盟の盟主が元首となって様々な権力を執行しますが、同盟各国の思惑が絡み合いその調整は難航します。
 現在の盟主マグランは巧みな外交手腕を用いて同盟各国を操り、地域の有力な勢力として発言権の強化を成し遂げました。」
釈「でも裏切りメンバー国が居たりして、なかなか大変なのです。」

 

じゅえる「うん、だいたい分かった。でも全部に地味子って名前を付けるのはよせ。」
まゆ子釈「えーーーーーーー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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