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08/12/30

まゆ子「はあ、なんだか疲れたぞ。げばると処女EP6「第十章 ひまなひとびと」、ようやく出来ました。」

じゅえる「なにがそんなに面倒だったのさ。」
釈「まあ、色々と忙しいし体調的な問題もあったとは理解しますけれど、今回のお話はそれほど難しいものではなかったですよね。」

まゆ子「そうなんだ。今回のお話は箸休め的なもの。ただのお百姓さんテュゴサクさんが、ゲジゲジ巫女に恋をして、トカゲ巫女がお節介をする。これだけだ。
 そして、その筋で調子良く書いていったのさ。そしてその通りに簡単に出来た。」

じゅえる「出来たのに、何故。」
まゆ子「分からない。ともかく書き直しに物凄く苦労した。というか、読んでる最中に眠くなる。」
釈「それはいつものことでしょう。」
まゆ子「まあ、そうなんだけどね。精根詰めて舐めるように読み返していくと、どうしても脳がオーバーヒートして眠くなる。ざーっと流せばさらっと終る話なのにね。」

じゅえる「ちなみに枚数は?」
まゆ子「78枚。」
じゅえる「ななじゅう、」
釈「8ですか。そりゃあ枚数オーバーもいいとこです。目標平均枚数50ですよ。」

まゆ子「いや、わたし今回の話は30数枚だとばかりに思ってたのさ。というか、第一稿書いている段階で、半分くらい削りまくった。」
じゅえる「削って78かい。」

まゆ子「だってだってだって、よく本文読んでもらうと分かるけど、主要登場人物が今回何にもしていないんだよ。折角ゲルワンクラッタ村にVIPが勢揃いしているのに、なにもその動向を描いていない。」
釈「そう言われてみると、勿体ないですね。」

じゅえる「次の出番はー、えーと、赤甲梢の造反疑惑ですか。それまでの前振り伏線をここで引くべきだったかと考えても仕方ないか。」
まゆ子「普通そう考えるし、途中まではそう書いた。特に赤甲梢の面々の動向を書いておくべきだったと今でも後悔しているくらいだ。なにせ次は彼らの出番だからね。
 そこをざくっと削って、テュゴサクさんのお話に置き換えた。はんぶんと言ったわけ分かるでしょ」

釈「たしかに。でもこれは計画通りですよね。」
まゆ子「まるっきり計画通りです。だから、そこんところをどうしようかなあーと考えると、困る。」

じゅえる「それで難航したのか。うーん、そうだねえ、次を考えると章を改めて描いても良かったかなあ。でも流れを考えると計画通りでいいしねえ。」
まゆ子「てなわけで、とりあえず「ひまなひとびと 没原稿」を書いている。増補分だね。あと、「続ひまなひとびと」を書く。神撰組だよ。」
じゅえる「やめなさい。」
釈「ええ、そんなばかなことは止めた方がいいと思います。きりがない。」

まゆ子「いや、でもイルドラ姫出て来るもん。というか、もう書いた。」
じゅえる「そんなもん書くから、いつまで経っても出来上がらないんだよ。」
まゆ子「てへへ。」

じゅえる「じゃあ次に行こう。「第十一章 焔アウンサ王女暗殺」ですね。」

まゆ子「お。」
釈「お、じゃないです。計画通りです。」

まゆ子「おー、いやなんというか、ほんとうによくぞここまで来たと感動しています。感涙です。」
じゅえる「焔アウンサって最初から死ぬキャラとして作られたんだよね。いやあー、よくもまあここまで保ったもんだ。うん確かに感動だ。」

釈「というわけで、第十一章の計画ですが、」
まゆ子「パス。」
釈「え?」
じゅえる「もう頭の中にはいやと言うほど出来上がってるんだよ、これ。だから感動する。」
まゆ子「なんというか、これを世に出せるのは、何年ぶりかの便秘が解消したようなもんだ。出そうと思えばいくらでも出る。それこそ百枚でも書ける。」

釈「はあー、そりゃ手を出すまでもありませんか。じゃあどっか話を飛びますか。」
じゅえる「「第十二章 武徳王暗殺未遂事件」はどうしよう。これはあんまり考えていないよね。」
まゆ子「うん。だけど、キーポイントとなるビジュアルイメージを思いついた。うん、だからどうでもいい。」

じゅえる「それは?」
まゆ子「武徳王の傍には、聖蟲を持たない将軍やらと呼ばれる爺さん達が側近として付いている。この爺さんはなかなかにタフな、根性の座った人であるよ。
 で、負傷して目が見えなくなった武徳王に代わって、取っ捕まえた暗殺者の尋問をする。で、ばっさりと斬ってしまいます。」

釈「裁判とかはしないんですか?」
じゅえる「いや、こういう重大事件の場合、関係者はすみやかに処分されるのが常道だろ。」
まゆ子「裏関係とか情報を引き出す為に生かしておく、という手もあるんだがね。だがこの将軍の爺さんはすっぱりと斬らせてしまいます。

 何故か。とっ捕まった督促派行徒なんだけど、こいつが抗弁するわけだ。それがあまりにも見苦しかった為に、こんな奴が地上に生きて空気を吸っているのも不愉快と、斬らせてしまうのです。」

釈「短慮ですよ。」
まゆ子「いや、それがこいつは、自分たちは長年に渡り努力し研究し論じ合って、世界を改革する企てを密かに延々と続けて来た。天河十二神に救世主として選ばれるのは自分たちであるべきだ、と臆面も無く主張する。ついでに、弥生ちゃんはなんの苦労もなく星から来たというだけで易々と青晶蜥神救世主の座をせしめた、と批難してみせるのさ。

 この言葉に、爺さん切れた。

 弥生ちゃんが救世主であることを方台の誰も疑わないのは、弥生ちゃんはこの地に立ってより今日まで、片時も救世主としての自分を疑わず常に救世主として振る舞い、人を救い続けてきたからに他ならない。誰に選ばれるまでも無く、自らを救世主として選んだのだよ。
 もしもこの男も救世主たらんと欲すれば、寸毫の迷いも無く直ちに民衆救済にその身を投じるべきであった。救世主たるに資格も試験も必要無い。自ら人を救わんと思い立ち動いて居る、その姿こそが救世主である。

 だから、この言葉を許せない。このような醜い者を弥生ちゃんに会わせずに済んだ事を神に感謝して、ざっくり処分したわけだよ。」

じゅえる「ふうむ。つまり爺さん主役か。」
まゆ子「そうね。今回も普通のひと、聖蟲を持たない人が主役だよ。刺客となるメウマサク神官長の双子の娘の片割れも、聖蟲は持っていない。つまり、そういう事だ。」
釈「なるほど。つまりは第十章とかなり似た話になるわけです。」

まゆ子「ふうむ、なるほど。よし分かった。では「第十二章 普通のひとびと」だ。」

じゅえる「ふむなるほど。いいかんじだね。聖蟲を持つ人間ばかりを見ていてはいけない。そういうこった。」
釈「そうですね。むしろ普通の人間をかっこよく見せると、こういう場合すごく決まるんです。」

まゆ子「というか、聖蟲自体その為にあるからね。一般的な魔法ファンタジーものと一線を画す為に、誰でも簡単に超能力が得られるシステムとして考えた。同時に、それが無い人間がどのように聖蟲に対抗するかを考えて、様々な工夫が出来るような仕組みに仕立て上げている。」

じゅえる「たまたま思いついた、ってえわけじゃあないんだよ聖蟲というシステムは。」
釈「でも最初期設定で、あっという間に思いついてますが。」
まゆ子「うむ、そこは行き当りばったりだ!」
じゅえる「後で考えるとどんぴしゃり、というのが世の中にはよく有るのだよ。」

釈「えーと、では11、12章共に既に脳内では完成していると考えていいのですね。最終13章は?」

まゆ子「あー、弥生ちゃん大逃走だな。これはエピローグとして、白の母を出しますよ。ここで初めて、ハジパイ王と彼女が直接に対話します。
 焔アウンサ王女暗殺、武徳王暗殺未遂と立ち続けに凶事が起きて、カプタニアを預かる彼には国家の重責がこれまで以上にのしかかります。だがすでに彼は歴史に敗北しており、若い元老院たちの思惑を留められない。」
じゅえる「その結実したのが、円湾の戦いだね。ここから歴史がだだだあーっと流れ過ぎていく、その最後の結節点だ。」

釈「しかし、最後弥生ちゃんキャプテンはどのように決着をつけるのですかね。そんな激流を止めるだけの説得力があるのですか。」
まゆ子「それを心配したことは一度も無い。」
じゅえる「聖なる巨大カブトムシに乗って飛んで来るからね。」

釈「そんなもんで、人は言うことを聞くのですか?」
まゆ子「そりゃそうだろ。神様に乗れる、しかもカブトムシ国の神様に乗って飛んで来た人の言うことを聞かずに、誰の命令を聞くんだよ。一撃で皆ひざまずきます。」
じゅえる「これにて、一件落着! ってね。」

釈「しかしそれは卑怯ではありませんか。」
まゆ子「そいう風に考える人も居る。だが、世界中のみんなが大体ぱたっと腑に落ちるんだね。あ、褐甲角神の世が終った、って。拠って立つ根幹を失えば、全てのシステムは砂上の楼閣と化して、人は自由に解き放たれる。その瞬間が、」
じゅえる「一件落着。」
まゆ子「だよ。」

釈「うーむー。でも納得しない人も居るですよね。」
じゅえる「そりゃそうだ。現場に居なかった人は納得しない。だから後にジョグジョ薔薇の乱ってのが起きる。」

釈「あ、そういう認識ギャップが発生するんですか。はあ、じゃあカプタニアに居た人は皆、きゃぷてんの支配下に入るんですね。」
まゆ子「いやそれもちょっと違うな。支配下ではなく、弥生ちゃんの存在を前提にしなければ何事も進んでいかないと、明確に理解した。弥生ちゃんを排除したり阻害してこれからの歴史を進められない。そういう風に思考回路がセッティング仕上がったんだ。」
じゅえる「命令を聞くのではなくて、対応する、ってところだ。」

まゆ子「そうだね。つまりは弥生ちゃんが神話から現実になった瞬間だ。巨大カブトムシという神話的存在から降り立って、地上に歩を記すのだね。」
釈「おお、そういった神話的象徴的な場面なのですか。なるほど、ここは安直では無いんだ。」
じゅえる「いや、じゅうぶん安直だよ。」

まゆ子「まあそういうわけで、ここ、つまりEP7最終章で『げばると処女』は前半を終ります。後半は実は書かなくても別にいい。おまけだ。だからEP8冒頭はおまけで『創始暦5555年』になる。」
じゅえる「描かなくてもいい後半が過ぎ去った後の方台の姿、ということだね。」

まゆ子「というか、『げばると処女』は10巻が基本計画なんだよ。でも後半どう考えても5巻は必要だ。」
釈「EP5は二冊に分けるほどの分量ですし、EP6もそれと同じ分量に膨れ上がっていますよ。もう500キロバイト超えました。最終完成時には1メガになっても知りません。」

まゆ子「うーむ。ま、いいや。つまりEP6は大体リーチが掛かってるんだ。だから脇目も振らずに書きますよ。ええ、書きますとも、書けばいいんでしょう。ええそうですとも。」

じゅえる「というか、本編主人公弓レアルさんが活躍するのは後半だ。EP8以降描かないと、彼女はなんの為に出て来たのか分からない。」
まゆ子「まあそうなんだけどさあ、彼女って活躍するタイプじゃないんだよね。うん。」
釈「無しですか。」
まゆ子「逆だ。活躍しないヒロインとして全面的に押し出そうと思う。」

じゅえる「そういえば、ガンダム00ではまったく本編に関わらないお姫さまがヒロインだな。あんな感じ?」
まゆ子「うにゃ、あれよりはマシだ。ともかく状況の中に飛び込んでは行く。」
釈「逆に言うと、前半ではまったく活躍しない。」

まゆ子「いやもうすぐ活躍するんだよ。カプタニアの裁判において拘禁された劫アランサと連絡を取る為に斧ロアランが大活躍する。その根拠地となるの弓レアルのお部屋だ。」
じゅえる「本人大活躍は無しか。」
まゆ子「相変わらず惚けております。」
釈「だめじゃん。」

まゆ子「いやいや、ネコの噂ネットワークをずーっと聞き続けている弓レアルは、世界で一番カプタニアで起こっている陰謀に詳しいんだ。だから極めて適切なアドバイスが可能となる。その支援によって、斧ロアランは隠された牢獄を探し当てて王女さまと連絡を取れるのだよ。」
じゅえる「ふむ。それも計算の内か。」
まゆ子「あー、そうね。カロアル軌バイジャンさんが死ぬと決まった頃には、こういうオチになるとは決まっている。」
釈「うーむ、どこまで本気でプランを組んで居るのか読めませんね。」

じゅえる「で、後半の主役はジョグジョ薔薇と弓レアルって事になる。他に無い?」
まゆ子「いや有るよ。記憶喪失になった軌バイジャンさんは、難民たちと共にある。彼らの視点から世界を覗くのに、わざわざ送り込んで居る。」
釈「おお、そうでした。大変な重要人物です。」

じゅえる「ふむ。でもなんか足りないな。ギィール神族の視点が無いよ。」
釈「タコ焼き王女はどうなりました。」

まゆ子「あーうるさい。タコヤキ王女はこれから書くんだ。EP7の主役の一人だ。
 ギィール神族といえばこれから「ゲジゲジ乙女団」が出て来る。これはヒィキタイタンの裁判の見届け役として、大いなる働きをする。カプタニアで弥生ちゃん降臨を出迎えるのもそうだ。当然イルドラ姫さまが活躍する。」

じゅえる「いやEP8以降だよ。」

まゆ子「えーとジョグジョ薔薇は元がギィール神族の亡命者だ。であれば、彼の所にギィール神族が入り浸っても構わない。」
釈「ですね。新しい軸の悪を用意いたしましょう。」
じゅえる「男だ、ギィール神族の遊び人だ。しかも強い。」
まゆ子「うむ。でジョグジョ薔薇の奮闘を鼻で笑いながらも、常に傍に在り続ける。最期まで。」
釈「いいですね。」

じゅえる「コウモリ神人のサイドにもなにか考えないとダメだろう。最終決戦に到るまでまるっきり出番が無しってことは有り得ないし許されない。」
まゆ子「まあね。ここは満を持して、スガッタ教の坊主どもを駆り出しましょう。人食い教団に代わる新たなる敵だ。」
釈「敵ですか。」
じゅえる「そりゃ敵だろう。」

まゆ子「でも坊主が何をもって敵となるか、そりゃ考えなきゃいかんな。青晶蜥王国建国の裏で、彼らにとって思いがけないなにかが起きる。何?」
じゅえる「そりゃ、秘法とか神の遺跡とかかな。」
まゆ子「ふむ。一理ある。だが、彼らはあんまりそういうのにはこだわらない。」

釈「ぴるまるれれこ教はどうです。彼らの敵となりますか。」

まゆ子「ふむ、無体神の概念がスガッタ教の教理を根本から覆すなにかを持つ。そんなところか。最初正体不明の暴漢にぴるまるれれこ教が襲われるという事件が頻発する。だがそれは、スガッタ僧侶が無体神一神教の害毒について深く洞察したが故の先制攻撃であった。」

じゅえる「うむ。一神教などという害毒を方台に流した馬鹿者は誰だ。」
釈「はい! 弥生ちゃんきゃぷてんです。」
まゆ子「悪い奴だ。」
じゅえる「ぶち殺してやれ。」

釈「つまり、コウモリ神人はその用件でスガッタ僧侶に会うわけですね。で、彼らにぴるまるれれこ教の害毒を説く。」
じゅえる「逆がいいな。コウモリ神人がむしろスガッタ僧侶に、ぴるまるれれこ教の害毒の可能性を教えられる。負うた子に教えられるんだな。」

まゆ子「ふうむ。ではスガッタ僧侶はコウモリ神人を呼び出す為の秘密の手段を持っている?」
じゅえる「そういうことにしておこう。いや秘密というよりも、彼らが修行の末に得た成果だな。」

釈「どうしましょう。この時コウモリ神人からスガッタ僧侶はなにか凄い力とかアイテムをもらいますか? 定番ですよ。」
まゆ子「ちがいない。じゅえる、どう?」

じゅえる「幼女ロリがいい。」
まゆ子「うむ。裸の妖幼女だ。」

釈「なんですかその造語は。しかし幼女はいいです。魔王ですね。」
じゅえる「元々コウモリ神は怪物の神、神話でも怪物をこしらえたと記されている。」
まゆ子「怪物の女王だね。無垢なる邪悪。白の母に対立する存在となる。」

釈「これが”ゲキ”ですよ。」
じゅえる「うん。方台に本来住むはずだった、ウェゲの完成形ゲキだ。て、どう違うの?」

まゆ子「まずは尻尾がある。聖蟲の能力を兼ね備える。タコのように未来の事象を読み取り透明化し、ゲジゲジのように周囲の状況を知りレーザー光線を放ち、カブトムシのように怪力無敵空も飛ぶ、トカゲのように人や自分を奇跡的に癒す。で、コウモリ神が与える怪物を召し使う。」

じゅえる「ちょっとチート過ぎやしないかい。」
まゆ子「いいんだよこのくらいで。えーとでも制限が有る。彼女は時限式に崩壊する。寿命がとても短いのだ。使い捨ての使命を帯びているのだから当然だな。天河十二神は、ゲキを永続する種族としては再生できなかった。この妖幼女もおなじく、段々と狂っていき最期には自壊する。」
釈「ちょっと可哀想ですね。」

まゆ子「うん。まあ、最期には白の母の手の中で死ぬ事としよう。えーと自壊というか、段々と幼女は幼女化していく。知性が失われて生きる意味を喪失する。ゲキを再生出来ない原因がそのまま彼女の自壊の原因で、最後にはもうどうしようもなくなり後は自己破壊するだけとなったところで。」
じゅえる「母性の権化たる白の母の腕に迎えられる。うん。あの人は最期まで役に立つなあ。」

まゆ子「で、妖幼女が滅びたことでコウモリ神人は最終決戦を決意して、弥生ちゃんを呼び寄せる。神刃百八振の決闘だね。」

じゅえる「逆算すると、それはジョグジョ薔薇の乱の最中だ。敗北の中、幼女は滅びる。となれば彼女はジョグジョ薔薇に加勢するってことか。」
釈「そうですね。コウモリ神人が与えた怪物、ってのが反乱軍の中に居るのですよ。」

じゅえる「ちょっと待て。それはー頭にへんな蟲の憑いて居る重甲冑の戦士、ではなかったのかい?」
まゆ子「あー前の計画だとそうだったっけ。これはー排除するべきでもない設定だからー、そうね。変な蟲戦士は白の母の配下にある。怪物は妖幼女の配下である。」
釈「そりゃあ怪し過ぎる反乱軍ですよ。」

まゆ子「えーと、妖幼女はめちゃくちゃ強い。白の母ですらあしらいかねるほどだ。そこで彼女は用心棒を連れている。それが変な蟲戦士、顔を絶対に他人に見せない怪戦士だ。」
じゅえる「新しい聖蟲の戦士だね。特別な甲冑が必要になるね。」
釈「そうですね。新しい甲冑はそろそろ出さないといけない時期でしたから、ちょうどいいですね。」
まゆ子「うむ、ではトンボ型のヘルメットを持つ頭全体が副眼のドームに覆われるような、凄い甲冑を考えよう。トンボの翅も持っていて飛ぶように動く。」
釈「おお、それは強い。」

まゆ子「しかしながら、白の母の配下に居る人食い教徒の戦士団は、妖幼女とスガッタ僧侶との戦いで磨り減らしていく。最期には、やはり元の『貪婪』の正組織に勢力を奪回されてしまうんだな。」

じゅえる「となると相打ちでスガッタ教は滅びるね。」
まゆ子「あー、そうだね。滅びるかな。代りにぴるまるれれこ教は生き残る。そして世界中を害毒に包んでいく。」

**************

まゆ子「閑話休題。
 神撰組がテュクルタンバで掘り出したお宝が決まりました。」
じゅえる「ふむふむ。」
釈「なんでしょう。」

まゆ子「一目で此の世のものではない、超珍しい、しかも凄い能力を秘めていると常人馬鹿でも分かる、すごいお宝です。
じゅえる「そいう風に条件を付けると、なるほどなかなか難しいな。で、なに?」

まゆ子「亀です。」

釈「カメさんですか、生きている。」
まゆ子「そのカメです。ゾウガメですね。大きいの。」
じゅえる「なるほど。そりゃあ一目で此の世のものではないな。十二神方台系にカメは居ないんだよね。」
まゆ子「居ません。ヘビと同じく、爬虫類は方台にはトカゲしか居ないんです。」

じゅえる「確かに新種の爬虫類はまちがいなく弥生ちゃんの管轄だ。神撰組の連中が命を賭けて護るに値する宝物だね。」
釈「特殊能力はなんです?」

まゆ子「まず、カメの甲羅に字が書いてある。しかも方台の字じゃない。漢字だ。」
じゅえる「中国の神話のおなはしだな。易占の元だ。」
釈「黄河から神亀が出て来たんですね。で、甲羅が全自動麻雀卓になっている。」

まゆ子「ちょっと待て、そんな話は初めて聞いたぞ。」
じゅえる「いや、それは悪くない設定だ。日毎に字が変る文句が変る。しかも弥生ちゃんにしか読み取れない。」
釈「おお、それはいかにも神様のお告げです。」

まゆ子「ううむ、なるほど。ではそういう設定も取り入れよう。
 で、このカメは白くて甲羅は陶器のようにつるつるだ。」
じゅえる「いいよ。まったく問題無い。」

まゆ子「このカメを巡っての争奪戦の最中、ついに保護する本陣に敵が侵入して戦闘を繰り広げるわけだが、うっかり武器がカメに当たってしまう。」
釈「おお!」
まゆ子「すると、くわあああああああん、ととても良い音がする。まるで甕を叩いたかのような澄んだ音だ。」
じゅえる「神亀にふさわしい逸話だな。」

まゆ子「すると、タコ神殿の「聖壇」の大岩がぐらぐらと開いて、地下迷宮への入り口が開く!」
じゅえる「なるほど、テュラクラフ女王がやってくるだけの動機があるもんだ。」
釈「迷宮の中には、やはりもっと凄いお宝がありますか。」

まゆ子「というわけで、敵味方入り乱れて乱入する。しかし!」

じゅえる「しかし?」
まゆ子「数刻後、みんな空手で帰って来る。中に居た女にぶっ叩かれたって。」
じゅえる「なんじゃそれは。」
釈「中にガーディアンが居るのですか。」
まゆ子「構想としては、明美が居るんだけど。」

じゅえる「いやそれはー明美ではない方がいいかもしれない。ともかくその女は、弥生ちゃん以外の人間と接触を持とうと考えないんだな。」
まゆ子「まあそんなところ。」
じゅえる「よし。じゃあその話はそこでおしまいだ。ともかくカメの使い方が分かった、というところで、彼らは探索を終了する。」
釈「なんか、妙な冒険ですねえ。」
じゅえる「いや冒険ってのは、だいたい変な終り方をするもんだよ。」

 

08/11/11

弥生「復帰しました。というか、まだ忙しいけど。胃カメラ呑みましたー! CT撮りました。エコーもやりました。」

                       ******

まゆ子「あー、予告どおりですね。『げばると処女 EP6 「第九章 夢のかよいじ、うつつのよみじ」(後篇)』やっとこさ出来ました。57枚+おまけ10枚。」

じゅえる「いいんだけどさ、休眠宣言後ちょくちょく色んなものが載っかってるぞ。これは何故?」
まゆ子「『サルボモーター 「第四歩 アフリカのサルボモーター」』は休眠宣言前にほとんど書けてましたから。
 『ゲキロボ☆』の長編化は、ゲキロボがいつまで経っても進まないなあ、ということで、書いてみました。200枚くらい。」

釈「200!」
じゅえる「ちょっとまて、そんな暇が有るなら『げばおと』書けるだろ!」

まゆ子「書けないよお。のんべんだらりと枚数を重ねるのと、精根詰めて細部まで気を使って修正重ねるのと、どっちが楽と思ってるの。」
釈「げばおとの方が難しいんですね。というか、ストレスの問題ですか。」
じゅえる「まあ、それだけ根性の入り具合が違うってことか。」

まゆ子「あー、ゲキロボ☆はね、今書いているところから逆算すると、或る程度の結末に達するまでに400枚は必要ね。で、導入編が終る。」
釈「大物ですね。」
じゅえる「長編は400枚くらいは必要だしね。」

まゆ子「というわけだ。
 で、いい機会だから次行こう。十章はもう設定は終了している。題名を決まった。「第十章 ひまなひとびと」。」

釈「暇、ですか。」
じゅえる「ゲルワンクラッタ村で暇にしている神聖王ゲバチューラウのお話だしね。」
まゆ子「それで、あまりにも暇過ぎて、当地を護る赤甲梢とギィール神族有志が毎日のように決闘を繰り広げるのだ。」
じゅえる「かなり迷惑な暇人どもだな。」

まゆ子「だが考えた。「ひまなひとびと」その2、3を描こうと思う。」
釈「他にも暇人がいらっしゃいますか。」
まゆ子「イルドラ丹ベアムさん。」
じゅえる「そりゃあ暇そうだ。」

まゆ子「よい機会だから、「ゲジゲジ乙女団結成ー!」をこの際やっておこうと思う。20枚くらいで。」
じゅえる「あ、もうひとり思いついた。コンドーさんだ。」
釈「ああ、神撰組の方たちですねえ。なるほど、お暇です。」

まゆ子「というわけで、「ひまなひとびと」書きますよおー。

 で、今回かなりすっ飛ばして、『げばおとEP7 「第一章 円湾の戦い」』だ。」

じゅえる「円湾の戦いってのは、丸い大きな湾に無数の軍船が入り乱れる、赤壁の戦いにも似る大戦さだ。一大スペクタクルだね。
 ふん。ただ戦記物は或る一定のフォーマットがあるしね。」
釈「そうですね。アクションシーンや戦闘シーンは独特のフォーマットを外さなければ、だいじょうぶですよ。」

まゆ子「飽きた。」
じゅえる「まね。」
釈「たしかに、ここで新しい戦争を描くとして、目新しい手法を用いるべきかもしれませんか。ありますか?」

まゆ子「百物語。」

じゅえる「は?」
まゆ子「というか、平家物語。」
釈「よくわかりませんが、あの琵琶法師がべんべんと語る。」

じゅえる「あ。つまり、話し言葉で、だれかが語るって手法か。」
まゆ子「百物語形式で、複数の戦争参加者がそれぞれの思い出を語るという形で、円湾の戦いの色んな側面を描写していく、ってのを考えている。」
釈「なるほど新しい。」

じゅえる「それほどむずかしくはなさそうだし。だが誰が語るか、これは十分に選ぶべきだな。」

まゆ子「つまりはこの回は時間軸がずいぶんと後になるんだな。おそらくは、弥生ちゃんの方台退去後数年くらいには。」
じゅえる「ほお。戦争が思い出になるには、さすがに10年は必要か。」
釈「15年、くらいですか。」

まゆ子「む、15年か。それはすこし考えるぞ。その時点での方台の政治状況はまるで考えてない。」
じゅえる「うーん、なるほど。その時点までの激変の具合によって、円湾の戦いの意義ってのが変わって来るんだ。」
釈「ちょっと面白いですね。」

まゆ子「というか、どんどんおもしろくなってきた。ではこの円湾の戦いは、当時参加した兵士を主体とする集まり、ということで。」

じゅえる「いい機会だ。これは百物語にしよう。方台における幽霊の位置付けってのは、これまで謎だったからね。」
釈「幽霊ってのは、出るんですか。今までまるっきり無いのですが。」

まゆ子「というか、この会の参加者はどちら側に属するか、というのも幽霊の出現に関わって来る。敵か味方か。褐甲角王国か紅曙蛸王国か。」
じゅえる「死人の多い方が祟って出るってことか。」
釈「なるほど、怖いですね。」
まゆ子「そうは言っても百物語は降霊術だ。死人の供養の為にも行われる。そうだね、これは葬送儀礼の一つということで位置付けよう。」

釈「しかし、敵味方双方が入り交じってそんなことやって、大丈夫なのですかね。」
じゅえる「つまり、15年後の情勢では、その両方がごちゃまぜに仲良くしている事態が発生する。そういうことだ。」

釈「褐甲角王国の兵と、紅曙蛸王国の兵と、おそらくはタコ巫女とかも混ざってのお話会でしょう。紅曙蛸女王様の侍女の側からの視点、ってのは外せません。」
まゆ子「うーん、そうなれば禁衛隊に居たエリート、とかも上層部の情勢を証言するのに必要だな。」
釈「しかし、そんな上等な人たちが集う会ですか? 私はもう少し、末端の兵士とかかなと考えますが。」

じゅえる「15年の歳月を馬鹿にしてはいけない。当時は下っ端だった人がその歳月で出世したとかも有りだ。」
釈「なるほど。当時はごく下っ端の巫女見習いであったとか、単なる伝令としてソグヴィタル王に会った、とかでいいんですね。」

まゆ子「ふうむ。じゃあ、あまり社会的地位は高くは無いが、円湾の戦争に従軍したことを誇り得る程度の地位はある人々、かな。」
じゅえる「OKです。」

釈「しかし、その時点でソグヴィタル王はどうなってるんです? 死んでますか?」
じゅえる「年齢は50歳くらいか。死んでてもおかしくはないけど、どうかな?」
まゆ子「平均寿命は越えているけれど、聖戴者としては別に普通だな。ただしヒィキタイタンさんは弥生ちゃんによってカブトムシ取り上げられるから、その後普通のひとだよ。」

じゅえる「死ぬか生きるか、これは大問題ってことだ。他に重要人物で生死が定まっている人は?」

まゆ子「チュダルム彩ルダムさんは、再起不能です。おそらくは、生きては居るけれど表舞台に出られる状態ではありません。弥生ちゃん退去後4年だったっけ?

