ご主人さまとわたし 設定 第7夜

 

 

【統則最前線仕切り直しの仕切り直しの仕切り直し、今度こそいけそうの巻】2007/02/26

まゆ子「さて統則最前線だ。一応は進んでいるんだけど相変わらず頓挫している。進んで行くことは出来るけど、そこに確信が持てないってとこだね。」
釈「つまり、げばおとと違って迷いがあるんですね。なにでしょうか。」

じゅえる「構造上の欠陥、だろ。能登子さんを主人公に置いた事で男が物語に関与出来なくなったんだ。女ばかりの物語に、一般性を附与するのは非常に難しい。かと言って。」
釈「象徴的に男性を社会の支配層とか規範の権化、のように書くのはうちの流儀に反しますからね。どうしましょう。」
まゆ子「そうなんだ。おとこを描かねばならないというのは嫌と言うほど分かっている。分かっているが故のげばおとだ。佳い女を書く為には、好い男が必要なんだ。」

じゅえる「ここからリカバリーは出来ないよ。どうするね、物語を根本的に見直しましょうか。」
釈「もっと警察機構とかの仕組みを調査して、リアリティを増した方がやりやすいかと思いますが、それは嫌なんですか?」

まゆ子「統則ロボット隊は、というか、そういうガチガチに煮詰めたような物語は今の人はもう飽きているんじゃないか、と思うんだ。ゆるゆるのぐらぐらの設定で突っ込みどころ満載、しかしじゃあ具体的にどうすればいいかと考え出すと、これでいいんじゃないか、と思ってしまう。そう言うのを目指しているんだ。第一50年後の物語社会だよ、どう変わっているかなんて誰にも見当つかないし、今現在でリアルに感じられるという想像図は徹底的に外れるものと相場は決まっているんだ。この現実は納得する人は少ないけどね。」
じゅえる「今から50年後かあ、50年前を考えると想像すらできないね。」
釈「その前の50年からも、つまり100年前から50年前を予測する、てのはもう、あり得ないてものです。たしかにリアルな予想はリアリティに欠けると思います。」

まゆ子「だからこその統則最前線なんだけど、ねえ。なにが悪いと思う?」

じゅえる「・・・いっそのこと、警察から飛び出してしまった方が良くないかい? 民間警備会社で働くとか、統則ロボットサービスとか?」

釈「ぽん! それで行きましょう。能登子さんの突出した存在は警察という枠組みには狭過ぎるんです、なにせ蛸の女王ですから。」
まゆ子「・・・・一考の価値はあるな。確かに能登子さんのポジションがおかしい、とは前から気付いてはいたけれど、その反面統則ロボットという強力なアイテムをどうやって使うかを考えると、公的機関以外にはありえないと思ってしまうのだよ。」
じゅえる「民間でありながら公的サービスを行う、ほら去年解禁になった駐車違反取締まり員てのみたいにはならないかなあ。」
釈「そうですよ、民間の小さな会社というのであれば、女の子だらけでも大丈夫ではありませんか。」

まゆ子「まるっきり民間、というのもおかしいか。・・・舞台は廣嶋中核市というのを動かさないとして、中四国州知事というのが居て、その直属の警備組織いや半軍事組織というのはどうだろう。警察とは別の機構で動く。」
じゅえる「そりゃ警察とは軋轢を生じるでしょう。えーと、ちょっと待ってね。知事直属というのは悪くない、非常事態対策室みたいなところがあって、いやそうね戦争後なんだから、州行政治安対策室という独自の対テロセクションが有って、警察とは連動して動いているんだけど警察とは別の観点から、というか国軍も動いているんだけど。」
釈「むしろ消防ですよ。消防署が拡充して非常事態対策室という所が消防と救命セクションを預かっていて、そこに外部の関連団体として統則ロボットサービスというのがあるんです。」
まゆ子「武器は使えないね。」
じゅえる「使える。事実上知事権限で動くSWATなんだ。つまり、テロが進行する事によって武器無しでは救命活動も出来ない事態が発生しているんだよ。」

まゆ子「しかしそれにしても統則ロボットはオーバースペックだよ。」
釈「いっそのこと、州軍というか郷土防衛隊というのでも作りますか。」

まゆ子「いやそれはさすがに。・・・うーんとですねえ、じゃあむしろ、ロボット軍というかロボット派遣業界というのがありまして、もちろん軍用統則ロボットを専門に扱うんですが、その為の全国組織というのがありまして、そこから各州や警察消防に派遣で行ってるんですよ。何故かというと統則ロボットの操作があまりにも複雑で要員の確保が難しく、しかし需要は非常に大きくて統則オペレーターの集中的管理が必要、という事態になってまして、」
じゅえる「そうか、軍、警察、消防、海保とかとは独立した公的な組織として統則ロボット隊というのがあるんだ。」
釈「です。」

まゆ子「ふーむ、それだとかなり説得力が増すな。中核市と呼ばれるところに居るにしては組織が小さ過ぎる、とは感じて居たんだ。全国組織の出張所と考えれば、適正規模だ。

 じゃ、ひつようなのは名前、だ。統則ロボット隊というのではダメだ。もっと世間様が納得する硬派な名前が必要だ。」
釈「内国保安室、というのはどうでしょう。」
じゅえる「ぱあーん!(ハリセン突っ込み)」

まゆ子「統則ロボットサービス、でいいんだけどさあ、もうちょっとね。」

じゅえる「管轄はどこ? 防衛省? 内閣府? 経産省? 文科省?」
まゆ子「内閣府、総理大臣直属の非常事態対策先進化室、て感じかな。アメリカのフィーマてのが非常事態対策室だっけ? アレのようなものだ。」
じゅえる「もうちょっと変えて、非常事態対策庁・恒常化非常事態対策先進化局、てのだな。地球温暖化で災害とかが日常化して現代にこそ必要なものだ。」
釈「大分良くなりましたか。では非常事態対策庁・恒常化非常事態計画局・遠隔操作ロボットサービス室・統則ロボット隊、てのですよ。」
じゅえる「長い!」
釈「尤もです。先進化ロボットサービス室、で上等です。」

まゆ子「ちょいまち、地球温暖化で海面が上昇し海岸線が縮小してるんだ。この場合、対策は省単位でやってるはず。国土保全省・恒常化非常事態計画局・先進ロボットサービス機構・統則ロボット隊、でいきましょう。ちなみに環境庁も国土保全省に入ってる。」

じゅえる「軍でも警察でも海上保安官でも無い、ロボット操作官だね。語呂が悪いか。」
釈「警察に間借りしている、という設定でいいですか?」

まゆ子「うーん、そうだね。能登子さんの部所はそういう事にしよう。ちなみに、大型二足歩行ロボットを扱っている部所もあるとすると、個人的に嬉しい。」
じゅえる「特異的高機動ロボット隊、というのにするかね。二足歩行と言っても、使いどころが無いと困るんだよね。」
釈「歩行だと、大して動けないでしょう。」
まゆ子「ジェットエンジン搭載で、飛ぶ! 心配要らない!」
じゅえる「飛ぶのかい。」
まゆ子「ガスタービンエンジン搭載、なんだけど浮上ロータリーバーナーというのも持っている。つまり、洪水の時に使う救援機械で、足が細くて長いので、河底に確実に着底するようにスライド式で脚が伸びるんだよ。また激しい水の流れの中でも移動可能な特殊な水上推進機構を持っている。」
釈「でも水圧で流されないんですか?」
まゆ子「それを流れないようにしたところに意味がある。土砂や材木とかが流れ込む河を遡上できるという、とんでもない能力をもっているんだ。というか、普通は浮上能力で飛んで行って脚を突っ込んで着底するんだけどね。」
じゅえる「戦闘は?」
まゆ子「なんの為に?」
じゅえる「まあ、そうなんだけどね。」

まゆ子「まあ、そうだね。そうすると、つまり能登子さんは所属が変わる事によって、非常にすっきりした身分になるんだ。そうかそうか。」

釈「最初から、警察官なんて設定やめとけばよかったんですよ。どうして警察になっちゃったんですか。」
まゆ子「パトレイバーに引きずられた。」
じゅえる「ぱくり?」
まゆ子「攻殻機動隊にも引きずられた。」
釈「ミックスパクリ、ですか。」

じゅえる「ミックスしちゃえばそれはもうパクリとは異なるんだよ。しかし、・・・そうね、警察でも軍隊でも無い、というのはかなり自由度が高いな。」
釈「でも、武器使用はどうなんですか、やっぱり使い続けますか。」
まゆ子「武器が無ければ統則ロボットじゃない。」
じゅえる「だよね。」

まゆ子「というわけで、能登子さんは警察に間借りする。嫌われてもしかたがないくらいに大活躍してしまうのだよさ。」
じゅえる「ロボット操作官でも特別な、兵装運用免許を持っているんだよ。統則武操官だ。」

釈「では、ロボットという名前も、輅僕徒てしますか。」
じゅえる「そりゃいくらなんでも無茶がある。ロボットはろぼっとでいいよ。」
まゆ子「わたしなら、漢字自体を作るね。「鬼」て字から中の十を抜いたような字にする。「’Я」てなかんじで「ろぼ」と読む。」
じゅえる「統則Я操官だ。」

