タンガラムの現代歩兵装備

十二神方台系タンガラムには三種類の歩兵団がある

海浜・森林部・田園・湖沼河川・都市戦闘を想定した
比較的短距離での戦闘を行う機動歩兵団
毒地と呼ばれる平野部での開けた長距離戦闘を
前提とする狙撃兵団
山岳部での戦闘を前提として
補給支援体制が不備な中でも戦える山岳兵団

タンガラム国内での戦闘を念頭に置けば
機動歩兵団が主力と呼べる

しかし唯一外国勢力の侵略を受けた相手が
平野部を得意とするゥアム軍であるので、
狙撃兵団は同等の条件下で撃ち負けない装備となっている

国外派遣が想定される現在の国際情勢下で
舟艇や輸送車、鉄道での移動に適した「機動」歩兵団は
そのままで投入可能だが、
補給体制が万全でない状況での長期任務も想定され
山岳兵団の育成にも力を入れている

 

タンガラムの歩兵の特徴は古くから甲冑装備の
重装歩兵なところである

創始歴5300年代に火薬が発明され、
400年代には銃砲が開発され甲冑はまったくに意味を
失ったが、500年代に軽量砲による空中榴散弾
(落下傘爆弾)が開発されたことで
それまで重量故に運用不能だった大砲が野戦に導入された

空中から降り注ぐ榴散弾に対応して歩兵は破片避けの
甲冑を再び装備しなければならなくなった
だが金属製でなく、絹のキルトで破片を捕らえるもので
銃弾に対してはほとんど意味を持たない
兜・ヘルメットのみは金属製で、破片防御面積を稼ぐ為に
笠状なっている

また500年代にはいきなり旋転銃(ライフル)と
鉄矢弾(装弾筒付き安定翼弾)が開発され
命中精度がそれまでの滑空銃+丸弾から格段に向上した
つまり密集隊形での銃撃戦が不可能になり
兵士は身を隠しながら撃ち合う散兵戦となる

互いに遮蔽物から身を出さない為に
自然と擲弾を放り込むのが習慣となった
「こまった時は即擲弾・手榴弾」が歩兵戦術のセオリーである

機動歩兵が装備する小銃は、地球で言えばカービン銃
タンガラムは自動小銃の開発に熱心でなく、ありていに言えば
その有効性を疑っており(後述)、ボルトアクションでありながらも
ポンプ式で装弾を行う機構を開発した
腰だめに構えたまま手動で迅速に装弾して
自動小銃並の発射速度を実現する
短いカービン銃なのは、近年の歩兵の乗り物による移動
輸送車や舟艇、列車等の乗降に便利な
また活躍する戦場の環境として森林部や都市などの
入り組んだ場所を想定する為
新開発小口径6.5㍉弾(くらい)を採用し装弾数を倍増
短銃身は一般的には遠距離の命中率は低いが
400メートルくらいまでなら狙撃銃並の精度を誇る
また小口径弾で反動が小さいから、腰だめ連射でも十分制御できる
12発複列箱型弾倉を新採用 別の弾倉を用意することで
迅速に再装填を行える

ただしこの箱型弾倉は鋼製もしくは軽金属製で歪みやすく
装弾不良を起こしやすい
また真四角であるから携帯に不便で、兵士一人が銃に1個腰に1個
以上持つのが難しい
弾薬自体は前世代の銃で使われた6発クリップで携帯するが
クリップから箱型弾倉に入れるのが面倒
現在箱型弾倉の形状や材質、装填方法など改良を進めているが
自動小銃正式化を睨んで外付け弾倉にこだわり
30発大型弾倉とか作って殴られてたりする
一応は弾倉無しでも1発ずつ装填で継続射撃可能

6発クリップで直接銃に装填する方法に戻るべきとも唱えられ
実際輸出仕様の固定弾倉モデルはこの方式で
他国で高い信頼を得ており、また弾薬携帯にも便利
製造コストも低いので、輜重兵や徴兵訓練兵には
このタイプが支給されている
輸入国バシャラタンではこの形式での国産銃製造を始めようと
タンガラムに技術支援を求めている


銃剣保持機構を利用して小銃擲弾発射器(カップ式)を装着できる
小銃擲弾は銃身に高い圧力を発生させて寿命を縮めるが
自動小銃の複雑な機構においてはなおさら故障の原因となろう
小銃擲弾発射能力はタンガラムの歩兵の切に求めるもので
これを排除するくらいなら自動装填機能など要らない
また以前の倍の弾数になったが、機関銃に比べるとはるかに少なく
高いコストを掛けてまで歩兵に自動小銃が必要か
疑問に思われている

小銃擲弾用照準尺および飛行機迎撃用対空照準尺付き
銃剣は標準装備
銃は短くなったが白兵戦闘の有効性はいささかも衰えていない
コンバットナイフ、というよりナタを別に装備「蜥蜴刀」と俗に言う
見た目固そうだが
手足の脚絆手甲は
布に硬い塗料を塗っただけ
甲冑部はクジラのヒゲに似た「タコ骨」と呼ばれる樹脂をフレームに
絹のキルトとコニャク(ゴム)を木綿の布で覆っただけ
防弾は最初から考慮
されていない
タンガラムは 夏は蒸すから通気性を重視





元は中世の下級兵士用の藤甲を進化させたもの
投石避けだった
笠状ヘルメットは爆風で煽られると
脱落して首を傷めない工夫がされている
破片避けであるから銃弾には対応しないが、姿勢を低く伏せていれば
避弾経始で結構保つ
タンガラムの伝統では盾を胸に吊るす習慣があるので
兵士によってはヘルメットを吊る
すが防弾上は意味が無い
通気性の為に首部分が
開けているのは欠点と
言えよう
軽機関銃は拳銃弾を用いるが強装弾なために反動が大きく扱い難い
銃自体が大きく専門銃手を必要とするので
コストパフォマンス上からも威力も高めにした
小銃弾と違い十分な厚さの鋼鉄板で防ぐ事が可能
下の図は鋼鉄板と紙をコニャクで張り合わせた
防盾を胸に吊るしたもの
  主に警察用
なお拳銃弾を用いる自動拳銃、短機関銃の実用化は成功している
しかし大型化して携帯に不便で
限られた状況でしか使われない
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