 それと、クワンパ死んでます。円湾の戦いとソグヴィタル王の裁判が終了することで、マキアリイとは任務終了で分かれます。それから11年後、マキアリイは彼女の訃報を受け取ります。ちゃんと結婚して子供も生まれ、カニ巫女としての職務を果しながら生きて、ヤクザとの抗争で刺されて死にます。」
じゅえる「それは御愁傷さまです。でも任務に殉じたということで、いいのかな?」
まゆ子「マキアリイは納得しますね。彼女が自分が決めた通りの生き方を貫いたと。」
釈「もって瞑すべし、ですね。」

じゅえる「他に誰か、生死が定まっている関係者は。」

まゆ子「あー、無関係者ですが、この時期弥生ちゃんの獲得したトカゲ王国領滑平原、つまりは毒地内の領地の開拓地で、ヒィキタイタンさんの息子が代官として指揮を執っています。
 彼はつまり、ヒィキタイタンさんが聖蟲を失いソグヴィタル王の地位も無くなったことにより、王族としての資格を失うのです。
 無論、武徳王は彼を誰かの養子にするか、金翅幹元老員としての新しい家を用意するか、身の立つように考えますが、トカゲ神救世主二代メグリアル劫アランサの勧めにより、難民主体の毒地内開拓地の代官になります。」

じゅえる「つまりは、15年後の状況でしかも円湾の近くに居れば、外しては語れない人物になっているんだ。」
釈「えーと、24歳くらいですか。まだまだ若いですね。」
まゆ子「うん。若い上に、つまりは国の一つを任されたようなものだ。身分の高い生まれの人にとって、なかなか満足すべき状況であるのかもしれない。あるいは、もっと高い地位を望めるかと切歯扼腕しているのかもしれない。」
じゅえる「ふむふむ。なかなか人物設計考えるとこだね。」

釈「ではあれですね。この百物語の出席者は、毒地内のトカゲ王国領の開拓民ってことにしますか。ごっちゃまぜの人物配置が実現する場所としていいんじゃないですか。」
じゅえる「弥生ちゃんの影響も大きい土地ではある。そんなとこだろうかね。」

まゆ子「ふうむ。いいよ。ではそういう方向で、でも名の有る人物は出さないでおくか。」
釈「それも寂しいです。誰か突っ込んでおきましょう。あるいはこれから出る、活躍する人物をここで配置しておきます。」
じゅえる「そうか、今後活躍する人物だけど、この時点においてはただの開拓民に零落れた、というか世を捨てたって感じ?の人を配置するかな。」

まゆ子「人食い教!」
じゅえる「うむ、それもいいか。人喰い教団の誰かを突っ込む。あるいは督促派行徒の、…そうだね、シバ・ネベさん?」
釈「その人は死ぬ予定では?」
まゆ子「裏切りの結果としての、酷い死に方をする予定です。」

じゅえる「ふむだめか。あ、チュバクのキリメは?」
まゆ子「ほおおー、なるほど。」

釈「弥生ちゃんキャプテン方台退去後、彼の身の振り方も考えなきゃいけないでしょうね。劫アランサさんはそのまま留まって仕えてくれ、とは言うでしょうが、あれほど頑固な人がキャプテン以外の人に仕えるとは思えません。」

まゆ子「彼はもうすぐ結婚します。アィイーガの勧めで、身分を詐称する為に弥生ちゃんのとこにお参りに来た身寄りの無い難民の子連れ女を嫁にします。その後どうなるかはー、なにも考えてない。無いけれど。」
じゅえる「うん、ここで夫婦揃って出て来るのは、かなり良いな。一種の幸せだろう。」
まゆ子「ああ、そういえばチュバクのキリメとその妻は、結婚15周年だ。円湾の戦いとおなじ頃だね。」

釈「ではそういことで、チュバクのキリメ御夫妻、参加。と。」

 

08/09/22

弥生「あ、どうも。でぽ&でぽでぽ管理人蒲生弥生です。

 えーと08/09/22 げばると処女エピソード6 「第九章 ゆめのかよいじ、うつつのよみじ」前篇掲載となります。原稿用紙換算65枚、後篇合わせて100枚になる予定です。

 あーということで、現在三次元において取り込んでおりますので、しばらく御休みします。まあ1ヶ月くらい音沙汰なしですが、お許し下さい。」

 

08/09/11

まゆ子「現在げばると処女EP6 「第九章 ゆめのかよいじ、うつつのよみじ」前半は第三順に突入しております。もうちょいとで出来る。原稿用紙換算64枚。」

じゅえる「前後篇合わせて100枚だから、まるっきり計画通りだね。」
釈「というか、64枚は通常の一章よりも長いですよ。」

まゆ子「今回、おもしろい!」
釈「清子さまのお蔭です。」

まゆ子「第九章最大の難点は、イローエント難民暴動の様子を如何に描き、難民たちの生の顔をどのように出すか、これだったのね。こんなものを描けば枚数幾ら有っても足りないし、くらあ〜くなること必至だったのさ。ところがどっこい、清子さまのおかげでそこんとこするっとスルー出来ました。」

じゅえる「重視すべきは物語の整合性ではなく、読者サービスってこった。真実奥義なるな。」

釈「でも後篇は暗いんですよね。」
まゆ子「不思議話だから、暗い方がいいんだよ。ここらへんはオカルトだから、問題なし!」
じゅえる「そのコントラストがくっきり浮き出るところがいいんだ。」
釈「順調、ってことです。」

まゆ子「というわけで、げばると処女後半EP8以降を組み立ててみようと思う。」
じゅえる「ふむ、そろそろいいかな。」
釈「EP6も終盤、ケリが付き掛けていますからね。潮時でしょう。」

まゆ子「てなわけで、オマケを少々書きます。現在計画されているのが『トカゲ式竃』、『日本刀』、『紙』、『弥生ちゃん財宝』です。」

じゅえる「トカゲ式カマドってのはなんだい。」
まゆ子「弥生ちゃんは日本で使われて居たカマドを方台に持ち込みます。これは現在NPOの努力でアフリカの方でも導入され、優れた熱効率で薪の消費量が減り、複数の焚き口の利便性と湯冷ましの清潔な水がいつでも使えるということで、衛生環境の向上と労力の低下と森林資源の節約に非常に役立っている代物です。これを使えば方台でも同じ効果が得られる優れものだよ。」

釈「それは絶対に必要なんですね。」
まゆ子「無ければ死ぬと弥生ちゃんは思ってるほどの、切り札的存在。熱効率の向上は森林伐採を防ぐ最終手段であるから、新築家屋には法律で義務づけする程の熱の入れようだ。」
じゅえる「それほど森林伐採環境破壊に注意してるんだ。」

まゆ子「というか、乳幼児死亡率を低下させ医療水準を上げて寿命を伸ばしたら、当然人間が爆発的に増えて飢餓の問題に直面する。森林を切って畑を作る、薪を得るてことをしなければ生きられない。弥生ちゃんは自分が救世の為に行った善行の結果、方台を滅ぼすかもしれないというジレンマに直面して居るんだ。」

釈「それはー、恐ろしい話ですね。でもそんな遠くの話には誰も気付かないでしょう。」
まゆ子「弥生ちゃん以外にはね。で、弥生ちゃんはどうしようもなくなるかと思って、乳幼児死亡率の低下を諦めようと思ったくらいだ。」
じゅえる「げ、赤ちゃん死んじゃうのを良しとしたんだ。」

まゆ子「するべきかと悩んだが、それはさすがにしきらないよ。日頃病気の子供たちが手元にやってきて癒してるんだもん。元気になって喜んで帰る子供たちとお父さんお母さんの姿を見ては、合理的判断を押し通せないな。
 だから、子供が殺せないのなら大人を殺そう、という事になる。で、違法に森林伐採を行う者は情状酌量の余地無く張付獄門の刑に処す。」

釈「罰が酷過ぎませんか?」
まゆ子「そう思うけど、敢行する。それどころかこれを絶対禁令と称して、子々孫々トカゲ神1000年の大法とする。

 で、この千年間において人々はいかにして絶対禁令を掻い潜って森林を伐採するかの闘争を繰り広げ、最終的に理性によって方台を支配しようとする人間帝国が生まれて十二神救世主体制の打倒に成功。創始暦6000年頃からの近代工業社会建設の為に森林伐採を強行して、でー大災害を引き起こすんだな。」

じゅえる「自業自得だ。」
釈「はあ、ばかみたいな話ですね。」
まゆ子「つまり弥生ちゃんは自分が居なくなる千年間、バカと戦い続ける事を知って居たんだ。まさに千年間げばるとし続けるんだよ。」

じゅえる「日本刀、ってのは方台でも日本刀を作るんだね。」
まゆ子「そうだよ。ギィール神族の刀工が作った刀剣類は素晴らしいんだけど、あえてここでは一般人の刀工に依頼する。で、この人が作った刀は今後重要な役目を担うんだ。

 つまりだね、弥生ちゃんが現在下げているカタナはとても価値のある神宝となる。他では代え難い弥生ちゃんの分身だ。で、ジョグジョ薔薇の乱の後弥生ちゃんは南海のイロ・エイベント県からグテ地に跨がる黒甲枝諸侯国を作るんだけど、この時交渉の最中にその場を離れなければならない事態になる。
 で、そのまま交渉を継続する証しとして、自らの分身たるカタナを質に置いて来るんだ。代りに下げたのが、新しくこの刀工が打った日本刀「トカゲ刀」だ。

 この刀、品質としては最上級であるのは間違い無い。しかしながらその後すぐにコウモリ神人との最後のバトルでこの刀は武運拙く敗れ去る。よって弥生ちゃんは後に「神刃百八振」と呼ばれる、その場に居合わせた全員の刀剣を提出させてコウモリ神人の巨大な化身をやっつける戦いをするんだな。これは巨大コウモリの経絡秘孔に刀を一本ずつぶっこんでいく、とても神経の疲れる戦いだ。で、この戦いで弥生ちゃん本人も姿が透けて見得るほどのダメージを被りハリセンも破壊されて、それらを癒す為に未知なる海の向うの大陸に一人船出する事になる。

 で、「神刃百八振」は伝説となるのだが、そうなると役に立たなかった刀を打った刀工は非常に悔やみ、今度こそ弥生ちゃん様の御役に立てる逸品をと生涯を掛けて刀の研究に没頭し、最後に出来たのがつまり『創始暦5555年』で用いられる弥生ちゃんの刀となる。」
釈「なるほど、深い話です。」

まゆ子「つまりこのオマケはその前振りだ。最初に依頼していた刀が後にひょっこり出て来ても大丈夫なように、ここらへんで布石を打っているのだな。それに「神刃百八振」のエピソードよりも『創始暦5555年』の刀の話の方が先に描かれる。故にこうやって先に種を播いとくのだ。」
じゅえる「まゆちゃんはかしこいなあ。」

釈「『紙』は、やっぱり紙漉きですね。」
まゆ子「これは少し悩んで居るところがある。なんとなれば海は西と南にあるからだ。どっちのエピソードにしようか、ちょっと迷う。

 えーとつまりだね、これは弥生ちゃんが海で遊んだ時のお話だ。
 方台の人間は海苔を食わない。だから弥生ちゃんは岩海苔を摘んで来させてスノコの上に拡げて板海苔を作るんだな。板海苔ってのは江戸時代に紙漉きの技術を応用して作られるようになる。弥生ちゃんはそこで逆転の発想で、板海苔みたいに紙も作ったらどうだろうと考えるんだ。」

じゅえる「紙は弥生ちゃんの発明で、その後方台で広く使われて小説も新聞も出版されるようになるんだね。」
まゆ子「だから紙発明のエピソードは絶対にひつようなのだ。ところがだ、それとは別の海の話がある。

 弥生ちゃんは方台衛生環境改善の為に石鹸(セッケンヌ)の量産を画策する。それには質の良い油が大量に必要なのだ。しかしながら団栗を絞って作る現在の製油業ではとても需要を満たせない。そこで、南の海で大量に取れる油ゲルタという魚に注目する。

 南海の漁民が貧しいのは、この油ゲルタのせいだ。通常のゲルタと違ってその身にありったけ脂を含むこの魚は、網をぶっ込んだらバカみたいに取れて非常に困ってるんだな。脂ぎっているからまったく食べられない。干物にもならない。棄てるしかない害魚なんだ。しかし脂は絞ればいやと言うほど取れる。
 だがこの脂が曲者で、ここらへんの漁師はこの脂は武器に使ってるんだ。海賊とかに襲われた際に、小さな壷に詰められたゲルタ油に火を点けて相手の船に放り込む。すると物凄く臭い臭いが発生して敵を撃退出来るという代物だ。実際弥生ちゃんも土地の漁師に試させてみて火を点けると、裸足で逃げ出すくらいに臭い。

 しかしながらその臭いから考えて、これは油の中に不純物が交じっているからだ精製は可能だ、と気が付くのだね。で、学匠に命じてゲルタ油精製の方法を研究させて実現する。これでグテ地の人間は魚油の製造で懐が潤うというものだ。」

釈「いい話ですね。」
まゆ子「それだけに留まらないぞ。油を絞った油ゲルタのカスは産業廃棄物だ。普通のゲルタと同様これもまたアンモニアをたっぷり含んでいる為に凄い臭いがする。で、この産業廃棄物を畑に埋めたら良い肥料になると考えるのだな。で、諸国に輸出する。」
じゅえる「よい話じゃない。」

まゆ子「さりながら、これアンモニアの塊みたいなもんだ。畑に埋めるとそれは良い肥料となるのだが、雨が振り込まない屋内にゲルタ粕を埋めると土中で硝石が精製される。」
じゅえる「う! 江戸時代の硝石製造みたいなものだね。」
釈「うわー、鉄砲ができますねえ。」

まゆ子「そうなんだ。このゲルタビジネスを展開すると、いずれ火薬の製造と鉄砲大砲の発明に繋がる。しかしながらそれらの武器は狭い方台においては過剰な殺戮をもたらすのだ。」

じゅえる「うーむ、悩むはずだ。」
まゆ子「でも最終的にはやっちゃうけどね。ゲルタ油の方が重要だってことで。当然の帰結として方台には火薬銃器が生まれ、十二神秩序の支配を終らせる人間帝国誕生に繋がるのだ。」
釈「うーむー、みんな繋がってるんですねえ。」

まゆ子「そして「弥生ちゃん財宝」だ。弥生ちゃんが方台に居た時分にお宝を埋めてったという財宝伝説が長く残されて、時には政変にも繋がるほどの影響力を持つ。
 まあ一般人は金銀のお宝だと思うし、ちょっと詳しい人ならば神の力が篭った器物やら鉄をも切り裂き人を癒す神刀だと思う。実際神刀は長きに渡って方台では珍重される。

 しかし本当の意味での財宝は、って事になるとその価値を知る者はなかなかの知性派になるんだな。弥生ちゃんが書いた星の世界の知識を記した書物、ってのがそれだ。」

じゅえる「魔導書だね。」
釈「魔法の書、根黒の未婚ですよ。」
まゆ子「あーそーゆーのじゃない、普通の本だ。しかし内容は非常に危ない。

 まず弥生ちゃんが一般の為に書いたのが幾何学の本だ。弥生ちゃんは基本文系だけど、高校生が習う数学の教科書の全てを書いてしまう。これはよい。
 次に物理と化学の本を書いた。これもかなりの分が一般に公開される。しかし、或る内容は秘密とされる。それが火薬だね。火薬製造に関する記述はすべて別に秘本として記してある。その他に電磁気学とか核物理学とかも封じている。これらはさすがに方台の人間には早過ぎるから仕方がない。
 そして、機械の本だ。弥生ちゃんは西金雷蜒王国を陥落させる為に人工動力を使った戦船を作るんだけど、この設計図とか銃火機やら爆弾やら、ともかく作れるけれど作ってはならないものを一応はさらっと図式設計図付で書いている。まあ、方台科学の正常な進歩を妨げない為に、これらは禁止されたんだな。」

じゅえる「なるほどたしかに、財宝と呼ばれるだけの事はあるか。秘本がある、ってことならば妄想を働かせやすいしね。」
釈「ガモウヤヨイチャン様がお書きになられた予言の書、ってのがある、とかも考えられます。」

まゆ子「それとは別に、さらに重要な書物も書いている。これは主に褐甲角王国の衛視やら警察関係者向けに書いたり協議したりした問答集なんだがね、それも禁書になってる。」
じゅえる「重要な内容なの?」

まゆ子「弥生ちゃんは日本に居た時だって邪悪に虐げられる民衆を救おうと法律の勉強をしている女の子だ。だから六法全書もちゃんと眼を通して居る。判例とかにもかなり詳しいが、特に注目して居たのが経済犯罪だ。詐欺とか悪徳金融とかだね。で、褐甲角王国の警察関係者に貨幣経済が進展して行くだろう方台にいずれ発生する経済犯罪を示して居る。これが禁書になった。なんとなれば、その通りにすれば儲け放題の悪の書なのだな。」

釈「それはーおそろしく儲かりますねえ。」
じゅえる「王国が一個買えるくらいには儲かるね。」

まゆ子「それと弥生ちゃんは数篇の推理小説を書いた。シャーロック・ホームズを元ネタにした短い物語。これも犯罪の手口と犯罪捜査手法の守秘の為に禁書になっている。一般には公開されなかったから、推理小説の祖はざんねんながら弥生ちゃんじゃないんだ。」
じゅえる「その物語、めちゃくちゃおもしろいだろうねえ。」
釈「ホームズの推理をいきなり提示しちゃえば、そりゃあ大ショックですよ。」

まゆ子「実際そうなんだ。基本的には自白偏重の事件捜査ではなく、証拠主義を徹底させ冤罪を防ぐ為に実例集の形で描いたんだけど、あまりにも面白過ぎて衛視局内部でのみの閲覧にされてしまった。しかも、漫画図解入りで各種トリックを説明している。トカゲ神殿の薬の説明書も直筆漫画だから、方台における漫画の祖も弥生ちゃんなのだ。」

じゅえる「弥生ちゃん財宝は、たしかに恐ろしい価値があることは分かった。でもそれならば黙示禄的な予言の書も一緒に入れてもいいんじゃない?」
釈「そうですねえ、やっぱり予言が一番人が欲しがるものですよ。たとえ悪の書の方が数等倍儲かるとしても、です。」
まゆ子「やはり無きゃだめかなあ。」
じゅえる「予言は出来ないの、弥生ちゃんは。」
まゆ子「うん、その能力は無い。だが出来るよ、地球の歴史を紐解けば、方台で起きる事件に関して類例が必ず見付かる。しかしそれは予言とは言えないな。」
釈「恐るべき予言の書、って無理ですかねえ。」

まゆ子「共産主義の本を書いてたら、方台は崩壊しかねないから。それはやらないよ。」

じゅえる「それはさすがに恐ろし過ぎる。」

まゆ子「さて話を戻して、EP8以降の新章だ。これは弥生ちゃんがトカゲ王国をぶっ立てた後のお話になる。細かいとこはぶっ飛ばして、さくっと戦争を2回やって、西の海に去って行くよ。」
釈「基本的なスケジュールを示して下さい。
まゆ子「じゅえるやってよ。」

じゅえる「うん。あーつまりだね、

 ・トカゲ王国成立

 ・褐甲角王国分割案提示→無論大反発。しかし有識者達は落ち着いて考えて行くと、これがベストではないかと思い当たる。かっての方台とは異なり、十分に文明的に進歩した社会は分裂した国家群という形態を許容し、さらなる繁栄に繋がると知る。というか、この千年ずっと分裂してたのに、ちゃんと繁栄してるじゃないか。
 ・西金雷蜒王国服属せず→褐甲角王国に依頼して西金雷蜒王国討伐→大海戦敗北
 ・弥生ちゃんジョグジョ薔薇に命じて、イローエント南海軍を西百島湾に遠征→ついでに人工動力搭載の戦船を建造→圧倒的勝利を納める

 ・イローエント南海軍リストラ3分の1に縮小→南海は新生タコ王国の支配権が拡大→黒甲枝に不満渦巻く
 ・トカゲ王国、毒地内についに領土獲得。→褐甲角王国分割案承認、3王国に分割。毒地中央に王姉妹を支配者として戴く神聖ギジジット央国が成立、アィイーガが女王となり東金雷蜒王国神聖王ゲバチューラウとの二重王国になる。
 ・分割により急速に褐甲角王国内部で対立が生じ、時代の波から取り残された守旧派の黒甲枝が南海軍の不満を核として結集、抗議運動を開始する。
 ・弥生ちゃんの命により、ジョグジョ薔薇彼らの懐柔に務める。ジョグジョ薔薇はトカゲ王国宰相の地位を求めて一生懸命にやる。
 ・弥生ちゃん、神聖傭兵団結成。方台全土において紛争が生じた場合、正当な対価の提示をもってこれを出動させることとする。つまりは国連軍的なものを作る。

 ・相対化される旧褐甲角王国の大義を巡り、南に集まった黒甲枝達の内紛が起きる。そして、三王家に拠らない独自の国家樹立の気配が高まる。
 ・ジョグジョ薔薇説得に失敗。弥生ちゃんに報告に上がるが、宮中にて元々南海岸をタコ女王に引き渡す計画が有った事を知る。
 ・弥生ちゃんの正義に疑問を持つジョグジョ薔薇は、白の母よりトカゲ神の神威を帯びた刀を譲られる。これを示す事により、弥生ちゃんに独自の立場を主張すればよい。
 ・ジョグジョ薔薇、南海岸に戻り公然と弥生ちゃんへの批判を展開。褐甲角王国分割案を拒絶して、旧来の秩序の復活及び金雷蜒王国打倒と方台統一の大理想を掲げる。
 ・しかしながら、既に分割した三王家では再統一の意志が無い。過大な軍備による経済的な負担を脱ぎ捨てて適正規模にリストラした結果、分割した方が楽だと知る。どちらにしても、カブトムシの聖蟲を授ける機能は武徳王しか持たないので、政治体制が分裂してても問題は無いのだ。
・南海岸の黒甲枝達の内紛は、ついに分裂を招く。ジョグジョ薔薇はあくまでも中央に進出して弥生ちゃんと雌雄を決すべきと考え、神兵を主体とする一派が独自国家で引き篭る策を進めるのを拒絶する。
 ・イデオロギー的な対立の応酬の末、ジョグジョ薔薇天下に公然と弥生ちゃん批難と討伐を唱える。神が下し給うた救世主にNOを突き付ける態度は、方台人民をあっと言わせるものの、実際に戦争で討伐するわけが無い。ジョグジョ薔薇本人もそれは無いと知って居る。

 ・だが弥生ちゃん、これを挑戦状と受け止め、単身にてデュータム点近郊の宮廷より出陣。旗持ちシュシュバランタのみ従えて行軍する。
 ・弥生ちゃんは別に軍隊連れて行くわけではない。しかし、その噂を聞いた者が百姓町民から神兵神族まで次々と参陣し、ついには10万もの兵数でイロ・エイベント県に到着する。大してジョグジョ薔薇の方は1万にも満たない数。兵達も、弥生ちゃんに逆らうべきか迷って居る。
 ・だがそこに現れたのがどこから連れて来られたのか分からない謎の神兵達。ジョグジョ薔薇の命にのみ従う無気味な戦士で、彼らを正面に押し出して両軍対峙する。
 ・なんだか良くわからない内に戦闘開始。一般人も多い弥生ちゃん軍は無気味戦士達の人命を省みない行いで多数戦死する。それで両軍共に後戻り出来なくなり、一大決戦。無論ジョグジョ薔薇敗北。弥生ちゃんの前に引き出されて自害して果てる。
 ・南海岸イローエントに立て篭る黒甲枝達は、それでも抵抗を続ける。彼らと契約して独自の国家を作り新たなる使命を科そうと協議する最中、グテ地周辺で異変が起きたと聞き、弥生ちゃん出動する。
 ・コウモリ神人とのラストバトル。「神刃百八振」の伝説が生まれる。

 ・この戦いでハリセン破壊、弥生ちゃんも身体が透けてしまうほどのダメージを受ける。これを直すには方台の外にある何らかの装置で処理しなければいけないらしい。
 ・で、数ヶ月後弥生ちゃんは小舟に乗って方台を去る。お別れに皆泣く。

 ・そして4年が過ぎ、第二代救世主メグリアル劫アランサの力では抑えきれなくなり、方台が新たな動乱を迎えようとする中、西海岸に褐色の肌を持つ新たな救世主「釈ちゃん」がハリセンと弥生ちゃんの頭に居たカベチョロを持って到着する。以後、方台は方台に生まれた者によって支配され、生きて行く。(終り)

とまあ、こんなもんだ。」

釈「もちろん、これはまだ叩き台であり、主要部や主要キャラの動向が抜けてますし、どう考えてもジョグジョ薔薇が貧乏くじ引いているので、ここんとこをもう少しそれらしい陰謀家に仕立てて見せます。」

まゆ子「あー、ナルミン姫の話も出てないしね。」
釈「ジョグジョ薔薇と婚約して居る武徳王のお姫様ですね。彼女は弥生ちゃんキャプテンにいきなり斬り掛かり、額のカブトムシが負傷してその翅が無気味戦士の運用に使われるのです。」

まゆ子「で、我らがヒロイン弓レアルは、」

じゅえる「ちょっと待て、弓レアルはヒロインなのか?」
まゆ子「そうだよ。本編主人公は弓レアルだ。」
釈「きゃぷてんではないのですか?」

まゆ子「異な事を言うね。異世界召喚ものの主人公は、飛ばされる現代人ではなく、現地に住む人々だよ。部外者はあくまでも狂言回しに過ぎない。主役は現地に生まれた人、その鉄則を忘れちゃあなんねえよ。」

じゅえる「でも弓レアルはなんにもしないぞ。」
釈「そうですよ、何もしてないししたことありません。」
まゆ子「弥生ちゃんだって大したことやってないぞ。時折怪獣と戦ってるだけだ。」
じゅえる「いやまあ、そうなんだけどさ。」

釈「まあそうですかねえ、現代人の叡智で戦争にぱーっと大勝利、ってのが読者様の期待する活躍だとすれば、やってませんねえ。」
じゅえる「恋の一つもしやしない。確かに弥生ちゃんが主人公というのは、道理に合わないか。」

まゆ子「てなわけで、弓レアルが主人公です。

 さて万無能に見える弓レアルには、実は超能力があります。猫の話を聞くことです。」
釈「ネコ語が分かるんですか?」

まゆ子「いや違う。ネコの噂に相場が有ることを看破するのだ。つまり、ネコは人に噂話を売って食糧を得る。当然噂話は受けるものじゃないといけない。同じ内容の話でも、喋り方によって受け方が違う。故にどの話がどういう風に受けたか、をネコ同士が交換するのだ。で、その価値によって貸し借りが発生する。ネコにも金持ちと貧乏が居ることを、弓レアルは発見したのだ。」

じゅえる「それはネコ語での会話じゃないの?」
まゆ子「人間にどのように喋るべきか、は人間語で交換するよ、当然。で、茫然自失の弓レアルの前でネコ達は市を開いて、噂話の最適化を行って居るんだ。で聞くとも無しに聞いて居た弓レアルはその内に、難民達の中に戦で行方不明になった人が紛れ込んで居る、というのを知り、自力で婚約者を探しに行こうと決意する。」

釈「なるほど。」
じゅえる「なるほど、いきなり探しにいくんじゃなくて、当てがあるわけだ。」

まゆ子「というわけで、弓レアルはネコと一緒に旅をする。しかしながらその行く手には数多の危難が待ち構えて居る。てなわけで、護衛というかヒーローが要るわけだ。」
じゅえる「そりゃ当然だ。女一人で出歩いて大丈夫なほど、平和じゃないんだな。」
釈「まだまだ動乱は続いていますから。」

まゆ子「てなわけで、ヒーローを用意した! 元褐甲角軍の小剣令でイカ買い付けにも来ていたアルエルシイのおなじみのなんとかさん。この人を使用します。

 えーこの人は焔アウンサ王女の護衛に付いていたんですが、獣人にぶん殴られて意識不明。気がついた時は全てが終っていて、同僚や部下は皆死んだり重傷を負い、肝心の王女も死んでいる。にも関わらず彼だけはほぼ無傷で生き残っちゃったんだな。」
釈「それは辛い。」
じゅえる「それは悲惨だな。」

まゆ子「で、もう身の置き所が無くて軍も出奔して、カプタニアの低級な歓楽街で呑んだくれていたんだが、ネコの市の噂を聞くとも無しに聞いて居た弓レアルが彼の噂を発見し、アルエルシイに迎えに行けと助言する。で、彼を回収したアルエルシイが、もう軍隊なんかちゃっちゃと辞めちゃって、イカビジネスのお手伝いをしてはどうですか、と勧めて、そうなるわけだ。黒甲枝の次男三男が民間の商人やら富農やらの所に婿入りするのは珍しくもない話で、まあそういう事で民間人になる。」

釈「それで、弓レアルさんの冒険に彼が出演するわけですか。」
まゆ子「まあどういう風に使うかはこれから考える。

 で、弓レアルは婚約者が失踪したベイスラの戦場を探し人に会って話を聞き、様々な苦難を乗り越え、なんでも願いが叶うというタコ女王の頭冠の力にすがろうとし、ついには弥生ちゃんとジョグジョ薔薇の戦争に参加し、敵の中に居る婚約者を発見する。記憶喪失となった彼を愛の力で救い出し、方台を退去しようと小舟に乗り込む弥生ちゃんの元に詰め掛ける民衆の中に混じり、弥生ちゃんのロイヤルタッチで記憶が元に戻り、めでたしめでたし。」
釈「めでたしなわけです。」

じゅえる「けっこう面倒くさい話だな。」
まゆ子「めんどくさいよお。婚約者の軌バイジャンさんには、失踪中に女が出来てるしね。」
釈「例の、杣女ですか。」
まゆ子「例の女さ。」

じゅえる「泥沼だな。うんうん愛の定石どおりだ。その女ぶっ殺そう。ジョグジョ薔薇の乱の中で戦死する。で、弓レアルに男を托すのだ。」
釈「となれば、その少し前に弓レアルは、女と一緒に居る婚約者、ってのを目撃しておかねばなりませんね。」

まゆ子「ううめんどくさい。」

 

08/08/19

まゆ子「さて、げばおとEP6 「第八章 青髪白鯣の呪い」が出来ました。50枚!」
じゅえる「すっかり月刊になってしまった。」
釈「今月中に次をなんとかしましょう。」

まゆ子「というわけで、考えついた順に第十章を先に書く。しかしながら、第九章も同時平行だ。」
じゅえる「あー、また1ヶ月掛るよこれ。」
釈「泥沼ですねえ。」

まゆ子「ちなみに、7章イカ→8章アルエルシイ、8章人食い教徒→9章人喰い教徒、10章赤甲梢→11章焔アウンサ、と繋がる。そういう仕組みになっている。」

じゅえる「では9章→10章にもなにかつながりを入れておくべきだろうね。」
釈「今回の目的は神聖王ゲバチューラウ近辺の描写です。でこの回の主役は田吾作さん。それとトカゲ巫女チュルライナです。」
まゆ子「鱗繋がりでいこう。タコリティは海沿いだから、鱗関連のなにかを出しておこう。」
じゅえる「ふむふむ。魚皮というのは方台では割と珍重される物質だから、それを入れておくか。」

まゆ子「さて9章です。こう言っちゃあなんですが、女の子が主人公の回は面白い。アルエルシイの回は面白かった。」
釈「基本的にそういう風にできてますねえ、げばおとは。」
じゅえる「というか、男性キャラがまったく出て来ないウエンディズを矯正する為に、わざとファンタジー世界を作り上げたのが、「げばると処女」だ。男が苦手だからやってるんだよ。練習だ。」
まゆ子「驚くべき旧事実です!」

釈「でも第9章は男の人が主役ですよ。どうします?」
じゅえる「うーむー。」

まゆ子「ここでゲストです。鶴仁波清子さま、おひさしぶりでございます。」

清子「夏は暑いですねえ。皆さんお元気ですか。」
じゅえる「いやまあ、あんまり元気じゃないです。」

釈「まゆ子先輩。清子さまがおいでになったという事は、つまり、ギブアップですか。」
まゆ子「えへえへ。」

清子「「げばると処女」の次の章にお困りとか聞きました。それでは具体的にどの辺りが困っているのでしょう。御力になりますよ。」
じゅえる「かんたんに言うと、話が暗くて面白くない。これに尽きます。」

清子「まあ。」
まゆ子「実はそうなんです。構造的に面白くない回なんです。」

清子「お話は面白くなくてはいけません。これは絶対です。」

釈「それはそうなのですが、しかしこの回は深刻な問題を取り扱わねばならない、因果な話なんですよ。」
清子「面白くなければなりません。」
じゅえる「確かにそうです。」
清子「面白く。」

じゅえる「まゆちゃん。路線変更だ。第九章は面白い回にけってーい。」
まゆ子「いや、ダメなんだったら。」

清子「無理を通せば道理は引っ込みます。」

釈「まゆ子先輩。やはりこれはダメです。面白くしましょう。」
まゆ子「ううう、分からない…。」

じゅえる「つまりどこかギャグっぽいものを入れれば良いわけだ。しかしこの回は非常に複雑かつ深刻な問題を取り扱う。」

釈「しかし、今回主人公レメコフさんは、カニ巫女クワンパと良いコンビです。これを前面に押し出すのが吉では無いでしょうか。」
清子「この御二人は以前、変装なさってますね。潜入捜査の為に。」
釈「はい。」

清子「では今度もこれでいきましょう。コスプレです。」
じゅえる「おお! なるほど、それは素晴らしい。まゆちゃん、コスプレだ。」

まゆ子「しかし何の為に。」
釈「そりゃ変装して潜入捜査に決まってるじゃないですか。考えてみれば当たり前です。人喰い教団の深部を探るのに、普通の手段で出来るわけがありません。」
まゆ子「普通でない手段でもダメだよ。ガード固いよ。」
じゅえる「ガードを突破する為に、コスプレするんだよ。なにか無い?」

まゆ子「そうは言っても、コスプレも何も、がっちがちの秘密組織だもん。潜入と簡単に言うけれど、こちらから潜入する前に向こうから潜入されてるんだ。」
清子「つまり、すべて監視されているのですね。通常の手段は。」
まゆ子「はい。ですから捜査は行き詰まってます。」

釈「突破する手段は本当に無いんですか?」
じゅえる「なんか一個くらいあるでしょ。」
まゆ子「褐甲角王国の衛視や巡邏からアプローチ出来る手段では、絶対にあり得ない。もちろん難民なんかからでも無理だ。人喰い教団は確固としたネットワークを形成し、異分子の進入を絶対に許さない。」

清子「では秘密組織から人喰い教団へのアプローチはどうでしょう。色々とありますよね。」
じゅえる「そうだ、金雷蜒王国のジー・ッカとかウイ・ゴーマン・ゲイルとか、東金雷蜒王国のスルグリからなら入れるでしょ。」
まゆ子「無理。何故ならば敵国組織だもん。」

釈「しかしジー・ッカは今現在、弥生ちゃん先輩の支配下にありますよ。」
まゆ子「でもレメコフさんがどうやったらジー・ッカに接触出来るんだよ? それくらいなら直接人喰い教団に入った方が楽だよ。」

清子「弥生さんのツテでは無理なのですか?」
まゆ子「レメコフさんは弥生ちゃんとはまったく関係を持ちません。残念ながら。」
じゅえる「でも弥生ちゃんは、タコリティに手を回してないわけは無いでしょ。これはどうなの?」
まゆ子「そりゃやっぱり、ジー・ッカ経由で、…アレ?」

釈「やっぱりそうじゃないですか。出来るんですよ、このルートで。」

じゅえる「弥生ちゃんは当然のごとくに南海にも注目してる。そりゃ当然だ、ヒィキタイタンさんを使って方台の新秩序を作り上げよう、と思ってるんだもん。それに無法都市タコリティはテュラクラフ女王の復活で弥生ちゃんに返しきれない恩義を受けている。弥生ちゃんの言うことならば絶対聞くんんだよ。うん。」

清子「弥生さんはどのような形でジー・ッカを使役しているのですか。それに化けて入ればよろしいと存じます。」
まゆ子「通常のジー・ッカのメンバーは、普通の一般市民やら神官やらに化けている。これに潜入するのはそもそも誰がジー・ッカメンバーなのかを知らなけりゃまったく無理。」

じゅえる「通常じゃないジー・ッカメンバーは?」
まゆ子「………あ、青服の男、だ。」
じゅえる「OK!」
釈「やったあ!」

清子「青服の男に化けて潜入です。あれはかっこいい人ばっかりを集めているのですね。」
まゆ子「うう、俳優みたいに面が良く背も高く見栄えのする連中で、武芸にも体術にも優れてる…。」
じゅえる「レメコフさんが化けるのに最適だね。」

まゆ子「問題がひとつ。青服の男はとてつもなく目立つ。というか、目立たなければならない。」

釈「額にカブトムシの聖蟲を乗っけているんです。軽業でもすれば、十分目立ちますよ。」
清子「カブトムシを頭に乗っけた神兵は、軽業もすごいのですよね?」
まゆ子「そりゃあもう、屋根まで飛び上がりますから。」
じゅえる「素晴らしい。」

釈「ではカニ巫女クワンパも変装です。杣女に化けます。」
まゆ子「うう、残念ながらクワンパは化粧ッ気の薄い、あまり美人じゃない娘だ。」
じゅえる「にんげん頑張ればなんとかなる。」
清子「素敵。」

まゆ子「あー、たのしくやらなきゃいけないってことならばー。こんな感じか。

 クワンパの進言でレメコフさんは青服の男の格好をする。これでうろついてたら、本物の青服から連絡があるかもしれない。
 しかし青服の男はともかく目立つ。というか、目立たなきゃ仲間と認めてもらえないだろう。ってことで、レメコフさんは大道芸をする。
 しかしながら羞恥心があるから、あまり上手くできない。クワンパに冷たい目で見られる。で、やぶれかぶれになったレメコフさんは屋根の上に飛び上がって大見得切って大暴れ。
 あんまりやり過ぎて、本物の青服の男が接触して来る。で、たちまちレメコフさんだと見破られ、なんだかんだで人喰い教団の深部に到達するルートを教えてもらう。」

じゅえる「ちょこっとご都合主義だが、まあいいか。何も無いよりは遥かにそれらしい。」
釈「そこんところはなにか良い手を考えましょう。

 人喰い教団の側でも困って居るのを助けるとか。たしか青服の男は薬も売ってるんです。人喰い教団の重要人物が王国の追求で傷付いて、とかで薬を届ける役をレメコフさんが代わってやる、とかですか。」
清子「この役をする人は必ず殺されるものだ、ということにしておきましょう。レメコフさんは体のいい身代わりです。でも頭にカブトムシが居るのですから大丈夫という話に。」

じゅえる「そこで大立ち回りです! で、これはかなわんということで逃げ回る人食い教徒を、地下の洞窟通路内を追っかけ回していく。」
まゆ子「なるほど。そこで第2部突入だ。」

釈「金銀財宝が無造作に転がって居るんですよ、その通路は。」
清子「不思議な経典とかもですね。図書館です。」
じゅえる「まゆちゃん、ご要望にお答えして。」

まゆ子「あーそーゆーことでありましたなら、地下大都市。真のタコリティは地下にある。」
釈「おお!」
清子「もう一声お願いします。」

まゆ子「うーん、そうするとおー、地下王国地下宮廷地下裁判。」
じゅえる「イローエント軍制局が人喰い教団に支配されるその理由がここで明らかになる、ってことだな。どんと凄い秘密を暴露しなくちゃいかんよ。ビジュアル的にもぐっと来る奴。第2部突入は最後の扉を開いてそれが明らかになる、ってことでね。」

まゆ子「では地上世界を支配する不思議な天球儀とか、そういうデカいカラクリを用意しておこう。これに従えば地上で起きる出来事がすべて予言出来る。つまりは聖山大洞窟のゲキの予言と同じもの、同じゲーム盤を拡大したものが、ここにあるんだ。イローエント軍制局、いやさ褐甲角王国の政治もこのゲーム盤に基づいて操作されている。

 ハジパイ王が主導権を持つ先政主義も、このゲーム盤が導き出す未来予想図に従って人知れず人喰い教団がサポートしている。白の母が若きハジパイ王に接触したのも、これの指示に基づいて居るのだー!