まゆ子「РОБОТロシア語ではこれがロボットつまりP字が英語のRであって、Яはヤーと読むんだがね。」

*

まゆ子「とまあ、そういう事で。では相当書き直す事になるね。」
じゅえる「どうせこのままじゃあ使えないんだから、しゃあない。」

釈「でも使える所は使いましょう。で、具体的には警察関係の描写をそっくり入れ変えるわけですから、・・・そうですねえ、却って客観的に警察を描写できますか。」

じゅえる「割と小規模な組織に改編できるわけだ。能登子さんをリーダーにしてもいいんじゃない?」
まゆ子「そうだねえ、出張所という程度であれば、それがいいかもしれない。まあ、教官という線を外すのはなんなんだけど。」
釈「それは逆に、警察から依頼されている、という事にすればいいんじゃないですか。機動隊の統則ロボット隊の教官としてもやっている、と。」
じゅえる「かなりマシかな、それが。」

まゆ子「無難過ぎてちょと躊躇するかな。しかしそうやって能登子さんの活動範囲と自由度を拡げて行くと、・・・志穂美センセイの出番が無くなるような。」
じゅえる「無くせばいいじゃん。」
釈「たぶん、この枠組みなら無しでもいけますよ、絶対。」

まゆ子「でも電気招き猫は出したい!」
じゅえる「あー、それはそうだろうともさ。しゃくぅー、なんかない?」

釈「あります。二本書けばいいのです。片っぽはヒドゥンストーリーです。」
まゆ子「発表しない裏設定小説?」
釈「発表はどっちにしろでぽでやればいいんです。」
じゅえる「・・・そうか、表で使えるのが統則最前線で、裏ででぽにのみ掲載されるのが、志穂美バージョン。げばおとにおけるウエンディズの役割をするんだね。」
釈「そういうものになります。」

まゆ子「てことはー、物語中に急に説明ナシで飛び込んで来る事物や人物があるんだ。」

釈「だめですか?」
まゆ子「いや、大いに結構。そうか、なにも馬鹿正直に謎のるぴかちゃんを描く必要も無いか。」
じゅえる「謎のるぴかちゃんは、志穂美センセイがなんとかすればいいんだ。」
まゆ子「そかそか。何の説明も無しに小学校に呼び出されて、初対面の人物に説教される、ということになるんだ。うーん、読者を突き放す事バンジージャンプのごとし。」

じゅえる「必然として、円条寺蓮も出て来ない。」
釈「出るけど、何をしている人か、こちらでは皆目見当がつかない。つかなくても物語は進むし、現実も全ての情報が開示されているわけじゃあないんだから、当然のように謎はなぞのまま進む。いいんじゃないですかね、尺も短くなって。」

じゅえる「250で収めたい!」
まゆ子「うん!」

釈「30枚8回、ですか。より現実的には、7回とエピローグ、ですか。」
じゅえる「こうなりゃヤケだ。6回に、活躍回付きのエピローグ、つまりエピローグが50枚、普通回が32枚くらい。」
まゆ子「かなり絞り込むな。」
じゅえる「絞り込みなさい。際限無く膨脹するのはげばおとだけで十分だ。」

まゆ子「分かった。じゃあ、

 1) 統則ロボット隊の紹介
 2) 背景説明と能登子の娘るぴか
 3) 戦後日本社会における戦争の影響と、統則ロボット
 4) 敵の暗躍
 5) 大規模犯罪の発生と為すことなく敗退する警察組織
 6) 統則ロボット隊の出動、敵の姿を追う
 7) 大活躍と大団円、しかしその裏には統則ロボット隊と能登子を見つめる眼が。
てなもんだ。」

じゅえる「それだけじゃダメだよ。裏ストーリーも同時に描かなきゃ。」

まゆ子「そりゃそうだ。

 1) 志穂美センセイ、大地に立つ
 2) 志穂美センセイ、能登子について調査をすると、得体の知れない影を発見する
 3) アヤシイ女、円条寺蓮、能登子に接触
 4) 電気招き猫の増殖
 5) 大規模犯罪の影の姿と、黒幕の動き。
 6) 志穂美センセイ、円条寺蓮を追い詰める
 7) 円条寺蓮の独演会。次から次に明かされる謎また謎、そして逃げる。

釈「なにがなんだか分かりませんね。」
まゆ子「だろうね。書いてる本人がわからないんだもん。」

じゅえる「えーと、この大規模犯罪、てのはまずは難民居留区から始まる、計画どおりの奴なんだ。」
まゆ子「そう想定しているけど、しかしそもそもがなにをするか、はまだほとんど決まってなかったな。これを先に決めると、暗躍する影の姿も定まるでしょう。」

じゅえる「難民が暴動を起す、というのはいかにも頭の悪い話だ。暴動は常に起きている、国内民族主義グループの反発もある。組織的窃盗団? テログループ?」
釈「そのどれでもない、というのがよろしいかと思われます。」

まゆ子「ヤクザせんそー!」
じゅえる「うむ。それだ。」
釈「ただそれは面白みに欠けます。中華連邦からやってきた特殊部隊がヤクザ戦争に協力して、というのはいかがでしょう。」
まゆ子「安直過ぎ。」
釈「しょぼん。」

じゅえる「円条寺さんはファンタジー世界の人間ですよ。そこんところから、なにか無い?」
まゆ子「ニッポンジンに火を点ける、て感じの騒動がいいんだが、ウヨク国粋的になると発表に困る。」

じゅえる「戦争絡みがいいよ。中国分裂の際の戦犯にあたるような人物の所在が廣嶋圏内に居るという極秘情報が漏れて、難民居住区から刺客が多数出動した、というのが流れて、警察機構が全力を挙げて阻止しようとするも、突破されてしまうんだ。」
まゆ子「ヤクザもそこで出すか。その隙に中国系マフィアが勢力を拡大する、とかの噂で市中が臨戦体勢に突入する。実際銃撃戦も起る。収拾の目処が立たない中、その極秘の人物の所在について統則ロボット隊が探るのだよ。」

釈「かなりの大物ですね。本来は死んでいると思われた人ですよ。」
じゅえる「だが実際、ほんとうにその人物は死んで居た。が、彼と思われる形跡が確かに市内圏内各所で観測される、何故? てところだ。」
まゆ子「デッドマンウオーキング、てのだな。」

じゅえる「円条寺さんの返魂の術だ。」
釈「それをかなりスマートな形で実現する、ということです。」

*

まゆ子「どんどんいくぞー。

 で、ここまで来たからにはガチガチに固めた方がよいと判断する。げばおとはがちがちに固まっていて、うまく行っているからその轍に倣う。」
じゅえる「ま、成功例に習うのは当然ですが、普段はなんでしないんだよ。」
まゆ子「困難が大好き!」
釈「・・・・偉い!」

まゆ子「どんどんいくぞー。

 で、第一話から飛ばして行く方が良いと判断する。最初から戦車でいこう。つまり、今書いている章を第一章として、さくっとね。」
じゅえる「戦車の話はもうあらかた書けてるんだ。」
まゆ子「解決編が無いけれど、なんとかする。しかし、そういう構成であればさくっといくか。そもそもが戦車の登場は漫画企画段階での第一話だもんね。しっくりいく。」
釈「最初から衝撃的デビューを狙って居たんですね。」
じゅえる「戦車は、じゃあほとんど手を出す必要が無い?」

まゆ子「うん書ける。むしろ第二話だな。第二話は、えーと背景説明とるぴか、だ。」
釈「そのまんま、現在存在する志穂美センセイの呼び出しに応じた方がよろしいでしょう。」
じゅえる「そう思うね。ただ、警察官で無くなったからには、台詞もかなり変更されるかな。」

まゆ子「ここで、能登子さんに男を作ろうかと思う。恋愛話は無いと、困るらしいから。」
じゅえる「ま、セオリーだから。どうするね。」
釈「ヤクザにしましょう。」
まゆ子「それは勘弁。お医者さんとかにするかな、統則マイクロ医学の。」
じゅえる「年下がいい。」
釈「4つくらい下がいいですね。」
まゆ子「うーむ、それはー、エロイじゃないか。」
じゅえる「しかしこれは曲者だね。能登子の体内に投与された統則マイクロマシンの効果で肉体が変化して行くのを、リサーチしてるんだ。」
釈「ベッドの上で、ですね。」
まゆ子「うーむ、それは第二巻のネタだな。分かった。ではホテルに行くことにする。」

じゅえる「るぴか、の存在はどうするかな。ここで怪しい子供、て感じにするか。」
釈「得体のしれない女の人に、電動招き猫をもらった、とかにしましょう。もちろん円条寺さんです。」
じゅえる「こどものくせにデートに行くとかいいやがるんだ、こいつ。しかも、女だよ。」
まゆ子「ろりれずか、凄い小学生だな。」

釈「第三話です。戦後日本社会における戦争の影響と、統則ロボット、となっていますが、廣嶋中核市における統則ロボット隊の陣容の説明ですね。桑田さんが出て来ます。」
まゆ子「桑田さん、というのは統則ロボット機動隊の教官兼主任整備官です。AI関係のね。だがこの人も、当然役割が変更されて居ますから、出張所のメンバーになりますよ。うん、かなり自然な感じで能登子さんの同僚になる。」
じゅえる「出そうにも出せなかったもんね、このひと。このひとを出せないから、ストーリーが閉塞していたんだよ。なにせ、この人は男との接点が多い。公私共にね。」
まゆ子「新婚さんだもん。」
釈「じゃあ、普通にこの人と会話していると、なんとか説明がつくわけですよ。で、その半分をなにか悪巧みに。」

まゆ子「いや、どろっぷを半分の主人公にしよう。鑑識に行ってるんだ、死体の。で統則ロボット隊の別の側面を抉り出す。警察の刑事との間で捜査に関してのやりとりとかがあって、現在社会の状況の説明が入るわけですよ。必ずしも事件が解決しなくてもよいが、今後の事件におけるヒントみたいなものを必ず提示すること。特に死に方とかは、要注目だな。」

