十二神方台系タンガラムの度量衡

タンガラムにおいて各種物理量の単位はまず長さ「杖」を基本とする

1杖=70センチくらい (正確には70.285以下略センチメートル)
この長さがどうやって決められたかというと
すでに5000年も昔になる古代タコ王国時代の建国者
初代聖女王ッタ・コップの身長が2杖であった
との伝説からだ
ッタ・コップは当時としても背の低い女性であったとされ
おおむね140センチ程度と思われる
「背の低い女性の身長」が基準であるから
時代によってあまり変わる事がなかったが
現在は栄養事情が格段に向上して、145センチくらいを背が低いと呼ぶ

それはともかく2杖=140センチが基準であるから、1杖=70センチ

3杖=210センチを1柱と呼ぶ 高さ深さの単位
大人の男性が手を上に伸ばした長さ、とされる
だが後に1杖の単位との整合性を考えたのだろう
建築物は柱を単位として作られる

敷地面積の表記は、12杖正方を面と呼ぶ
3杖=1柱であるから、1面=4柱平方=1屋とも呼ぶ 
家屋が建っている部分を屋で、庭を面で表記する
農地の場合 2面=1畑 12畑=1耕、耕面とも呼ぶ

また 1杖=1歩と見做される
片足を1歩踏み出した長さで距離の単位
もちろん個人によって変わるのだが
「ッタ・コップが歩いた長さ」というまことしやかな由来が伝えられる
がたぶんこれはウソ 1杖=1歩が便利よかった為だろう

1000歩が1町あるいは1邑 
村作りや町の区画は1000歩を基準として設計される
広さも町・邑で表す 1辺1町の土地の広さが1町
日本語的に表記すれば町歩
(翻訳の問題になるが、どちらにしろタンガラムでは漢字は使ってない)

ちなみに千歩の時は12進法ではなく10進法 10の3乗だ
これは昔からの慣習で10、100、1000、10000がちゃんと使われている
タンガラムでは古来より、12*2+1というもののまとめ方があった為に
自然と10進法が導入されたのではないかと考えられている
たとえば重要な食料・交易品とされた塩ゲルタが1包み=25枚だ
この場合、残り1枚はおまけ、もしくは破損分の予備とされる
モノの数が1000を超えた場合は12進法は使わないと思ってもらいたい

1000√2歩=1里 道程を表す距離の単位
つまり方形の村や町の区画の対角線、最長辺の長さ
何故歩や町を使わないかと言えば道は曲がりくねっているから
1町歩の広さの土地を横断しても、1000歩で済むわけがない
妙なところでげんじつてきである
計算式上では70.285×1000×1.41421356=99398.以下略センチメートル
おおむね1キロだ 1里≒1キロメートル と考えて欲しい

タンガラムの大地は正方形に似ており、俗に方千里と呼ばれる
が、実際に計測するともう少し長い

10里で郷、100里で邦と呼ぶ 
10キロメートル離れたら別の地方、100キロメートル離れたら別の国という感覚
ただし現在では最長の長さの単位は「里」である

軍用で「邦里」という単位が用いられるが、これは1部隊の守備範囲を表す
歩兵が1昼夜強行軍してカバーできる距離で、道路の整備状況で異なるから面積では表さない
また広い海上での距離の単位である

面積では里は使わないのだが、町歩とは長さの単位が異なるから換算が面倒
そこで里歩という単位が作られた 1里歩=1里正方=(1000√2歩)の2乗=2町歩
10里正方の面積を1郷歩=200町歩
100里正方の面積を1邦歩もしくは「邦領」と呼ぶ

1000歩=1000杖=1町(邑)=700.285メートル
1里=√2町=993.98メートル
1邦=10郷=100里≒100キロメートル

 

(高さの単位)

ある時、三角測量が社会的ブームになって山の高さを測ろうという機運が高まった
だが山の高さをどのような単位で測るべきか、が議論となる
本来高さであれば「柱」を使うべきだが、山はもちろん柱では出来ていない
木の高さなら柱で十分なのだが、山は「杖」で測るか「歩」で測るべきかで
人死が出るほどの論争となった
もちろん「杖」と「歩」は同じ長さである

結論としては「柱」を使うべきであるが、騒乱を避けて新しい単位を作る事となる
そこで木材を測るのに使っていた「縄」を単位とした
1縄=5柱=15杖=10.5メートル である

測量の結果、タンガラムの最高峰は1735メートルであると判明した
思ったほど高くなくて皆がっかりした

現在では3縄=31.5メートル以上の建物を「高層建築」と呼ぶ

(短い方の単位)

基本的には1杖が単位であるから、3分の1杖、5分の1杖などを用いる
呼び方は三分杖、五分杖など 最小は10分杖まで
現代創始歴6200年代では10進法を使うので10分の1まで
十分杖=7センチである
3分の2杖 などの中途半端な長さの場合は2三分杖という変な呼び方になるが
”三分杖””五分杖”という単語がある、と考えてもらいたい

1指=1.5センチメートル=15ミリ
1指は単純に人差し指の幅である これも個人差があるがだいたいそんなもの
指の単位は4指までと決まっている 4指=6センチメートル
4指+小指=7センチメートル=十分杖  という換算だ
つまり 1小指=1センチメートルとなるがこの場合「短指」と呼ぶ

指は太さの単位でもある つまり管の直径を表す
特に銃口の幅 弾丸の太さを表すのに使われる
1指は人差し指を突っ込んで入る太さの管
口径15ミリの旧式鉄矢弾銃は「一指銃」と呼ばれた
現在ライフル銃の7.5ミリ銃弾を使うものは「半指銃」と呼ばれる

20ミリ鉄矢弾銃は「二短指弾・銃」もしくは「一指新銃」と呼ばれる
   それだけ旧鉄矢弾銃が大きな影響力とネームを持っていたわけだ
狙撃砲30ミリ弾は「二指弾」、60ミリ迫撃砲弾は「四指弾」
40ミリ擲弾は「三指短弾」 つまり2指+1短指=40ミリ
70ミリ機動歩兵砲は「十分砲・弾」と呼ばれる

最新式の6.5ミリ銃弾を用いるライフル銃は「短指銃」とされるが
これは全長が短いカービン銃スタイルであるところから来た
弾自体は「四三弾」と呼ばれる 「口径0.43指」という意味
旧ライフル銃10ミリ口径も同じく「短指銃」と呼ばれたが、
主力である旧鉄矢弾銃に劣るという少し侮蔑的な響きがあった
通常は「旋転銃」と呼ぶ

 

1指の10分の1 つまり 1.5ミリ=1爪と呼ぶ
はずだったが
1杖70センチの100分の1=7.0ミリを1爪と呼ぶように定まった
公式には 杖→爪 の間に単位は無く
指は慣習上用いる非公式な単位とされる
1指=14ミリ にしようとする運動もあるが根強い反対が有り実現していない
むしろ十分杖=7センチを「握」という単位にしようとする動きがある
握り拳の底辺の長さである

爪の100分の1は「毛」
ただし日常の現場では「爪」が最小単位とされている

1杖=100爪=10000毛=70.285センチメートル

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