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06/12/24

まゆ子「くりすますです。」
じゅえる「さいですね。」
まゆ子「何にも無いのは寂しいから、特別に書きかけの「げばおと」EP5第一章の前半部分をのっけておきました。」

じゅえる「くりすますだからね。で、前半というのは、」

まゆ子「つまりは、この後で大狗による弥生ちゃん暗殺未遂事件が起きます。その直前までを書いているのだけれど、まあこんな感じのやたら面白いおはなしだね。」
じゅえる「なんというか、これこそまさにうえんでぃずだ。」
釈「胸のつかえが下りて、すっとしました。」

弥生「うんうん。これでこそ私だよ。」

まゆ子「というわけで、クリスマス特別バージョンをお楽しみください。まだほとんど推敲していないんだけどね。」
じゅえる「いいっていいって。」

06/12/20

釈「ていじほうこくー。」
まゆ子「コンピューターが轟々言ってた理由がわかりましたー! 後から増設したHDDがお亡くなりになりましたその前兆だったのです!」

じゅえる「死んだ?」
まゆ子「ほぼまちがいなく。ほとんど何の機能的不全も無いままにここまで過ごして来たから全然分かりませんでしたが、即死です。まあ、かりかりとも言わなかったからデータは死んでないだろうけどね。」

釈「どうするんですか?」
まゆ子「即日で替えのHDD買って来ました。死んだのは内蔵型5400回転120GBなんだけど、なぜか外付けUSB2の7200回転250GBです。クリスマス価格で1万円ぽっきりでしたので、致し方ない。外付けHDDは元から欲しかったし、内蔵7200回転は熱と騒音がどの程度なのか疑問だったし、5400回転の安い奴でも250GBは13,000円はしますから。ま、実験的にですね。」

じゅえる「破損したデータは大丈夫だったの?」
まゆ子「大丈夫じゃないけれど、痛手は無い。前のコンピュータで嫌と言うほどバックアップの大切さを思い知らされているからね。大体、「KOMNYAN’Sでぽ」自体、文字情報のバックアップの為にある。家が火事になった場合でも、最低でも「げばおと」と「うえんでぃず」と「統則最前線」の原稿と設定書は残るんだ。」

釈「ああ! そういう機能があるから「でぽ」なんですね。」
まゆ子「だもんで、外からは見えないけれど、公開されていない書類も入ってるんだよ。ま、パスワードの類いは無いけどね、さすがに。」

じゅえる「じゃあ、HDDが早くなって大きくなった、というだけ?」
まゆ子「いや、つまりは増設HDDは酷使が祟って早死にしたんだけど、このまま新しい外付けHDDを同じ目的で使うのはどうかなと思ってる。やはりUSBかますと少し遅いみたいだ。それに外付けが欲しかったのは更なるバックアップ、つまり今回のような事態に陥らない為にもう一個DVD焼かなくて済む大容量のが欲しかったわけだから、このままだとよろしくない。
 という判断の下、やっぱり内蔵型のHDDをまた買うよ。今までと同じ120GBのでもデータ保存用でなければ十分大容量だったんだし、安いのを酷使用に使い外付けを真のバックアップとみれば今回のような事態に陥ってもまったく問題なく済むからね。火事の時でもUSB外付けなら抱えて逃げられる。」

釈「まゆ子さん、その発想は十分に昭和初年のものですよ。まるで空襲でも来るみたいだ。」

まゆ子「で、その他の経過報告。統則最前線は順調に推移しつつも、折りからのHDD破損修復作業で一時中断。ま、書いた所まで載せればいいんだけどさ。
 んでもって、「げばると処女 エピソード5  天下泰平火はぼうぼう、労せずして果実は我が掌に転げ落ちる」が始動しました。弥生ちゃんが大活躍です!」