じゅえる「第4話、敵の暗躍、てなんだよ。まるで情報が無い。」
釈「どうしますか、第三の視点を投入しますか。」
まゆ子「潔くないなあ。統則ロボット隊は茅の外、という感じでマスコミを中心に事件の内圧が高まって行く、という風にするか。ここで、海上ロボット隊とかも出て来るといいか。」
じゅえる「そうだね。美鳥が出るんだったっけ。統則ロボットの海上警備における活動としても、一応の描写が無いとね。で、大量の武器を押収したりするんだ。」

釈「ついでに、能登子さんを病院送りにしましょう。定期メンテナンスで、でその恋人の男というのがまた登場です。」
じゅえる「能登子の病院についての設定はほとんど無いよね。ただの病院じゃないんだよね。」
まゆ子「ピルマル理科工業に連なる特殊な医療マイクロデバイスの研究センター、だよ。そうだね、廣嶋を出よう。ちょっと大阪方面にメンテで出かけているんだ。」
じゅえる「そうだね、廣嶋中核市を外から見る視点も必要だ。ついでに、なにかこれから起きる事件についてのネタを調べて来るといい。」

釈「ここで円条寺さんですよ。」
まゆ子「ここで出すか。どういう風に?」
釈「怪しい創作インド料理屋で出くわした、というのはどうです。」
じゅえる「すなおにウナギ屋でも行きなさい。関西だとマムシ屋か。」
まゆ子「向こうから寄って来るわけだよね。で、ここで何を目的としますかね、円条寺さんは。」
じゅえる「マイクロマシン、というのに。・・いやーちょっと違うな。ここで、二話に出た志穂美センセイの話を彷彿とさせる話を始めるんだ。で、能登子もおや?と思う。で、その示唆がこれから起る事件の予告にもなっていたりするのだよ。」
釈「で、そのウナギ屋でテレビを見ると、廣嶋中核市においてなにやら異変が起きた、というニュース映像が出て、ステイチューンです。」

じゅえる「ふむ。では、その反魂の術についてのお話とかね。マイクロマシーンによって不死になるという話、とかですよ。」
まゆ子「ふむ、じゃあ能登子の体調にも僅かばかりに異変を起しておくか。えーと、第三話の時点で、能登子の体内のマイクロマシーンがバグを起す、とかの描写を入れておくべきだね。」
じゅえる「ものすごーく間抜けなのがいい。単純なコントローラーの操作ミスで、どろーんと卒倒するとかね。」
まゆ子「御奇態に応えましょう。」

釈「で、ついに事件が勃発するわけですよ。第五話です。」
まゆ子「今回統則ロボット隊はおやすみでーす。というか、警察頑張ってます。が、泥沼化。統則ロボット隊は待機命令が出ています。だから暇!」
じゅえる「典子とどろっぷが暇を持て余している、という描写で、テレビやマスコミインターネット等々とさまざまなチャンネルから情報が次々に入って行く、というのをドライブ感覚溢れる描写でなんとかしましょう。」

釈「ここにも男を一人、どっかから調達しましょう。整備のひととか、刑事とか、ですかね。」
まゆ子「そういう極めて当たり前のは、なんだな。」
じゅえる「もっと突拍子の無いのがいいな。統則ロボットメーカーの営業の人、とか。」
釈「でもその人もピルマル理科工業でしょう。いいのかな?」

まゆ子「ピルマル理科工業についても、なんか描いとくか。ついでに、能登子さんにお弁当とか着替えとかを届けにるぴかちゃんがやってくる。」
じゅえる「ふむ、ではここで典子とどろっぷとその男が、るぴかちゃんの身の上話を聞くとかですよ。これは受ける。」
まゆ子「まあ、おもしろいか。」
釈「当の能登子さんは、待機命令中でもなにかと折衝で忙しいのです。出て来ない。」
まゆ子「ふむ。」
じゅえる「ふむ。」

まゆ子「で、第六話、第七話エピローグは、書けないな、きまってないもん。」
じゅえる「ここはまた別口で。という感じかな。」
釈「こんなもんでしょう。」

*

まゆ子「じゃ、次行こう。裏統則だ。志穂美先生大活躍のはなしね。」
釈「しかしこれはまた、大問題ですね。」

じゅえる「視点を絞ろう。こちらの話は主人公は誰だ、志穂美か?円条寺か? それとも中国マフィア系のにんげんか。そこがはっきりしていないと話が進めない。」
まゆ子「志穂美センセイを主人公とするのは容易い。だが、それで物語の中核に斬り込めるかというと、なんだな。ちなみに衆議院議員蒲生弥生も出て来るぞ。」
釈「正義の味方蒲生弥生きゃぷてんの命令で志穂美センセイが動き、悪の女魔導師円条寺蓮と対決する、てのが良いかと。」
まゆ子「その接点として、土器るぴかが居るんだよ。」

じゅえる「では、魔性の小学生土器るぴか、を巡って三つの勢力が対決する、という話にしますか。」
釈「三つというのは? 一つは志穂美センセイの正義の味方サイドですね。二つめは円条寺蓮の魔導師サイドです。国家権力系ですね。で、」
じゅえる「ピルマル理科工業かな?」

まゆ子「ファンタジーっぽいのがよろしいが、どうするかな。謎のピルマル教徒ということにするか。」
釈「ゲキです!」
じゅえる「うむ。」
まゆ子「ゲキかあ。なるほど、ゲキと呼ばれる古代文明の遺産を巡って暗躍する秘密結社が居るんです。・・・ちょっとあれだな。」

釈「ゲキはだめですか。うーん、そうですねえ、じゃあ世界の歴史に干渉しようとする勢力が、中国崩壊に一助を為して、またなにか陰謀を巡らせているということですか。」
じゅえる「月並みだなあ。宗教勢力というのもなんだし、そうだねえ。ゲキ信者というのがいいか。」
まゆ子「なんだそれは。」
釈「ゲキを信仰の対象として人類の歴史に干渉しようとする秘密結社ですよ。・・・あれですねえ。」

じゅえる「ゲキは放棄! ピルマル細胞も放棄! さて。」
まゆ子「では統則マイクロマシン関連でやはりピルマル理科工業を持って来るしかないな。しかし50年後の話だ、いまの企業のような形態の企業があるとも思えんね。」

じゅえる「ファンドかな。あ、いや、そうだ。世界は地球温暖化で滅亡し掛かってるんだ。これはファンドと言っても秘密結社ファンドという形で、彼らの望む世界に国際情勢を作り替えようとする勢力だな。」
釈「それは世界中至る所に同じようなものがある、と考えるべきでしょう。一つではないし、日本においても一つだけではない。」

まゆ子「大分敵が見えた。円条寺さんとこの勢力は中心に古来からの日本の中心政界があるその勢力なんだ。
 志穂美センセイはそういう動きとは別に世界人類を救おうとするエンジェル道に基づく弥生ちゃんの政治運動だね。
 で、第三勢力が。」
じゅえる「地球支配を行おうとする世界レベルのファンドだね。しかし独善ではあっても悪である必然は無いだろう。」
釈「支配によって被災者の人命は救う、てところですか。旧来の資本主義構造の維持を目的とする。」

まゆ子「それがベースにあって、それを覆そうとする新世界秩序の構築を企てる一派「ゲキがあるんだよ。中心人物は謎の印度人シャクティ。」
釈「おお!」

じゅえる「だいたいわかった! その新世界秩序を巡ってさまざまな運動が起るんだ。で、その中心となるのが、謎の小学生土器るぴか。」
釈「ここで、ゲキの遺伝子を持つ者、としてるぴかちゃんが厳重な監視に置かれているんです。」

まゆ子「・・・誰の子だ?」
じゅえる「あー、50年後だから孫の代だな。能登子さんがセックスした相手が物部村の誰かの子だ。男の子だね。」
まゆ子「男産みそうな奴はだれだ?」
釈「いや、それは誰でも性別関係無しに産みますが。・・・直系の物辺優子では。」
じゅえる「円条寺さんと繋がった! あいつの家は神社だから。」

まゆ子「よし決定! ゲキの因子を持つ魔性の小学生土器るぴかは、祖母譲りの怪しい性癖を持っているんだ、内緒だけどね。」
じゅえる「話の展開上、この話でのミスシャクティはかなり年配である方が良い。70才くらいで、でも若く見えると。」
まゆ子「つまりは今のシャクティがそのまま歳取ったわけだ。」
釈「え? じゃあつまり、私がそのまま出るわけですか?」

まゆ子「ついでに、彼女の強い推薦で一人の少年がクローズアップされているんだよ。それが、ヘクトール・パスカルだ。るぴかと対を為す存在として、すでに新世界秩序派の手中にある。」
じゅえる「おお! では謎の小学生が二人に!」
釈「だんだん、それっぽくなりますね。では、シノアとヘルマイネの二体のロボも出しますか、もう。」
まゆ子「そうだね。でも機能はまだ限定的だ、この時代ではね。」
じゅえる「大分いい感じになってきた。だが、それははなしが大き過ぎるから、第一巻には纏めきらないぞ。」