 てなところでどうだ!」

清子「素敵。ですが、そんな都合の良いものが本当に人間の知恵で用意出来るのでしょうか。」
じゅえる「そこにはなにか、不思議の根源が必要だな。コンピュータの心臓部にあたる。」
釈「文字どおりの、なにかの心臓であるべきではありませんか。人喰い教団ですから、人体のパーツの一つというのがよろしいかと思います。」
まゆ子「心臓ね、神の心臓。うーん、どうしよう、ッタ・コップの心臓とかにするかな。」

清子「あまりオカルトは良くないと思います。それこそコンピュータである方がまだ信憑性があります。」

じゅえる「まゆちゃん、ここだよ。ピルマルレレコが出るべきなのは。」
まゆ子「…あー、ピルマル細胞だ。」
釈「ピルマルレレコの身体を切り出した塊ですね。超コンピュータ生物の。」
まゆ子「いや、だがここはピルマルレレコを出すべきか、すこし迷うぞ。むしろなんでも知ってるタコ女王に関連する遺物である方が、いいんじゃないか?」

じゅえる「うーむなるほど。ではやはりタコ石で作られた心臓ってことにするか。どっくんどっくん動く。」
釈「しかし有りふれたイメージではあります。あまり嬉しくない。」

清子「むしろ正体不明の方がよいのかもしれません。よくは分からないけれど動いて居るサイコロです。これに従ってゲーム盤では駒が動いて行く。しかしそのサイコロがなんであるか、正体を確かめようとすれば、」

じゅえる「確かめると?」

清子「何者かの目が覗いて居る。正体を確かめようとした者の目を覗く、向こう側の目がある。」
釈「こわー。」
じゅえる「それはコワイですよ。」
まゆ子「ちょっとおっかな過ぎます。でもそうしましょう。」

じゅえる「となれば、レメコフさんは天寵司祭の制止を押し切って最終的にこのサイコロの目を覗く。そしたら部屋が崩壊する。」
まゆ子「うむ。」
釈「OKです。」

じゅえる「でも誰の目?」

清子「それはやはり、タコヤキ王女様ではないでしょうか。」
まゆ子「タコヤキ王女の夢、なんだった。そういえば。」

じゅえる「では、ヒィキタイタンさんが円湾の自室に戻って見ると、タコヤキ王女がテュラクラフ女王からもらった願いの頭冠に付いている透明な石を覗いている。なにか見えるのか?と聞くと、「色々」と答える。」
釈「いいですね。」

清子「いいです。ですが、それをする前にタコヤキ王女様について、ほんの少しでもさわりを挿入しておくべきです。」
まゆ子「分かりました。では冒頭混乱する市中の情景描写の中に、七代さまタコヤキ王女がなんでも願いの叶う頭冠を持っている、という評判の話を混ぜ込んでおきましょう。」

じゅえる「よっしゃあかんせーい。」

 

08/08/12

じゅえる「なんか異変が起ってるよ。アクセス数が異常に伸びてる。」
釈「・・・確認しました。なんか5日で2000ばかり増えてます。」

まゆ子「え? なんで??」

じゅえる「どこか有り難い御方がリンクしてくださったのかもしれない。」
釈「アクセス数が増えることは別に悪くはないでしょ。」

まゆ子「いや、それはいいんだけど、どこ?」
じゅえる「アクセス解析仕込んでないから、分からない。入れとこうか。」
まゆ子「うーむ、ま、いっか。

 というわけで、げばると処女EP6 「第八章 青髪白鯣の呪い」の初稿ができました。枚数は知らん。」

じゅえる「ちと遅くないかい。」
まゆ子「というか、いつの間に8月なんだ?」
釈「まあ色々忙しかったですから、日付感覚が飛んでしまいましたね。」
まゆ子「暑いから。」

じゅえる「せめて16日に掲載したいところだが、ダメかい。」
まゆ子「やろうと思ったけど、頭が働かない。一度クールダウンしなくちゃ、バグが読めない。」
釈「バグ取りは何書いたかころっと忘れて、他人の目でチェックしないと無理ですからねえ。」

まゆ子「というわけで別のコトする。

 弥生ちゃんはEP7で方台に帰ってきて大審判を下し、EP8で青晶蜥王国を建国する。」
じゅえる「予定に変更ナシ。で、」

まゆ子「EP8第一回めは、オマケだ。『創始暦5555年』になる。」
釈「弥生ちゃんキャプテン再臨、ですね。」

じゅえる「それは絶対に必要なわけ?」
まゆ子「いや、別に書きたくなきゃ書かなくていい。ただちょいと思いついただけだ。」
釈「それはこれまでに積み重ねて来たキャラのストックが、まるっきり役に立たないでしょう。やるんですか。」
まゆ子「やる。」

じゅえる「ふむ。で、何か成算はあるのかい。」

まゆ子「これまでの予定では、十三代目トカゲ神救世主カラマンティ清ドーシャって人が火の中に飛び込んで捨身祈祷を行い、お昼休みに焼きそばパン食べていた弥生ちゃんを強制的に召喚する、というとこだけ出来てる。」

じゅえる「面白いだけだな。」
釈「その人がそこまでの行為に走るだけの、世情の大混乱があるわけですね。でも、正直言ってそんな設定作りたくありませんよ。」
まゆ子「まだ後半もできてないしねえ。」

じゅえる「こういう時はすっ飛ばすに限る。サブタイトルだけでっちあげるんだ。」

まゆ子「なるほど。ではー、13回?」
釈「8回で上等です。」
じゅえる「8回+エピローグだ。これ以上伸びる事は許さん。」

まゆ子「ふむ。で、第一回が弥生ちゃん再臨。最終回が弥生ちゃん永遠の帰還、ですか。山場はどうしよう。」
釈「今回は山場ばっかり、というところがいいです。撃破撃破撃破撃破、でいきましょう。」

じゅえる「ということは、全ての回で弥生ちゃんが主人公となる。」
まゆ子「悪くない。しかしそれでは悪党共の設定ができないな。」
じゅえる「どうするね、ぶち殺すかい。ぶち殺すのであればそれなりの邪悪にしないといけない。」

釈「きゃぷてんのキャラは、そんなに殺してはいけませんよ。」
まゆ子「まあ現在でも本人はあんまり殺してないからねえ。しかし怒れる破壊神、という感じでいきたい。本来なら弥生ちゃんはこういう姿も取っていたんだよ、という憤怒の相、不動明王みたいな姿に人々は恐れひれ伏すのだ。」
じゅえる「なのはさんみたいなのだな。」

釈「ではシリーズ通しての一本筋の通った謎を用意しておきましょう。それに群がる輩をばったばったと薙ぎ倒す。」

じゅえる「弥生ちゃん財宝だな。」
まゆ子「うむ、それはいい。しかし金銀サンゴ綾錦では弱いぞ。」
釈「M資金みたいな感じで、架空のお宝にしましょうか。これのせいで人々は塗炭の苦しみに喘いでいる。」
じゅえる「ネズミ講みたいなもんかな。」

まゆ子「邪教もぶっ飛ばしたい。」
釈「では悪の救世主教会ってのをぶっ飛ばしましょう。救世主神殿と救世主教会と二つあって、救世主教会が悪なのです。」
じゅえる「キリストさんみたいに、邪悪の神殿に乗り込んで諸々の神の像を踏み壊して行く、てのはどうだろう。」
まゆ子「それ採用。でも逆に、偶像でない偶像をぶち壊しましょう。無限の力を持つとされる無体神の象徴的アイテムをぶっ壊す。」
釈「えらく挑戦的ですね。一神教の皆々様に喧嘩売る気ですか。」

じゅえる「それはあれだ、ピルマルレレコを象徴するアイテムなんだけど、弥生ちゃんがこれこそ真のピルマルレレコだ!ってのを改めて打ち出すんだよ。で、これまでの信仰の対象を完膚なきまでにぶち壊す。」

まゆ子「となれば、ピルマル理科工業を出すか。いや、でももう出したしなー。」
釈「『創始暦6666年』ですか。」
じゅえる「ここでは、ピルマル理科工業は善玉として出る。悪の組織をぶちのめすのに役立つんだ。」
まゆ子「おお、そうか。それは気付かなかった。じゃ、そういうことで。」

釈「じゃあ、まずは救世主神殿の悪い神官どもをやっつけて、救世主教会の邪教信者どもをやっつけて、ネズミ講で人々を苦しめる奴をやっつけて、当然悪い領主もやっつけて、えーと?」
じゅえる「悪い農民自治運動をやっつける。」

まゆ子「最後には諸悪の根源である十二神方台系の閉塞感をぶち破る為に聖山でゲキに会う。で、他の方台と通じるゲートを開通させて人々の目を外に向けさせる。これで社会は安定を取り戻すという寸法だ。

 ちなみに第1話は弥生ちゃんが出て来るのは最後。呼び出すまでのカラマンティ清ドーシャの苦悩から捨身祈祷へ至る道筋を描く。」

じゅえる「エピローグは、かなり穏やかに終る方がいいよ、こういう場合。
 たとえば、すっかり正常になった方台の救世主神殿の綺麗な庭で、呼び出したカラマンティと囲碁とかゲームを静かに楽しみながら今後の方台の行く末を語り合い、ふと気がつくと弥生ちゃんは居ない、とか。」

釈「あの方は行ってしまわれました。ありがとう弥生ちゃん。」

まゆ子「うむ。楽狆の終り方だ。」
じゅえる「まとめよう。

 1) 5555年の世情の混乱と退廃を憂いて、カラマンティが捨身祈祷を行い弥生ちゃん再臨。
 2) 焼きそばパンの恨みから荒れ狂う弥生ちゃん。すっかり官僚化しちゃった救世主神殿を粛正し、親衛隊を再結成。
 3) とりあえず手近の悪として、近隣の悪代官を完膚なきまでに叩きのめす。
 4) 返す刀で、ネズミ講で人々を誑かす悪辣な商人を撫で斬り。
 5) 更には人々を強制的に駆り立てる農民自治運動の虚構の仮面を剥ぎ取り、邪悪な素顔を明らかにし、粉砕!
 6) 遂に悪の本丸、救世主教会にて無体神ピルマルレレコの信者共を一喝、真のピルマルレレコの姿を明らかにする。
 7) 方台混乱の原因が閉塞した環境にあると知り、弥生ちゃんは聖山大洞窟にてゲキと対面、交渉の結果他の方台に通じる次元トンネルを開通させる。
 8) すっかり平穏に戻った十二神方台系。救世主神殿の庭でカラマンティとゲームを楽しみながら今後の方台の行く末を語り予言を残し、静かに弥生ちゃんは消えて行く。もちろんゲームにも勝つ。

まゆ子「問題ない。」
釈「OKです。」

                    ***

まゆ子「で。弥生ちゃん再臨第2話で救世主神殿の粛正を行うわけだよ。これも酷い有り様になっていてねー、特に「神撰組」が役に立たないくせに威張りくさって、まあどうしようもない鼻つまみ者ばっかなんだ。」

釈「500年は長いですからねえ。」
じゅえる「となると、全員ぶち殺すのかい。」

まゆ子「いやそこまではしない。というか、ウラタンギジトから降りて来た時と同じ大演習をやったんだな。当然「神撰組」の連中は初日の早い時間に全滅だ。こんなもの使えるか。」
釈「それはー、かなり気の毒でもありますか。」
じゅえる「実力が無いんじゃ仕方ないな。」

まゆ子「てなわけで使い物にならないから、別口を探す。で周囲の者に話を聞くに、それに該当する者は「野球拳団」だろうってことになる。」
じゅえる「そりゃあ事典に書いてる奴だね。弥生ちゃんが教えた「ゲリラ的美少女野球」をそのまま受継ぐ連中か。」

釈「これは使い物になるんですね。」
まゆ子「使えるし、彼らは在野で正義の味方をしている。不正に満ちた世を正そうと闇に隠れて戦って居るのだ。」
じゅえる「うむうむ、実にゲリラ的美少女リーグっぽいね。」
釈「わたしたちも鼻が高いです。」

まゆ子「で、これを持って来て「新生「神撰組」」を作るんだな。

 でもそれと同時に、弥生ちゃんは自分のカタナをどうにかしなければいけない。弥生ちゃんの愛刀「カタナ」は、その後の世界中を巡って居る最中に折れてしまった。折れた所では御神体になってるんだけどさ。」

じゅえる「つまり、新しいカタナが欲しいんだ。」

まゆ子「実はこれから描くんだが、弥生ちゃんは日本刀式の刀の製作を方台の刀鍛冶に発注している。当時名人と呼ばれた人だが、聖蟲は持っていない。この人に青晶蜥王国で用いる為の実用日本刀の製作を指導しているんだな。
 で、これはその後「蜥蜴刀」として一つのジャンルを作り、主に青晶蜥王国において使われる。それも格式のある刀剣として、一種のステータスになっている。」

じゅえる「いいんじゃない?」
釈「全然OKですよ。」

まゆ子「ところがどっこい、弥生ちゃんが方台を去った後、刀剣製作の技術がいきなり劣化している。ギィール神族の数が減って、高水準の刀剣が製作されなくなったんだな。弥生ちゃんが依頼した名人は立派な刀を作り上げたが、その後失伝し、形だけの蜥蜴刀になってしまった。」

じゅえる「ふむ。でも武器としては問題ないんじゃないかな。人は殺せるんでしょう。」
まゆ子「まあね。要するに褐甲角の神兵とガチでやりあう機会が無くなったから、過剰な品質の刀剣が必要無くなっただけなんだ。だがそれはまぎれもなく退化だな。」

釈「それで、どうしました。」

まゆ子「弥生ちゃんはどうしよーもない「神撰組」から彼らが大事に吊っている蜥蜴刀をぶんどって試してみる。拵えは立派な刀ばかりだったけど、弥生ちゃんの実用に耐えるはずもない。全部ボツだ。

 ちなみに弥生ちゃん本人は、余所の方台を巡って救世主稼業を続けている間に、指から気合いを放出して作り出すライトセーバー「弥生剣」の能力を身につけた。これがあれば特に本身の刀は要らないんだが、形式として無くちゃかっこがつかないんだな。」

じゅえる「でもそうすると、ギィール神族の鍛えた刀しかダメなんじゃないかな。」
まゆ子「うん。しかし弥生ちゃんは自分が作った時代の500年を信じる、として、あくまで一般人がこしらえた刀にこだわる。で、各地の宝物庫を巡り数多の宝剣神刀が用意されるが、どれひとつとして使うに足るものが無い。

 諦めようかって考え始めた時、その弥生ちゃんが依頼した名人が死の真際に打った最高傑作というのが持ち込まれる。これはその名人が「ようやくにして、ガモウヤヨイチャン様の御使用に耐える逸品を打てた」と述懐するほどの名物で、救世主神殿に奉納されるはずだったものだ。
 しかしながら、それを打ち終えた直後に名人は急な病で息を引き取り、この刀は流浪の旅に出る。」

じゅえる「ふむふむ、いわく付きの刀なんだ。」

まゆ子「ちなみにこの名人が打った蜥蜴刀はすべて実用目的で作られたから、現在はほとんど残っていないんだな。有るのは彼の後継者が打ったものばかり、もちろん2、3代後くらいまでの作品はそれなりに見事なものなんだけど、それでも弥生ちゃんの気に入らなかった。で、彼らの後の世代で急速に堕落するんだな。」

釈「して、その最後の名品はどうなります。」

まゆ子「どこをどう巡ったか分からない。しかし数十年前にひょっこり或る好事家の手に入り、宝物として納められる。
 で、この好事家の孫が弥生ちゃん再臨を聞いて、献納にやってきたんだな。」

釈「それまでの流浪の旅は、一本の物語になりますね。」
じゅえる「で、これはいいんだ。」

まゆ子「うん。弥生ちゃんはこれを振ってみて、その名人がよくぞここまでに鍛えたと例外的に称えるほどだ。で、明珍の兜をぶった切って見る。もちろんトカゲ神の神威無しの刀の実力で。結果は2寸ばかり鋼鉄の兜に食い込んで刃こぼれ無し曲りも無しという立派な成績。ちなみにこの兜は、役たたずの「神撰組」の隊長の私物で、実に立派なものだよ。

 これに青い光の神威を与えて、弥生ちゃん完全復活だ。」

じゅえる釈「おおー。」

まゆ子「で、最終回。ゲームをしていた弥生ちゃんが、カラマンティがちょっと目を離した隙に消えている。で、椅子の上には弥生ちゃんが肌身離さず持っていたそのカタナが静かに横たえられているのを見て、ああほんとうにいってしまわれだのだなあ、と理解するのだね。」

釈「綺麗に終るわけです。」

 

08/08/04

まゆ子「えー、げばると処女EP6 「第八章 青髪のアルエルシイ」はとりあえず半分書きました。ちょろいちょろい。」
じゅえる「楽狆なはなしだからね。」

釈「注意点はどこでしょう。」
まゆ子「今回は、剣劇です。クワアット兵が実に強い!ってことを存分に描写します。でも相手が人食い教徒だと弱っちいんだよね。」

釈「アルエルシイの恋人?の学匠のひと、なまえはー、シバ・ネベさんでしたか、はどうなります?」
まゆ子「今回帰って来ます。どろまみれになって。彼は彼なりに凄い戦争に遭遇したのです。」
じゅえる「ほお、じゃあ今後の動きは?」

まゆ子「彼は、武徳王暗殺計画からは抜けました。現実にゲイルの恐怖を体感して、そんな風には考えられなくなり、仲間から追放されたようなかたちになってます。」
釈「それはそれで面白い展開が描けそうです。」

まゆ子「うーん、そうだね。彼は転ばしますか。後に督促派行徒狩りが行われた際に、元の仲間を裏切り火焙りにしていく、とか。」
じゅえる「うむうむ。そのくらいがいい。うん。」
釈「しげきてきです。」

まゆ子「というわけで、第9章 タコリティ動乱を描くのです。予定100枚!」
じゅえる「大事だな。」
釈「通常の2回分ですか。じゃあ前後篇という感じでいきましょう。」
まゆ子「そだね。では前半と後半はがらっと印象を変えるということで、

 …で?」
じゅえる「なんか手掛かりくらいあるんでしょ。」
まゆ子「そんなものがあるわけないじゃん。」
釈「予定通りです。」

じゅえる「えーと、タコリティとイローエントと円湾、このどれを描くべきかなんだ。で、人食い教の闇を描くわけだよね。」
まゆ子「タコリティとイローエントは双子と言ってもよい都市だ。どちらも長い歴史を誇る。当然闇も深い。」

釈「逆から考えましょう。EP7で円湾は褐甲角軍の総攻撃を受けて陥落する予定です。であれば、本章の最後はそれに続く戦争の予感で終らなければなりません。」
じゅえる「定石だね。」

釈「であれば、戦争を受けて立つヒィキタイタンやタコヤキ王女はあまり動くべきではない。」

まゆ子「いやそれはどうだろう。ヒィキタイタンは動かさざるを得ないだろ。」
じゅえる「この回はやはり主役はレメコフ誉マキアリイさんであるべきで、お供のカニ巫女クワンパも従うべきでしょ。彼がヒーローだ。
 となると、ヒィキタイタンはダークヒーローとして大きく立ち塞がるという図式が、…て、ダメか。」
釈「ヒィキタイタンさんはあくまでも光の存在ですから。ですが、闇の向うの光という感触で出るのは吉です。」

まゆ子「レメコフさんが人喰い教団を追って行くと、向こうから追って来たヒィキタイタンさんとばったり出くわす。これだね。」

じゅえる「まあね。でもシチュエーションを選ばないと。邪教の神殿で美女が一杯とかの場所? あるいは冥い洞窟でばったり? 海の上でも市場の人の波の中でもいい。」
釈「おもいっきり場違いな場所がいいと思います。タコリティでも円湾でも無い、そこからは想像も出来ない場所で。」
じゅえる「この章は深く深く、地の底深くに潜って行く感触を読者様に与えるべき回だ。であれば、ヒィキタイタンと遭遇するのは、」

まゆ子「天!」

釈「高いところ、ですね。太陽のさんさんと降り注ぐ。」
じゅえる「高塔の上、灯台だ。」
まゆ子「OK。灯台の上でレメコフさんはヒィキタイタンさんと遭遇し、互いの近況とこれからの王国の行く末を論じ合い、別れ行く。」

じゅえる「その話し合いの場所に、タコヤキ王女は必要無い。」
まゆ子「うん。であれば、タコヤキ王女は二人の行動に対して超然としているべきでしょう。すべてを見透かすように、かな。」
釈「この章、タコヤキ王女の掌の上で踊る、という感じにしますか。」
じゅえる「そこまで大物ではないのだがね、しかしタコの女王はすべてを知るんだ。であれば、そういう風に描写されてしかるべきだろう。」

まゆ子「デュータム点でテュラクラフが夢使いであることが判明している。これは使うべきだろ。」
じゅえる「では、この章のキーワードは「夢」だ。人食い教徒の夢の中を泳いで、タコヤキ王女の夢に帰って行く。」
釈「現実は?」
まゆ子「やよいちゃん。」
じゅえる「最も荒唐無稽な夢だな、それが。しかし、それがまたいい。」

まゆ子「よし大体分かった。この章のサブタイトルは「「ゆめのかよいじ、うつつのよみじ」だ。」

釈「では前半は悪夢編、後篇は予知夢ですかね。」
じゅえる「後半の予知夢というのが、戦争だね。」

まゆ子「悪夢というのは玉ねぎの皮を剥いてもむいても、同じものが出て来るという悪夢だ。人喰い教団の闇を暴こうとすれば、どこまでもどこまでもそれが現われる。で、仕方なしに教団の最深部に潜らねばならなくなる。」

じゅえる「ということは、イローエントの軍制局が人喰い教団に冒されている、というのは、実質はそうじゃないってことかな?」
釈「通常業務として行って居ることのほぼ全てに、なんらかの形で人喰い教団の意志が込められており、歴代の軍制局長はなんの疑問も持たずにそれに従って居た。そんなところですか。」

まゆ子「悪の根源病根が探しても探しても見付からない。ただ人喰い教団の影響下にある、という感触だけがそこにある。こんなもんだね。」
じゅえる「で、結局最深部にはなにがあるんだ?」
まゆ子「人喰い教団が軍制局を支配して居る証拠を探しているんだよ。そして責任者、悪の根源たる天寵司祭を探すのだ。しかしレメコフがそこに辿りついた時、なにかが大逆転する。」

釈「人喰い教団がほんとうは無かった、とかですか。」
じゅえる「いや、教団は有るでしょ。」

まゆ子「十二神信仰の根源がそこにある。裏から見ると、救世主システムがなぜ存在するか、が分かって来る。人喰い教団の存在がそれに欠かせない事も理解する。そんな風に持って行きたい。」
じゅえる「また難題を。で、なぜ救世主システムが存在するんだい。」

まゆ子「それはゲキ再生計画とはなにか、を問うことだな。天河十二神は無定見生物であり、ゲキを最終的に再生しようとする。しかし、今方台の上に棲息するのはウェゲであり、ゲキではない。」
釈「ゲキの祖型ですから。」
まゆ子「ということは、ウェゲは最終的には神様に滅ぼされなければいけない。ゲキに到達すると、ウェゲは棄てられる。そういう運命だ。」

じゅえる「救世主システムはウェゲの発達を促進するためのもの。それはウェゲを最終的には滅ぼしてしまう。天河十二神の暗黒面、暗黒神だね。」
まゆ子「暗黒面から十二神方台系を眺めると、どういう風に見えて来るか。神様の計画に従って順序良く進歩していくと、そのままゲキに到達し世界は滅びてしまう。一方、天の計画に逆らうと天罰を食らってウェゲは滅ぼされてしまう。」

釈「しかし数万年後のはなしでしょう、それは。」
まゆ子「まあ、教義的には順繰りと神様が一回りして1万2千年だな。次のコウモリ神が降臨する時、世界は亡ぶと考えられる。えーとだから現代から7000年後だ。」
じゅえる「すごい未来じゃん。」
まゆ子「人喰い教団は2500年の伝統を誇る。それほど遠いとも思わない。」
釈「なるほど。タイムスケールが違うんですね、地球人とは。」

じゅえる「話を戻そう。レメコフさんは玉ねぎの皮を剥いて行って、遂に天寵司祭を発見。十二神の暗黒面を知らされる。するとどうなる? いきなり世界が違って見えるのかい?」

まゆ子「つまりは、褐甲角神の暗黒面も見えて来るんだ。」
釈「それはまあ、軍神ですから暗黒面もあるでしょう。それはびびらないと思いますよ。」
じゅえる「軍神でない、ということかな。」

まゆ子「いや、人類・ウェゲ統治の役割について知らされるってことだ。褐甲角神救世主の時代。この1000年は科学技術的にはさほどの進化は無かった。だが人文科学的には随分と進んだ。法律と社会制度が完備し、人が人以外のものに動かされることになる。」
釈「それ以前は法は無かったんですか?」
まゆ子「実は無いんだよ。神族こそが法だ。」

じゅえる「神の使徒であるはずの黒甲枝が、神ではなく法に従う。それがこの千年の進歩なのか。」

まゆ子「天寵司祭はこの概念の危うさを、初めて世に表わす。レメコフに解いて見せる。そしてレメコフがその概念を納得出来ないで地上に出た時遭遇するのが、ヒィキタイタンだ。」
じゅえる「ふむ。」
釈「ふむ。」

まゆ子「レメコフもヒィキタイタンも戦争を望むものではない。しかし王国は新生紅曙蛸王国を滅ぼさねば気が済まない。誰が望まないのに、軍が動いてしまう。法の力だ。」
じゅえる「法によって人が殺される時代の到来、ってわけだ。」

釈「法治国家はだめなんですか?」
まゆ子「ダメだとは言わないよ。それは出来てしまうと独り歩きする生物なんだ。身体の無い神、人を食らって生きて行く不可視の神。人造の神として機能する。」

じゅえる「それが、人喰い教団が存在する由縁なんだ。」
まゆ子「彼らはいちはやくこの概念に到達した。故に法を乗っ取ろうと企てる。その証左がイローエント軍制局だ。幾重にも絡み合う法令がすべて一つのものを指向する。」
釈「なんです?」
まゆ子「知らん。」
じゅえる「未設定かい!」

まゆ子「だいたいの見当は付くったら。つまりは火焔教の復活だ。火焔教とは人喰い教団の前身で、小王に仕える司祭達の命令により数多の人が火焙りの生贄に捧げられた。しかも、十二神の為でなく、彼ら自身が考えたものの為だ。」

釈「?、宗教じゃないんですか。」
まゆ子「難しいところだな。火焔そのものの為に儀式は行われた。つまり、ただの焔であるものを、人を支配する道具として小王に用いさせる為、人を生贄として聖なる焔に変じるのだよ。つまりは、支配を行う為に儀式は行われる。」
じゅえる「仮想神、なのか。」

まゆ子「で、ここに弥生ちゃんが持ち込んだ無体神の概念も絡んで来る。つまりは、方台の人間は真の宗教というものを知らないのだ、ということをレメコフさんは明らかにされるんだ。」

釈「わかりました。ここはAパートの最後、ではなく、Bパートの最初、であるべきです。」

じゅえる「ではこの話が行われるのは、地下深くにあるカタコンベ、歴代の天寵司祭がミイラとして眠る墓所でなされる。そいうことにしよう。」
まゆ子「ではAパートの終わりは、カタコンベに突入。までだね。」

釈「そのカタコンベ、最後には崩壊するべきです。」
じゅえる「インディ・ジョーンズだとそうなる。」
まゆ子「ではぶっ壊す。歴代天寵司祭のミイラが動き出して今の天寵司祭を取り殺す。これでいいかい?」

じゅえる「ミイラのくせに動くとは、なんでやねん。」
まゆ子「タコヤキ王女の幻術だ。夢だ。」

釈「おお、ここで出ますか。でもカタコンベ崩壊は夢ですか?」
まゆ子「テュークは地震を起こすんだよ。」
じゅえる「はあ、そりゃそうだった。」
釈「きれいに納まりますねえ。」

まゆ子「うん、ではそのカタコンベというのは、巨大なテュークの空洞ということにしておこう。地下深くに眠るテュークの亡骸の中に墓所が作られて居る。」
釈「とうぜんに崩壊するんです。」