じゅえる「ふむ。クリスマスまでになんとかしてもらいたいもんだ。」
まゆ子「そうね、弥生ちゃんの第一章くらいはなんとかなりそう。じゃそこ締め切りにね。」

釈「うわぁーい。」

まゆ子「あ、そうそう。で思いついたんだけどさあ。弥生ちゃんは北方大樹海に飛ばされるんだけど、ここの名前は「樹獄」とします。まさに地獄のありさまというわけね。で、ここで地獄巡りをしてきた弥生ちゃんは、神さまに会い、また娑婆に舞い戻るんだけど、その過程で頭の上のカベチョロが二匹になります。」

じゅえる「既定路線だね。」

まゆ子「だが、弥生ちゃん。この新しく増えた方のカベチョロを、当初の計画とは異なって劫アランサに与えません!」
釈「え、でもそうするとトカゲ神救世主第二代というのは?」

まゆ子「与えないから、弥生ちゃんの上にはカベチョロが二匹居る事になります。当然誰かの頭の上に戴く為のものですが、その誰か、を明らかにしないのだな弥生ちゃんは。」
じゅえる「う、言わんとする事が分かって来た。新しいカベチョロを欲する者達の暗闘が始まるわけだ。」
釈「うわあー、そりゃ釣りもいいとこですね。トカゲ神救世主、弥生ちゃんきゃぷてんの後継者の座を巡って、熾烈な闘争が始まるわけですよ。」

まゆ子「ま、そういう事。この発想の前にはだね、実は劫アランサの黄金カブトムシによる飛翔能力を最後の最後の場面で使いたい、と思ったからなんだ。弥生ちゃんがコウモリ神人との最終決戦に挑む時、たまたま愛刀「カタナ」を質に預けて来ちゃったんだよ。で、カタナが無いままに決戦に臨み、それを知った劫アランサがカタナを受け取ってカブトムシの翅で飛んで駆けつける。そういう場面が欲しかった。」

じゅえる「その最後の最後に、つまりは勝利の瞬間に劫アランサへのカベチョロ委譲、第二代トカゲ神救世主の誕生となるわけだ。死に逝くコウモリ神人の前で彼の望んでいたような、十二神方台系の人間による救世主が生まれるんだね。いいじゃないか。」
釈「なるほど、それでは二匹目のカベチョロを簡単に渡すわけにはいきませんね。それは、ジョグジョ薔薇なんかも欲しがるわけです。」

まゆ子「というわけさ。段々次が見えて来るからには、EP5も頑張らにゃいかん。三月末日締め切りてことで。」

じゅえる「了承りょうしょう。」
釈「ではまたー。」

というわけで、テストレンダリングの結果(一応15禁)

06/12/17

じゅえる「最近絶好調停滞中! とりあえず定時報告です。」

まゆ子「えー現在『統則最前線』再起動成功。流れの関係上、でぽに掲載中のものに続く話になったから、当然のように掲載する事になりました。」
釈「書き直すんじゃなかったんですか?」
まゆ子「書き直したけれど、同じ所でつまずいた。なんでかなあ、と考えた結果、重大な発見をしたわけさ。うえんでぃず、げばおとにも共通する重要な発見だ。」

じゅえる「ほお、それはそれは。なに?」

まゆ子「”読みたくないものは書かない!”」

じゅえる「・・・・あたりまえじゃん。」
釈「ですよねえ。」

まゆ子「ちちち、違うんだなあ。引っ掛かった点というのは、書き手には面白い場面なんだ。」
じゅえる「ふむー、つまり書き手には面白いけれど、読み手にはちっとも面白くないシーンというのがあるんだ。」

まゆ子「これは書いている人間にはわかりづらい。おそらく、普通の書き手ならば無理して頑張って書くでしょ。なにせ、書くに値するものがある、と思って書いているんだから。」

釈「でも読み手にはちっともおもしろくないというわけですね。」
まゆ子「そうなんだ。細かい状況に主人公の社会的位置付けが透けて見える、という場面は書き手にとってたいへん面白い。ここをうまく書いてのければ作品に厚みが出る、と思って書いている。事実、それはまちがいなくそうなんだ。だけど、」
じゅえる「読み手には厚みなんか関係無い、てことか。流れが良くないとそもそも読む気にならない。だから。」