まゆ子「そりゃそうだ、そう簡単にこじんまりと落ち着いてもらっては困る。えーと、では1巻にはヘクトール・パスカルの登場は無し。ミスシャクティもほとんど無し。彼女の代理となる円条寺さんの好敵手となる渋いおっちゃん、がでるべきだ。」
釈「あれですね、巌窟王のモンテクリスト伯ですよエドモンダンテスです。」
じゅえる「計画通り、だな。」
まゆ子「だ。」
釈「では今回の第一巻の黒幕、というかデッドマンウオークは、彼ということで。」
じゅえる「反対する理由は無い。」
まゆ子「うむ、ただ中国人であるべきか、は考える余地がある。むしろ、彼の支援によりその人物が中国崩壊に導いた、というのがよろしいかな。」

じゅえる「ふーむ、一応は死んでいるわけだから、そうだな。彼の影が出るのがいい。しかし彼とは、何者だ?」
釈「ゲキと対を為す者だから、ウェゲでしょう。」
まゆ子「そういうものかな。古代英雄人種の末裔ということで、つまりはゲキの恒星間文明人再生計画のプロトタイプ、と考えるべきでしょう。そこんとこの詳しい設定は非公開にして、ともかく彼は古代英雄人種の末裔であり、故に円条寺さんも追っかけるわけだ。」
じゅえる「つまり、古代英雄人種の裔というのは、エドモンとヘクトールの二人居るわけだ。というか二人しか確認されていない。」
まゆ子「うん。で、エドモンの方は世界支配ファンドクランの支配から脱出して、独自に単独で動いている。失われた王国を流離っている、と言う感じね。」

じゅえる「円条寺さんは、彼を自分の側に取り込もうと考える。あわよくば自分でその子を生もうとする。・・・この設定はいいかな?」
釈「問題ないと思います。円条寺さんは彼の子供が欲しい。」
じゅえる「だからこそ、捕獲する為の電気招き猫システムを廣嶋中核市に建設した。何故広島市かといえば、るぴかが居るから、だね。ゲキの因子を持つ者に、必ず彼は引っ掛かる。」

釈「となると、るぴかちゃんの父親も、その対象になるのでは」
まゆ子「当然なる。・・・ここんとこは、つまりは太平洋諸島戦争によって未帰還兵となっている事にしよう。後で出て来る事もあるだろう。」
釈「了解です。」

じゅえる「ふーむ、かなり大袈裟になったけれど、でもこれを直で書くと妄想でしかないなあ。」

まゆ子「だからこそ、志穂美センセイです。彼女にはそいう詳しい所はまったく分からない、分からないけれど、全力で動くし、るぴかちゃんを無条件で守る。」
釈「はい。ではやはり、主人公は志穂美先生でいいですね。」
じゅえる「針の穴から天を覗くような話だけど、うん。」

まゆ子「了解です。ただ能登子さんもちゃんとした役割をもって現われるようにしないとね。」
じゅえる「ピルマル理科工業からの筋で、出て来るようにするべきですが、ピルマル理科工業はどこの筋?」
まゆ子「あー、新世界秩序派、だな。」

*

まゆ子「さて、ではその死んだはずの人間について考えよう。

 彼は中国人であり、中国崩壊の一因を為しており、一般大衆レベルでは最大の戦犯扱いされている人物です。こういう人間は、早い話が生贄スケープゴートだね。事件が起きる前まではすばらしい人気と人望、実績があったものです。」
じゅえる「まさに英雄だったわけだ。となると、彼は中華民族の星であった事になる。国家元首かな?」

釈「その前に、中華人民共和国崩壊の過程をを示さなければなりません。えーと、現在が2054年、終戦が2045年。開戦が2041年。」
まゆ子「ちょうど100年後に設定してある。」
じゅえる「中国崩壊によって難民が武装して太平洋に拡散したのが、太平洋諸島戦争だから、中国崩壊は41年より前、て事だね。」

まゆ子「地球温暖化で海面上昇というのは、その10年前にはもう不可逆的な段階に突入しています。2030年問題、てわけですか。

 ちなみに統則ロボット第一号機が登場したのが2035年です。で、太平洋諸島戦争で本格的実戦投入されて、戦後警察用やら民間用やらに導入が検討されるようになったのが2047年。先進ロボットサービス機構が発足したのが2049年。能登子さんはその時に入隊しています。」

釈「では、中国崩壊はいつですか?」
まゆ子「2025年、ついに中国共産党の共産主義放棄宣言で始まり、2038年に内陸部で核実戦使用、で終結です。38年暮れには現在の五ヶ国連邦体勢に移行し、40年に決定的に連邦政府が分裂します。」
じゅえる「となると、その英雄が活躍するのは25年以降という事になる。エコですかい?」

まゆ子「エコですね。既に決定的な破滅状態に陥った中国大陸の環境を立て直そうとして活躍したのが、彼ですが、海面上昇による沿岸部の工業遅滞潰滅に手が回らずに場当たり的対応に終始して、2年ほどで解任。海面上昇防止対策事業に伴う大規模海岸防護工事が進められるものの、これが経済的に破綻、というか不正に継ぐ不正で最初から出来っこなかったという実態が暴露されて遂に中華人民共和国分裂、連邦制へ移行。

だが、分裂した結果、東北部を拠点とする中国共産党人民共和国は南部への対策費負担から逃れられるのと反比例して、中国南部は大混乱に陥り、遂に武力による救済要求運動に発展。一時は七つの国家に分れて内戦状態に陥ったけれど核兵器を一括して保有し続けた中国共産党人民共和国が最終的にはヘゲモニーを取り、核兵器使用による内戦の終結という凄まじい手段で正常化に成功し、5ヶ国連邦制が成り立った。

で、もはや武力による正常化は無理と判断した中国民衆はそれまでも多数存在した海外逃亡に雪崩れを打ったように殺到し、武装難民として世界中に散らばった、わけです。」

じゅえる「となると、彼は25年にはすでに最高のポストに就いているんだ。ではこの時は、50歳くらいか。」
釈「56年現在だと、81才・・・なるほど。」
まゆ子「くたばっているのにはちょうど良い年齢だね。」

じゅえる「しかし、それでは彼はその後何もしなかった?」
まゆ子「いや、つまりは海面上昇対策事業の失敗中は彼は左遷されており、分裂後に或る程度の復権を果すわけだ。分裂連邦化の時にその一つの暫定首相となり共産党政府から独立した国家運営をしたけれど理想主義的な運営の結果、武力による侵略に対応ができなくて大被害を出してクーデターにより解任されてしまう。

 その後日本に亡命したところで、飛行機事故かなんかで死亡と見られていたものの、依然として生存説が囁かれ。」
じゅえる「つまりは太平洋諸島戦争に関しては、関係無いんだ。その前に失脚している。」

釈「ですね。しかし、そうすると、エドモンが関与するのは第二政権時代ですか。」
まゆ子「スケジュール的にはそうか。この時エドモンを20代後半とすると、今40代半ばとなります。」
じゅえる「まあ、いい感じかな。で、彼は何をそいつに吹き込んだんだ?」
釈「そりゃあやっぱり、中国古来の在り方とかでナショナリズムを鼓舞するてのでしょう。」

まゆ子「いや逆じゃないかな。中国と言う広い世界においての個別主義というかバラエティというか、そういう多元主義的な価値観の復活を掲げたんだよ、たぶん。」
じゅえる「毒薬だな。」
釈「猛毒です。」

まゆ子「つまりは、もっと多様な価値観を認めて、その総体としての中国と言うわけで、環境保護エコも相互の微妙なバランスは各エレメントの健全な発達によってのみ成り立つ、トータルな底上げでしか改善しない、と説いたわけだ。」
じゅえる「そりゃあー、間に合わないでしょう。」
まゆ子「間に合わない! だが、対症療法的な対策がことごとく失敗すると同時に、汚職腐敗でさんざん食い物にされてもはや誰も環境問題に本腰を入れる事は無くなったんだ。すでにぶっ壊れているものをどうするか、という超難問に直面している時にその火中の栗を拾おうとしたのが、彼なんだ。」

釈「でも具体的な手法が無ければいけませんね。」

まゆ子「どうにもならないのに加えて、中国経済はどん底に陥っていたんだよ。つまりは2000年代の設備投資以降更新が思うように続かず、25年頃には不良債権としてどうしようもない状態になっている。これを再投資で更新する為に既存の生産基盤を縮小する、汚染源としての産業基盤を破壊して縮小し新型の設備を定められた場所に集中する、という政策を取ったわけだ。もちろん環境対策に最大の注意を払って、エネルギー効率も極限までに突き詰めた当時の技術で可能な限りの計画だね。特効薬があるというのならば、これしかないというものだ。」

じゅえる「確かにそれはすごい指導力を必要とする。けれど、縮小するというのはやはり無理があるでしょう。」
まゆ子「計画では、新型設備の生産効率は既存のものの2倍、エネルギー効率は10倍、環境負荷は100分の1という申し分のないものだ。だが、その手品のネタは・・・大量のロボットの導入による省力化、労働者の排除だ。」
釈「・・・それはいけません!」
じゅえる「正解が最も誰にも支持されない、わけだ。」

まゆ子「というわけで、彼は為す事も無いままにあっという間に引きずり下ろされた。だが、その後彼のプランは中国再開発のモデルとして高く評価され、皮肉な事に内乱で破壊された産業基盤の置き換えという形で実現する。その甲斐あって、後には分裂した連邦の1州国の首相になるのだが、それだけでは環境を回復することはできない。」