じゅえる「しかし、その冒険の先にヒィキタイタンさんが居る。どうしよう。」

まゆ子「ヒィキタイタンも天寵司祭に会った、ってことにしようか。でもレメコフさんに話されたのとは、少し内容が違う。」
じゅえる「どこらへんが?」

まゆ子「紅曙蛸女王を失った後の喪失感の余りの大きさ、そこから生まれる火焔教。って感じ。
 ヒィキタイタンさんの口から淡々と語られる言葉は、レメコフさんに語られたものと表裏一体。人間の弱さを暴露するものだ。
 そして、その結論として円湾への攻撃が当然に示唆される。築き上げたものを護る為に、誰のものでも無い意志が働く、とね。」

釈「ここで、カタツムリ巫女頭之侍女ファンファネラの思い出も語られるべきです。彼女が殺されたのは誰のせいでもなく、法によるものだと。」

じゅえる「むしろ純粋に欲望のままに剣を揮い人を殺すことこそが、自然の姿かと感じるんだね。」
まゆ子「たぶん。法の支配から解放された空間としての戦争の混乱。つまりは永久に平和は訪れないと彼らは知る。」

じゅえる「神様の力に治められ平和に暮らしているウェゲは、未だ目覚めていない。そして目覚めると、人造の神を作り出し自らをその支配に委ね戦い続ける。その先が、ゲキ?」
まゆ子「神に等しい人としての、ゲキだね。何者にも支配されない、己の欲望にも法にも道徳にも支配されない人だ。」
釈「それは遠い。」
じゅえる「遠大なはなしだよ。

 でもそんなに簡単に戦争になるのかな?」
まゆ子「着火スイッチがひつようでしょ。がちゃっと押す。」
釈「それは、時代のスイッチってことですか。」

まゆ子「焔アウンサ王女の暗殺事件がそれだ。いきなり世界のモードが変わる。」

じゅえる「第11章に突入、ってことだね。してみると、第8章 青髪のアルエルシイ、第9章 田吾作さん大失恋、第10章 タコリティ大混乱、という順番の方がいいか。」
まゆ子「う〜ん、どうかなあ。やはり計画通りの順番の方が、読みやすいでしょう。」

釈「書いた後でも順番は入れ換えられます。」
じゅえる「ちがいない。」

 

08/07/20

まゆ子「てなわけで、「げばると処女」EP6 「第七章 踊る会議の味は深く苦い」他2編+1ができました。(08/07/16)」

じゅえる「ちょうど1ヶ月ぶりだね。」
まゆ子「え!?」
釈「いえ、え?!じゃなくて、まったく1ヶ月ぶりですから。ほら前回6/16になってる。」

まゆ子「い、いつのまに、3週間くらいだと思ってたのに。」

じゅえる「いや、思ってたもへったくれもないんだよ。なにやってたの?」
まゆ子「サルボモーター。」
釈「1ヶ月かかるの当たり前ですね。」

じゅえる「ちなみに枚数は?」
まゆ子「第七章3編合わせて69枚。サルボモーター第1話2話合わせて90枚。」
釈「1ヶ月かかるの当たり前じゃないですか。」
まゆ子「あ、アレェ〜?」

じゅえる「ちなみに、アマゾンの密林を行くサルボモーターって書けたの?」
まゆ子「書けた。」

釈「で、今回のげばおとは、出来としてはどうですか?」

まゆ子「「母の恐怖」は文句なしに面白いと思う。よく出来ている。自信がある。「銀の髪」もそれなりに面白いとおもう。

 でも本編が面白いかどうかは、ちょっと自分でも疑問に思うな。」
じゅえる「説明回だからね。」
釈「結局どこにも動きませんでしたから。」
まゆ子「これから動く為の準備だからね、この回は。書く方にとっては必要不可欠。しかし読む方にとっては必要かは分からない。」

じゅえる「これからは動くんでしょ。」
まゆ子「怒濤です。」
釈「なにせアルエルシイが襲われ田吾作さんが殺されかけ焔アウンサが暗殺され武徳王が失明の危機タコリティ動乱が描かれるわけですから。」

じゅえる「つまりなんだ、この回はバックヤードなんだな。物語進行を用意する。」
まゆ子「バックヤード描くの大好き。」

釈「まあ、書く方にとっては非常に面白いんですが。読む方とはその面白さは関係無いんですよね。」
まゆ子「もしげばおとが単行本になるとしたら、この回は削除する。幻回にする。」
じゅえる「いきなり怒濤の展開ってことか。それは面白いけれどいいのかな?」

まゆ子「あとで説明回だけを別口で提供すればいいじゃないか。マニア向けだ。」
釈「意地悪ですね。」
じゅえる「販促戦略と呼んでくれ。」

釈「まゆ子先輩、ところで第五章読み直したら、ひとつバグを見付けました。」
まゆ子「なになに?」

釈「弥生ちゃんキャプテンが失踪した日は秋初月33日、太陰暦である陰月では10月21日です。」
まゆ子「う!」
じゅえる「太陰暦だから、新月は1日。陰月は27日周期だから、細い月が残ってるか。そりゃいかんねまゆちゃん。」

釈「ちなみに青の月は極周回衛星ですから、どんな上り方をしているかわかりません。」

まゆ子「う、ううむう、いかんなこれは。」
釈「いけませんよね。」
じゅえる「明確にむじゅんするよね、ねえまゆちゃん。」

まゆ子「ううむう。新設定! 十二神方台系の月は点滅する!!。」

釈「え?」
まゆ子「これから弥生ちゃんが方台復帰するまで、夜はお月様無しだ。」
じゅえる「それはいいかげんな。」
釈「そんな設定していいんですか。なにせ天文ですよ。」

まゆ子「いいんだよ。みんなお月様の光が物凄く弱くなった事に気付いて、不安に苛まれるんだ。コウモリ神人の力で月が隠れたと思ってる。」

じゅえる「で、実体は?」
まゆ子「白の月でメンテナンス中。」

釈「め、めんてなんすですか。巨大な衛星ではないんですか、人工衛星ですか?」
まゆ子「天然の衛星だけど、月面に反射板が設置してあり、これで光を反射して地面を照らして居る。十二神方台系の有る惑星は僅かな楕円軌道を描いて回っているんだけど、遠日点で寒くならないように太陽光線反射板てのがちゃんと設置してあるのだ。これのメンテナンス中。」

じゅえる「そこまでやるか。」
釈「いいのかなそれ。」

じゅえる「ちなみに青の月は人工天体なんだよね。」
まゆ子「天河十二神の本拠地、というよりも神にも等しい無定見生物のコアの一つだ。無定見生物は時空に拡がる不可視のアメーバみたいなもので、コアは幾つもあるんだけど、ここにもある。壊しても死なないが、ウェゲ復活プロジェクトは破綻する。」

じゅえる「コアを破壊して死なないとは、どういう構造だ?」

まゆ子「無定見生物の本体はおよそ30光年ほどの大きさを持つ極めて大きな生物だ。しかもその情報伝達速度は光速、つまり光により全体が統合されている。コアの一つが破壊されても、その影響が到達するのは何十年後。それまでには対策が終ってしまうんだね。」

釈「超光速通信とか移動は不可能なんですか?」
まゆ子「ゲキの技術を使えば簡単。」
じゅえる「ゲキの再生が目的だもんね。」

釈「でもなぜ使わないのです? 不合理でしょう。」
まゆ子「必要無いもん。何億年も生きる生物に数十年のタイムラグがなんだっていうんだ。」
釈「効率がよくなりませんか。」
じゅえる「破滅の効率が良くなるね。」

まゆ子「必要があれば超高速航行技術は使う。だが通常必要無い。生理的に通常のリズムで運動している、それだけだよ。」

釈「無定見生物というのは、アメーバと人型と、どちらが本物なんです?」
じゅえる「そりゃ粘菌に、お前はどれがほんものなのか、と聞くようなもんだ。」
釈「あ、粘菌ですか。そりゃ仕方ないな。」

まゆ子「そうなんだ。必要に応じて相応の形を取り、知能を備え、技術を使用する。だが用が無くなれば消滅して時空アメーバみたいなものになる。これが無定見生物だ。だから局所的には無定見生物の固体型端末同士が戦争をしていたりもするんだよ。免疫機構の暴走みたいな形でね。」

『血闘姫』
・血闘姫〜吸血鬼のアイドル歌手が狩られる。
・鬼百合姫〜鬼のおねえさまが女子校に転校して来る。
・占斗姫〜こっくりさんで勝負する霊能少女対決。牛のような女の子「件」と対決
・首借姫〜飛頭蛮のおねえさん。
・悲運姫〜明美が殺されまくるのになぜか次の日生きて居る。
・酔蛸姫〜能登子さん格闘する。
・大口姫〜頭の後ろに口が有る女の子。大食い。寝て居る間に彼氏を丸呑みしちゃう。寂しい。
・巫蛇姫〜物部優子。

・傀儡姫〜
・鉄砲姫〜

釈「これはなんですか?」
まゆ子「こないだの吸血鬼のおねえさんの話は1話完結です。シリーズ化するのは難しくないが、私の趣味じゃない。そこで考えた。化物の女の子が主人公の短編集というのはどうだろう?」

じゅえる「ちょっとまて。明美が出ているぞ。」
釈「明美せんぱいはおばけですか?」

まゆ子「いや、あの子、元々スクリーミングアクトレスだから。」
釈「あのホラー映画に出て来る、冒頭2分くらいで殺される役、ですか。」
じゅえる「そうそう。汎用死体女優なんだ。」
まゆ子「ホラーものこそがあの子の本領なんだよ。」

釈「そ、そうだったんですか。それは知りませんでした…。」

じゅえる「物辺優子がばけものなのはまあいい。しかし土器能登子さんもおばけかい。」
まゆ子「いや、書きたいんだけど、どうかなあ。」

釈「しかし蛸と女と言えばどうしてもいやらしいじゃないですか。」
じゅえる「エロだよエロ。」
まゆ子「実際は能登子さんが出て来る以上は考えてない。でも書きたいのだ。」

 

08/07/08

まゆ子「てなわけで、げばると処女EP6 「第七章 踊る会議の味は苦く深い」は二巡目に入っております。」

じゅえる「今回の出来はどう?」
まゆ子「やっぱ計画通りにはできなかったよ。ガーハルさんにご登場願いました。」

釈「元老員にキャラを配置して居ませんからねえ。他を立てておくべきでしたよ。」
じゅえる「ジュグジョ薔薇をもうちょっと使えるようにしておくべきだったね。」
まゆ子「だって元老院がこれほど重要になるなんて想定外なんだもん。しかたないよ。」

釈「これから仕込みはしませんか?」
まゆ子「というか、今回ちょっとしたよ。主要な人物を幾つか設定した。まあ活躍するような人じゃあないけどさ。」

じゅえる「もっと使えるのを元老院に配置するべきじゃないかな。いや王子様とかでもいいけど。」
まゆ子「そう言うだろうと思って、劫アランサ王女のお兄様を今回登場させておきました。これは使えると思います。」

釈「して、次の第八章は?」
じゅえる「こないだ書いたから、で変更無いね?」

まゆ子「いや、「第10章 田吾作さん、世紀の大失恋」の話をかんがえちまったよ。」

釈「第9章は?」
まゆ子「第9章と間違えて第10章考えた。順番入れ変えてもいいよ。」
じゅえる「話の内容を聞いてからそれは考えよう。で?」

まゆ子「田吾作さん、テュガサコさんはゲルワンクラッタ村に来た人足です。通常は自分の村で百姓やってるけど、ボウダン街道の農民は人足もやって稼いでますからこれは通常業務。
 して、ゲルワンクラッタ村には神聖王ゲバチューラウの一行が滞在して居るわけですが、当然ゲジゲジ巫女もお供に付いて来て居る。この中の一人にテュガサコさんはひとめぼれするわけです。」

釈「ふむふむ、計画通りです。で、テュガサコさんはアタックするけれど手酷くふられちゃうんですね。」
じゅえる「それだけじゃあ話にならない。なにかアクシデントが起きないと。」

まゆ子「うん、そこだ。しかしながら別に私は田吾作さんを描きたいわけじゃない。田吾作さんを使って、ゲルワンクラッタ村の情景とゲバチューラウの一行の姿を描きたいのだよ。

 というわけで、田吾作さんが奮闘する姿を脇から見ている女、トカゲ人間チュルライナを持って来る。」
じゅえる「ほお、つまりチュルライナの人となりを描こうというわけだね。」

まゆ子「構造としては、チュルライナが田吾作さんの存在に気付く。で、恋愛経験とかの無い彼女は田吾作さんを応援してあげるけれど、まあこっぴどくふられるわけだ。
 しかしここでアクシデントが起こる。神剣匠のなんとかさんと、彩ルダムさんが槍で決闘する。」

釈「え? 何故ですか? というか彩ルダムさんは強いんですか?」
まゆ子「彼女はチュダルム家の一人娘だよ。武徳王の伝記にも書いている「槍組頭テュダルム」の裔だ。家伝の槍術はたいしたもんなんだよ。」
じゅえる「それは初耳。」

まゆ子「まあ、しかし実は焔アウンサによって婚約者取られた後で、恨みを晴らすつもりか邪念をふっきるつもりで槍術の猛特訓をして、今ではすっかり達人なのだ。」

釈「それで槍で決闘を。でもそれまでになにか経緯があるんですね。神剣匠が出て来るくらいですから。」
まゆ子「まあ、赤甲梢にちょっかいばかり掛けていたのを、彩ルダムが見かねて、というところです。

 で、槍対決だけど、ゲバチューラウの命令で「衝立戦」というのをやる事になる。人間を一人立たせておいて、それを衝立に互いが槍で突き合うという試合方法。もちろん立ってる人間を突き殺したら負けになる。」
じゅえる「それはやばい試合だな。ギィール神族であればやりそうだけど。」

まゆ子「で、この役は誰でもいい。誰でもいいからゲバチューラウはそこらへんに居たゲジゲジ巫女に命ずるわけだ。それが田吾作さんが好きな巫女なわけだね。」
釈「おお!それは田吾作さんびっくりですね。」
じゅえる「わかった、田吾作さんその巫女の代りに自分が、て飛び出して来るんだ。」

まゆ子「大正解。しかし神聖王から命じられた、いわば光栄な名誉である任務を譲るわけも無い。たとえ自分が死ぬとしてもね。
 そこで口を出すのがチュルライナ。田吾作さん一人でなく、自分も立つからと言って、役目を譲ってもらう。」

釈「おお。」
じゅえる「しかしなんでそこまでチュルライナはやるんだ?」
まゆ子「まあ、そこがこの話のテーマなわけだ。チュルライナという孤独の人物を浮き上がらせる。」
釈「それはアレですね、鱗が無くなって人となる時の為のステップなんですよ。」

まゆ子「で、結果は神剣匠が彩ルダムの槍を斬って勝つんだが、まあ衝立の田吾作さんをかばって逃げられない状況での勝ちということで、まあ勝負の結果はどうでもいいのさ。そういうものになっている。」

じゅえる「30枚オーバー50枚程度、かな。大丈夫OKです。」
釈「この章はいい話になりますね。」

 

08/06/23

まゆ子「てなわけでえ、『げばると処女』EP6 「第七章 カブトムシ王国大混乱」を書きましょう。」
じゅえる釈「ぱちぱちぱち。」

まゆ子「なんも考えてない!」
釈「いつもどおりです。」
じゅえる「泥縄くらいじゃ最近は驚きゃしないよ。」

まゆ子「とりあえず、ハジパイ王が今回の主役という事になっている。最近ご無沙汰のハジパイ王ですから、読者様に人物説明などせねばなりませんな。」
じゅえる「白の母を出しますかい。」
まゆ子「ここでは出すべきではない。」
釈「あくまでも、表の顔の陰謀ですよ、今回は。」

まゆ子「しかし陰謀を用いるのもなんだな、と思う。今回ハジパイ王は真っ当な政治を行うべきだろう。それが武徳王のサイドと齟齬を見せる。」
じゅえる「ふむふむ。してみると、武徳王とハジパイ王の対決、という感じだな。」

釈「今回の主役はハジパイ王ではない方がいいのかもしれませんね。例えば、ハジパイ王の息子の王太子とか。」
まゆ子「それも考えたが、ハジパイ王太子のサイドはまた人物設定が無いからね。脇を固めるキャラが無い。」
じゅえる「ガーハルさん再登場かな。」

まゆ子「それも悪くはない。しかし、なにか腑に落ちないな。新キャラ登場と行くか。」
釈「しかしー、ハジパイ王を描かねばならないのですから。」

じゅえる「アィイーガの回が動きの無い話だから、今回は動いた方がよいと思うよ。」
まゆ子「アクションかな?」
釈「せこいアクションは、第八章でアルエルシイがやりますから、今回は大物を動かすべきですね。軍隊とか。」

まゆ子「軍隊か。それでいこう。今回の話は、軍隊の話、軍の部隊の配置と赤甲梢の処遇を巡っての意見対立というところでどうだ。」

じゅえる「問題が一つ。それが面白いか?」
釈「描きようでしょう。しかし、褐甲角軍のみ動いてもおもしろくはありませんね。」
じゅえる「そりゃもちろん、金雷蜒軍の移動の方が重視されるね。あとトカゲ救世主の集団。」
まゆ子「テュラクラフ女王も出て来るし、イローエントの騒乱、タコリティの独立。まあいろいろ有りますよ。というか、自軍の戦死者のケアについても考えなきゃならないし、軍の再編が最重要課題だ。」

じゅえる「おもしろいじゃん。」
まゆ子「おもしろいね。」

釈「それはあれですね。チュダルム統監でも出しますか。問題の部門別の責任者が。」
じゅえる「責任者総出演だね。」
まゆ子「うんそれで行こう。

 えーと、大本営代表ハジパイ王太子、軍代表チュダルム統監、カプタニア内政責任者ハジパイ王、金雷蜒王国関連代表はメグリアル王、弥生ちゃん関係代表ガダン筮ワバロン衛視統監、南海方面担当はーレメコフ主席大監てとこか。」

じゅえる「すごいね。」
釈「とんでもない大会議じゃないですか。」

まゆ子「だんだんこの回の構造がつかめてきた。会話劇だな。」
じゅえる「動きが無いように見えて、物凄く動く話だ。でも主人公を定めておかないといけないな。ハジパイ王太子で行く?」
釈「議論のまとめ役というか、司会の役をするのは彼のような気がします。ハジパイ王とチュダルム統監はカプタニアに留まったままでしょう。」
まゆ子「うん、書簡による参加だね。あと代理人を。まあ、ハジパイ王の代理人は王太子だけどさ。」

じゅえる「で、この会議の席上でどうしてもタコリティに対する抑えを利かさないとダメだということになる。」
まゆ子「ヒィキタイタンさんですかあ。」
釈「本来ならここに居るべき人物ですね。」

じゅえる「でもこいつら、金雷蜒神聖王ゲバチューラウをどういう風に見ているのだろう?ちょっと考えてよ。」
まゆ子「あー、具体的には褐甲角王国領内に進入してからもう1ヶ月になるのだから、或る程度の情報は入手し得て居るはず。ただ、…ここも未定。」
釈「というか、大会議自体今考えついたとこですから、しかたないですねえ。」

まゆ子「あー、というわけで話は進行するけれど、結論を定めておかないと話は進まない。タコリティ進攻は確定として、後は。」
じゅえる「やはり和平の実際の条件について考えなきゃいけない。というか、誰を以ってその任に当てるか、だね。」

まゆ子「金雷蜒王国関連はメグリアル王家なんだけど、今回それではとてもおっつかない。外事関係はガダン衛視統監の担当でもあるけど、この人は弥生ちゃん関連でしかも和平は三王国の代表が交渉して、となっているから当然この人も絡むけど金雷蜒王国関連には就けない。メグリアル王、ハジパイ王太子、ガダン衛視統監、それに軍の誰か、だね。」

じゅえる「金翅幹家からも代表を出さないと怒るでしょう。」
まゆ子「違いない。では軍関係は金翅幹家を選ぶとしよう。おそらくこの人は今後の重要人物だ。」
じゅえる「うん、たぶんヒィキタイタン断罪と赤甲梢解体の張本人ね。」

釈「ジョグジョ薔薇、とか。」
まゆ子「ここではジョグジョ薔薇は出ない。しかし、そのライバルキャラである「銀椿」シメジー銀ラトゥースは出そう。ハジパイ王からの特命で会議に参加して居る。」
じゅえる「秘蔵っ子、ってわけだね。

 でもこの人、今デュータム点に居るでしょ。ではテュラクラフ女王と接触している事にしようよ。」
まゆ子「あー、なるほど。たしかそんな設定があったような。デュータム点が弥生ちゃんの根拠地になるとかの話で、ハジパイ王に送り込まれてたんだ。何章だっけ?」

釈「さて? あ、居ました、4巻7章です。ハギット女史がネコから彼の動向について聞いています。」
まゆ子「OK。テュラクラフ女王に対面させよう。」
じゅえる「うん、彼のデビューはここね。」

釈「しかし4巻辺りの文章はかなり硬いですねえ。まだ練度が低かったようです。」
まゆ子「そうか。まあ、2年以上前の文章だもんね。」
じゅえる「進歩は日々止らないんだよ。」

釈「えーと、では新キャラ金翅幹元老員。どうしましょう、それなりに有力な人物でなければなりません。王族並の影響力を必要とされますね。しかも軍強硬派でしょう。」
まゆ子「えー、そうね。つまり金翅幹家が軍に復帰する、黒甲枝を金翅幹家が率いるという形に再編しよう、という考え方だろうかね。状況を考えると。」

じゅえる「それって有力な意見なの?」
まゆ子「むしろ、極めて旧い思想だ。元々金色のカブトムシが生まれる前はどの神兵も軍務に就いていた。その名残だね。」
釈「先祖返り派ですか。世紀を一周した今だからこそあり得る話ですね。」

まゆ子「そうだね。うん、この人物は交渉の過程でそういう考え方になっていく、と考えよう。褐甲角王国が相対的に矮小化していく、そう見えてしまう中で、国の中にそういう身分の違いが有ってはならないと考える。」
じゅえる「一種の平準化ってことか。平等思想だな。」
まゆ子「それ頂き。平民と神兵黒甲枝との間の身分の差について、日頃深く考えている人物。むしろ穏健派である。そういう人が時代の波に洗われて、金翅幹家の軍務復帰という道を見出すのだよ。」

釈「しかし軍関係に発言力を持つからには、なんらかの裏付けがあればいいのですが。」

まゆ子「役職だな。軍司令官がチュダルム統監であるから、その目付役として神聖宮に置かれた役職。えーとなんか無いかな。総督じゃダメだし提督でもないし、元帥?」
じゅえる「師使、てのではどうだろうかね。武徳王の代理という感じで軍に直接命令を届ける役。」
釈「あまり命令系統に複雑さを加えるのは問題があると考えます。軍のシステム自体は法律で決められるものでしょうから、そちらの方の役職ではないでしょうか。」
まゆ子「うーむ、交渉に軍司令官自身がいくのもおかしいしねえ。ただ軍の実務に詳しくないと停戦交渉は出来ないよ。うーん。」
じゅえる「実務は主席大監の一人をつけるとしてもだ。金雷蜒軍に詳しい者である必要もあるでしょ。やはり金翅幹元老員であるべきだ。」

まゆ子「いらいらする。もう切れた! 元老院に古くから存在する金雷蜒王国打倒作戦委員会の委員長だ。実戦派というよりも空想的先制攻撃主義の。」

釈「ああ、それは絶対有りますよね。軍とは乖離する形で敵を殲滅する計画を立案するシンクタンクみたいな。」
じゅえる「カンヴィタル・イムレイルの聖なる約束って奴だからね。しかしなまじ敵国領内を殲滅とか考えてる分、敵領内には詳しい。彼らはもちろん先戦主義派だね?」

まゆ子「まったくに。えーと、この委員長さんは帥使でいいか。」
じゅえる「変な名前。」
釈「わるくはありませんが、変ですねえ。」

まゆ子「そんくらいがいいんだよ。で、この人たちは現場の軍人黒甲枝よりも、敵国領内の軍事関連情報に明るい。こんなとこか。」
じゅえる「OK。」

釈「身分的に、なにか特別な家系とかにしますか。例えば最初期に神兵になった人とか。」
まゆ子「うーん、悪くない。105人元老員が居るんだけど、12人10家ってところかな。チュダルム家とレメコフ家、およびカンヴィタル王家を除く最初期神兵。えーと、なにかカッコイイ名前は。」
じゅえる「むしろ、『槍組』とかでいいんじゃないかな。むかしむかしに所属した部所の名前を取って。」
釈「最初の戦いで破れてタコリティに逃げ込んだ時に居た仲間、とかではどうでしょう。」

まゆ子「破軍会、とか。」
じゅえる「破軍の卒、とかだね。」

釈「チュダルム家は槍組頭、だったんですよね。では彼らもやはりなにかの役職があったとした方がいいですよ。」
じゅえる「槍、刀、弓、楯、石、鎧、えーと。」
まゆ子「槍、弓、刀、でいいよ。飯と書も入れて欲しいけど、かっこ悪いから抜く。」

じゅえる「悪くないとは思うけど、この回女っ気無しだね?」
まゆ子「無いねえ。」
釈「無くてもよいと思いますが、なにか問題でも。」

じゅえる「いや、男ばっかりの回はなかなか面白いのが書けないからさ。」
まゆ子「違いない。男だらけだと固いさね。」

釈「ではこの人を女にしますか?」
まゆ子「金翅幹家元老員は女性が居ても問題は無いけれど、今回はやめよう。勘だ。」
じゅえる「うむ。」

釈「ではどうしましょう。というか、銀椿がテュラクラフ女王と遭遇するんですよね。これで誤魔化しますか。」
じゅえる「わたしの勘だとさ、それは別のおまけになるね。」
まゆ子「うーん、そうかもしれない。この回の舞台は大本営であろうから、デュータム点とは位置も違う。いっしょくたにするのは危険だ。」

釈「なにか仕掛けが必要ですか。ギミックかアイテムが。」

まゆ子「そう言えば、カプタニア山の巨大カブトムシ神が行方不明でした。」
じゅえる「それも当然話に入って来るか。難問山積だねー。」

まゆ子「よし決めた。今回正攻法だ。真っ正面から突破する!」
じゅえる「頓挫したらまた考え直そう。」

 

08/06/16

まゆ子「てなわけでえ、『げばると処女』EP6 「第六章 慈悲深き若き御手に、童子は惑う」が出来たのです。48枚。」

じゅえる「枚数的には理想かなあ。現状30枚の約束は反古だもんね。」
釈「逆に、30枚だとしごく不安ですもんね。身近過ぎて物語の展開が無いと怖くなりますよ。」
まゆ子「この第六章を30枚にするとしたら、シーンを何個か削らないといけない。さぞかし味気ないでしょうねえ。」

じゅえる「ま、30枚は短くはないけどさ。『ゲキロボ☆』では4、5枚が長い長い。」

じゅえる「で、?」
釈「第七章をいきますか。」

まゆ子「行こうと思ったけどちょっと考え直す。えー、これが計画です。

  EP6
1、東金雷蜒神聖王出立まで、赤甲梢の動向
2、劫アランサ王女、武徳王の許しを得て赤甲梢結集
3、国境線での神聖王の振る舞い。劫アランサの示唆により走ってゲルワンクラッタ村へ
4、武徳王、弥生ちゃん結集。三救世主邂逅。コウモリ神人との決闘で弥生ちゃん行方不明
5、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う
6、デュータム点で大混乱。両軍凍結状態に。褐甲角王国大動乱。
7、カプタニアの風景。ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、イローエントの騒乱。紅曙蛸王国攻撃計画。ヒィキタイタンとマキアリィの対面。
9、田吾作さん、世紀の大失恋。テュラクラフ女王とコウモリ神人の対話。
10、焔アウンサ暗殺事件。
11、いきなり中央政界に巻き込まれる劫アランサ。武徳王襲撃事件、犯人は人喰い教団?!
12、イローエントに軍勢結集。臨戦態勢。
13、呑気なもんだよ弥生ちゃん。EPLG

  EP7
1、円湾の戦い。
2、弥生ちゃん、遂に十二神の中枢に到達。
3、弥生ちゃん、神との対話
4、神聖王襲撃計画発覚。赤甲梢軍令に反して神聖王警護。罠に落ちる。
5、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに連行。
6、弥生ちゃん、遂に十二神方台系に帰還、ネズミ族の村。巨大カブトムシ神のお迎え。
7、赤甲梢凍結命令。神聖王の所に勝ち組が交渉に来る。熾烈な外交戦。ハジパイ王と勝ち組派との対話。敗北するハジパイ王。
8、デュータム点、カプタニア、他民衆の不安が広がり、弥生ちゃんを求める声が高まる。
9、神聖神殿都市の陰謀。テュラクラフ女王と白の母の対面。
10、ヒィキタイタンの帰還。
11、ヒィキタイタンの断罪。劫アランサの断罪。赤甲梢解散。ジョグジョ薔薇の大演説。
12、斧ロアラン大活躍。ネコとの対話。弥生ちゃんの帰還!
13、弥生ちゃんの大審判。トカゲ王国樹立。

じゅえる「6章までは問題ないと思うんだけど。」
釈「いえ、よく見ると6章の内容が違います! 褐甲角軍の動向、特に武徳王の周辺がまったく書けていません。」
じゅえる「あ、ほんとだ。これはマズイな。」

まゆ子「抜けは他にもあるんだ。行き掛かり上「神撰組」を立ち上げたからには、彼らの出番も増やさないといけない。ゲジゲジ乙女団を作ったからには、これも活躍しなきゃいかん。テュラクラフ女王は非常に大きな存在となってきた。どうしよう?」

じゅえる「素直な感想を言えばだね、…章が不足する!」
釈「増量ですか!」
まゆ子「うう、それはしたくない。」
じゅえる「だろうね。」

釈「基本的根本的に危ういのは、タコリティ進攻ですよ。これは急ぎ過ぎです。」
じゅえる「その気配は昔から漂っていた。今こそ大規模な変更の時だよ、まゆちゃん。」
まゆ子「うーむ、そこに踏み込むのか。

しかしイローエントの動乱状況にはケリを着けねばならないよ。」
釈「タコリティ進攻に至る緊張感は持続したまま、最終的にはヒィキタイタンさんの投降によって進攻を阻止する、という取り引きが成立するとしましょう。」
じゅえる「この時期、しかも武徳王が失明の危機という状況下での戦争開始は無茶過ぎる。たしかに取り引きで収められると良い。」
まゆ子「でもね、イローエント騒動の鎮圧は十分に大事なんだ。戦争の一歩手前、いややってる当人達は既に戦争状態なんだよ。」

釈「少し整理しましょう。

8、イローエントの騒乱。紅曙蛸王国攻撃計画。ヒィキタイタンとマキアリィの対面。
12、イローエントに軍勢結集。臨戦態勢。
1、円湾の戦い。
5、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに連行。
10、ヒィキタイタンの帰還。
タコリティ関係はこんなもんです。」

じゅえる「5章あれば戦争は書ける。」
まゆ子「うむ。」

じゅえる「しかし、真に動いているのはタコリティではなくイローエントの難民だ。焦点は難民にこそ当てるべきだよ。」
まゆ子「うむ。」

釈「5代テュラクラフ女王を求めるのも、難民ですね。」
まゆ子「デュータム点のテュラクラフと連動しての活動は、テュクルタンバの神撰組に話を持っていくのに丁度良い。」

じゅえる「ゲジゲジ乙女団の査察チームはイローエントに入ろうとする。タコリティではない。」
まゆ子「うむ、民衆の暮らしぶりをこそ査察するのだから、無法都市に行くのは意味がない。」

じゅえる「どうするね?」
まゆ子「あー、

7、武徳王の周辺の情景。ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、カプタニアの風景。弓レアル茫然自失。アルエルシイ髪の毛青くなる。斧ロアラン帰宅。
9、イローエントの騒乱。紅曙蛸王国攻撃計画。ヒィキタイタンとマキアリィの対面。
10、田吾作さん、世紀の大失恋。テュラクラフ女王とコウモリ神人の対話。
11、焔アウンサ暗殺事件。
12、いきなり中央政界に巻き込まれる劫アランサ。武徳王襲撃事件。
13、呑気なもんだよ弥生ちゃん。EPLG