まゆ子「切った。」
釈「実に潔い解決策ですね。」

まゆ子「だもんであんまりにもあやふや浅薄な繋ぎになってしまったが、おかげで調子良く続ける事が出来た。これはげばおとでも注意しなきゃいけない所だね。というか、げばおとはあんた達が読み手の立場でいろいろ突っ込んで来るから、そういうのは無いんだけどね。」

釈「でもベイスラ近辺はちょっとやばいんですけどね。」
まゆ子「あれは税金に近いものがあるからね。しかし、面白く描きますよ。そりゃもう意地だ。」

じゅえる「で、戦車が出て来るわけだ。統則戦車。」
まゆ子「あー、具体的に絵を出さなきゃ分かんないか。よし分かった、3DCGで作る。」
釈「鳩保のCGはどうなりましたか。」
まゆ子「鳩保サルボロイドはほぼ完成。まあ、鳩保の顔を再構成しなきゃいかんのだけれど、現状これで行こうと思えばいけるから、やらない。制服バージョンを作る時になんとかする。
 しかしながら、どういうわけかこの鳩保をいじり直して、児玉喜味子を作っちゃったよ。ヌード完成。」

釈「鳩保と喜味子は背丈がずいぶんと違いますが、出来るんですか?」
まゆ子「やったんだよ、結構イイ出来になった。ややこしい手指も作り直したし、CARRARA5人体の標準モデルになり得るな。」

じゅえる「そうか、でぽには出なくても、なんだか進んでいるんだ。」

まゆ子「とはいうものの、そうだね、テストレンダーの結果くらいはのっけておこう。ついでに次回の2Dエロ絵の下書きとかも。」
釈「いやーなクリスマスプレゼントですねえ。でげばおと復帰はいつになります?」

まゆ子「年末年始はなにもなくてもめちゃくちゃ騒がしいんだよ、書けないなこれ。まあ、第一章は非常に書きやすい弥生ちゃんだから、年内になんとかなるかもしれない。ま、そんな感じで。」

釈「生暖かい目で見守りましょう。」

 

06/12/10

まゆ子「とまあそういうわけで、ここ1週間は別な事やってたわけですよ。具体的に言うと、3DCGを一生懸命やっていました。モモ展に出そうかな、と頑張ってみたんですが所詮は実質4日間では話にならないな。しかしながら、とりあえず鳩保にサルボロイドのアーマーを着せる事に成功した。CARRARA5の習熟練習という意味では確固たる成果を挙げたワケです。」

じゅえる「三月に一週間しかやらないからね、CGは。」

釈「で、鳩保さんは出来ましたか。」
まゆ子「サルボロイド自体はほぼ完ぺきに出来た。鳩保の顔を一生懸命いじった結果、あーこれは5を買ってから初めて作った人体なんだけど、まあなんとかやり方が読めて来た。CARRARA3から進化して便利な機能が増えたんだけど、HEXAGON由来の機能を使っていると異常動作を起すて事も分かった。まあ3で十分習熟しているから、3のモデラーのバグを修正してくれれば文句は無かったんだけど、新機能を使わないとなれば、まんまそのカタチになるかな。」

じゅえる「で、今後の計画は? 作ったけれどほったらかし、て事にする?、またいつものように。」
まゆ子「サルボロイドは動かす為に作られたキャラだ。手足の構造もそれ用に単純に出来ている。動かすつもりだけれど、まあ、背景が無いとね。今後背景の製作が焦点になるでしょう。モモ展に出せなかったてのも、メインとなるオブジェクトは作れても背景が無いから絵にならない。単純なもので誤魔化そうとするのも、まあなんとなく罪悪感があって、てワケだからね。なんか背景となる家とか場所とかのシーンを作らなきゃいけない。」