じゅえる「環境回復についての意見を具申したのが、エドモンだってわけだ。」
釈「なにをつかったんです?」

まゆ子「風水だよ。というか、新型の風水的な環境復元機構。エコマシーンという、自力で環境が自分を修復するシステムを作り上げるものだ。これは円条寺さんが使っているシステムと同じようなものだが、自然環境回復につかうというのがミソだね。」
釈「うまくいくんですか?」
まゆ子「うまくいったんだよ。ただし、それは海面上昇のエネルギーというか勢いを用いるもので、制御された破局が連続して起る。まあ元々壊れているものが自然の姿を取り戻すには既存のシステムを破壊しなければいけないのは当然だ。だから、当然の初期のわずかな期間の制御された破局が、しかし人の目には失敗と映ったんだな。」

じゅえる「失脚するのにじゅうぶんな動機になります。そして、彼はそれをそのままプロパガンダに使ったんだ。」
まゆ子「使って、痛みを伴う改革が必要だと説いて、彼の言葉どおりに破局が起きて、リスクを承知して居たはずの民衆に裏切られます。こんなはずじゃなかった金返せ、てね。」
釈「うわー、いかにもありそうな話です。」

まゆ子「このシステムは彼の失脚後放棄されますが、放棄された後でも誰の手も借りずに自己修復を終えて、現在も機能し続けています。太平洋諸島戦争の実態も、この制御された破局の当然の副産物、いや正の作用によりパージされた人間の仕業であるのですね。」

じゅえる「つまりは世界を破滅に追い込んだのはエドモンである、と言っても過言ではないんだ。」

釈「今でも、ということは、中国の自然は回復をしているんですか?」
まゆ子「人間をパージした土地では順調に回復を見せています。まだ人が戻るほどには戻ってないけれど、でも着実に変わっています。ただ、その領域が拡がるにつれて、人間の居場所も狭くなります。だから都市に人は移り住み、一億人以上の超過密都市が幾つも中国には出来ています。ま、資源配分の効率化により超過密都市でしか文明的生活が出来なくなった、と言う方がいいかな。」

じゅえる「なんとなく大体わかった。で、そのエコマシーンの原理だが、そこをうまく出来るかな?」
まゆ子「ダメならだめでいいんだけど、考えるつもり。まあ、なんとかそれらしいものをでっち上げて見せましょう。」

 

 

【統則最前線仕切り直し、戦車登場のはなし】06/12/13

  1、統則ロボット参上、その活躍
  2、機動ロボット隊の話と運用の枠組み
  3、怪しい女円条寺蓮登場。37ミリ砲の導入
  4、円条寺、怪しいまねき猫導入。市内の一般人の生活の話
  5、統則ロボット隊、大規模犯罪を察知。解決
  6、大規模犯罪の裏事情が判明し、真の敵が姿を見せる
    (13)、次のステージへ行くための準備の章

  7、難民都市内部を探索して、武装難民組織を抉り出す
  8、武装難民組織の大攻勢計画を完膚なきまでに叩きのめす。その焔の中でピルマル細胞の敵が出現
  9、円条寺蓮の電気まねき猫の効力の正体が判明する。土器能登子と円条寺蓮、対決
  10、円条寺蓮のお話と、真の敵の話
  11、武装難民組織を動かす極悪人の姿が見える、円条寺の情報で捕まえられそう!
  12、大捕り物作戦。しかし失敗して混乱する中国に脱出する
    (13)、この作戦のせいで、円条寺蓮の存在が真の敵に知れる

  13、統則ロボット隊、これまでに無い強力な武装をしたプロの敵と遭遇。土器能登子の能力でかろうじて勝つ
  14、軍情報部からの情報で、廣嶋市を標的とした中国国内の特殊部隊組織の暗躍が判明。対応を急がれる。円条寺、不在。
  15、統則ロボットオペレータに対する暗殺、という手段が実行される。ここもかろうじて危機を乗り越えるが、ポイントに円条寺の示唆があった。
  16、既に大半が判明した廣嶋電猫曼荼羅を逆用して、統則ロボット隊の大勝負。
  17、大勝負の決着が着く中で、電猫曼荼羅の真価が炸裂。円条寺、真の敵と会う。
  18、統則ロボット隊、難民都市内に進入して敵を追う。円条寺、真の敵と対決。
    (13)、ついに敵を拘束。円条寺、廣嶋市を去る。(目的は果たせなかったらしい)

 

まゆ子「とまあこれで書いているんだけどさあ、書けないんだよ。」
じゅえる「そりゃ書けないだろう。これは章ごとになにをするか、だけで、細かいエピソード設定してないもん。」

釈「あー、くっちゃりぼろけっとましなりい、緊急会議です。統則最前線玉砕です。

 で、どうしますか? やはり「げばおと」と同じ手法で私達がやりますか?」
まゆ子「背に腹は替えられないてことらしい。頑張ってみても、進まない。別口で書いてみても食い違う。やはり最初に書いたもので押し通るのが吉、と結論づけた。あ、それと最初のヤクザ捕獲シーンは差し替えよう。うん。」

じゅえる「とりあえず、第三章には突入しているんだ。37mm砲の導入ね。」

まゆ子「いやーそれは、さすがにタコハチの活躍をもうちょっと大袈裟に書いてみなければ、唐突過ぎて。」
釈「わかりました。つまりヤクザ捕獲シーンが弱過ぎたんです。」
まゆ子「らしいね。もう一回、今度は凄く派手な出番を作ってやらなければいけないようだ。」

じゅえる「じゃあここで、戦車持ってくればいいじゃん。」

釈「タコハチが活躍しているけれど、どうしても最後詰めきらないところに、新兵器37mm砲の登場ですよ。いいじゃないですか、流れとしては。」
まゆ子「しかし37mm砲というものはそんなばかみたいな威力を持つものではなくて、・・・ぱいるばんかー?」
じゅえる「なにそれ?」
まゆ子「ボトムズに出て来る超近接兵器。火薬で打ち出す金属杭で装甲板を貫通する。いや、しかしそれは。」

釈「40ミリの機関砲ではだめなんですか。」
まゆ子「威力が街中では大き過ぎるんだよ。37ミリ砲の砲弾はコンクリート製の特殊弾だ。車両をぼこぼこにする為の砲弾だ。」
じゅえる「でもそんな大物は元から当たらないんじゃないかな。」
まゆ子「小さいんだ。軽自動車よりも小さい。カートに毛の生えたような平たい車の上にエンジン付きで乗ってる。つまり機動速射砲なんだよ。」

じゅえる「めんどくさいからそれはやめよう。えーと、戦車が出るんだね。統則戦車。」
まゆ子「うん。これは或る小型機動兵器と模擬戦闘を行っていたのが、どういうわけだかプログラムが逸れて、港に上がり込んでしまった。もちろん円条寺さんの仕込みなんだけど、・・ペンギンにするか、ほたて貝にするか、どっちがいい?」

釈「ほたて貝てのもあるんですか、機動兵器に。」
まゆ子「ペンギンは有人、ホタテは無人でタコハチに近い存在だ。早い話が平たい装甲の中に入っている。」
じゅえる「ペンギンの方が面白い。有人というが、捕えて中を開けて見ると、なんだか妙なダッチワイフが入っている。」
まゆ子「いや、普通にメイドロボが在る世界なんだけど。」
釈「有機素材で作られた、特殊なメイドロボです。」

じゅえる「烏脳でいいじゃないか。」
まゆ子「自律思考兵器の開発実験の最終調整を行っていた最中で、・・なるほど。烏脳か。」
釈「特に問題は無いと思われますが、いいんじゃないですか?」
じゅえる「説得力が薄いかな。」

まゆ子「いや、それはなんとかなる。そうだね、海軍の方にはそれの中身が何なのかは事前には知らされていなかったんだよ。完全無人兵器の実地に近い運用実験という事で、都市上陸戦の模擬演習をいつものように行って居たのだが、突如暴走。セーフティネットもコンピュータのシャットダウンも受け付けない。なる、これならイケル。」

釈「円条寺さんは無しにしますか。」
じゅえる「なんらかの呪方が炸裂して、烏脳が狂った、というのでは。」
まゆ子「この段階では完全にカガクテキでなくてもいいか。一種オカルトをかっていた方が興味を惹くね。」
釈「で、その後に志穂美先輩が天狗道のところに遊びに行くシーンが入る、と。これで良くはありませんか?」

じゅえる「第二章冒頭のイントロだね。いいよ、わたしはいいと思う。まゆちゃんは?」
まゆ子「えーと上で書いてる4章に当たるんだね。この直前にタコハチの大活躍を入れていると、この章はタコハチは要らないという理想的な姿になる。戦車はここで入るのはふさわしい。相応しくないのは、ヤクザ車両の処理だ。これは別の修正可能な問題だから、・・・まいっか。」

じゅえる「いいかげんなくらいの方がいいよ。」
釈「どうせタコのものがたりです。」

まゆ子「じゃあ、そうだね。この4章で能登子さんが病院に行くという話で、都市のふしぎな魔方陣結界に気がつく。ついでに難民問題で苦しむ日本社会、というところを映し出すか。」

釈「ちょっといい加減さが足りませんかね?」
じゅえる「能登子に馬鹿っぽさ足りないね。」
まゆ子「なんとかします。では、戦車の章を描きます。」

 

06/09/16

まゆ子「あー、統則最前線です。続きます。」

釈「がんばりますね。」
まゆ子「私は何時だって全力です。やってる時は。」
じゅえる「やってない時はへろへろです。まーそういうもんか。」

 

まゆ子「で、現実問題としてだ、統則最前線で一本カンパケを作りたいのです。なにがなんでも一冊分!」

じゅえる「わかったわかった。ではこうしましょう。連続モノとしての統則最前線はいちおう諦めて、単発の物語としての統則最前線スペシャル版を作る、という事でどうかな?」
釈「では、いきなり大活躍ですか。」
まゆ子「OVAのロボットものみたいなもんか。冒頭いきなりロボット大活躍シーンが登場する。」