  EP7
1、イローエント大動乱。ゲジゲジ乙女団介入。円湾の戦い。
2、神聖王襲撃計画発覚。赤甲梢軍令に反して神聖王警護。罠に落ちる。
3、弥生ちゃん、遂に十二神の中枢に到達。神との対話
4、武徳王カプタニアに帰還。神聖宮の暗雲。
5、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに連行。
6、赤甲梢凍結命令。神聖王の所に勝ち組が交渉に来る。熾烈な外交戦。ハジパイ王と勝ち組派との対話。敗北するハジパイ王。
8、デュータム点、カプタニア、他民衆の不安が広がり、弥生ちゃんを求める声が高まる。
9、テュラクラフ女王と白の母の対面。テュクルタンバにてヤヨイチャン財宝を巡る戦い。神聖神殿都市の陰謀。
10、ヒィキタイタンの帰還。
11、弥生ちゃん、遂に十二神方台系に帰還、ネズミ族の村。巨大カブトムシ神のお迎え。
12、ヒィキタイタンの断罪。劫アランサの断罪。赤甲梢解散。ジョグジョ薔薇の大演説。
13、斧ロアラン大活躍。ネコとの対話。弥生ちゃんの帰還!
EPLG、弥生ちゃんの大審判。トカゲ王国樹立。

ときたもんだ。どうだ!」

じゅえる「突っ込んだなあ。」
釈「元から突っ込み過ぎの2巻ですから、しかし凄く窮屈ですよ。」

まゆ子「非常の策を使う。6巻9章イローエントの話。前後半の二回100枚でどうだ!」
じゅえる「しかし、書く事あるかい?」
まゆ子「イローエントとタコリティ、二方面から攻めるべきと考えるけど、いかに。」

じゅえる「常識的すぎて面白みに欠けるな。六代タコ焼き王女がなんかやらかして大冒険、その道中の結末でヒィキタイタンとマキアリィが対面する、というのではどう・」
釈「不思議ばなし、ですか。」
じゅえる「それも悪くない。地下に拡がる人喰い教団の棲み家に侵入する、とか。」

まゆ子「しかし難民の大動乱が書けないよ。」
じゅえる「書かなきゃダメかな?」
釈「7巻1章で大動乱ですから、ここはやはり不思議で押すべきかと。」
まゆ子「万華鏡みたいに、世間の裏表がひっくり返って見える、という構成かな。」

じゅえる「もちろん、天河十二神の痕跡もここから出て来る。」
釈「どうしましょう。不思議過ぎるのも困りますよ。」
まゆ子「人喰い教団の木乃伊とかで済ますかな。あまりにも異質過ぎると、却って不自然だろう。」

じゅえる「では、今回の不思議は人喰い教団の神秘を暴く、というところで済ませるか。」

釈「とはいえ、地上の難民の騒動をまったく無視するのも問題です。褐甲角王国の闇の部分、とかも書きましょうか。」
まゆ子「ふうむ、そうだねえ。難民を率いて居る人物、というのを考えてみるか。前の回に出た人物関係から発展して、もっと力を付けているとかかな。」

じゅえる「いや、十二神神官巫女組織、つまり聖山の組織に人喰い教団が絡んで居る、という話では。今回の暴動も人喰い教団から表の神官に指令が出て、とか。」
まゆ子「ああ、カニ巫女クワンパには許せない話だ、それ。いいようん、それでいこう。」

釈「しかし、ヤヨイチャン財宝はどうしましょう。本当に無しですか。」
じゅえる「ここで人喰い教団の財宝を持ち出して、というのは?」

まゆ子「単純過ぎて面白くない。というか、ヤヨイチャン財宝は本当にある。」
じゅえる「おお!」
釈「いつの間にそんな利殖を行って居ましたか。きゃぷてんは。」

まゆ子「何を隠そう、ヤヨイチャン財宝は蝉蛾巫女フィミルティが持っている。その実体は、弥生ちゃんの髪の毛だ。」
じゅえる「髪の毛、って、これ?」
まゆ子「それ。弥生ちゃんの髪を櫛で解かすと、そりゃ毎回1本くらいは抜けるさ。これを丁寧に拾い集めて、箱に入れてちゃんと保管して居る。」

釈「マニア垂涎のお宝ですね。」
じゅえる「そう言われると、凄い値段が付きそうだ。」

まゆ子「もう一個ある。弥生ちゃんが焔アウンサ王女に托した青晶蜥神の聖蟲の尻尾を入れて居た筺、元は調味料入れなんだけど、あれはそのままギジシップ島神聖宮に保管されて居る。これもやっぱり人を癒す力があって、密かに隠された石像を拝むと病気が癒るとされている。」
釈「なるほど。深いですね。」

まゆ子「まだある。これから弥生ちゃんの頭のカベチョロが脱皮する。この皮もお宝だ。」
じゅえる「それらを総称してヤヨイチャン財宝か。
うーむ、しかしテュクルタンバの財宝はまた別と考えよう。本当に出る?」

まゆ子「出してもいいよ。紅曙蛸巫女王の財宝てのが一番順当なんだけど、どうしようか。」
釈「嵩張らず、価値は無限大の、魔法の品もしくは文化遺産、が良いですね。」

じゅえる「魔法、ね。火ネズミの皮衣とかあるかな。」
釈「ネズミ神の聖蟲の皮、ですか。それは有ると凄いと思いますが、どうです?」
まゆ子「それは凄過ぎて無いぞ。」

じゅえる「とはいえ、黄金や金属製品は紅曙蛸女王の時代には無いから、残ってないんじゃないかなあ。お宝は。」

まゆ子「えい分かった! ただの真珠だ。しかも特大の奴。」
釈「それは本当にお宝ですが、十二神方台系において真珠の価値はどのくらいです?」
じゅえる「真珠はほとんど存在しない、かな?」

まゆ子「あるには有るが、一抱えもある化物真珠はこれ一つしかない。歴代の紅曙蛸女王が枕に使ってたという謂れが有る。」

じゅえる「おお、それは凄い謂れだ。」
釈「マニア垂涎のお宝ですね。」
まゆ子「これぞ、ヤヨイチャン財宝。と。」

 

08/06/01

まゆ子「というわけで、げばおとEP6 「第六章 (アィイーガ未定)」の第一稿は出来たんだけど、今装飾してる。」

釈「装飾、ですか。」
じゅえる「ああ、小説を書いていくと描写が足りないなあと思う所があるわけだよ。ディテールだね背景描写とか人物の外観とか。そこを補完修飾していくんだね。」
まゆ子「ストーリーを進める上では不要ではある。ただ読んだ人が情景を思い浮かべられないと、困るわけだ。特にアィイーガは美人であるから、誰が読んでも美人と理解するように手を入れないとダメ。」

釈「というわけなのです。説明終り。」
じゅえる「で、現在は作業中なんだけど、」

まゆ子「アルエルシイの話で面白いの思いついた。
 あの娘、現在イカ女王なんだけど、毎日ノシイカ食べていたら髪の毛青くなっちゃった。」

釈「青、ですか。」

じゅえる「十二神方台系の人間は生まれた時は真っ黒な髪、成長して16歳くらいから色が褪せて変わって行く。歳を取ればまっ白髪だ。
 お金持ちは毎日肉を食べるから赤、ゲルタばっかり食べる貧乏人は亜麻色になる。
 病気をすると色がすっと抜けてもう戻らない。メグリアル劫アランサは大病したから、ほとんど白髪に近いクリーム色なんだね。」

まゆ子「メグリアル王家は祭祀の関係で食事も制限されますから、赤くなくゲルタばっかりの色に近い。ちなみに赤甲梢の神兵は黒甲枝出身者も多いけれど、食糧はゲルタが多いからやはり赤くはない。」

釈「金髪は居ないんですか?」
まゆ子「弥生ちゃんが開発した圧力釜で調理する毅豆という大豆に似た豆を常食すると、金髪になる。」
じゅえる「つまり豆腐とかオカラとか喰ってるとそうなるんだね。たんぱく質の関係と考えてくれ。」

釈「そこでイカのたんぱくですか。」
まゆ子「いやー実際問題世間には髪の毛青い人間なんて居ないわけだよ。また自然界には青の色素なんて無いとされている。アニメなんかでは気楽に青い髪出すけれど、そんなヒトは実在しない。

 というのは嘘なんだ。青い髪は実在する!」

釈「またまた。」

じゅえる「ほんとうだよ。まゆ子の髪の毛の中に一本有った。」
釈「え?」

まゆ子「いやほんとうなんだ。ほんとうに青い髪の毛を発見した。」
釈「じょうだんでしょ?」
まゆ子「いやマジ。」

じゅえる「ま、考えて見ればトカゲの尻尾ってしばしば青く透明になってるもんね。」
まゆ子「科学的に考えてみれば不自然ではない。白髪という現象は色素が失われて髪の毛が透明になる事で起きる。ま、濁って乱反射するから白いんだ。
 しかし青い髪は、色素が無くなった上に透明度が高く結晶のように内部構造が単調で反射が規則的であると、起きる。光の加減でそう見えるんだ。」

釈「いや、しかし。」

まゆ子「あたしらは実物を見たんだから仕方ないでしょ。」
じゅえる「うん見た。」
釈「あー、いやそう力説されても私は見ていませんから。」

まゆ子「とまあそういうわけで、青い髪は実在する。だから迷うことなく物語に投入する。」
釈「はあ。」

まゆ子「アルエルシイは或る日、自分の髪の毛が真っ青になっている事に気付き、びっくりする! イカばっかり食べていた呪いかとね。」
じゅえる「どっちかというと、弥生ちゃんのせいだろう。そりゃ。」

まゆ子「で、カプタニアで高名な学者先生にこれを見せると、いとも簡単にそりゃイカのせいだと言われてしまう。なにせイカの血液は青いからね。」

釈「でもイカをさばいても青い血は出ませんよ。」
じゅえる「ぐぐったら、死んだイカの血は固まってるし、酸素と結合していないと透明らしい。生きたイカからちゅっと抜くと青いんだとさ。」

まゆ子「しかしながら、その高名な先生は生イカを触った事も無さそうで、まったく当てにならないんだな。だから対策なんてまったく分からない。」

じゅえる「でも生イカ喰ってる漁民とかは居るでしょ。そいう人達は青くならないの?」
まゆ子「ならない。高名な先生がおっしゃるには、生イカとノシイカは違うんだとさ。
 それにアルエルシイはお金持ち、毎日肉を喰って居る。しかも髪の毛の色は黒から褪せる直前の特殊な状態。それで、特異的に青くなったんだろうという結論を得た。」
釈「あ、あてにならない。」

じゅえる「でも食い物で色が変わる方台の人間の髪ってどうなってるの?」
まゆ子「だから色素だろうね。生まれ持った色素が経年劣化していくんだよ。で、たんぱく質の摂取状況によって赤から黄土色に変化する。あ、濃い色から薄い色になるのは不可逆だけど、赤から黄土色亜麻色に、また赤に戻るのはアリね。」
じゅえる「大豆たんぱくも特異的に変化を起こすわけだね。」

釈「ではイカもやはり。」
まゆ子「いや、イカはこの色素を完全に破壊する、と考えよう。髪の毛が透明になって光の屈折を起こすんだ。それで青く見える。」
じゅえる「ふむ、理に適っている。」
釈「まあ、ファンタジーですから。」

じゅえる「でもさ、これはイカビジネスにとっては凄いメリットだよね。トカゲ神の御利益てきめんだ。」
まゆ子「まあそうなんだ。青い髪で一躍時の人となってしまう。社交界では青い髪うらやましー、とイカを貪り食う淑女が続出する!」

じゅえる「弥生ちゃんはなにも言わないの?」
まゆ子「いやこれ、第七章あたりで出て来るエピソードに投入するつもりだから、弥生ちゃんは失踪中。だからこそ、青い髪は大注目されたりもする。」

釈「デメリットは無いんですか? なんか身体に悪そうなんですが。」
まゆ子「念の為トカゲ神殿でお医者さんに見てもらったら、アルエルシイ拝まれてしまう始末。役立たん! まあ、弥生ちゃんに会いに行く口実が出来たじゃないんですかね。」

じゅえる「で、これでイカビジネスに邁進するとして、褐甲角王国に検挙されるとか?」
まゆ子「いや、人喰い教徒に眼を付けられる。」
釈「あ。連中、珍しいものを何でも食べちゃうんですよね。」
じゅえる「弥生ちゃんが狙われるくらいだ。アルエルシイも当然ターゲットになる。で、夜道を歩いていきなりばっさりと護衛が殺されて、」

まゆ子「おお。」
釈「おお、ヒーローの出番ですよ。」

まゆ子「誰がいい? 例の学匠の督促派行徒のなんとかさん?」
じゅえる「こないだイカ見本会場で会った剣令がいいんじゃないかな? 顔見知りだし。」
釈「そっちの方がいいと思います。」

まゆ子「よし決定! この剣令がアルエルシイが襲われるところを見て助けにやってくる。ちゃんちゃんばらばらとかっこいい!」
釈「かっこいい!」
じゅえる「文句の付けようの無いファンタジーです!」

まゆ子「で、二人はいい感じになっていく。しかしうんめいのはぐるまはむじょうにもまわりつづけ!」
じゅえる「どうする?」

まゆ子「いや、赤甲梢総裁 焔アウンサ王女の従者と護衛は次の回から赤甲梢を切り離されて一般クワアット兵になるんだ。誰か名前の有る人物を投入しとくべきでしょう。」

釈「おお! いきなりの悲運!」
じゅえる「死ぬ?」
まゆ子「死んでも構わないが、生きてもいいよ。どうしよう。」

釈「あっさり殺すと面白くありません。最重要の王女が殺されて、護衛が一人生き残るという方が悲惨でしょう。」
じゅえる「なるほど。次に話を続ける重要なキャラに成り得るね。」

まゆ子「ちなみに、髪の毛が青くなったアルエルシイは、”青髪の虐殺鬼”としてネコ達の間では語られるのだ。」
釈「ネコにイカを食べさせちゃいけません。」

 

08/05/25

まゆ子「というわけで、げばおとEP6 「第五章 ふりかえれば、ひとり」が出来たわけです。全部合わせて42枚。小さい!」

じゅえる「まあ30枚いかない章もたまにはあったっていいでしょう。くどくなくていいよ。」
釈「ちなみに2週間前にはこの章出来てました。ウチは第一稿が出来上がってからが長いのです。推敲を4回以上しますから。」

まゆ子「他人の目になって、書いたもの全部忘れてから推敲するから、時間は掛りますよ。そうでないと論理的な間違いを発見出来ない。」
じゅえる「しかしそれだけやっても誤字脱字からは自由にならないんだな、ほんと不思議。」
釈「不思議ですねえ。

 というわけで次にいきましょう。第六章です。弥生ちゃんキャプテンが方台から消失した後の混乱を描く回ですね。」

じゅえる「主人公は?」
まゆ子「ずばりアィイーガ。」
じゅえる「その心は?」
まゆ子「彼女しか居ない。いや、彼女が歴史の表舞台に顔を出さねばならんのだよ。」

釈「彼女はゲバチューラウのお后様になるんですよね。」
じゅえる「それでは足りないってこと?」

まゆ子「いや、この状況でトカゲ神救世主のリリーフをする奴が他に居ないんだ。劫アランサはギジェ関で人質状態。ティンブットとフィミルティは和平の次の仕込みをやってる。ファンファメラはトップになっちゃいかんヒトだ。となるとあの場に居て弥生ちゃんに近しいヒトはアィイーガだけとなる。
 という事をアィイーガ本人が気付いて、仕方なしに事態の収拾に乗り出す。というお話。」

じゅえる「消極的な動機だな。それでいいの?」
まゆ子「良くない。だからファンファメラは弥生ちゃんから言い遣っている。
 アィイーガもしくは劫アランサが自分の代りを申し出た際には、トカゲ神救世主の名代として弥生ちゃんのこれまでの業績を損なわず曲げないあくまでも私心を棄てて尽くせるか? と。無論これは引っ掛け問題で、うんと言ったらお断りしなさい、となっている。」

釈「ギィール神族ですからねー、好き勝手しますよ。」
まゆ子「つまりは、好き勝手してもらいたい。この覚悟が無ければダメなんだな。」

じゅえる「さすがに弥生ちゃんは一筋縄じゃいかないか。で、当然今回の主人公である彼女は、好き勝手やるわけだ。」

まゆ子「そだね。で、ファンファメラは4通の書簡を預かってるんだ。弥生ちゃんが自分の代りを誰がするかで、ケースごとに細かい指示書を残している。アィイーガに託されたのは1通のみ。後はアランサと、ティンブット+フィミルティと、トカゲ最高神官と、この4つのケースを想定していた。」
釈「内容は?」
まゆ子「アィイーガへの指示書にはなにも書いてない。「よろしくおねがい」ってだけだ。但しギィ聖符で書いている。弥生ちゃんはもうギィ聖符を自由に書けるんだな。」

じゅえる「それじゃあ役に立たんよ。」
まゆ子「いいんだよこれで。アィイーガは残る3通を勝手に見ちゃうから。」
釈「あー、勝手に見る事を想定して、事細かいお節介な指示書は作らなかったんですね。」

まゆ子「アランサ用には、決してトカゲ神救世主の名代としては名乗らずにあくまでもカブトムシ神の王女として振る舞え。仕事は誰某にこれを任せろ、と書いている。自分一人で抱え込むなってことだな。
 ティンブット用にはもっと細かく書いている。信者達を失望させない為の方策と集まって来た兵の処理と、アランサ・アィイーガへの対処法。彼女達をいかにうまく乗せて使うかを書いているから、読んだアィイーガは苦笑する。トカゲ最高神官へは3月で戻るから、とヒトを安心させる様々な手段が書いている。」

じゅえる「つまりは、アィイーガはこれらを全部勝手に読むと、自動的に弥生ちゃんのやるはずだった道筋がわかってしまうんだ。」
釈「天邪鬼の神族の性格を逆手に取ったんですね。」

まゆ子「ただ三通には書かれている特別な注意書があるんだ。「テュラクラフ女王には近付くな」て書いてる。アィイーガのにだけは書いてない。書くと絶対会いに行くから。」
じゅえる「そりゃまたどうして、会っちゃいけないんだ?」

まゆ子「それをアィイーガは考える。つまりこの回は考える回だ。」

釈「問題がひとつあります。アィイーガという人は、考えるタイプですか?」
じゅえる「そうだ。実のところアィイーガの性格って良くわからないんだ。描写が少な過ぎる。」
まゆ子「まあ、一歩退いて弥生ちゃんを観察していたからね。で、今回くっちゃりで考えるべきなのは、アィイーガは如何に動くか、だ。」

じゅえる「考えて無いの?」
釈「いま散々言ったじゃないですか、彼女はきゃぷてんの代理として動くですよね?」

まゆ子「なにも考えてない!」

じゅえる「うううむう。こう来るか。」
釈「凄い泥縄です!」

まゆ子「いや今言った通りに、アィイーガの性格が良く分からんのだよ。好戦的でも無ければ差別的でもない。少女でも無ければ熟女でも無い。強いて言うならば、お后様になる前の若い女、という属性しか無い。」

じゅえる「ギィール神族として飛び抜けて優れたなにか、は無いの?」
まゆ子「そりゃ、ギジジットで唯一人巨大ゲジゲジ神に繋がったけど、それは性格とは関係無い。」

釈「野心とかは?」

まゆ子「野心を持つギィール神族は極めて少ない。出世とか考える馬鹿はおらん。」
じゅえる「そうでした。神聖王が世襲なのは、ギィール神族が厄介ごとをすべて押し付けたからでした。」
釈「偉くなればバカ呼ばわりされるのですかね、神聖宮じゃ。」
まゆ子「そんなもんだな。自由気ままに生きて死ぬ、これがギィール神族の正しい在り方だ。」

じゅえる「降参!」
釈「知ってるようで、まったく気付きませんでしたね。彼女は何を求めて生きているんでしょう。」
まゆ子「脇役の定め、て奴だよ。その場に居るのが当たり前と思ってしまう。いざ主役の座に引っ張り上げられると、途端にボロが出るんだな。ハハハ。」

釈「笑い事じゃありませんよ。えーと、そうだ! こんな時こそ清子さまだ。」
じゅえる「鶴仁波○○堂の?」

清子「こんにちは。」

釈「いらっしゃいませー! 早速ですがこれこれこういう訳で、困って居るのです。」
清子「これこれとはいかなるこれこれでしょう。詳しく説明していただけませんか?」
じゅえる「うーー、そこはおやくそくということで。」

清子「野暮は申しません。ですが一つ、アィイーガさんは王様のお后様になる事をお決めになられたのですか?」
まゆ子「まだです。というか、漠然と考えていたところでは、これからゲバチューラウの熱烈なアタックを受ける予定でした。」

清子「まあ。ということは、御本人は承諾されていないと考えてようございますね。」
じゅえる「まだ現実感が無い、ってところだろうかな。法的には既に結婚しているようなものだから、改めて考えることでもない。」
釈「揺れる女心ですか。なるほど、そういう手もあります。」

清子「ですが、弥生さまの後をお引き受けになるのは大変なことです。尋常の覚悟ではつとまりません。アィイーガさんはその覚悟はお有りですか?」

まゆ子「無いかもしれない。本人はもっと軽く考えているかも。
 というか、ギィール神族は自身の器量や才能を疑わないものだ。出来る事をやるし出来ない事は初めから手を出さない。それがギィール神族の普通の考え方。自身の能力を厳密に正確に知るから、無駄はしないよ。」

じゅえる「彼女の器量は、トカゲ神救世主足り得るのかな、どうだろう。」
釈「誰でもが出来ることではない、ですよね?」
まゆ子「さあどうだろう。案外、自分も出来ると思ってるんじゃないかな。」

清子「多分そうでしょう。御自分でも救世主が出来る、とお考えです。そうですね、アィイーガさんは救世主には成れますが、弥生さまには成れない、と知って居るのです。」
じゅえる「うん、なるほど。」
釈「ではきゃぷてんとはどういう人か、を考えるわけですか。」

清子「それはどうでしょう。普通人は他人を感覚や直感で理解します。観察するまでもなく知っています。長く旅して来たアィイーガさんであれば弥生さんの性格や方向はちゃんと理解されていると思いますよ。」

じゅえる「分かっているはずのものを、敢えて抉り出すか。じゃあアィイーガは勝手にやれと言われて何をやると思います?」
清子「そうですねえ、慈悲がお有りなのは間違いないですから、弥生さんを求めて集まった信者の方々をちゃんと保護されると思います。一方で両方の王国に対して和平の枠組みを壊さない為になにか工作をします。」

まゆ子「挑発的な行動かな? いや、アィイーガは和平を保つということならば、さほど危険な行動はしないかな。」
じゅえる「逆じゃないかな、両王国に自主的な和平会談を行わせて、弥生ちゃん抜きで彼らがなにをするか見極める。」
釈「しかしそれは消極的ではありませんか?」

清子「アィイーガさんはおそらくは、そうですね、聖蟲を戴く方に興味が無いのではありませんか。トカゲ王国を弥生さんに変わって作り上げるとして、その国民となる普通の人々と直接対話をなさる方が、両王国にとってダメージが大きいと思われます。」
まゆ子「なるほど。」
じゅえる「えぐい策だ。」

釈「しかし可能ですかね。その策がえぐいことは、誰の目にも明らかでしょう。暗殺されかねませんよ。」

清子「アィイーガさんの行動を二つ考える事ができます。現在の宗教団体としてのベースをそのままに平和的に発展させていくか。武力機構を備えて強硬に王国を主張するか。ですがどちらも弥生さんの路線のままですから、ギィール神族としては面白くありませんね。」

まゆ子「第三の道、か。裏世界かな。」
じゅえる「裏というか、秘密結社的にトカゲ王国を両王国内部に、ってのは人喰い教団みたいなもんだ。」
釈「あまり良い手とはいえませんよ、それは。そうですねえ、もっと穏やかで理解されやすい、加入し易い集団であるべきではありませんか。」
清子「あるいはもっと単純な集団、暴走族みたいな形も考えられますね。」

まゆ子「ゲジゲジ乙女団、だ…。」

じゅえる「あ。…カエルのお姫様が作るという、アレ?」
釈「イルドラ姫が誘われる、アレですか…。そうか、アレはアィイーガの差し金だったのかあ。」

まゆ子「そう考えるとこの章でアィイーガが活躍する素地が出来るか。うーんと、つまり、アィイーガは第四の道を開発したんだ。自分で国をぶっ立ててやろうという。」
清子「つまり、トカゲ王国を側面から支える独自集団ですね。それも神族によって運営される。」
じゅえる「寇掠軍ってことかな?」

まゆ子「寇掠軍は往って帰るだけだ。これは滞在をし続ける。勝手連であるんだが、なにか良い名前は。」
釈「トカゲ王国にこだわるのはよくありません。独自の立場を表明するということで、独立愚連隊?」
じゅえる「愚連軍はいかんだろう。さすがに。アニメでもあるし。」

清子「押売りみたいに協力を無理強いするのですから、これは推参です。推参軍ではどうでしょう。」
まゆ子「ふむ。もう少しパンチが欲しいけれど、読者様が理解できないと困るからそれでいいかな?」
じゅえる「というか、推参でさえほとんどの読者様は理解出来ないと思うよ。」

釈「問題がひとつ。アィイーガは暴走族みたいな背景を持っているのですか? 性格的にそういうのですか。」
じゅえる「いや寇掠軍はみんなそんなもんだ。」
まゆ子「まあね。」

清子「カエルのお姫様はノリが良さそうですからそれでいいのですが、アィイーガさんは少し違うと思えますね。むしろ学問とかに向いている気がします。」

じゅえる「ふうむ、弥生ちゃんも冷静に観察しているしね。しかし今回歴史の渦中にどんと立たねばならない。」
釈「学究的であるのならば、むしろ実験としてかき回して見るとかはどうでしょう。わざと対立が起きるような推参軍を使って。」
じゅえる「いやーそういうわざとらしいのも彼女らしくない。」

まゆ子「そうだね。彼女は自分から推参軍を作ろうとは思わないんだ。ただ、ギィール神族の少女達がなにかしたいと言い出すのに、身元引受人的に統率し始めた。こんなところだな。」
清子「というよりも、御自身が推参なさったわけですから。弥生さんの不在の穴を埋めるべき人物は自分しか居ないと思い定めてやってきました。ですから、他の神族がそれをやっても留めるべき動機を持たないのではありませんか。」

じゅえる「褐甲角王国はどう思うだろう?」
まゆ子「いや、一度アィイーガが入ってしまった後はそりゃ反発するだろう。…逆に煽るか。」
釈「アィイーガさんは自分ではあんまりなんかやりませんが、煽るのは大好きそうですね。褐甲角王国を挑発する為に、積極的にゲジゲジ乙女隊を支援するというとこで、どうです。」

清子「もう少し色を着けましょう。ゲジゲジ乙女隊は非武装というか火器非携帯を条件として、褐甲角王国におけるトカゲ神救世主への支援状況を視察する、とかのもっともらしい名目で堂々とゲイルに乗って褐甲角領を漫遊するのです。」

じゅえる「うわあー、それはイヤだ。」
釈「なんという嫌味。」
まゆ子「つまりアィイーガは、ギィール神族有志乙女がお手伝いしましょうと言って来たのを、そいう風にネジ曲げて使うんだ。うん、彼女はそういう性格だ。」

じゅえる「底意地の悪い女ということでFA!」
まゆ子「OK!」
釈「ではそういうことで。」
清子「ごきげんよう。」

 

08/05/04

まゆ子「てなわけで、げばると処女EP6 「第四章 VS志穂美」が上がったわけです。52枚。」

じゅえる「書き上がりは早かったけど、その後原因不明の奇病に冒されて、ちと遅れましたわ。」
釈「とはいえ、2週間ちょいで書き上がりましたから、遅過ぎはしません。では次に参りましょう、第五章です。」

まゆ子「えーと、第五章かあ、「5、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う」て、スケジュールではなっている。」

釈「北方針葉樹林帯の設定は、どうなってます?」
じゅえる「無いよね?」

まゆ子「あー基本的に、ここは植物相がまるっきり方台と違います。寒いです。人間住んでません。住めません。樹は一杯有りますが、生きては戻れぬ地獄です。樹獄ですね。」
釈「それでは話になりません。なんとかしましょう。
 えーと針葉樹林ということは、どんぐりは無いわけです。生物の餌となる植物が極端に少ないってことですね。」

まゆ子「そう。だからここには苔を食べるような小さい生き物くらいしか居ない。だがトカゲは居る。十二神方台系は両生類の天下なんだが、そこから弾かれた爬虫類は寒冷地進化をしているので、ここに棲んでいる。」
じゅえる「トカゲ神が北方の守護者である由縁だね。」

釈「哺乳類はどうです。毛むくじゃらの熊とか。」
まゆ子「熊かあ。それは居ないなあ、というか考えた事も無い。出るとしたらもっと怪しい生き物だ。」
じゅえる「ではムササビにしよう。皮膜の羽でぴゅあーっと飛び回る。」
釈「ヤマネはどうでしょう。寒いとこでも生きてますよ。」
じゅえる「いや、そいつはどんぐり食だから、ダメだろう。」

まゆ子「無尾猫は居る。山無尾猫だ。方台に居るのが真っ白なのに対し、こいつは森林帯迷彩柄。ただし顔は人間みたいで吃驚する。」

じゅえる「特別な動物なの? 無尾猫って。」
まゆ子「簡単に言うと、ゲキからウェゲへの移行期に作られた、知的生命体の一パターンなのだ。無論この計画は放棄され、方台に無尾猫という形で穏当に送り出された。」
釈「ダメだったのは、何故です。」
まゆ子「自堕落だったから。噂話だけで生きていこうという。」
じゅえる「そりゃだめだわな。」

まゆ子「あと、食べるものと言えば、そこらへんに生えている樹の樹液だね。甘ーいからこれを主食にします。」
じゅえる「メイプルシロップなわけだ。山無尾猫の主食は?」
まゆ子「狂暴なカタツムリ。あとデカいダンゴムシだな。このダンゴムシは弥生ちゃんも喰ってみてOKを出します。焼くと香ばしい。

 あ、そうそう。この針葉樹林帯では火が炊けない。薪が無いんだ。寒冷で湿潤な気候で、落ち葉や枯れ枝が全部湿気てやがる。」
釈「どうやりましたか。」
まゆ子「どうしようか。なんかの生き物の脂でも燃やしてみるか。」
じゅえる「テュークの親戚みたいな陸棲生物が居る事にしよう。そいつの殻を引っ剥がして中の脂を絞り出す。」

釈「なんか、野生の王国ですか。猿は居ませんか?」
まゆ子「方台にもこちらにも、猿は居ない。だが、樹の上を飛び回る生き物は欲しいかな。ヒトデにしよう。猿みたいに飛び回るヒトデが襲い来るんだ。中央の口をがばあっと開いて。」

釈「哺乳類無しにしましょう。えーと、代りにトカゲでも飛ばしますか。」
じゅえる「羽の生えたトビトカゲは居るんでしょ。」
まゆ子「居る。なるほど、じゃあトビトカゲと。これの羽を焚き付けに使おう。」

釈「魚はどうします? 水はありますよね。」
まゆ子「うん。だがさっきも言った通りに寒冷湿潤なんだ。だからー、魚が森を這っている事にするか。で、がぷーっと食いついて来る。」
釈「巨大な蜘蛛もやはり出るべきですね。」
じゅえる「ムカデも欲しいとこだ。」

まゆ子「よーし分かった! 気持ち悪いもの全部出してやる。妙に明るい柄のゴキブリも出す!というか、ゴキブリってシロアリの仲間だから、出ても不思議は無いな。」
釈「えーと、他にはミミズとか蟹とか、」
じゅえる「蟹は出そう。湿潤ならいいよね。」
まゆ子「OK。ヒトデと蟹のバトルだ。」

釈「しかし、乾いた草が無いと寝る事も出来ませんね。どうしましょう。」
じゅえる「実際、着るものも必要だろうし、哺乳類禁止ということは毛皮が居ないわけだから、どうするね弥生ちゃんは。」

まゆ子「なに、木の皮でも引っ剥がして、それを叩いて伸ばして乾かして、って事にしよう。芋の葉っぱが大きく開いている、とかをコロボックルみたいに傘にしてもいい。」
じゅえる「しかし乾かないでしょ。」
まゆ子「ハリセンの力は絶大だ。フリーズドライも前にやった。」
釈「あ。そうか、乾かすのはお手の物なんですね。じゃあ安心だ。」

まゆ子「えーと、ストーリー上の予定だと、弥生ちゃん気がつくと北方樹林帯ど真ん中に墜落。カベチョロと頭の中で会話。山ネコ出現。大目玉の化物出現・バトル。大目玉を倒すと、中から無力な子供みたいな少年が裸で出て来る。とまあ、こういう所。」

じゅえる「誰?」
まゆ子「ウェゲだよ。聖蟲システムが出来る前に考えられていた、生物甲冑を着装する部族が存在するんだ。無論失敗作だが何千年も稼動し続けて居る。」
釈「何千年ですか。彼らは進歩とか成長はしないんですか。」
まゆ子「生きているだけ、という存在だ。弥生ちゃんはこの少年を彼らの村に連れていくのが次のミッションになる。このまま放り出すとたちどころに死ぬからね。」