じゅえる「その必要は無いな。冒頭いきなり戦時中に能登子さんがタコハチ使っていた頃の絵が飛び込んで来る、というのが正しい。『それから十年後』てなわけだ。」
釈「王道中の王道の前振りですね。」

まゆ子「でも、タコハチを大活躍させる、というのは無しね。ちょっと世界観の説明の為に出て来る、ってだけで。
 で、るぴかちゃんが出て来る日常の世界から、警察にご出勤ですか。流れとしては。」
じゅえる「OVAみたい、というのであれば、そうね。」

まゆ子「廣嶋市というのもやめようか。もっと別の地名で、架空のさあ。」
釈「広島といっても広うございますからねえ。といっても、広島でいけない道理もありませんが。」
じゅえる「広島ではあるが、もっとましな構造にしよう。南側はほぼ壊滅状態ということで、新開発されている。大堤防も築かれているし。」

まゆ子「面積は変わらないけれど、中身は代わってる、てかんじか。うむ、拡張するよりはましだね。沖合いに浮き島があって、難民居住区になっているというのはいいとして。」
釈「地図がまんま今のものが使える、ということですね。」

 

まゆ子「えー、つまりこうしよう。広島市は廣嶋中核市に変革して、中四国地方の中核首都になっているんだ。で、広島県自体の中心は西広島市に移動している。新幹線も通っているし。」

釈「新幹線はリニアですか?」
まゆ子「いや、まだ鉄路式を使っている。リニア駆動だけど。東海道浮上リニア新幹線がようやく出来たくらい。時速700キロですっ飛んでいく。」

じゅえる「700! そりゃ飛行機より早いんじゃないか。」
まゆ子「今から50年後ですから。ちなみに空気抵抗キャンセル技術を使っているから、700キロでも抑え気味です。空気抵抗が排除されたことでエネルギー効率が抜群に改善されて、ようやく使えるようになった、というこったです。」

釈「空気抵抗はそんなに凄いんですか。」
まゆ子「リニアが実用化されないのは、まずなによりも電力を喰うってとこだよ。で、なぜそんなに、と言えば空気抵抗なんだね。地表付近の濃密な大気の中を疾走するんだから当たり前。で、プラズマによって空気を排除する技術が開発された、のはいいけれど凄い騒音が発生するのをなんとか抑える技術の完成を見て、東海道リニア本線営業開始です。ちなみに中央リニア線というのは、東海道新線建設の代替としてまず建設されまして、今は普通これを使います。時速400キロ新幹線。これでいいじゃないかという意見も多かったんだけど、700キロの方がエネルギー効率がいいという事になって、低速路線として使われる事になります。ま、東京大阪700キロってのは、ほとんどどこでもドア級の快適さですから。」

じゅえる「山陽浮上式リニア線は?」
まゆ子「着工未定です。主に治安上の観点から、一度大阪で乗り換えて貰った方がいい、という事になってる。難民やら不法滞在の外国人やらが西日本は多いから。その代り、山陰新幹線というのはある。山陰側の人口が増えてるんだよ。」

じゅえる「大阪より西は別の国、てことか。九州は?」
まゆ子「もっとひどい。ほとんど軍国主義てくらいに軍が至る所に存在する。だからといって治安が悪いわけでもないけれど、ともかく難民収容区は九州と四国・山陰に集中して、その中継センターとしての廣嶋中核市は極めて重要なのだ。」

釈「北海道はどうなんです。」
まゆ子「北海道自体は、新首都が出来ている。というか、首都代替機能ね。東北部には若干難民居住区があるけれど、それほど大がかりなものではない。北海道は日本の食糧自給の根拠地としてロボットの大量投入による食糧増産に励んでいて、結構景気はいい。ロシアとの交易も盛んになってるし、北方領土も帰ってきている。」

じゅえる「東京は?」
まゆ子「東京は相変わらずの東京だ。地震もちゃんと起きたけれど、普通の災害ということで数年も経たずに復興してしまった。でも、実は経済の中心としての機能は分散されているんだよ。西日本で人口が増えて、東日本は農業で潤っているからね。ちなみに食糧自給は当たり前、輸入なんて出来っこない、てのがこの時期の世界の食糧事情。気象の大異変で海水面が上がる、ってくらいだし、中国が砂漠化で難民が押し寄せて来るてのだから当り前だね。」

じゅえる「経済的には、その時期の日本はいいんだ。」
まゆ子「ほぼ絶好調と言ってもいいです。ただし、海水面上昇による世界経済全体の落ち込みの中で、という条件ですが。」
釈「人口はどうなんですか。」
まゆ子「日本人が一億で、難民不法滞在外国人で1000万人くらい。釈みたいにインド人だったりイスラムやらアフリカ人てのは別口で200万人くらい。」

じゅえる「今より少ないんだね。」
まゆ子「その代り若年人口が多い。現在の人口が逆ピラミッドだとしたら、日本人だけ見た場合寸胴の筒型だ。少子高齢化社会ではなく、少産少死社会なんだ。出生率は回復している。」
じゅえる「要するに、人口がまんべんなく広がってるんだ。都市集中でなく。」
釈「それはあれですね、海面上昇で臨海部の都市から山間部に産業が移っていったんですよ。だから人口も移った。いい話です。」

 

まゆ子「あー、地理的な話はこのくらいとして。で、実質第一話です。
 というわけで、これまでの話を色々と見直して見たわけですがね、肝心な事をすっかり忘れて居たわけですよ。」

釈「それは?」
じゅえる「肝心な事って、なに?」
まゆ子「いや、私は短編しか書けないって事実。」

じゅえる「う、いやそれは、「統則最前線」はそれを克服する為の手段としてテストケースとして存在するんだけれど。でもまあ、それはそうなんだけど。」
まゆ子「更に言うと、「統則最前線」は本来マンガとして設定されたお話だ。マンガ、つまり32頁で描く為のお話で、しかも単発ネタ、もっと言うとうちでは典型的なお話の作り方である三題話で一話ごとにがらっと雰囲気が変わり単発のお話として最高の演出が為されるはずだった。つまりは設定は背景に沈み、それ故に印象に残る、そういう書き方をする予定だったんだよ。」
釈「ぜんぜん今と違うんですね。こちらは完全に一貫してお話を書いていくつもりですよ。」

じゅえる「そーいうことにすると、困ったな。三題話で描くとすれば、そりゃ面白いんだが、長編というか中編を描くという当初の計画が頓挫するよ。」
釈「しかし現在の状況はまさに頓挫としか言い様がないわけですから、作品が完成する方に方向を向ける方が正しいのではありませんか?」

じゅえる「いや、長編がともかく書きたいんだ。」

まゆ子「困ったな。じゅえるの言いたいことはよく分かるけれど、出来んもん。」
じゅえる「げばおとだってうえんでぃずだって、60枚2話くらい普通に繋ぐじゃない。120の倍書ければいいんだよ。」
釈「これはもう、まゆ子さんに方針を決めていただくしか、解決策はありませんよ。どうしますか。」

まゆ子「どうするもなにも、現状ではどうしようもない。あーつまりだね、短編連作としてげばおとに倣って書くつもりだった統則最前線が、その本来の姿に戻るんだ。一話完結のシリーズものにね。」

じゅえる「うー。」
釈「まあ、とりあえず書いてみる、結果を見るしかないんじゃありませんか。長編はシリーズが動き出した後でも描けますよ。」
じゅえる「うー。」

 

まゆ子「ちなみに、「統則最前線」の前駆段階として前にマンガが存在するんだ。街に統則戦車がやってくる。」
釈「とうそくせんしゃ、というのは戦車に蛸脚が着いたものですか。」

まゆ子「統則最前線というのは、統則兵装を用いる為だけに世界観が創造されている。だから、戦車は装輪・装軌、に加えて装腕戦車となるね。装腕戦車というものは、早い話が水陸両用戦車なんだ。水上水中を航行する能力を持ち、海浜部のみならず港湾部、あるいは水没した都市部にも上陸出来る能力を持つ統則腕で移動する戦闘車両。通常の戦闘で戦車が用いられるのは陸戦だけだけれど、装腕戦車は主に水陸の狭間で用いられる。それが世界が水没したこの地球でのホットな戦場なんだ。」

釈「まあ、それは最初から決まっている話ですけれど、しかしおおげさな機械ですね。潜水までするというのは。」

まゆ子「統則戦車には光学迷彩機能まで装備されているんだけれど、これは水中に潜った際に上空から発見されない為にある。更に言うと、統則戦車の主兵装はミサイルと40ミリ連弾砲なんだけど、この40ミリ連弾砲というのは砲弾を三発ほど束ねて装填する事で列車のように弾丸が飛び出して、飛距離を稼ぐという砲なのだね。高度1万メートルまで届いてしまう。この砲を持った戦車が水中に隠れているという脅威がおわかりかな。」

釈「水中待ち伏せ戦車、なんですね。しかも入り江とかの込み入った場所の、通常船は居ない場所に隠れている。」

まゆ子「更には水没した都市の内部に隠れている。または隠れている敵を殲滅する為の戦車だね。というわけで、この時代普通の戦車というものは無い。というか、必要無い。装腕戦車は水中で使うという前提で生まれた特殊な戦車であり、通常の装軌戦車はほぼその役割を無くしている。歩兵も統則戦闘ロボットに取って代わられる時代だから、都市攻撃に戦車が必要という時代でも無いんだよ。都市内部で砲撃しようと思ったら、無人攻撃機を呼んで爆弾を落としてもらう。それが一番安上がりで手っ取り早いんだ。歩兵の盾としての戦車の役割もすでに無く、またそもそも歩兵が統則ロボットや通常ロボットで、人間の兵員はそれらロボットに守られている状態にある。高速で移動出来る装輪車両は有用性が増しているけれど、戦車は自走高射砲としてしか存在が無いんだ。」

釈「逆に言うと、自走高射砲としては使えるんですね。」
まゆ子「対空戦車、だね。さっきも出た40ミリ連弾砲はその為に開発された砲で、対空のみならず対戦車戦闘もこの砲で可能なんだよ。弾速が2000メートル/秒と早いから戦車の装甲を普通に貫通します。成形炸薬弾を受けつけなくなった戦車の装甲でもこれは防げない。ま、運動エネルギーミサイルにもやられちゃうんだけど。ともかくだ、戦車同士の戦闘というのは無いんだ。戦車は現在では対空戦闘を考慮したものしか存在を許されなくなった。ものによってはレーザー光線砲すら装備している。飛行機の側から見た際に最も強力な対空戦車が、統則戦車という事だよ。ついでに言うと、運動エネルギーミサイルは普通に上から飛んで来る場合、現在の火器管制システムならば40ミリ連弾砲で迎撃が可能。だから、一度地面に下りて蛇みたいに地上を這って飛んで来る。装腕戦車が強いのは、この地上を這って来るミサイルを最後の手段として叩き落とす!から、生存性が高いわけだね。」

釈「無敵ですね。」

まゆ子「いや、それほど強くも無いが、水際部最強であることは間違い無い。これを叩く為に開発されたのがより水中活動での自由度を強化された統則腕装備潜水艇「IKA」なんだ。能登子さんはこれにも乗っていた。というよりも最初はこれに乗っていたけれど、これから遠隔操縦するタコハチのオペレーターとしての能力を買われて、専門のタコハチオペレーターに転属させられたんだ。ちなみに統則戦車もタコハチ管制能力は持っている。というよりも、統則戦車だからこそ持っている。戦車に随伴歩兵は必要だからね。タコハチ管制能力を持たない戦車はただのドンガラだ。で、中国製装腕戦車にはその能力が着いていない、というか管制すべき統則ロボットの開発が出来なかった。統則ロボットも装腕戦車もオリジナルは日本製だからね。だから統則戦車というのは、統則ロボット管制能力を持った装腕戦車という意味で世界には日本とアメリカEU以外は持っていない。太平洋諸島戦争に参戦しなかったロシアには無い。もっとも、通常の戦闘ロボットを管制する能力はある車体もあるけれど、でも統則ロボット、統則構造を持つロボットは無いのだよ。」

 

じゅえる「それを、第一話にもってくるつもり?」
まゆ子「この、街に統則戦車がやってくる、という話は元々が統則ロボット隊のお披露目的性格を持つ話でね、第一話そのものなんだ。つまり、これを描かなければ話は始まらない、というのだけれどミリタリー色を薄くする為に話から外したのが、どうも間違いだったみたいだ。」
じゅえる「うーむ、それを一話に持って来ると、否応なく短編連作のしりーずになるねー。うーん。」

釈「要するに、統則ロボットタコハチを書きたい、そして短編はイヤだ、という二つの要求を同時に満たす話を考えねばならないんですよ。一本繋げる心棒が必要です。」
まゆ子「タコハチと、能登子さんと、ではダメか。」

じゅえる「ここで、円条寺蓮さんだろう。この人が黒幕的に顔をちょこちょこ出す。そう、語りべ的に出るように小僧を考えればいいんだ。「I、ロボット」みたいにだね。」

釈「語り部というには生臭い人物ですが、どうしましょう。」
まゆ子「あー、そこはだね、円条寺さんが居てなにやら陰謀が起こっている、てのはいいんだ。でもそれはタコハチの現場ではよく分からないというのがいいかな。能登子さんはるぴかの担任の志穂美先生によってソレを示唆されて、日常生活ラインでのみそれが繋がっている。タコハチはそのラインに操られているが、現象としては無縁なのだよ。というか、警察レベルでは無縁としか思えない。」

じゅえる「志穂美先生の言葉には、能登子さんにもよく理解出来ないところがある。円条寺さんならもっと分からない。でも、この二人は極めて抽象的なレベルで格闘しているんだ。」

まゆ子「能登子さんはしばしば呼び出しを受けるし、るぴかから志穂美先生の様子を聞いたりもする。つまり日常生活ラインをタコハチとは隔絶した方が良い。」
釈「では、志穂美先生は能登子さんがタコハチのオペレーターであるとは知らない、知らないはずだという思いこみで能登子さんは居る、というところですか。」

じゅえる「うん。そんな感じがいいだろう。ともかく警察関係者である事だけは伝えてあり、るぴかは特別監視対象児童に指定されている。ただ、統則ロボット隊という治安関係の重要部所に配属されているとは露ほども知られていない、事になっている。警察の個人情報管理セクションはそういう風にやってるはずだ。でも志穂美先生は知っていて、知っていながら知らんぷりをしている。」

 

釈「あれですね。むしろ明確に章分けをした方がいいですね。げばおとよりも明確に絶対的に、日常生活レベルは嫌でも章と章の間に挟む事を義務づけるべきです。」
じゅえる「同意するね。非番でも休暇でも留守でも構わないけれど、ともかく一度家に戻らなければいけない。その枚数は、一章が30とすれば、10枚程度に抑える。だから裏表一章という事になる。」

まゆ子「うーん、では、長編としての体裁は日常生活レベルに集中して、タコハチの活躍は徹底的に無機的に、というか全編を貫く方針とか関係無く一章内で終了するお話を重ねていくわけだ。長編ではないよ。」
じゅえる「しゃあない。むしろ、日常生活レベルは独立した長編、と考えよう。現在の製作レベルではそれが精一杯なようだ。」

 

釈「では、第一章は。」
まゆ子「統則最前線当初の計画通りに、統則戦車が街にやってくる、という話。決まり! 第二話も決まり、統則ロボットタコハチが都市の水中に潜る。」

じゅえる「世界観をバンと打ちだすわけだね。あいしー。」

 

ちなみに、統則戦車がなぜ出現するかと言えば、どうも円条寺さんに嵌められたようなんです。やどかり、と呼ばれる一般車両を側だけ引っ剥がして擬態するタイプの戦闘ロボットとの模擬戦闘訓練を行って居た際に、なぜか訓練地域から逸脱して市街部に上陸してしまった。偶然はあり得ないから、意図が、それも政治的な意図が見えて来る。戦車の上陸を把握出来ない、ステルス機能があるから当然なのだが、警察の監視能力の低さを露呈し、日本本土での陸上戦力の弱体化を気付かせる役割を、朝一番からマスコミに戦車映像を流させる事でやってしまった、らしい。無論関係者の面子は丸つぶれなのだが、能登子さんがではとばかりにタコハチでやどかりを狩り出してしまう。しかしそれもまた意図されていて、タコハチの活躍が更にクローズアップされてしまう。
というお話。

 

06/09/02

まゆ子「あー、統則最前線です。頓挫してます。」
釈「ですね。 ましなりぃです。」

まゆ子「今日は物語作りの専門家じゅえるさんをゲストにお迎えしました。どもども。」
じゅえる「どもども。
 で本題に入ると、統則最前線頓挫の最大の原因は、統則ロボットタコハチにあります。」

まゆ子「タコハチはダメかね?」
じゅえる「ダメです。統則最前線というお話は、タコハチを書く為にあるのです。その他のすべては、タコハチを引き立たせる為の道具にすぎません。」

釈「ですが、物語、特にラノベはキャラが命では。」
じゅえる「もちろんキャラこそが読者様が読みたい全てです。しかし作者は違う。作者が書きたいと思わないものは、どんなに熱を入れて書いても他人の読むものとはなり得ません。」
まゆ子「むー、永遠の真実だな。」
じゅえる「ノリこそすべて、ノリの無い小説がまさに下らない駄文です。現在の状況は、駄文になる事を許容出来ない心理の当然の対策と御考え下さい。つまり、これではダメなんです。」

まゆ子「しかしキャラだって書きたいものではあるし、志穂美と能登子はそれなりによくできていると思うよ。」

じゅえる「考え方を変えましょう。キャラがうまく描けているのは当たり前。タコハチを描くに当り、その本気さ、これほどばかばかしい設定を正面から大真面目に取り上げる、その姿勢こそが統則最前線という物語を読者様の観賞に持っていく最大かつ唯一の武器なのです。キャラがおもしろい動きをする、というのは他の小説家に任せなさい。真顔の冗談、これこそがウチの売りです。」
釈「なかなか手厳しい。」

まゆ子「では、だよ。真顔の冗談を書くとして、なにを書くべきか、だ。」
じゅえる「そりゃ当然タコハチだ。タコハチ大活躍を描かずしてなにを描く。」
まゆ子「あー、そうねえー、これまで書いた分はたしかにタコハチ弱いねえ。」

じゅえる「要は書き方を間違っているんだよ。まずお話を考える前に、タコハチに何をさせたいか、考える。それを精密にリアルに突き詰めて、どういう設定が必要かを最大限に掘り起こし、そこにキャラを当てはめる。ともかくタコハチの大活躍がどまんなかにあるべきなんだ。」