じゅえる「彼らは、人間として扱わないのかな、十二神は。」
まゆ子「蟲と人間の共棲、というシステムが、どうもゲキと呼ばれる種族の機械の基本コンセプトみたいなんだね。生命ロボットというところかな。だから、これはこれで完成品なのだ。
 しかしこれを装着している以上、彼らには発展しなければならない必然性が無い。寒くもないし熱くもない、寒冷湿潤な地帯でも快適に過ごせる。食糧も甲冑が自動的に採集して食べ易い形態に加工して与えてくれる。病気も怪我も無いし自動的に治療もする。
 生物甲冑無しでやることと言えば繁殖くらいなもので、年に一度甲冑を脱いでセックスするってものかな。」

じゅえる「はあ。至れり尽くせりなんだ。知恵を使う必要がまるで無い。」
釈「そりゃ何千年経っても進歩する必然性が無いですね。科学の進歩なんてありえない。」

まゆ子「ゲキも大体このような感じの存在だったらしいんだけど、本物はもっと活発に動いて居たのに、再生されたゲキはこのシステムを与えると直に死んでしまうんだ。無論、コレ無しだともっと簡単に死ぬ。」

じゅえる「えーと、つまり弥生ちゃんはこのウェゲの村にまずこの少年を送り届けねばならない。で、そこを経由して天河十二神のステーションに行く。北方編は3部に分けて語られるから、」
釈「4部です。ただEP6「最終章呑気なもんだよ弥生ちゃん」は潰しの回ですね。方台で起きている様々な事を描いて居る中で、弥生ちゃんキャプテンの動向を呑気に描く、ストーリー上で展開の無い章です」

まゆ子「弥生ちゃん、カベチョロ、山ネコ、ウェゲ。この4人でいいかな?」

じゅえる「志穂美も出そうか? 密かに弥生ちゃんを付けている、とか。」
釈「謎の監視者、というのはあってもいいと思います。」

まゆ子「よし、謎の監視者。正体は明美。」
じゅえる「ああ、明美が出る予定だったね。最初から出すか。」
まゆ子「出てもいいでしょ、明美なんだから。妙にドジな監視者がなんかやらかす度に弥生ちゃんがピンチに陥る。」
釈「それは嫌な敵ですねえ。」

じゅえる「ただ、北方樹林帯に人がまったく居ないというのも、なんだねえ。海賊とか密猟者とかは無いのかな。」
まゆ子「トリバル峠の大岸壁のとこにネズミ族という原始そのままの生活をする人達が居るけれど。文明人といえば船に乗って、まー沿岸地帯にしかいないんだから今回除外するか。」
釈「それは、小さな章で書けばいいんじゃないですかね。」

じゅえる「そうだ。北の彼方に理想郷が有る、という話を挿入しておかなきゃいけなかったでしょ。それは書かないと。」
まゆ子「そうか。一攫千金を狙う人達の話、として書いておくか。」

 

08/04/13

まゆ子「さてげばおとだ。遂に念願の弥生ちゃんとコウモリ神人いやさ志穂美の一騎討ちが書ける!」

じゅえる「長かったねえ。」
釈「長おございましたねえ。」

まゆ子「とは言うものの、弥生ちゃんの戦闘シーンは一年前からとっくに決まっている。問題は、そこに至る三神救世主邂逅をいかにするべきか、なんだな。」
じゅえる「ふむ。只単に野っぱらで遭遇するてのじゃダメなのかな。」
まゆ子「いえ、そのつもりですが、芸が無いかなあと。」

釈「たしかに、ただ単に同時に進行して遭遇、てのでは誰も納得しませんね。」
まゆ子「なにかそこでなければならない理由というものが必要ですかねえ。ということで何か無い?」

じゅえる「どうしようか、不思議は必要無い。この場合は避けるべきだ。」
釈「次に来ますからね。では、やはり人間としてまっとうな手法でちゃんと協議してご対面という風に?」

まゆ子「三方のそれぞれの思惑とかを描写しようか?」
じゅえる「それも正当な手法ではある。だが奇をてらう演出もこの場合可と見るが、どうかな釈ちゃん。」
釈「ええ、遭遇地点で既に戦闘が起きている、くらいはふつうに可能ですが、それが効果的かは疑問です。」

まゆ子「視点だね。弥生ちゃんがコウモリ神人と対決するパートは間違いなく弥生ちゃん視点だ。であれば、それに先立つ邂逅も弥生ちゃん視点であるべきではないだろうか。」

じゅえる「だが少し違う気がする。コウモリ神人視点でもいいはず。」
釈「そもそもがコウモリ神人がいかなる存在であるか、人となりとかは完全に謎ですよね。」
じゅえる「この世の人ではないからね。」

まゆ子「ちなみに、弥生ちゃん戦闘シーンにおいては旗持ちのシュシュバランタだけはその場に在り続け、戦闘の一部始終を目撃する。彼を視点とする手もある。」
じゅえる「それも悪くない。だが技巧がややこし過ぎる。むしろネコだろう。」
釈「ネコも悪くはありません。困りましたね、誰でもいいんだ。」

じゅえる「こういう場合は原点に戻ろう。誰を書きたい?」
まゆ子「そりゃ弥生ちゃん。」
釈「ですねえ。今回は。」

じゅえる「では潔く弥生ちゃんサイドから始めるべきだ。弥生ちゃん密着カメラだ。」
まゆ子「ふうむ、なるほど。確かにそうかも知れん。弥生ちゃんが一大決戦に備えてワクドキしてるとこを書かずにはおれんよね、やっぱ。」

釈「コウモリ神人が襲って来る、というのは普通の人は知らないんですよね?」
まゆ子「周りの人間は知って居るけれど、心配していない。なんせ大軍事演習をやった後だから、あんな化物じみた人が負ける道理が無い、と信じてる。」
じゅえる「そうか、そりゃそうか。」

まゆ子「というか、その効果もちゃんと考慮して、安心感を与える為に軍事演習しました。普通の人はコウモリ神人襲来は知らないけど、金雷蜒軍褐甲角軍と真っ正面から対峙する危険性については十分理解して居ます。だからこその軍事演習による民心の安定を図りました。」
じゅえる「相変わらず計算高いな。」

釈「ではもう一発、なんかぶち上げときますか。」
まゆ子「ついでに言うと、コウモリ神人登場の際には、天空がにわかに真っ黒になり闇の中に朱に燃え上がる太陽だけがぽっかりと浮かび上がるという天変地異が起こります。」
じゅえる「日食?」
釈「いえ、それはー謎現象でしょう。」

まゆ子「というわけで不思議はてんこもりです。だとすれば、最初には人間の小賢しい知恵というのを描くべきかな。」
じゅえる「そんな暇は無い!」
釈「思い切ってそういうのはぶった切りましょう。もう怒濤のバトル突入です。」
まゆ子「うんじゃあそうする。」

            **********

まゆ子「書いたぞ。(08/04/17)」

釈「早!」
じゅえる「ほんとに?」

まゆ子「59枚と出たから、実質47、8枚だな。ちょいと短いが短過ぎはしない。」

釈「しかしまた、なぜにこんなに早く。」
まゆ子「書きたかったから。」
じゅえる「そか。御苦労。」

 

08/04/08

まゆ子「というわけで、げばおとEP6 「第三章 恋のプロトコル」他二篇できました。トータル81枚、本編は65ってとこかな。」

じゅえる「風邪こじらせなきゃ4月中には上がってたんだがねえ。」
釈「一週間も無駄にしてしまいましたよ。」
まゆ子「失って初めて分かる、健康というお宝の素晴らしさってわけだよ。」

じゅえる「それにしても、「恋のプロトコル」すか? いいの、サブタイトルに英語使って。」
まゆ子「この件でてきとうな日本語思いつかなかった。サブタイトルだからいいじゃん。」

釈「それにしても、たしかに外交儀礼ばっかりのお話ですね。いいんですかこれ?」
じゅえる「いや、色々バラエティに飛んで、話自体は面白いよ。」
まゆ子「もちろん面白さ優先で描きました。釈ちゃん、なんか疑問点有る?」

釈「いえ。神聖王ゲバチューラウの人となりが思う存分描かれていて、まったくもってこの部分にはふさわしいと思います。

 ですが、たしかジンハ守キンガイアさんて小剣令でしたよね。で、36とか38歳とか? ちょっと昇進遅過ぎませんか?」
じゅえる「言われてみれば、黒甲枝って年功序列じゃないの?」

まゆ子「説明せにゃいかんかねえ。じゃあやります。
 えージンハさんは初登場時より設定をちょこっと変更して、37歳になりました。最初は40歳の予定だったんだけど、子供が小さいから若返りました。

 で、彼は小剣令で一村守護という役目に就いています。小剣令というのは、士官では最低のランクであるから、彼は無能なのか? という話だね。」
釈「はい。」

まゆ子「小剣令という位は、一般クワアット兵と神兵ではまるっきり違います。神兵の位は神兵同士の位であり、クワアット兵の秩序の外にあります。だから小剣令より下が無い。同じ名前で呼ばれていても、聖蟲の有る方が絶対的に偉いのです。」

じゅえる「でも軍組織というのは実力重視の世界じゃないの?」
まゆ子「実力重視だよ。だからこそ、神兵は絶対的に高い位にある。

 言ってみりゃあ、カブトムシ神の聖蟲を戴く神兵は、ありゃ戦車だ。ゲイル騎兵に対抗する唯一の戦力なんだ。
 戦車と位の上下を競ってもしょうがないでしょ。」

釈「はあ。じゃあクワアット兵って無くてもいいんですね。」
じゅえる「まあ、対ゲイル戦闘においては、そうだね。」

まゆ子「つまり、敵がゲイル騎兵である限り、神兵は絶対的に上の立場でなきゃ困るし、唯一有効な戦力を活かす為に、彼が指揮権を持つのが最もふさわしいのです。」
釈「それは納得します。ですが今回問題なのは、37歳なのに何故昇進しないか、です。」

じゅえる「一村守護というのは閑職なのかい?」
まゆ子「まあ、普通の村とくに褐甲角王国西部では暇な役職だな。そういうところでは3村守護、5村守護とかけもちしている。

 だがゲルワンクラッタ村(ベギィルゲイル村)は特殊なんだ。ここはかなり重要な拠点であり、ギィール神族の亡命者も2、3年に一度はやってくる外交の最前線と呼んでもいい。」
じゅえる「ほお。では重要な役目を頂いているエリートなんだ。」

まゆ子「この村は政治的に重要な役目を帯びて居るから、一村守護には衛視の資格が絶対に必要。もちろんジンハさんは持っている。しかも、ゲイルに乗った神族が直接に進入してくるから、武術の腕もたしかでないと困る。だから彼も赤甲梢で学んで、神兵の剣匠令を持っています。」
釈「凄いじゃないですか。」

まゆ子「彼の人生設計において、ヒィキタイタンの提唱した東金雷蜒王国進攻作戦はあまり意味を持たない。どちらかと言うと先政主義派に近く今までの体制がずっと続いていく、最前線とは外交の最前線であると考えるんだね。だが無論武力武術は絶対的に重要。
 神兵としての彼が自分が最も力を振るえるのは、国境守備軍ではなく街道だと見極めた。だから一村守護、それも最重要拠点の守護になろうと考えて努力してきた。

 ところが村守護ってのは、だいたい小剣令の仕事なんだよね。中剣令は神兵の束ね役で或る程度広域をカバーする仕事を任される。大剣令というのは県全体を眺めて企画立案から実行までを指揮する。
 つまり昇進しちゃうと村守護になれないんだ。」

じゅえる「はあ。ではややこしい資格を必要とするにも関らず、小剣令でないとダメなんだ。ゲルワンクラッタ村は。」
まゆ子「ベイスラあたりだと、聖蟲を貰ったばかりの神兵が3村守護を勤め国境警備の任に当たる。で村の揉め事を片付けたり、冬場に時折やってくる寇掠軍を撃退したりしながら、20代の内に衛視の資格を取る勉強をします。また中剣令になる勉強をします。」

釈「あ、閑職でいいんですね、これ。」
じゅえる「じゃあジンハさんは、衛視の勉強をしている?」
まゆ子「衛視の位は剣令とは別だからね。昇進ごとに厳しい試験がある。外交畑でやってこうとするジンハさんは最終的に衛視監になろうとか考えている。」

釈「それは偉いんですか。」
じゅえる「兵師監と並ぶくらいじゃないかな?」
まゆ子「うん、そんなもんだ。ただこれはなかなかに難しい。頭がよくなる魔法ってカブトムシの聖蟲は持ってないからね。」

釈「お給料はどうなんです? やっぱ資格を取った方が上ですか。」

まゆ子「あー、神兵小剣令+衛視補1号+一村守護+戦闘手当て+扶養手当て=年収40金くらいかな。」
じゅえる「相変わらず給金低いな。」

 

08/03/10

まゆ子「しかしながら、まだまだやる事が多い。基本は添削と推敲ではあるが、ネタはまた別に用意せねばならぬ。

てなわけで、げばおとEP6第三章は神聖王がゲルワンクラッタ村に到着するところまでは書いた。」
じゅえる「Aパート終了というとこだね。枚数は20くらいは行ったかな。」

釈「なんかお尻が落ち着きません。ま、やりますけど。で、次はBパートです。えーと予定されているのは劫アランサ王女の対応と、聖神女ティンブットの舞対決ですね。」
じゅえる「アランサは神聖王の代りに人質となる。が、ついでに赤甲梢が神聖王ゲバチューラウに随行した際の苦労話も聞かされる。」

まゆ子「ティンブットはゲルワンクラッタ村でない、次の宿場と考えていたんだけどダメかな?」
じゅえる「ま、確かにゲルワンクラッタ村にながっちりされても困る。」
釈「そうですねえ。アィイーガも途中で出迎えるとして、ゲルワンクラッタ村は流しましょう。後にここに引き篭る事になりますから。」

まゆ子「じゃあそうするか。ちなみにゲルワンクラッタ村には4日滞在します。千人の兵と奴隷が徒歩で荷物を担いでギジェ関を通過するのに必要な日数です。ちなみにゲルワンクラッタ村は国境線から80キロありますから、尋常であれば二日の距離ですね。」
じゅえる「通過の際の交渉と検査に必要な日数として、そんなもんか。4日めの朝に到着、ということでいいよ。」

まゆ子「その間、神聖王は何をしておこうか、というのが議題。ゲルワンクラッタ村には救世主の信者がいっぱい居るが、それだけでは面白くはあるまい。刺客はジンハさんがやっつける。」
じゅえる「温泉は無いにしても、旅の疲れを癒す鄙びた雰囲気が良い、ということにするかな。ゲジゲジ神官ジャガジャーハンが敢えて休息の時間としたとか。」
まゆ子「悪くはない。これから外交交渉もしくは戦争があるのだから、鋭気を養って居るべきだろうし、20日ほどの旅程の垢を落とすのも必要だろう。」

釈「しかし、何も無いのも面白くありません。描かないにしても設定はしておきましょう。後に【】で書けばいいんです。」

じゅえる「違いない。サブエピソードを用意しよう。えーと、ゲルワンクラッタ村の近郊には洞窟があり、蟲醤油を作って居るんだったね。」
まゆ子「洞窟関連にするか。それは本来は洞窟ではなくなにかの遺跡で、神聖王に縁の文物がある。」

じゅえる「そういえば、白の母もこの地に亡命してきたんでした。なにか縁の品などを置いておこうか。」
釈「それでは、ここは亡命者を受入れるメッカでありますから、この洞窟には亡命者達が残していった様々な品が隠されており、中にはゲバチューラウ所縁でありながら消息不明て人の遺品がある、とか。」

まゆ子「そういえば、白の母の最初の恋人は金雷蜒王国の手により処刑か追放をされたんだった。その人がゲバチューラウになにか関係がある、としておくか。」
じゅえる「悪くない。だが血縁を言うと、ゲバチューラウは白の母に繋がるぞ。王姉妹だから。」
釈「なにか、秘蹟の一つを手に入れたが為に追放された、ということにしますか。王姉妹との恋だけじゃない。」
まゆ子「それ頂き。」

じゅえる「それでいこう。その秘蹟がこの村に眠っており、それを手に入れたゲバチューラウは、…どうしよう?使える品だろうか。」
釈「うんと古代の遺物がいいですね。魔法の品です。」
じゅえる「タコ女王の『願い叶え珠』、ではどうだろう。」
まゆ子「いや、これはコウモリ神人所縁の品であるべきではないか。」

じゅえる「これまでまったく出て来ない、ネズミ神官時代の遺物ではどうかな。火を自在に操れるんだっけ。」
まゆ子「ネズミ神官時代は原始時代。旧石器時代だ。ギャートルズだね。」
じゅえる「石斧担いでホホッホーです。となれば、石のお金?」
釈「穴の開いた石、…璧ですね。」

まゆ子「璧か、わるくない。綺麗だし。焔が燃えるのを思わせる深紅の璧だ。超能力は?」
じゅえる「恋、だな。」
釈「いいですねえ。」

まゆ子「これまでの魔法は潤いの無いものばっかだから、それはいい。恋の願いが叶う璧だよ。これを恋人同士が共に握れば、必ず結ばれる。」
じゅえる「それじゃあただの結婚指輪だ。いや、それでいいのか?」
釈「良いと思いますよ。敢えて不思議を出さなくとも。」

まゆ子「ちょいと色を付けて、コレを手にすれば永遠の恋人と巡り合える。てのはどう?」

じゅえる「そのおかげで、白の母はコレを持っていた神族の男性とめぐりあい恋に落ち、やがて引き裂かれる。うん、ろうまんすだ。」
釈「ネズミ神てのは、現代では子作り子育ての神ですから、ちょうどよいのではありませんかね。」
まゆ子「ちょっと、サブエピソードには勿体ない話になったが、まあいいや。

 で、そういう裏がありゲバチューラウはのんびりとして、で供回りが追いついたところで出発し、次の宿所となる村に行くと、聖神女ティンブットの舞勝負を受ける事になる。で、運命の人アィイーガと出くわすのだ。」
じゅえる「アィイーガと出くわしたところで、この章は終り。これでいいんじゃないかな。分量的にも。」

まゆ子「では、サブタイトル『第三章 駆け込み者のプロトコル』を『恋のプロトコル』に変えようか。」
じゅえる「だが構成上、恋はほとんど描かれない。最後にちょろっと出るだけだ。」
釈「第三章本編はプロトコルとしての様々な手続きが執拗に描かれます。ティンブットの舞もまたそうです。であれば、恋はほとんど描くべきではない。」

まゆ子「構成上は、アィイーガが神聖王に対面した際の口上でほぼ終る。となれば、プロトコルを前面に押し出すべき。恋は別がよろしかろう。」

 

08/03/01

まゆ子「さて第三章だ。もうなにも考えずにがしがし行くぞ。えーと天から劫アランサ王女が降って来て人々の度肝を抜き、ついで弥生ちゃんの伝言を伝えられた焔アウンサ王女が神聖王ゲバチューラウに話を持ちかけて、一気に走る。という状況だ。」

じゅえる「インパクト重視路線はいいけれど、実際そんな事が可能なのかな。神聖王の正面はクリアされているの?」
釈「そうですよねえ、神兵がごっちゃり集まっている気がしますけど。でもなにか策があり、そちらの方に兵が差し向けられて居る、ということですか。」

まゆ子「いや単純に、関所ではなく草原の方に布陣して居る。勢い褐甲角軍も草原に出張って居るが、そうなるとがぜん有利を得るのが赤甲梢兎竜部隊だ。本来赤甲梢迎撃隊は前線に投入されないはずだったが、草原に布陣されるとなるといやでも使わざるを得ない。アランサ王女は自分が考えていたよりもはるかに簡単に伯母の軍勢と接触出来たのだよ。」

じゅえる「ふーむ、となると赤甲梢合流というのは。」
まゆ子「そうなんだ。赤甲梢、つまり金雷蜒王国に突入した連中は当初人質的に扱われて来たんだけど、草原に両軍対峙すると、逆に神聖王が虜になる危険が出て来たので、むしろ積極的に褐甲角王国に返そうということになる。赤甲梢と兎竜隊を追放して防備を固めた方が得策と思われたわけだ。だから、赤甲梢は両軍ともに自然に最前線に存在する。

そこに、和平の使者として天から劫アランサ王女が降って来て、儀礼上神聖王の本隊がそれを受入れる事となる。で、焔アウンサ王女は行き掛かり上神聖王の傍近くに少数の神兵と共に在り、褐甲角王国側からの働き掛けを仲介する役を務めて居た。となると、」

釈「きわめて普通に劫アランサ王女と接触し、一気に走る策を取る。しかしーやはりゲイルの疾走を許容はできないでしょう。」
まゆ子「そこをうまいことしてだね。」
じゅえる「ま、そこはすっ飛ばして考えよう。えーと、

アランサ着陸→神聖王走る→ここまでの回想→ゲルワンクラッタ村到着→村で厳戒体制→次の宿泊所においてティンブット舞対決→そして対面へ
とスケジュールされている。」
まゆ子「むちゃだな。」
釈「具体的に字にすると、無茶ですね。」

じゅえる「むちゃということは、やり甲斐があるってこった。具体的にどこが無茶かを言ってみて。」

まゆ子「両軍戦闘体勢にあるはずでしょ。そんな中、神聖王のたとえゲイル騎兵のみであるとしても、褐甲角王国軍と接触する地点まではとても進出出来ない。」
釈「たとえ走ったとしても、褐甲角王国軍の軍勢は十重二十重で控えて居ます。走りぬけられません。」
じゅえる「ギジジットからの神族の応援も追走しますもんで、たちまち大混乱必至だね。」

まゆ子「となると、走るという策は使えないというわけだ。さてどうしよう。」
じゅえる「神聖王がこっそり走る、という策は無理だとしても、公然と疾走するというのはどうだろう。一大示威行動としてゲイル騎兵を全数走らせる中、神聖王の隊のみが抜け出すとか。」
釈「それも完全なマークをされるでしょう。ギィール神族自体信用なりません。」

じゅえる「そもそもギジェ関で対峙する、という考え方こそが古いんだ。神聖王の軍はギジェ関を迂回して、毒地中ギジジットからの古街道出口付近に集結する、という方が正しいんじゃないかな。」
まゆ子「そこまでの進出は許さないにしても、毒地中だね。」

釈「民間人を煙幕に使う、という策は。」
まゆ子「この時点、両軍対峙どころか部分的に小競り合いしている状況下では無理。」

じゅえる「となると、一時的に両軍かなり広く間合いを開ける、最前線付近が空になる停戦状態を作り出さなきゃいけないんだ。アランサは最初軍使として武徳王の命令を持って来て、両軍停止と10里の緩衝地帯を作る事を提案して来る。」

まゆ子「ああ、それはーつまり、赤甲梢受け入れの為でもある、ね。するてーと、ギジジット古街道出口からギジェ関付近までのかなり広い領域がその対象となり、幅10里の道が出来る事になる。」
釈「それですね。赤甲梢の兎竜と、神聖王の禁衛隊が少数でその道を走り両軍に和平を徹底する。で、そのまま分かれるはずが、いきなりゲルワンクラッタ村に神聖王が入ってしまい、両軍共に、え?と。」

まゆ子「それでいこう。」

じゅえる「つまり、ゲルワンクラッタ村の極近辺まで何事もなく極めて通常の示威行動を行っており、ほんの少し進路が外れたかなと思ったら、村か出て来なかった。そんな感じ。」
まゆ子「民間人が大挙して押し掛けるのはその直後だ。つまりゲルワンクラッタ村に入った時点で、神聖王の褐甲角王国入りが完了し、お祝いに大勢の人が村周辺に詰め掛けて、軍事行動ができなくなる。」

釈「つまり、緊張感がここまでじーーーーーと続いて来て、あれ? という感じでいきますから、回想シーンは無しですね。」
じゅえる「村に着いてからでいいでしょう、それは。えーと、警備に赤甲梢が着く?」
まゆ子「着かない方がいいと思う。この近辺だけ神聖王の近侍数名のゲイルとアウンサの兎竜数騎、その程度で村の守護であるジンハさんとかが直接率いる兵のみが護り、両軍共に近寄らない。」
釈「その策が必要ですね。」

じゅえる「えーと、ではゲルワンクラッタ村は無防備に近い状態にある。というか、弥生ちゃんが来るということで神官戦士団による警備がなされており、褐甲角軍はその外側、毒地中で阻止線を布いて待って居る。ただ未だ弥生ちゃんの到来は無いから、ゲルワンクラッタ村自体の戦略的価値はほとんどない。防御施設も無い。」
まゆ子「軍事的には無視しても構わない拠点の一つ、だな。少数の寇掠軍ならともかく、100を越えるゲイル騎兵団の襲来にはとても抗す事ができないのは、当たり前だ。」

釈「しかし立地から言うと、古街道の出口にあたり古来より結構重要な位置にはあるわけです。今回ギジジットが補給拠点として機能していますから、古街道も生きていますね。」

まゆ子「或る程度の道標程度でしかないけれど、そう。ギィール神族有志による攻撃軍は古街道を挟んで100騎ほどがここには布陣している。

 軍の主力はもうちょいと東、毒地中の脇街道の国境線を境にする草原に200がとこ布陣。それに継ぐ人数だね。古街道出口軍はギジェ関を後背から攻撃するもしくはボウダン街道中央部を襲撃すると見込まれており、10里干渉地域を挟んで褐甲角神兵も厳重な警戒体制を取っている。
 つまりは、ギジェ関の国境防衛軍自体は東金雷蜒王国本国領と脇街道出口に集中する敵軍を引き付け、後方の応援となる部隊がこの100騎と対峙する。赤甲梢迎撃隊もこちらに属するべきだね。」

じゅえる「金雷蜒軍は総数500騎というとこか。おおごとだね。」
まゆ子「おおごとだよ。ただ赤甲梢迎撃隊の兎竜隊が居るから、金雷蜒軍の西への進出はさほど心配はされていない。」

釈「古街道周辺では小競り合いは起こっていないんですか。」
まゆ子「ゲルワンクラッタ村に弥生ちゃんが来る、という噂はちゃんと伝わって居るからね。ここでなにが起こるのかは、ギィール神族の興味の対象である。というか、弥生ちゃん見物にやってきた連中がここに詰めている。」
じゅえる「つまり和平に関しては割と協調的な連中がここには集まって居る、てことか。

 なにか神聖王が走る契機が欲しいね。」
釈「奇蹟、ですか。」
まゆ子「うーん、民衆の力、てとこだろうかね。」

じゅえる「そういえば、神聖王は弥生ちゃんの剣を持って来て居るんだった。この剣がゲルワンクラッタ村周辺でぴかぴかと光り、なにごとか起きるかと皆が固唾を飲んで見守っているウチに、ゲルワンクラッタ村から案内が来て、で、神聖王がのこのこと村に入り。
で、その後何も起きない! いつのまにか神聖王の褐甲角王国入りが完了している。」

釈「なにも起きない! それでいいんですか?」

まゆ子「いや、そのくらいがいいんじゃないかな。剣が光るのも特別何かあるわけでなく、ここで振ってみるとなにか起こるかもとてきとーに振ってみた、とか。」

じゅえる「そこはあれだ。弥生ちゃんの命を受けた青服の男がひとり、敵味方両軍の間にただ一人ぽつねんと立っていて、神聖王の問いに答える形で剣を用いるべし、と当意即妙に伝えるのだね。」
まゆ子「ここで青服の男か。うん。」
釈「うん、そのくらいカッコイイ方がいいです。」

じゅえる「で、村に入った神聖王は、当然に村の守護であるジンハに対面してその安全を保証される。ゲイルは何体?」
まゆ子「6ってところかな。アウンサの兎竜もそのくらいだから、いいんでは。」

釈「面子が問題ですね。神聖王と神剣匠、それとお友達の役に立つ奴を何人か。赤甲梢の方もシガハン・ルペは総裁代理として別口で居るべきでしょうから。」

まゆ子「かっこいい神聖王の狗番が出ます。黄金の山狗仮面を着けてます。」
じゅえる「剣を使うんだから、剣を持っている学者の神族も付き従っているよね、やっぱ。」
釈「王旗も有るべきです。旗持ちもゲイルに乗っています。」
じゅえる「いや、王旗を掲げる専用ゲイルがあることにしよう。神聖王の身の回り品を積んでいる神族廷臣のゲイルでこれは戦闘用ではない。使えるけどね。」

まゆ子「神聖王、王旗、神剣、神剣匠+2。ゲイルの数としては上等ではないかな。」
じゅえる「うん。じゃあアウンサの側は本人と基エトス、他4名。」

釈「いえ、シガハン・ルペは赤甲梢本隊を統括しなきゃいけないですし、基エトスは金雷蜒王国側との折衝に謀殺されているでしょう。副官のカンカラ縁クシアフォンは逆に褐甲角王国との連絡係として、彩ルダムさんはうろちょろ出歩いてはいかんでしょう。」

まゆ子「無名の若手、だな。基エトスの下の黄旗団副団長カムリアム・サイてのが居るから、これと黄旗団の兎竜という事にしよう。」
釈「つまりは、アウンサさんの直接指揮下にある、ということですね。」
じゅえる「そんなもんかな。この時点でアウンサはかなり気楽に動いているってことか。」

まゆ子「気楽には違いないが、常に神聖王の傍に居て楯になっている、とも言えるのだ。」
釈「ですよ。決死的献身的努力をなさっているのです。」
じゅえる「たしかに、兎竜6騎でゲイル騎兵100の中を進んでいるんだもんね。」

釈「して、騙されたと気付いた古街道沿いのゲイル騎兵はどうします?」
まゆ子「取り返すー、わけにもいかんか。神聖王自らの意志だし。神聖王入国を確認したと同時に、褐甲角軍の神兵も前進して完全戦闘態勢を取るだろう。手が出せない。」

じゅえる「アランサは? 飛んで来て、どうする?」
まゆ子「アウンサの代りに赤甲梢を預かって、アウンサはフリーになったから神聖王に従って前線巡りをして、ゲルワンクラッタ村に駆け込んだ。そいう感じかな。敵中です。」

釈「うわ。神聖王が駆け込んだと知った金雷蜒軍がどうするかな。」
じゅえる「アランサは人質ということだろうか。」
まゆ子「いやそれは。…どうだろう、飛翔の術を身に付けたアランサはたしかに人質としてこの上も無く貴重な存在ではある。アウンサ以上、いや武徳王以上と言っても良い。」

じゅえる「では自ら人質になる?」
釈「人質になり、同時に赤甲梢による村の警備を申し出る。それも褐甲角神に誓っての。御存知のとおりにカブトムシ神は契約の神ですから、これを破った日には褐甲角王国に正義はない。というところでは。」

じゅえる「まだ弱い。」
まゆ子「担保が欲しい。」
釈「飛翔の術の持ち主が人質でじゅうぶんではないでしょうかねえ。」

じゅえる「担保としてふさわしいものはなにかな?」
まゆ子「やはり武徳王の身柄なんだけど、それは無理。どんな財宝を積んでも代わりになるものはないよ。」

釈「アランサ王女が人質は決まっているんですよね。であれば、赤甲梢全員がという手は。」
じゅえる「意外性が足りない。ギィール神族はもっと凄いものを要求するべきだ。」
まゆ子「それも方台全土に影響を及ぼすだけの、凄まじい代償だね。うーんとおー、」

釈「この時代で最も貴重なものと言えば、弥生ちゃんきゃぷてんです。」

じゅえる「弥生ちゃんの首、を要求するというのはどうだろう。褐甲角王国に対し、神聖王の身柄に万が一があれば、弥生ちゃんの首を獲ると宣言する。」
まゆ子「つまり、弥生ちゃんの救世の事業に反対することを表明するわけだ。」
じゅえる「当然、トカゲ王国関係者やら神官巫女も全員クビだな。」

まゆ子「褐甲角王国の選択によって、世界を地獄に叩き落とすという宣言か。」

釈「こんなところではないですかね。」
じゅえる「質としてはね。」

 

08/02/21

まゆ子「というわけでEP6「第三章」を書くわけなんですが、私としてはいきなり冒頭、天からアランサ王女が降りて来て神聖王の行列を吃驚させる、という始まり方をしたい。」

じゅえる「インパクト重視の戦術だね。うん、律義にギジェ関までの道中を書く必要も無い。」
釈「というか、後でも書けますしね。」

まゆ子「その前に、「一方その頃弥生ちゃんは」という話を書く。
弥生ちゃんはもうちょっとするとコウモリ神人との激闘があると知っているから、ウォーミングアップに大練習を行い、青晶蜥王国軍に参加して一旗上げようていう連中をけちょんけちょんにします。で、最後に生き残った8人を特別に取り立てて『神撰組』てのをつくります。」