まゆ子「ふむふむ、言ってる事はよく分かりますが、しかしタコハチ以外にも大状況中状況というのがありまして、そちらをメインに今回書いているのです。」
じゅえる「放棄しろ。」
釈「そりゃご無体な。」
じゅえる「だがそれが唯一の正解だ。」

まゆ子「だがそうすると、シリーズの構成の根幹が崩壊、というか消失する。」

じゅえる「それだがね、現在成功している、成功しつつあるげばおとをモデルとしたのが間違いだった。これは長い! 長過ぎる。」
釈「一巻400ぺーじもありますからね。」
じゅえる「これはダメ、長い、字が多過ぎる。というわけで、基本250枚にします。30枚8章という感じだね。ウエンディズの一話とおなじくらいだ。この長さはラノベとしては標準的、薄い本で読み易いサイズで、グッドです。」
釈「長いのもダメですか。うーむ、そうするとこうですね、一話250枚完結。」

じゅえる「それこそが答え。タコハチが一回活躍するだけでいい。ただタコハチをどうやって使うかを徹底的に綿密に練り上げて、ともかく徹底的圧倒的リアルさで活躍させるんだ。たぶん、タコハチの活動時間は60枚程度、だがそれに到るまでの下準備を徹底すると、250くらい軽く吹っ飛ぶ。」

まゆ子「うーーうーーむーー。なるほど、構成の問題か。なるほど、これまでタコハチは彼女達がこの世に居る動機づけという意味合いくらいにしか描かれていないね。それではダメなんだ。」
釈「ダメというか、迫力の問題ですね。その物語に何を語らせるか。」
まゆ子「たしかに、語りたいのはタコハチそのものだ。ではタコハチは一回動けば良いだけの機械なんだ。」
じゅえる「狙撃犯のお話、というのに似ている。撃つのは一発きり。だが。」
釈「一発を撃つ為に、如何に大変かを延々と描くのが、狙撃の物語ですか。タコハチも構造的にはそういう部類の話になるんだ。」

まゆ子「250か。むずかしいな。一回で根を詰めて書くには長い。だが本格的な物語を描くには短い。身近過ぎはしないけれど、でも短編であっては営業上まずいんだ。」
釈「30枚では応募できませんから。」

まゆ子「250、しかも一回きりのタコハチの出番。操作するキャラの日常生活とかは、描いてはいけないのか?」
じゅえる「いえ。でも寝ても醒めてもタコハチです。そういうキャラでなければ、リアルではない。人の命が掛かっている仕事をしてるんでしょ。」
まゆ子「そう、だね。うむ。」

 

釈「具体的な話に移りましょう。第一話をいかにすべきか。誰も読んだ事の無い、第一話です。タコハチの説明をしなければならないでしょう。そのためには動かしてみなければならない。」

まゆ子「250。タコハチ60とすれば、状況の説明が40、イントロが30、周辺を固める作業に30、物語の収拾に30、OPに10、EDに10。ギャグに10。」
釈「ボリュームだとそうなりますよね。それくらいなら120で書いた方がいい。」
まゆ子「タコハチ60、状況40、収拾20、か。たしかにバランスは良い。犯罪者側の描写に残り120を使うという手もある。」
釈「ギャグは10です。」
じゅえる「起承転結でいきましょう。60が4回、ギャグが10。〆は大切だ。」
まゆ子「ウエンディズは一回60、げばおとは38。たしかに〆は大事だが、連載するわけじゃないんだから、自由でもいいじゃないか。」

釈「つまりは、タコハチ中心で物事は進むわけですよ。そこにどうキャラを載せていくか、です。かなり登場キャラに強い焦点を向けないとダメです。」
まゆ子「キャラ関係が全然設定出来ていなかった、というこったね。だが主人公としての能登子さんは外したくない。」
じゅえる「タコハチが中心なんだから、嫌でも出て来るよ。本当に避けようと思っても、絶対出る。それは賭けてもいい。」

釈「キャラを信じよ、という話ですね。」
まゆ子「うーん、たしかに能登子さんに執着するのは、彼女がそういう性格を持っているからに違いないんだけれど。」

じゅえる「具体的に行きますよ。まず

 能登子さんだ。娘のるぴかちゃんと二人の視点。
 蔡典子と嵐山どろっぷのタコハチオペレータ二人の視点。
 機動隊の隊長と、機動隊タコハチ研究隊の女隊長の視点
 鳩保ら、タコハチオペレータ二軍の視点
 タコハチ隊隊長の視点、警察上層部の視点
 海上タコハチ隊の視点
 ぴるまる理科工業とマイクロマシン関係、能登子さんの医者関係
 軍の能登子さん関係の視点
 円条寺蓮関係の視点
 志穂美せんせいの視点。

 ここでタコハチと直接関係無いのは志穂美先生だ。」
まゆ子「タコハチとは関係無くても、るぴかちゃんが出てくればいやでも志穂美先生は出るよ。」

釈「結構ありますね。充実していると言ってもよいくらいだ。」
まゆ子「これに敵とか犯罪者の視点は含まれていない。だが、そこは描かない方がいいかもしれない。あくまで警察サイドから覗いたタコハチシーンだという意味でね。」
じゅえる「神の視点、ではだめですか。まあそうね。」

 

釈「タコハチが使用されるシチュエーション、ですね。」
まゆ子「タコハチはどいう場面で使われるか。犯罪を例に上げてと。

 高速走行中の犯罪者に対して、インターセプト
 街中で進行中の犯罪に対して緊急出動、格闘戦で逮捕
 ビルに籠城中の犯罪者に対しての出動
 テロ予告に対する警備活動としての出動
 爆発物捜索に出動(化学物質・細菌・特殊生物)
 コンピュータウイルス、マイクロロボット撃退への出動
 高機能サイボーグ犯罪者に対する制圧出動
 犯罪事実の検証、鑑識作業への支援出動
 要人警備に出動
 一般警備活動に出動
 都市内重武装犯罪集団、もしくは外国軍の不正規活動に対する出動
 難民暴動での出動
 災害時救援活動で出動
 雑用での出動
 水中活動での出動
 船舶臨検での活動
 戦時での戦闘任務での出動
 訓練、運用研究での試運転

とまあ、こんな感じ。」

釈「難民による犯罪、というメインとなる流れがあるわけですから、絞れますね。」
まゆ子「本当はもっと、軍関係を出したい。というか、戦時中の話もやりたい。」

じゅえる「そりゃ軌道にのったらね。で、円条寺さんをどう扱うか、だよ。」
釈「消してもよくはありませんか?」
まゆ子「タコハチに焦点を絞るのならば、それも可かな。」
じゅえる「あなた達がそういうのであれば、いやでもやってもらう!」
釈「うわあ!」

まゆ子「ま、じゅえるのする事だから、そりゃそうだ。しかし変だな。これだけのネタがあるのに、なぜ頓挫する?」
釈「それは、焦点の絞り具合が間違って。」
じゅえる「円条寺さんを投入したのがそもそもの間違いなのかもしれないけれど、これまで完成分はだからこそ出来ている、てわけだよ。」

まゆ子うーむ。250だったね。枚数は。」
釈「はい、ですが。」
まゆ子「根性、って要らないかも。」
じゅえる「なんだって?」
まゆ子「もっとガキ向けに簡単に書いた方が、全体としてはなりはいいかも。」
じゅえる「それはー、どうだろう。そうした方が全体は良くても、読む意味は無いかも。」

まゆ子「タコを書きたい。それだけの為に書いている。だが、タコはジャマだ。タコどけてしまおうか。」
釈「言ってる意味がよくわかりません。」

まゆ子「タコハチ活躍シーンは別物で、別に書く。タコ主観、タコ視点と言ってもよい。だが、人間のキャラは別だ。」
じゅえる「構造的に分離しよう、というのか。うーん、しかしそれでは。」

まゆ子「いや、実はタコハチ作戦行動を描くのに、人間は無用なんだ。タコだけに集中して書いた方が実に楽に書ける。」
釈「端折りますか。そういうことでしょ。」
まゆ子「作業としてはそうだ。タコ抜きの物語に、後からタコ活躍シーンを挿入する、と考えてくれるとよい。アクションと濡れ場のシーンは物語の進行上必要無い、てのが私の哲学的心情。であればタコを除外するのはむしろ当然。」

じゅえる「ではあくまで円条寺さんを描こうというのかな。それはそれでいい。つまりは、タコハチが出動した。任務成功。て、くらいだね。」
まゆ子「です。ただし章替えして、タコは書きます。」
釈「はー。それは期せずしてタコを集中的に書く事にも繋がりますか。」

じゅえる「作劇上、では物語中にタコを操作する、という描写はほぼ必要ないというか、極力排除するという事になる。間違っても人格投影しちゃいけない。」
まゆ子「仕事のシーンを描写する物語、ってほとんど無いでしょ。」
釈「推理小説くらいなものですか。戦争小説は全編そうですが、まあ戦闘シーンばかり書いているというのでは飽きますから、人格的なものとか人情とかを描かざるをえない、てのはたしかにヤです。」

 

じゅえる「ふむ。一度その路線でやってみるか。まず冒頭登場シーンの車両制圧任務から、書き直し。」
まゆ子「だね。あれはどう見ても失敗なんだ。あーすると、ほとんど仕事のシーンは描かないてことになるか。というか、指令センターに入ってタコハチを弄り出すと同時に手が止る。面白くない。やはりそこになにか、癌があるらしいよ。」

じゅえる「どうやら病巣が見えたね。タコハチを描くのに人間は要らない。これで行こう。」
釈「ですね。」

 

 

 

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