釈「新撰組ですか。ウエンディズの隊規も局中法度に倣うんですよね。ここでも使いますか。」

まゆ子「で、この八人に魔法の短剣を与えるのだ。弥生ちゃんが使った刀は全部神刀になるんだけど、ま短いと戦闘力としては使いづらいさ。主目的は治癒と矢玉避け、敵の位置を知るとか、身分証明としては抜群の効果があるね。で、隊長にだけは長い刀をやる。」
じゅえる「ふむ。もちろん武術の達人であるから、神刀でも能く使えるわけだ。」

まゆ子「で、この8人の中には当然近藤勇とか土方歳三とか沖田総司が居るんだけど、芹沢鴨も居る。」
釈「うわ。」
じゅえる「もめまくりだね。」
まゆ子「でも強いのは強いぞ。ということでいいかな。」

じゅえる「いっそ坂本竜馬も入れておこう。」
釈「では斎藤道三も。」
まゆ子「これで6人。あと二人、一人はスガッタ僧侶と決まって居るのだが、弁慶とかかな?」
じゅえる「泥棒も入れよう。石川五右衛門だ。」
釈「弁慶というのは没にしまして、一休さんというのはどうでしょう。」
じゅえる「大人一休か。あれは凄いぞ。」

まゆ子「うーむ、では近藤・土方・沖田・芹沢・竜馬・道三・五右衛門・一休だ。」
じゅえる「いや、近藤・光秀・沖田・芹沢・竜馬・道三・五右衛門・一休だ。」
釈「いえいえ、近藤・光秀・丹下左膳・芹沢・竜馬・道三・五右衛門・一休というところで。」
まゆ子「これでまとまるのだろうか。弥生ちゃんならずとも心配になるな。」
じゅえる「丹下左膳というのはよくわからんよ。これは丹下段平にしておこう。」
釈「ジョーのおっちゃんですか。」
まゆ子「丹下左膳は身体障害者コードにひっかりまくりだから、そいうことにしよう。」

じゅえる「結論! 神撰組隊士 近藤・光秀・段平・芹沢・竜馬・道三・五右衛門・一休だ。道三はもちろん槍だな。」

まゆ子「じゃあ五右衛門は鉤縄にしよう。一休はスガッタ僧だからなんでも出来る。光秀は弓だ。段平のおっちゃんはパンチかな。」
釈「芹沢は神兵が使う斧戈にしましょう。パワーキャラです。おっちゃんは鉈みたいな短めの刀を両手で。近藤と竜馬は普通に刀です。五右衛門も鉤縄でパワーを発揮します。」

じゅえる「芹沢は出自が神裔戦士で気位が高く、剣の使用も許される、ということにしましょう。偉そうなのだ。」
まゆ子「近藤はやはり律義者なのだ。で、隊長ということで。
 光秀は頭が良く参謀格で青晶蜥王国軍が正式に発足した場合まっさきに将軍になると見込まれる大器ということに。
 竜馬は救世の事業というのに大きな夢を抱いて居る早死にしそうなキャラ。
 道三は商人上がりで一国一城の主になろうという方台では珍しいタイプ。竜馬と大きな夢ということで仲が良い。
 五右衛門は泥棒で弥生ちゃんの愛刀カタナを盗もうという。
 段平は世をひねて見ている苦労人キャラで青晶蜥王国軍で最後の賭けという感じで思い詰めたとこがある。
 一休はスガッタ僧だが、スガッタでも鼻つまみ者として追い出されたような曲者ってとこにするか。」

釈「ということで、この連中は活躍しますか。」
じゅえる「それはそれで面白くないが、活躍せざるを得ないだろうな。」

まゆ子「とりあえずこの神撰組は人数の少ない青晶蜥王国建軍準備委員会、現在500名ほど兵士が居るんだけど、を統括し指揮する事となります。
しかし神撰組は本来青晶蜥神救世主の禁衛隊となるべきもので、青晶蜥王国軍はまた別の組織になる。軍隊となれば剣令として正式な訓練を受けた人材が必要だしそいう人材が将となるべき。こいつらは全員武術の腕だけでのし上がろうという連中だから、本来偉くはなれないんだ。」

釈「では彼らは軍を率いることなく終る、というわけですか。」
まゆ子「光秀は青晶蜥王国軍の将軍になる気だ。だからそういう進言もするし、弥生ちゃんも耳を傾ける。実質建軍準備委員会の委員長になる。名目上の委員長は身分の高い年寄が就いているけどね。

 近藤はまさに、弥生ちゃん青晶蜥神救世主の身を護りたいと考える。つまりこの人を失っては千載の悔いとなる、と考えて滅私奉公する気だ。禁衛隊にまさに適した人物であるから、とうぜんに隊長に選ばれる。

 いっぽう芹沢は青晶蜥神族狙い。額にトカゲの聖蟲を戴く事を目的する。こう考える人は弥生ちゃんの傍には結構多い。というか神族神兵になろうと思えば弥生ちゃん降臨はまさに千載一遇のチャンスだから、皆押し掛けるさ。彼はこの度その筆頭となったと考えるべきね。だから偉そうにするし、また偉そうにするのが義務だと思って居る。元がギィール神族の家の生まれだから、彼を頭領に担ごうとする金雷蜒王国出身者は少なくない。

 段平は小物だ。地べたを這うように生き戦って来た歴戦の勇士ではあるものの身分もカネも無い。だからそれなりの身分と経済的基盤を欲しており、これが最後のチャンスと考える。そういうわけで案外とカネには汚い、というかカネに弱い。誘惑に弱い。だが突拍子も無い事を考える頭も無いから、汚れ仕事を任すのにはまさにうってつけ、なんだ。

 竜馬はまさに坂本竜馬にしますか。青晶蜥神救世主の聖業を通じてでっかいことを成し遂げよう、と考える。だが後に弥生ちゃんに共和国の話を聞いて、方台に共和国を成し遂げるんじゃーと決意する事となる。」
じゅえる「さっさと殺されそうだな。竜馬。」

まゆ子「道三は一国一城の主となるのを目標とする。これは聖戴者が支配する方台においてはほとんどありえない話で、大ぼら狂人の夢と笑われるが、半面彼は合理的論理的な商人としての才能も溢れた人物だ。会計を任せることとしよう。

 五右衛門は弥生ちゃんのカタナを盗む事を目的とする、キザで女たらしで浪漫主義のキャラにするか。妹も居た方がおもしろいかな。

 で、一休はまあスガッタ僧というのはよくわからないもんだ。」

釈「では後にこいつらは分裂しますね。」
まゆ子「だね。」
じゅえる「そこんとこ内紛をうまく描きますか。」

まゆ子「とはいうものの、ちょっとくらいは活躍してもらわないとやはり困る。特に芹沢はやっぱ史実どおりに最初は活躍するもんだ。そうでないと排除する理由が立たん。」
じゅえる「神族派、とかいう連中の大将だからね。それはまあ大暴れしてもらうか。」

釈「してみると、これには神官戦士は居ないわけですね。別口ですか。」
まゆ子「あーどうだろう。出自を言えば、神官戦士っぽいのは近藤本人だ。段平は交易警備隊だろうし、光秀は剣令とかでしょう。芹沢は神裔戦士だし道三は泥棒夜盗、一休はそりゃ僧侶だ。竜馬はー。」

じゅえる「竜馬はおぼっちゃんでいいじゃないか。どっかの豪農の息子でふらふらしてた武術自慢で、親のカネで遊学していた途中に弥生ちゃん降臨に出くわして、こりゃおおごとばいと駆けつけて傘下に入る。」
釈「割とまともな感じですよそれ。

 えーと、そうすると近藤はむしろ神官戦士でない方がいいですね。やはり田舎の武術師範とか家庭教師なんてところで道場も持っている。」
まゆ子「ふむ新企画だな。そういうキャラが方台に居るとは知らなかった。」
じゅえる「そうだね。そいうのはありそうで無いもんだ。大抵どっかの権力者有力者に飼われているはずだ。」

釈「ですから、農民相手に武術を教えるとかの田舎臭い連中だということで、神撰組に入れたのは近藤だけですが、門下生も何人か付いて来て居るのです。」
じゅえる「悪くない設定だと思うよ。」
まゆ子「悪くない。採用だ。

 となると、神官戦士は別口で遇するとしておくか。弥生ちゃんに参拝する人を警備する専門、ということで。」
釈「そうですね。任務がまるで違うんです。で、神撰組は当分の間は建軍準備委員会の兵を統括するということで。」

じゅえる「神撰組から離れた建軍準備委員会というのは、存続するんでしょ。」
まゆ子「そうだよ。ついでに言うと、青晶蜥王国宮廷準備委員会というのも在る。こっちは行政官を組織しようという連中だ。軍と役人の二本柱だね。」

釈「では神撰組は第三の柱ですか。」
じゅえる「王様というのは基本的に私的な立場でこそ成り立っているもんだ。宮廷の廷臣てのがそれだな。彼らはそれぞれの利権構造の代表者であり、政治家なのだ。」
まゆ子「禁衛隊というのはプライベートな護衛なんだけどね。」
じゅえる「側近政治こそが、王朝というものだよ。」

釈「して、今回神撰組を組織するだけですか。」
まゆ子「それで終るはずだけど、ついでにトカゲ神殿そのものにも仕置きしておくかな。えーとつまりはこの段階ではすでにトカゲ神殿は弥生ちゃんの完全なる支配下にある。最高の法神官の爺が聖山から駆けつけるくらいだから、トカゲ神殿の中枢部はすでに救世主神殿である。この事に問題は無いね?」

じゅえる「反発する勢力というのは、トカゲ神殿内には居ないのかな?」
まゆ子「デュータム点の暗殺騒ぎでそいう連中は全て引っ込んだ。弥生ちゃんがマジで強い事に驚き怖れクビを引っ込めてる状態。彼らは本来サービス業であるから、権力者には弱いんだ。」
釈「なにせ新しい王国を無理やりぶっ立てようという御人ですから。」

じゅえる「でもそれじゃあ面白みに欠ける。なにか軋轢が無いとね。」

まゆ子「あるとすれば、神剣による治癒の行使、プレビュー盤トカゲ神救世主の所属だね。現在褐甲角王国内三ヶ所に彼女らは存在する。ギジェ関近くというか国境を出入りして居るのが一人、スプリタ街道ヌケミンドル周辺の戦傷者を救護してるのが一人、デュータム点に留まりッイルベスの剣を使ってるのが一人。あとギジジットに派遣したゲジゲジ巫女が三人、もう一人死んでるけど、で計5人居る。

こいつらが治癒の力を使う度に弥生ちゃんの身体はかなりの負担と痛みに苛まれるのだが、まああんまり気にしない。」
釈「痛いんですか?」
まゆ子「うずくね。」
じゅえる「だいじょうぶなのかい弥生ちゃんは。」

まゆ子「大丈夫だよ。でもそれでも我慢しきれない時は、カタナを振るう際に手加減出来ない。そういう描写もちょいと載せておくか。」
釈「手加減出来ないとなると、マジで斬られますか。」
まゆ子「手が滑ればね。まあ、カタナで斬られてもすぐくっつけられるから。」
じゅえる「ひでえ救世主さまだ。」

まゆ子「で、彼女達についている医師つまり神官が、男の立つ瀬が無いと苦情を言って来るんだな。しかしだからと言って魔法治療には関与できないよ。弥生ちゃんになにか対策を考えてもらいたいとこだな。」
釈「なにか役に立つカッコイイところを見せねばならないわけですね。でも薬とか衛生知識とかも広めたんでしょ、きゃぷてんは。」

まゆ子「そだよ。実のところ、神剣で救う人数よりもそっちの方が救う人数は多い。大審判戦争において熱射病で死ぬ人が少なかったのは、弥生ちゃんがこしらえた御神水を飲ませたせいだ。というか、ただの経口補水塩なんだけど、これでずいぶんの人が助かった。」
じゅえる「じゃあいいじゃん。」

まゆ子「弥生ちゃんはそう考えるんだが、それじゃあ面子が立たないと言いやがるんだな。」

じゅえる「そこはアレだ、今回解決は無くてもいい。ただそこんところが揉めている、というところを描写するかな。」
釈「でもなにか、おどろおどろしいものも描いている方がいいでしょう。例えば、病魔とかが居るとかで脅すと。」

まゆ子「病魔は確かに居るもんねえ。」
じゅえる「バクテリアとかウィルスとかだね。微生物の存在は方台の人間は誰一人知らないんだ?」

まゆ子「顕微鏡、というかレンズこしらえたのも弥生ちゃんだもんね。今ギィール神族の間ではレンズ遊びが大盛況なんだよ、実は。」
釈「戦争中ですけどね。」
じゅえる「趣味というのはそのくらいではへこたれないさ。」

 

08/02/16

まゆ子「げばると処女EP6 「第二章 空飛ぶ王女の焦燥」でけたよ。55枚。」
じゅえる「げばおととしては標準的かつ理想的な枚数ですな。」
釈「もう少し早いとよございました。」

まゆ子「相変わらず私事でごった返しているからこれでも早い方だよ。で、えーと引き続き第三章いきますか。」
じゅえる「というかここら辺は続き物だから、さくさく行こう。」

釈「ほんとうは他のシリーズをやりたいところですけどね。」
まゆ子「それはほらあれで、清子さまの仰しゃった推敲こそ生命という言葉に期待しよう。これまで他のしりーずはちっとも推敲しないから、ちっとも進まない。」
じゅえる「ちがいない。自信を持って次に進めないんだ。」

釈「というよりも、ともかく先に進みたいという想いが強過ぎて推敲をケチる傾向があります。やはり、地道な努力こそが前進への最短距離でしょうか。」
まゆ子「それだ。ともかく先に進めたいという欲求自体はなんの問題も無い。物語とは流れるからこそ面白い。うだうだと留まっていれば腐るばかりだよ。」
じゅえる「問題は、そう思えば思う程進まないってことだな。」

釈「でもげばおとだってそうですよねえ。粗筋は決めておいて、そこまでの道筋はちゃんと立てていますけど、隙間だらけでどんどん変わる。というか敢えて計画をねじれさせています。」

まゆ子「げばおとだって最初の試行は失敗したよ。出来たのは弓レアル作ってからだ。」
じゅえる「それだ! 外部から概観するキャラを配置する事でなんだか空気が読めたんだ。」
釈「ほお。それはそれは。」
まゆ子「あたしたちみたいなそんざい、ってことか。なるほどそれは盲点。」

じゅえる「弓レアルの存在はかなり不思議なんだよね。なぜこれが必要なのかが分からない。しかし居ないと不便極まりない。現在に至るまでまったく活躍しないにも関らず、だ。」
まゆ子「いや今後大活躍する予定なんだけど。」

釈「いえ、そうですね。弓レアルの今後の予定は大活躍なんですが、これは変更すべきかもしれません。これは右往左往するだけのキャラと覚悟を決めるべきではないでしょうか。」

じゅえる「しかし今後は行方不明の旦那を探しに行くんだよ。」
まゆ子「大活躍とは言わないまでも、中活躍する予定は組んでいる。」
釈「ですが、弓レアルの存在意義を考えると、そんなものではないでしょう。このキャラは役に立たないのをもって本分とすべきです。」

じゅえる「では今後の予定はー、活躍するはずのエピソードは。」
釈「主観大活躍、でいいんではないでしょうか。他人から見ればなんという事の無いものを、さも天地がひっくり返るかの大騒ぎする。」

じゅえる「悪くはない。というか、元々彼女は状況説明と、とくに風俗や文化の説明をする為に存在する。今後家を出て主にベイスラからイローエント、タコリティを回ってタコ女王コアキに会って願いを叶える玉を授かるような感じになって、でも断り、ついには弥生ちゃん最終戦争ジョグジョ薔薇の乱に参加して戦場で軌バイジャンさんを見付ける、となって居る。

でも、よくよく考えると活躍しなくても最後にちょこっと戦場で見付けるだけなんだから、右往左往するだけの方がむしろ○なのかも。」

まゆ子「言いたいことは良く分かった。確かに弓レアルの今後については考慮すべき事が多そうだ。

 

 で、その他のシリーズだ。」

釈「統則最前線、今再構築を始めましたが、このシリーズにおいて弓レアルに相当するキャラはめいどろぼアニタ本人です。」

じゅえる「蠱螢(仮)においては、寮長のシンデレラさんだね。この人は一歩退いてみんなを見ているのが役目。だとすれば、外から眺めるという要素をもっと強く押し出す方がいいのかもしれない。」

まゆ子「『大東桐子の、』シリーズはそういった外から眺めるキャラが居ない。これは大問題。元々が桐子を中心として語られるエピソードばかりだから当然なんだけど、でもちょっと修正した方がいいかもしれない。候補としては、桐子のサムライとしての姉さん『金輪のなんとか』って人が良いかな。今は育児休暇中で双子の世話に追われる女サムライ。育児中だからこそ、一歩退いて考える。」
じゅえる「そうか、それは抜けていたな。桐子は一匹狼としての設定が強過ぎて、製作するこっちもそれに慣れ過ぎたのかもしれん。じゃあなにもしないキャラというのを意識的に投入するか。」

釈「しかし現在制作中の「鶴仁波○○堂」では、その役はカエル屋の爺さんが良いと思われます。余分なキャラを出すにはちと進み過ぎました。」
まゆ子「OK、となれば、蛙の爺さんの造型をもっと根性入れて詰めてみるか。考えてみればこの話、女だらけで男が一人も出やしない。蛙爺の話、納得した!」

じゅえる「で、ウエンディズです。次の話はどうしよう。」
まゆ子「一応、土器能登子さん紹介のエピソードが現在掲載中の話にくっついて少々載ります。また、へきりんと明美三号+美鳥の頭脳戦も描写しなければなるまいね。」

じゅえる「ウエンディズの第三者的視点は最初から決まって居る。聖っちゃんだ。次は聖ちゃん主役で考えてみよう。」

釈「えーと、ではスケジュールを勘案しまして、

2004/6/3 設定では
  (一学期)> しるく、しづ、のお茶席話> 弥生ちゃんの生徒総会デスマーチドリーマー> 二軍戦闘試合> 
  (夏休み)> 夏合宿> 家弓さんを招いての夏講習> 家弓さんの紹介で二号、天狗の人に会う> 美鳥、恋に落ちる> 
  (二学期)> 美矩の日常話> 二年生修学旅行> 南怪我をする> 志穂美、柏紂子とラブラブ >聖ちゃん、CD絶版>
  (三学期)> まゆ子の家> 受験話 > 引退試合>卒業

04/11/13設定では
  5月-しづとしるくの奇妙なお茶席、6月-デスマーチドリーマー、7月-VSピンクペリカンズ、
  8月-夏合宿、9月-釈の修学旅行日記、10月-天狗道の人と遭う、11月-明美三号の話、12月-聖ちゃんのサスペンス劇場
  1月-受験勉強、2月-最強戦処女との試合、3月-卒業

となっとります。」

じゅえる「11月明美三号の話、ってのは、つまり天狗道の話と統合されてるんだ。というか、なんだよ2004年設定って。」
まゆ子「それだけうえんでぃずさぼっていた証拠だ。」

釈「ですから、次は順当に聖先輩のお話なのです。柏紂子とラブラブ、というのも面白くはありますが。」
じゅえる「聖ちゃんか。この話ちょっと大物なんだよね。」
まゆ子「ユダヤイルミナティが関って来るから。でもそれはさすがにヤバいかな、という事で新しい敵を設定せねばならないのです。」

釈「さすがに3年前の設定ですから、とっくに準備は出来とりますね。AWOsですよ。」

じゅえる「ゲキ及び蠱螢(仮)設定だな。蠱螢ってがっこうの名前がしっくりこなくて進まないんだ。ここで正式校名を考えよう。」
まゆ子「蠱螢、なんだから螢学園でいいんじゃないかな?」
釈「聖なんとか学園がいいんですがねえ。蠱螢って言うのは英語でなにになりますか?」

じゅえる「いんへるの、だな。」
まゆ子「うむ!いんへるの、良い!」
釈「では聖韻減野学園、と。いやインヘルノ学園ですか。」

じゅえる「うまくないな。地獄のおどろしい名前をちとぐぐってみよう。…よくわからんかった。」

まゆ子「やはりもうちょっと穏当な、ハイブリオン学園とか?」
じゅえる「はいぶりおんかあー、久しく聞いてなかったなそれ。」
釈「これは随分と旧い設定ですよね。ハイブリオンという高空の精霊で地上世界には関与しないけれど、正義を指し示す白色のオーロラという。」
まゆ子「第三十一代青晶蜥神救世主ミレニアム・カプリコーナスのシリーズで出て来るはずだった神様だ。ここで投入しようか。」

じゅえる「們寵学園を置き換えるにはちょうどいいかな。拝撫理音学園てのは、さすがに変だ。拝霊恩学園いや、学校法人ハイブリオンか。」
まゆ子「蛸兆学園、でいいじゃないか。」
釈「螢兆学園、てとこですかね。蠱螢ということですから。」

じゅえる「すくなくともハイブリオン設定を投入した事は有益だ。ここの組織のバックボーンが固まったと思える。」
まゆ子「うむ。ちなみに蛸兆と私が行ったのはハイブリオンが兆しを現わす蛸型のオーラだからだ。吉兆雲・吉兆曙とでもいうべきかな。」

じゅえる「よし螢兆学園ハイブリオンだ。これで決定!以後修正を認めず。」
まゆ子「ぐぐっても”螢兆”は出て来ない。採用!」

釈「ではそういうことで。やはり清子さまの仰しゃるとおりに、推敲こそが命ですよね。」
じゅえる「認めざるを得ないか。ではとりあえず次は蠱蛍(仮)の徹底修正でお会いしましょう。シンデレラさんの出番も増えます。」
まゆ子「これでやっと、『でぽでぽ』に蠱螢(仮)を持っていけるさ。」

 

08/01/30

まゆ子「あー、というわけでテストです。ご紹介しましょう、鶴仁波 清子(さやこ)さんです。」
清子「みなさんよろしくお願いします。」

じゅえる「…、だれ?」
まゆ子「でぽには掲載されていないけれど、『大東桐子の、』シリーズに登場する、鶴仁波○○堂のお嬢さん、というキャラだ。」
清子「どうも。」

釈「その清子さまが、何故くっちゃりに出て来るんですか?」
まゆ子「お話を作るのに協力して下さるのだ。」
じゅえる「何故?」
釈「というか、私達では力不足ですか。」
まゆ子「うん。」

じゅえる「あっさり言うね。」
釈「具体的に言うと、この方は何ができるのですか?」
まゆ子「この人は、トロい。」
清子「ホホ。」

じゅえる「トロいとなにかいい事があるの?」
まゆ子「とろくないと、具体的な表現、細部の描写に対応出来ない。」
釈「あ! じゃあこの方はげばおとで最もめんどくさい、ディテールの獲得ができるんですか!」

まゆ子「できるかもしれない、という事で引っ張って来た。ということでテストをするのです。」
清子「お二人とも、どうぞよろしくお願いします。非力ではありますがわたくしもげばると処女の完成に向けて僅かながらでも貢献したいと思います。」
じゅえる「ううめんどくさい物言いするひとだあ。」

釈「どういう形態でやりますか。」
まゆ子「とりあえず私がタイマンで話してみる。

 あー、では清子さま。とりあえずげばおとEP6 「第二章 空飛ぶ王女の焦燥」についての細部の詰めをお願いします。」
清子「おねがいします。」

まゆ子「えー、で劫アランサ王女が赤甲梢の部隊を返してもらうまでの奮闘ぶりを描くわけですが、」
清子「アランサ様は王女様なのですね。では基本的におっとりと構えて居るべきでしょう。」

まゆ子「でも時間が無いので焦っているわけです。一刻でも一秒でも早く叔母上アウンサを迎えに行きたいのです。」
清子「でもこの方は、ともかく王様に対して失礼をしないように非常に注意深く慎重に礼儀正しく接すると思います。」
じゅえる「そりゃそうだけど。」

清子「一生懸命動き回るのはむしろお付きの方です。いらっしゃいますね。」
釈「赤甲梢のウェダ・オダさんだ。確かにそちらの方が政治的に運動するのに適して居ます。」
まゆ子「ではあまり動かない、動かさない方が良いとお考えですか。」

清子「王女様の性格を考えますと、自ら動いてどうにかなるとは思えません。また彼女の仰しゃりたい事柄は、周囲の人とくに王宮の重職にある方々は皆様察しがついていると思われます。」
まゆ子「なるほど。焦っても事態は進展しないけれど、言いたいことは言わなくても伝わるということですね。」

清子「ですから、王女様は言いたくてたまらないけれど機会を逸し続けると描くのが正しいと思われます。その裏でお付きの方が非常に大きなお働きをなさるべきです。」
じゅえる「なるほど。ウェダ・オダさんの役回りにもっと注目するべきだった。」
釈「というよりも、赤甲梢残留部隊の再結集は元々アランサ王女には不可能です。ちょっと見落としていましたね。」

まゆ子「では具体的にアランサ王女が空ばっかり飛ばされるという描写を考えます。えーと、拒否しますか。」

清子「何故です?王様も大臣の方々も空を飛ぶ王女様の姿を見たいでしょう。十分に礼を尽くさんとする王女様は快くお飛びになります。」
じゅえる「しかし、王様の上を飛んでいいのかな?」
清子「頭上を飛ぶのはよろしくないのかもしれませんが、王様はそれほど狭量な方ですか?」

まゆ子「いや、そうだな。武徳王は椅子に座って見学するだけ、という事はない。アランサが空を飛ぶと、その後を付いて詳しく見ようとするでしょう。頭上を飛ばれても気にしません。」

清子「王国においては空を飛ぶという行為は非常に重要な意味を持つのですね。では王女が空を飛ぶ前にはもちろん儀式を行い神に生贄を捧げ、御先祖様に感謝するべきでしょう。」
じゅえる「たしかに、初代カンヴィタル・イムレイル以来の飛行能力だ。面白半分に飛ばせたりはしない。そうか、武徳王の前で飛ぶというのは非常にめんどくさい手続きが必要なんだ。」
まゆ子「では儀式の後に飛ぶとして、どのように飛ぶとよいでしょうか。」

清子「或る程度紙面を節約しましょう。王女様が飛ぶのは少し待たされます。兵を集めて、閲兵式のような形で全軍に範を示す形で重々しく式典儀礼を行い、改めて王女に飛んでいただきます。その飛行する姿に感極まって王様が自ら立ち上がり、王女の姿を追って走り出す。こういうのではどうでしょう。」

まゆ子「なるほど。裏を返すと赤甲梢総裁としてのアランサ王女の指揮権を強く兵に印象づける為にも、その儀式は極めて有効だ。」
じゅえる「それをこなした後では、誰も赤甲梢を率いる事に反対はしない。なるほど確かに。」
釈「式典は非常に重要ですね。」

清子「重要なのは下りて来た後です。一度の飛行だけではなく、何度でも空を飛ぶ事になります。また空を飛ぶとはどういう事かを全軍に語るというシーンの表現が必要ではないでしょうか。」

まゆ子「うーむ、それはどうだろう。マイクが無いからインタビューは出来ないぞ。」
釈「全軍ではなくて、元老員や黒甲枝の神兵の前で飛ぶ心得を語る、というのではどうでしょう。どうせ末端の兵士は空飛ぶにも聖蟲がありません。」
じゅえる「そうだな。カブトムシの聖蟲を持つ人だけが王様の前に出られるんだ。その人達にのみ語り、元老員だけに質問が許されるというのがいいかもしれない。」
釈「王様自らの御質問があるでしょうし。」

まゆ子「それで、もう一度飛んでみせるわけですね。」
清子「王様の御命令で、誰か飛ぶ事を習ってみる人が出るはずです。その方の手を取って空を飛ぼうとしますが失敗する、となってますね、計画では。」
まゆ子「うん。誰も神兵は飛べないんだ。」

清子「王女の飛行能力は、男性一人を空に持ち上げる事が出来ないのですか?」
まゆ子「あ。…どうだろう。」
じゅえる「人一人くらい抱えて飛べる方が後々使い勝手がいいぞ。」
まゆ子「では、人間一人、もちろん男性の大柄の人を抱えて飛ぶくらいは可能とします。甲冑装備では無理かもしれません。」

清子「では飛べないのは何故です? 殿方の手を引くと空を飛べるはずですね。」

まゆ子「…なぜ飛べないんだ?」
釈「それはアレですよ。飛ぶ事に恐怖を覚えるからです。」
じゅえる「神兵が?」
釈「えーと、聖蟲が、ですかね。」

まゆ子「うん、聖蟲と神兵の双方が飛ぶ事を拒否すると考えるべきだ。つまり王女が手をひいて飛ぼうとすると、カブトムシが抵抗して羽ばたいて地面に留まろうとするんだ。」
じゅえる「それじゃあ飛べない。」

清子「これには王女も困ってしまいます。王様の命令で試しにやってみよと言われた人も困惑します。何人か試してみても同じなのです。」
じゅえる「そこで、聖蟲を持たない人を抱えて飛ばす、という事になるんだ。で王女が抱えるのだから、女人であるべきとなる。もちろん黒甲枝出身の女官で独身者だね。」

まゆ子「ちょっと待って。じゃあ神兵のカブトムシは怯えているということなのかな。」
清子「それは違うと思います。カブトムシ自体は空を飛ぶのになんの不安もありませんが憑いて居る人が持つ恐怖感とかを表現しているのだと思います。」

釈「特別な人だけが飛べるということかな。」
じゅえる「いやそれは変だ。聖蟲が憑いて居る人間は誰でも飛べなければいけないはずなんだ。潜在的な恐怖? いやそれはまだ弱い。」
清子「私が思うには、固定観念だと思います。自分達が空を飛べないと思いこんでいるのをカブトムシが如実に反映して飛ぶのを許さない。心に鍵が掛っているのです。」

まゆ子「それはあれだ。ゲジゲジの聖蟲を持つギィール神族が火薬に関する知識を封印されているのと同じように、カブトムシの神兵は空を飛ぶ事を無意識で封印されているんだ。」
じゅえる「つまり聖蟲が持つ機能を、人間側にプロテクト掛ける事で禁止する。」
釈「では誰も飛べないという事になってしまいますが、いかがしますか。それは面白くない設定ではないですかね。」

清子「必ずしもそうとは言い難いと思います。この鍵を解き放つ者が救世主ですから、トカゲ神救世主が望む者は飛べるのです。」

じゅえる「そうか。つまり褐甲角神の使徒である神兵も、弥生ちゃんに服属し心から帰依すると、弥生ちゃんにより空を飛ぶ機能を回復させられる。そういう特典が付いてくるんだ。」
まゆ子「無制限で解放、というのよりは面白くなる。ただ人数制限はした方がよいな。赤甲梢からでも一人、後に飛ばすか。」
釈「そうですね。シガハン・ルペでも飛ばしますか。

 でも単に触れ合うことで解放されるというのも、芸がありませんね。」
じゅえる「そこはアランサと同じに、弥生ちゃんが導いた時に弾けるように応えた者のみが空を飛べるんだ。空を飛ぶように宿命づけられた者が、飛ぶ。」
まゆ子「それは弥生ちゃんが十二神方台系を去る時の伏線としても使えるか。アランサ王女がトカゲの聖蟲を授かり飛ぶ事をやめた時、また新たなる飛翔者が現われる。」

清子「お話を戻しましょう。飛翔者は選ばれた者というのは是と考えます。ですがそこに宗教的な意味合いを持たせるべきではないと考えます。偶然、もしくは無垢なる者のみに授けられる神の恩寵であり、自然な姿としてのびのびと飛ぶ事こそが望ましい。」
じゅえる「まったく。次の飛翔者をあらかじめ決めておいた方がいいかな。」

釈「それではアレですよ。カロアル軌バイジャンさん。この人は記憶を失い最後に弥生ちゃんキャプテンに癒してもらうのですが、その後黒甲枝としての身分を回復し聖蟲を授かるのです。ですが、何故か空を飛べてしまう。記憶喪失の時の後遺症というか、やはりどこか無垢さを留めるのです。」
じゅえる「ただそれは弥生ちゃんが方台を去った後の話だな。でもそんなものでいいか。後日談として弓レアルが幸せに暮らしましたという話にもっていく格好のネタだろ。」
まゆ子「そうだね。最終的に綺麗なオチに成り得る。検討しましょう。」

清子「と決まったからには、神兵がこの段階で空を飛ぶことはありえません。ですから、誰か別の人、それも女の人を飛ばすこととなります。この人はいかなる人物であるべきか、私は只の女官である事に少々疑問を感じます。もっと特別な、そして特別でない人である方が読者の方々にとって面白く感じられるのではありませんか。」

まゆ子「巫女かな。」
じゅえる「女武者ではどうかな。」
釈「いっそ、綺麗なおかまさんのューマツォ弦レッツオさんではどうでしょう。大本営の近くにちゃんといますよ。」
じゅえる「でもあの人大きいからなあ。」

清子「庶人である、という選択肢もございます。王様の傍には一般人の閣僚がいらっしゃいますから、その方々の縁者というのではいかがですか。」
まゆ子「しかしそれではあまりに女官達が臆病過ぎるなあ。」
じゅえる「とはいえ、戦場に居る女というのも限られる。というか普通居ない。地元住民代表を飛ばすわけにもいかないし、アランサが連れて来た侍女というのもなんだし。」

釈「勇気がある人でなければならないのです。これには宗教信仰がやはり関係している方がふさわしい。ガモウヤヨイチャン信者か、あるいはアランサ王女自身の信者であるべきではないですか。」

清子「いっそ砂袋でも持ち上げましょうか。人の姿をした砂袋を試しに持ち上げてみて、それから女官を持ち上げるという慎重さも有りだと考えます。」
まゆ子「その方が実際的だな。よし、まずは人間大の砂袋、その後で閣僚についてきた侍女の一人が志願するということで。」
じゅえる「うん、こうしよう。

 その侍女はアウンサ王女に恩の有る人で、今回赤甲梢の立場がかなりおかしくなって居る事を役目柄知っておりなにがしかの役に立ちたいと思っているところ、アランサ王女の飛行実験となり、ここで赤甲梢の立場を強くしておくべきだと決死の覚悟で手を挙げた。」
まゆ子「うん。」
清子「それならばどなたも納得いかれると思います。」

釈「それにしても、清子さまは設定に関してきわめて厳しい方ですねえ。」
まゆ子「のんびりしている人が優しい、というのは偏見で思い込みだよ。ゆっくりしているから妥協が無いんだ。」

清子「では次に参りましょう。赤甲梢ウェダ・オダ様の交渉の件ですが、これは。」
じゅえる「あー、それはまた今度にしてください。ちょっとこちらにも準備というものがありますから。」
清子「そうですか。では今日はこれまでということで、失礼いたします。」

まゆ子「じゅえる、なんで?」
じゅえる「疲れた。つかれるよあの人。」
釈「凄く出来るヒトだ、ってことは十分分かりましたから。流石ですね。」

まゆ子「老舗の饅頭屋『鶴仁波○○堂』はダテじゃないのだ。」

 

08/01/24

まゆ子「げばると処女EP6「第一章 そして新章」は本文55枚オマケ付き76枚です。」
じゅえる「ま、こんなもんでしょう。途中でヒラメ喰って寝込まなければ7日は早くに仕上がってたはずだけど、文句は言わない。」
釈「第二章、さっそく行きましょう。」

まゆ子「というわけで、メグリアル劫アランサ王女が武徳王にお許しを貰って赤甲梢残留部隊を再結集して、カプタンギジェ関に向かう、というお話です。赤甲梢の単独作戦の煽りを喰って、もちろん彼女は制止されるわけですが。」

じゅえる「定石どおりだとそうなる。が、それは面白くない。」
釈「読者様の予想は裏切らねばなりません。」
まゆ子「…そりゃそうだけど、すんなり渡してくれる道理も無いぞ。というか、なんだかんだで許してくれる、というのが今回の見所。」

じゅえる「最初からイケイケドンドンにしよう。」
まゆ子「…何故?」
釈「それを今から考えます。赤甲梢の単独敵国領内突入は、黒甲枝には賛同者が多いんですよね。」

まゆ子「心情的に同調するのと、軍制を考えての判断とはまるっきり異なるよ。法と軍紀に照らしてみると、そりゃやっぱり指弾されねばならない。」
じゅえる「そこをなんとかする。」

釈「どうしましょう。えーと、武徳王の英断、というのは描きたいところですよね。」
まゆ子「うん。武徳王が指揮権も指導力も十分だと見せつけるところに、この章の意義がある。」

じゅえる「そりゃあれだ。黒甲枝はもうカプタンギジェ関に殺到せんとする上奏文が殺到してるんだよ。この機に一気に突入して形勢を決定的にしようと。」

まゆ子「それはあるだろうが、実際問題として余力が無いぞ。クワアット兵の損害は目を覆わんばかりだ。」
釈「だからこその神兵だけの突入ですよ。赤甲梢の成功をなぞって、数百名の神兵部隊を突っ込ませようという無謀にして今ならば実現可能な策です。」
じゅえる「全部は無理でも、ギジェカプタギ点奪取は可能かもしれない。無茶ではあるが、意義はある。」

まゆ子「うーーーーんんん、それは損害が大き過ぎるぞ。神兵100人くらいまた死ぬ。」
じゅえる「だがギジェ点を抜けば東金雷蜒領は殻を剥かれたカタツムリ同然。」
まゆ子「まあ、そうなんだけどさあ。」

釈「ともかく主戦論はあるわけですよ。また、ギジジットに集結する金雷蜒軍に対応する為に大規模兵力を差し向けねばならないのは当然です。更には、敵領内に留まる赤甲梢が今後どうなるかは誰にも確定的な事は言えず、救援が必要という論もある。もちろん和平交渉が成るとも成らぬとも決まっておらず、成るとしてもより有利な形で成し遂げねばならぬ。その為にはやはり大規模兵力こそが鍵だ、と考えるでしょう。」

まゆ子「うーん、赤甲梢をアランサに任せるには弱いなあ。」
じゅえる「いけいけどんどんではだめなのかあ。」
まゆ子「いや、不可能というよりも説得力だよ。読んでああそうだなあ、と読者様が納得いく話でないとダメじゃん。」

釈「やはり、ガモウヤヨイチャンさまの二代目、というのがこちらでも有効だ、という話になりますか?」
じゅえる「それはここで出すのはよろしくない。ただなんらかの奇跡的な要因が作用してという、」

まゆ子「あ、あるよ。アランサ空飛べるもん。」
釈「初代カンヴィタル・イムレイル以来の飛べる聖戴者ですからね。」
まゆ子「ということは、彼女以上に褐甲角王国の威勢を示す者は居ない、てことか。」

じゅえる「それは無視出来ない能力だな。武徳王の前で飛んで見せる、というシーンを作るか。」
まゆ子「赤甲梢を返してくれ、という交渉を置いといて、とりあえず飛んで見せてくれと言われちゃうんだ。」
釈「となると、アランサの側からしてみると、交渉したくてたまらないのに、なんだか空ばっかり飛ばされてしまう、という話になりますか。」

じゅえる「気ばかり焦るが武徳王の命令には逆らえず、やむなく何度も飛び、他の神兵を飛ばせる手解きをするけれどこれはやはり無理で、で虚しく時間ばかりが過ぎていく中で、ようやく武徳王とサシで対面出来る機会が来たと意気込んで臨めば、いきなり赤甲梢部隊を返してくれて拍子抜け。こんな感じかな。」

釈「拍子抜け、いいですね。」

まゆ子「そんなシナリオでいいんかいな。で、具体的に言うとどういうエピソードが必要なんだ?」
じゅえる「まず武徳王と閣僚が見るでしょ、元老員も見るでしょ、黒甲枝以下クワアット兵も見るでしょ。周辺住民も招待されて見るでしょ。とりあえずこのくらいはまず飛ぶ。
で、次は他の神兵が飛べないか試してみる。アランサが手を引いて飛んでみる。無論失敗するとして、じゃあ抱きかかえて飛んでみる、てのも乙女には酷な話だから、カブトムシ巫女でもくくりつけて飛んでみる。」
釈「他の神兵が飛べるようになる、というのが一番重要なんですよ。」

じゅえる「高度はどのくらい飛べるのかな、ともかく上から攻撃すれば無敵でしょ。」
まゆ子「うん、飛噴槍の到達高度のはるか上までアランサは飛べるし何時間でも飛べる。弥生ちゃんは数分しか飛べないから、とんでもない性能だ。」
じゅえる「速度は?」

まゆ子「アランサは時速150キロくらいまで出る。高度は2000メートルくらいか。飛行時間は陽が落ちるまで、つまり夜は飛べない。どこ飛んでるか分からなくなるから。
弥生ちゃんは時速90キロが最大で通常速度は70キロ程度、高度は最大瞬間で300メートル程度。びゅっと最大速度を出してそのいきおいで昇るわけで、通常飛行は15メートルほどだ、5メートルくらいの高さが一般的だね。15メートルで飛ぶ場合は10分程度が最大、すぐ落ちて来る。ただし、地表すれすれの場合は、この場合浮いてるというだけでほぼ走ってるみたいなもんだが、これは長く飛べる。夜も風の力で周囲の状況を知るから、夜道の込み入ったところも自在に走りぬける。」

釈「つまり、弥生ちゃんキャプテンは本来飛行能力は持っていないけれど、飛べる。アランサはちゃんとした飛行能力を持つ、ってわけですね。」
じゅえる「高度2000メートルは高過ぎる。100でも圧倒的な戦力差だね。」
まゆ子「100ならちと足りないが300メートルなら絶対攻撃は当たらないね。上から矢を射ればゲイル騎兵もいちころだ。」
釈「たしかに無敵です。その能力は欲しいですね。」

まゆ子「うーん、そう考えるとなにか描かねばならない気になってきた。よし、第二章は空飛ぶ王女の戸惑い、だ。」

じゅえる「して最終的に赤甲梢を返してもらえるんだけど、どして?」

まゆ子「うーん、それはーやっぱりー、金雷蜒王国側に空飛ぶところを見せつけて、いまだ褐甲角王国は天河の十二神から見放されていないことを明確に万民に示すべきと判断した。」
釈「そうですね。神聖王の威徳に対してこれ以上のアピールはありません。飛ぶからこそ、アランサは任されたんです。」

まゆ子「もう一つある。赤甲梢は本国に帰って来た際には、まっさきにアウンサの指揮権を剥奪する気なんだ。処分とは別に、アウンサと赤甲梢の神兵とを隔離するのがまず必要となる。その際の反発を抑える為に、空飛ぶというこれ以上褐甲角神の神威を示すものは無いのを利用する。赤甲梢を黙らせる為にも、また赤甲梢に当然向けられるだろう指弾を防ぐ為にも、アランサの飛行能力は有益なんだ。」

じゅえる「赤甲梢反乱を怖れてる、ってことか。」
まゆ子「反乱とは言わないけれどさ、神聖王がこちらにやって来たからには一気に謀殺するという選択肢も有り得るのだ。赤甲梢はそれは絶対に許さないだろうから、とりあえず離しておくのは定石。」
釈「そうですね。戦争にはなにが起きても不思議じゃないんです。ではつまり、赤甲梢を抑えることさえ出来ればアランサでいいと。」
まゆ子「少なくとも自身の判断で赤甲梢を動かそうとは思うまい、とアランサは見られているし、また本人もそうだ。」

じゅえる「弥生ちゃん側との繋がりを政治的に考慮していなければならないよ。」
釈「それはあれではありませんか。重い任務を課せば、キャプテンと一緒には要られず切り離せると。実際赤甲梢を回収した後では、キャプテンの傍に置くつもりはないでしょう。」
じゅえる「違いない。軍の命令系統に組み込まれれば、アランサの弥生ちゃんとの接点は途切れるし、命令は絶対だ。」

まゆ子「では、赤甲梢を返してもらうと同時に別の命令ももらうんだ。褐甲角王国領に赤甲梢が入りアランサの部隊と合流した時点で、アウンサの総裁代理の任の終了、指揮命令権の喪失となる。総裁がアランサであるのが本来の姿であるから、逆らう道理が無い。」

じゅえる「ふむふむ、極めて妥当だね。でもアウンサの次の仕事も定めて置いた方がより確実。」
釈「それは、一刻も早く武徳王に報告し和平交渉における相談役となること、ですね。軍人ではなく政治家として振る舞え、という話です。これは当たり前過ぎる命令ですから、アウンサもアランサも逆らいようがありません。」

じゅえる「赤甲梢を前戦から引っ剥がすのに完全な策だね。ついでに赤甲梢部隊を迂回させて武徳王の閲兵の栄誉を授ける、とかも入れておこう。」
まゆ子「うむ、悪くない。その後はカプタニアに凱旋で、論功行賞の為に待機だ。」

釈「うわー、ひでえはなしになりますねえ。」
じゅえる「反発必至だよ。」

 

08/01/21

まゆ子「あと一巡で、げばおとEP6「第一章 そして新章」ができます。というわけで、次の打合わせね。」
釈「次は、劫アランサ王女ですか。」
じゅえる「えーとスケジュール的にはそうなのかな。」

まゆ子「実は大問題があります。第三章は弥生ちゃんがコウモリ神人と決闘をするのですが、その前に神聖王が国境線を突破しゲルワンクラッタ村に到達していなければなりません。」
じゅえる「まるまる一章潰れるね。」
まゆ子「当然この時劫アランサ王女は活躍せねばなりません。更には、武徳王サイドも移動するわけですし、弥生ちゃんの一行もやってきます。」

釈「あのー、そうすると三章くらいひつようですか?」
まゆ子「順当に書けばね。」
じゅえる「策は?」
まゆ子「無い。」

釈「第二章は劫アランサ王女が武徳王に承認されて、赤甲梢を再結集する、その際の悶着がまたその後の伏線となりますから、省くわけにはいかない。」
まゆ子「ゲルワンクラッタ村到着は当然描かねばなるまいが、詳しい話は後に回しても良い。ただ弥生ちゃんの動向は描かねばなるまいさ。」
じゅえる「いやそれは省こう。代りにコウモリ神人の視点を用いるべきだ。」
まゆ子「なるほど。そういう考え方もある。だができるだけコウモリ神人は使いたくない。神秘的な存在だからぼこっと出る感じが欲しい。」

釈「えーと、 EP6
1、東神聖王、ギジェカプタギ点へ行幸。両軍再緊張状態。
2、武徳王、ハジパイ王、弥生ちゃんの指示で神聖王が走った事を知る。
3、三神救世主邂逅。即神人の到来、弥生ちゃん行方不明。
4、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う。
5、デュータム点で大混乱。両軍凍結状態に。褐甲角王国大動乱。
6、弓レアル、茫然自失。カプタニアでお葬式。
7、ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、イローエントの騒乱。紅曙蛸王国攻撃計画。
9、赤甲梢成功後のヒィキタイタン。再度のマキアリィとの対決(対面)。
10、焔アウンサ暗殺事件。
11、いきなり中央政界に巻き込まれる劫アランサ。武徳王襲撃事件、犯人は人喰い教団?!
12、イローエントに軍勢結集。臨戦態勢。
13、呑気なもんだよ弥生ちゃん。EPLG

です。この中で考えますと既に一章で破綻してますね。」
じゅえる「もう出発してるんだ。そりゃ参ったな。」

まゆ子「便宜的にこれまでの経緯から新しく組み直すと
  EP6
1、東金雷蜒神聖王出立まで、赤甲梢の動向
2、劫アランサ王女、武徳王の許しを得て赤甲梢結集
3、国境線での神聖王の振る舞い。劫アランサの示唆により走ってゲルワンクラッタ村へ
4、武徳王、弥生ちゃん結集。三救世主邂逅。コウモリ神人との決闘で弥生ちゃん行方不明
5、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う
6、デュータム点で大混乱。両軍凍結状態に。褐甲角王国大動乱。
7、カプタニアの風景。ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、以下略
こんなもんか。」

じゅえる「弓レアルでてこないね。」
まゆ子「補足の章で書こう、それは。弥生ちゃんが聖山から下りて来る情景もそうなんだし。」
釈「えーと、ではこれで良しとしますかね。弓レアルが居ないだけで、自然に流れますか。」

じゅえる「 EP7
1、神聖神殿都市の謀略。
2、弥生ちゃん、遂に十二神の中枢に到達。
3、弥生ちゃん、神との対話
4、神聖王襲撃計画発覚。赤甲梢軍令に反して神聖王警護。罠に落ちる。
5、ハジパイ王と、勝ち組派との対話。敗北するハジパイ王。
6、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに連行。
7、赤甲梢凍結命令。神聖王の所に勝ち組が交渉に来る。熾烈な外交戦。
8、弥生ちゃん、遂に十二神方台系に帰還、ネズミ族の村。巨大カブトムシ神のお迎え。
9、デュータム点、カプタニア、他民衆の不安が広がり、弥生ちゃんを求める声が高まる。
10、ヒィキタイタンの帰還。
11、ヒィキタイタンの断罪。劫アランサの断罪。赤甲梢解散。ジョグジョ薔薇の大演説。
12、白の母。ネコとの対話。弥生ちゃんの帰還!
13、弥生ちゃんの大審判。トカゲ王国樹立。

これには修正の必要は無いね。」

まゆ子「この二巻は詰め込み過ぎなんだ。だが、それをこそ必要とする。スピード感をね。」
じゅえる「なにかが足りない…。」
釈「やはり弓レアルでしょうか。なにかが足りない気配がします。」

まゆ子「うーん、…そうか、デュータム点だ。この時期デュータム点には紅曙蛸女王五代テュラクラフさんがでんと弥生ちゃんの玉座に居座ってるんだ。」
じゅえる「あー、あーそうか。じゃあ当然大きな宗教上流れが存在するんだ。」
釈「あー、コウモリ神人が戦った後どうなるか、が有りませんでした。紅曙蛸女王とコウモリ神人の絡みが当然に必要です。」

まゆ子「つまりこのスケジュール表には、補足説明の章の設定が不可欠なんだな。そうかそうか。」
釈「つまり、13章では足りないってわけですよ。」

まゆ子「ということは、縦糸にコウモリ神人を設定しなければならないわけで、」
じゅえる「ただ単に存在するというのは面白みに欠ける。テュラクラフさんが心理戦で戦って居る、というのがかっこいい。」
釈「しかしテュラクラフさんは一応人間ですよね。どうなんでしょう。」

まゆ子「ここはアレだ。テュラクラフさんが消失したのは、その当時コウモリ神人が介入した為、と解釈しよう。」
じゅえる「ふむ。えーと、たしか番頭階級を一掃する為に交易警備隊が大虐殺をやったんだね。これにコウモリ神人が介入したとして、どうやるべきだろう?」

釈「コウモリ神人は見境無く人間を護るのです。」
まゆ子「うん。つまり、この時代を見捨てようとするテュラクラフを引き止めるべくコウモリ神人が説得した、というとこだな。」
釈「でもそれは、コウモリ神人の方が正しいのでは。」

じゅえる「いやコウモリ神人は常に正しいんだよ。でもそれが人間社会の進歩に繋がるかは、別の観点の話になる。テュラクラフは自分が居ない方が良い、と判断したんだね。」

まゆ子「うん。あー、そうだなちょっと違う。紅曙蛸女王の為にという名目で番頭階級は一掃された。これを認めると以降も女王の名の下に虐殺が繰り返されることになる。故に罰を下し、最も重要な存在である自分自身を隠したのだ。以降紅曙蛸女王時代後期においては、完全な正統性をどの勢力も獲得出来なかった。金雷蜒神救世主が現われるまでね。」

釈「結果はどうだったんですか。分裂し続ける紅曙蛸女王時代後期は人間社会の歴史の形成において有益だったんですか?」
じゅえる「自主性は獲得したかな?」
まゆ子「その訓練はした。また最大の喪失感を与える事により、宗教的畏敬の観念を獲得した。つまり宗教が宗教になったのはテュラクラフ女王の失踪の成果と言える。」

釈「それ以前は未だ宗教では無かったんですね。」
じゅえる「強度の依存症、というところだろう。コウモリ神人が人間を大洞窟から野に連れて来た時と、さほど変らないメンタリティだったんだよ。」
まゆ子「うん。失われたもの、手の届かぬものを求める行為自体が宗教だ。紅曙蛸女王時代最大の文明的成果が、宗教の獲得だったわけだね。」

釈「ではコウモリ神人よりもテュラクラフの方が上ですか。」
じゅえる「コウモリ神人は或る一定のラインを外れる事がどうしてもできないんだ。過保護なんだね。これはー、コウモリ巫女の基本的な性格として設定しておこう。」

釈「タコ巫女の基本姿勢は、明るく華やか親切だけど気まぐれでふいと関心を失ってしまう。」
じゅえる「ああ、居るねそいうひと。」
まゆ子「えーとではトカゲ巫女は、って基本的なものなのに設定してないな。」
じゅえる「看護婦さんでしょ、トカゲ巫女は。だからあんまり優しいというものじゃないと思うんだ。病気が感染って死んじゃったり、戦場にも行ったりするから。」
釈「或る程度強くないといけませんね。血も見るんですから。」
まゆ子「じゃあむしろ冷たいな。丁寧だけれど冷たい。」
じゅえる「ふむ。冷血というよりも容赦が無いんだね。」

釈「この際全部の巫女の性格も設定してしまいましょう。えーと。」
まゆ子「

タコ巫女:華やかで明るいが気まぐれでふいとそっぽを向いてしまう。
ゲジゲジ巫女:きらきらとトゲのある不機嫌さ
カブトムシ巫女:意固地なまでの頑さ
トカゲ巫女:丁寧だけど冷たい
蝉蛾巫女:どこか遠くを眺めるような現実性の無さ
ミミズ巫女:陰険で粘着な婆あ
カタツムリ巫女:こんもりとした包容力温かさ
蜘蛛巫女:けちで細かい。つじつまが合わない事を許さない
カニ巫女:問答無用の容赦なさ、規則の絶対的順守
カエル巫女:嘘つき
コウモリ巫女:過保護、甘やかす。対象を庇って立ち向かう
ネズミ巫女:おかあさんみたいなどっしりと落ち着いた態度

じゅえる「そういやあ、弓レアルの章が消えたことにより、庶民側の目線が一つ消えた事になるね。天下の大イベントに一庶民の証言、というのがひつようだろう。」
釈「カモゾーさんみたいな話は欲しいですね。特にゲルワンクラッタ村の村人とか。」
まゆ子「とはいえ、これ以上章は増やせないぞ。ゲルワンクラッタ村の風景は確かにどこかに書くけどさ、一般庶民に手が届くかは分からんよ。」

じゅえる「ともかく弥生ちゃんが消えて、武徳王と神聖王がにらみ合うという状態になるのだから、一般庶民はもう手に汗握って見守るに違いない。その章欲しい!」
釈「それも刃傷沙汰ではなく、恋愛モノとかの方がいいですね。東からやってきたゲジゲジ巫女の一人にひとめぼれしてしまうお百姓さんゲンゾーとか。」
じゅえる「さすがにゲンゾーはマズイだろ。タゴサクがいい。」

まゆ子「よし、タゥアゴサクさんだ! 丁度いいからこの章をテュラクラフ女王とコウモリ神人の対話の回にしよう。その背景でまったく無関係に世紀の大失恋がある。」
じゅえる「うむ、世界の進行とまったく関係無しにいきなり出るのだ。」

釈「えーと、9章! 8章がイローエントの話で9章に紅曙蛸王国の動向が注目される、という構成になっています。これを一つにまとめて、9章は田吾作さん大失恋だ。」
まゆ子「よし。じゃあEP7第1章を円湾の大海戦にします。」

じゅえる「まとめるぞ。

  EP6
1、東金雷蜒神聖王出立まで、赤甲梢の動向
2、劫アランサ王女、武徳王の許しを得て赤甲梢結集
3、国境線での神聖王の振る舞い。劫アランサの示唆により走ってゲルワンクラッタ村へ
4、武徳王、弥生ちゃん結集。三救世主邂逅。コウモリ神人との決闘で弥生ちゃん行方不明
5、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う
6、デュータム点で大混乱。両軍凍結状態に。褐甲角王国大動乱。
7、カプタニアの風景。ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、イローエントの騒乱。紅曙蛸王国攻撃計画。ヒィキタイタンとマキアリィの対面。
9、田吾作さん、世紀の大失恋。テュラクラフ女王とコウモリ神人の対話。
10、焔アウンサ暗殺事件。
11、いきなり中央政界に巻き込まれる劫アランサ。武徳王襲撃事件、犯人は人喰い教団?!
12、イローエントに軍勢結集。臨戦態勢。
13、呑気なもんだよ弥生ちゃん。EPLG

  EP7
1、円湾の戦い。
2、弥生ちゃん、遂に十二神の中枢に到達。
3、弥生ちゃん、神との対話
4、神聖王襲撃計画発覚。赤甲梢軍令に反して神聖王警護。罠に落ちる。
5、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに連行。
6、弥生ちゃん、遂に十二神方台系に帰還、ネズミ族の村。巨大カブトムシ神のお迎え。
7、赤甲梢凍結命令。神聖王の所に勝ち組が交渉に来る。熾烈な外交戦。ハジパイ王と勝ち組派との対話。敗北するハジパイ王。
8、デュータム点、カプタニア、他民衆の不安が広がり、弥生ちゃんを求める声が高まる。
9、神聖神殿都市の陰謀。テュラクラフ女王と白の母の対面。
10、ヒィキタイタンの帰還。
11、ヒィキタイタンの断罪。劫アランサの断罪。赤甲梢解散。ジョグジョ薔薇の大演説。
12、斧ロアラン大活躍。ネコとの対話。弥生ちゃんの帰還!
13、弥生ちゃんの大審判。トカゲ王国樹立。

まゆ子「弓レアルが出てない事を除けば、概ね良しとすべきかな。」
じゅえる「弓レアルはこの間呆然自失かな。いやそうじゃないぞ、アルエルシイも居るしハギット女史も居る。12章に飛び込んできた斧ロアランの大活躍、これを早い段階から用意しておくべきだ。」
釈「斧ロアランは、劫アランサ王女が外界と連絡できなくなる時にお使いとして活躍する、という話ですよね。」

じゅえる「あーそうだ。まゆちゃん、紅御女を出さないといけない。となると、その旦那であるカプタニア神衛士の王子様も当然。」
まゆ子「…はは、無いね。ハハハ。」
釈「困りましたね。しかし、彼の王子様はヒィキタイタン弾劾に関与するのですか?」
じゅえる「武徳王が失明のおそれがある重傷だから、出て来ると仮定して、何をする? 斧ロアランは彼の廻し者とするか。」

まゆ子「劫アランサの断罪とはなにか、に強く絡む話だな。えーとつまり、劫アランサ王女の罪とははやいはなしが、自ら第二代青晶蜥神救世主にならんとしたこと、なんだ。十二神信仰の秩序を司るメグリアル王家は神聖秩序において弥生ちゃんに従うのにやぶさかではないが、褐甲角神救世主の正統であるカンヴィタル王家ではそれは許されようの無い罪だ。故に、武徳王に代わって罪を裁くカンヴィタル王家の使者が必要となる。」

じゅえる「それは王子様本人の意志なのかな。」
まゆ子「どうだろう。彼はむしろ、神の力による救済に消極的な立場、督促派とスガッタ教の教えに近い思想の持ち主だ。二重の意味で否定的なのかもしれないし、神聖秩序と天河の計画というものに関してはより強い理解が有るとも言える。」
釈「複雑な人物ですね。」

まゆ子「してみると、彼の立場においては、劫アランサ王女は罪を認め青晶蜥神救世主ではなく武徳王に第一に従い、第二代を襲名することは無いと宣言するように密かに勧める、とした方が良い。むしろ好意的な立場から、劫アランサを守ろうとする。」

じゅえる「ふむ。極めて順当だ。だがアランサは別に自分が救世主になるとか考えてないだろ。」
まゆ子「だからこの弾劾、彼女にしてみればまったくの不当である上に、王子様の勧める宣言を妨げる何物も無いんだ。素直に従えばよい。だがー、」

釈「自分が第二代である事を否定出来ないなにか、が存在してしまうんですね。」
まゆ子「つまり第二代としては否定出来るが、弥生ちゃん自体を否定する事は出来ない。弥生ちゃんが新しい救世主であり未だ死んではいないから、その聖業を抹殺する事もできない。」
じゅえる「踏み絵だ。」
まゆ子「うん。カプタニアの国民の前で、アランサ王女は踏み絵を踏まされてしまう、という話になる。またそれは踏めば赤甲梢の名誉と生命を助ける、とも言われていたりする。つまりは、焔アウンサ王女の業績の否定でもあるわけだ。」

釈「ここはかなり厳密に組み上げましょう。王子様は一応は助け船を出している。劫アランサは頑に弥生ちゃんへの義理立てを護り続ける。」
まゆ子「かなり倒錯した構図を組み上げるしかないか。えーと先政主義派はけっきょくなにをしたいんだったけ。」
じゅえる「現状復帰。特に弥生ちゃんの否定。と言っても、無理が有る。今更否定しても民衆は皆知っている。偽救世主と言い張るのも愚かだな。えーとー」

釈「逆はどうでしょう。第二代として劫アランサ王女を無理やりに即位させようとする。それにより青晶蜥王国は褐甲角王国に完全に従属する。弥生ちゃんキャプテンが死んだ、と考えればこれまでの不利を一気に逆転してフラグを回収出来る策です。」
じゅえる「それだ!劫アランサは絶対に従わない命令だ。えーと、で王子様はこの場合、」

まゆ子「赤甲梢を見放し焔アウンサ王女の業績を否定する事で、青晶蜥王国自体を貶め解体を促し、もって劫アランサの即位自体を消滅させよう、というはなしではどうだろう。つまり棄教、転べという勧めだ。」
釈「確かに、褐甲角王国の王女としては適当な措置ではあります。第二代救世主にされてしまうよりはマシですか。」

じゅえる「しかし、じゃあアランサはどうしたいんだ?」
まゆ子「アランサのスタンスは簡単で、弥生ちゃんはもうすぐ帰って来るから結論を出すのを待て、というものだ。ただそれが何時かは分からない。明日か来年か100年後か、ともかく分からないんだ。その間、青晶蜥王国というか救世主神殿の組織が解体されないようにしなければならない。またもめごとを起こしてもならない。」

じゅえる「時期が分からないのは痛いな。」
釈「なんの当てもないんですかね、そこは。」

まゆ子「そこを斧ロアランにやらせよう。どういうチャンネルか知らないけれど、弥生ちゃんの帰還が近いという報がもたらされ、彼女の手でアランサに届けられる。」
じゅえる「ちょっとした冒険と危険と、ね。でもどのチャンネル? 不思議チャンネルかな。」
まゆ子「弥生ちゃんの光通信網よりも早い奴がいい。というよりも、斧ロアランがアクセス可能な回路であるべきだろう。」

釈「ではむしろ、ハジパイ王の筋から。ハジパイ王はこの時期先政主義派の若手からはぶられて居るわけですが、彼らの策動を座視するわけでもない。なにか別ルートから正常な状態に戻そうと考えて居るでしょう。」
じゅえる「白の母→ハジパイ王→斧ロアラン→劫アランサ王女、だね。」
まゆ子「9章で白の母はテュラクラフ女王と対面して会談する。この時天河の計画として、弥生ちゃんの帰還を伝えられる。そこからハジパイ王に伝えて、大狗の口から斧ロアランに。」

釈「決まりです。」

 

2008/01/05

まゆ子「というわけで新年一発めのくっちゃりを行ってみよう! まっさらなくっちゃりは気持ちいい!」

じゅえる「ちょっと待って! ”くっちゃりぼろけっと あしどりむ”ってのが出来てるんだけど、なに?」
釈「なにか設定話とか書いてるんですけど。」

まゆ子「あー、それはだね。『げばおと』以外の小説はまったく進んでいないのは何故か、と考えた時、そりゃあんた、あれだからだろという結論に達したのだよ。」

釈「くっちゃりの欠如、ですね。」
じゅえる「それはそうだ。事前の打ち合わせもネタ作りも無しに書けるはずがない。」
まゆ子「いや、根性据えてかかれば書けるんだけどさ、根性据えるまでが難しい。げばおとはそこをくっちゃりでカバーしている。」

釈「背に腹は換えられない、というわけですね。げばおとと別のやり口でやろうと思って居たけれど、進まないんじゃ仕方ない。」
じゅえる「致し方ないな。でもさ、ましなりいじゃダメなの?」

まゆ子「ましなりいでいいはずだったんだけど、この有り様。となると、げばおとがくっちゃりを占有するように、他のも設定話のみで占有するべきだろうと考えるのさ。」
釈「それは私も思ってました。ましなりいは書いていく内にどんどん別の頁が増えていきます。これは健全とは言えません。一方げばおとの設定はくっちゃりでどんどん増えていくのです。」
じゅえる「なるほど、つまりは一般性を失えばこそ特殊性が育つって話なんだ。」

まゆ子「我々は忘れてはならないんだよ。くっちゃりの設定話は、これ自体一個の文学作品であることを。ましなりいもそうだ。読者様が読むと考えればこそ、生産性も上がる。」
釈「設定話を読ませるには、綺麗に成型して別頁に飛ばすのはよくない、って結論を得たわけですね。」

まゆ子「逆に、ましなりいは馬鹿話のみを集中的に書くべきだろう。ましなりいの衰退著しいのはまた問題なんだな。」
じゅえる「そういえば最近伸びてなかったなあ。」
釈「一般性のある話を行う頁が無くなってしまったわけなんですね。」

まゆ子「てなわけで、こしらえた。ということで、あしどに行ってみまーす。」

じゅえる「ちなみに”あしどりむ”の由来は何?」
まゆ子「アシッドドリームです。」
釈「嫌な名前ですねえ。」

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