釈「学校をつくればどうでしょう。門代高校を。」
まゆ子「悪くはないなあ。というか外教は作るつもりではあったんだ、昔。」
じゅえる「”外教”てのは、うえんでぃずが良く会議をしている、校庭の脇にある小講堂の事です。二階は旧体育教官室で、現在は倉庫として誰も使わない。半分倒壊し掛かっている素敵な建物です。」
まゆ子「・・・なるほど、悪くないな。外教か。タコハチを動かすにもサルボロイドを動かすにも、文句は無い。よしそれで行こう。」

釈「とまあ、こうして次のモチーフが決まるわけです。で、鳩保だけですか、作るのは。」
まゆ子「いや、まあ5人作るつもりではあるけれど、鳩保の顔を修正して作るというのは、ちょっとなんなんだ。大改造になる。そんな事よりは鳩保一体だけでも完全に仕上げて、動かしてみるよ、動画を作ってみたい。」
釈「また手間が掛りますね。」
まゆ子「まあ、とりあえずシーンとなる背景が無いとね、動画も作れないさ。ただー、そうなるとちょっとメモリの関係が苦しいかな。」

じゅえる「計画はどうなってるの?」
まゆ子「いや、ゲキの方もあるから、もうひとり、そうだねー児玉喜味子でも作ってみるかなあ。あいつの額のところってのは、ちょっと造型上の興味が湧くアイテムなんだ。おさげだし。あ、今回おさげ髪のモデリングに極めて良好な結果を得ました。大成功です。で、サルボロイドは単体でのパワードスーツなんだけど、ゲキに搭乗する際にはパイロットスーツを着なければいけないんだな、もっとエロイ奴。これを喜味子に着せてみようかと思ってる。あと、門代高校の制服は弥生ちゃんが着ているのの使いまわしを修正すればいいんじゃないかなと思うんだが、あれも肩のラインは成功していないからね。考えてみれば、弥生ちゃんも顔面だけ成功完成して、後はほったらかしだ。弥生ちゃんも背景が無いから、作る気力が失せたんだけどね。」

じゅえる「あー、つまりは外教を作らなければ先に進めないって話だ。」
まゆ子「だな。」

釈「で、げばると処女EP5はどうしましょう。というか、年末年始はいい加減何もできないんですけどね、ばたばたと忙しくて。」

まゆ子「2章くらいは進めておきたい、とは思うが、その反面そんなに急いで書かなくてもいいんだよ、てのもある。むしろその代りに統則最前線や桐子の話、いやウエンディズを書くべきだ。」

じゅえる「うえんでぃずは、次はなんだっけ?」
釈「私達が武術の達人である天狗さまに会いに行く話です。」

まゆ子「それキャンセルだ。」
釈「え!」

まゆ子「最近の傾向を見るに、ウエンディズオリジナルメンバー達が棚上げされてしまっている。要するに、とっくの昔に卒業してしまったような格上の存在になってしまったんだね。これを地上に引きずり下ろす作業が必要だ。」

じゅえる「要するに、私達の出番を作ろうと言うのだね。それはわかるが、では何を書く?」
まゆ子「馴れ初め。ウエンディズメンバーがどうやって出会ったか。これをこそ、今書くべきだ。」

釈「なるほど。それはなるほどです。でもそう言えば、私達二年生はそれちゃんと書いてもらっているんですね。」
じゅえる「私達はこの世に生み出された瞬間から、既に鴉も鵜もなく存在している。仕方がない、いつかは描かなければならない話だな、それは。」

まゆ子「というわけで、書く。」
じゅえる「うん。」

釈「ではスケジュールとしては、うえんでぃず優先ということで、げばおとは後回し?」
まゆ子「仕方がない。書かねばならないモノを一個ずつ逐次的にクリアして行かなければ、しまいにはパニクって全体の進行が停止して訳わかんなくなる。優先順位としては、統則最前線をまず何枚でもか、書く。次にウエンディズだ。これに目処をつけてから、げばおとに復帰する。」

じゅえる「それが最短距離?」
まゆ子「最短は統則→げばおと、だが、それではウエンディズが可哀想過ぎる。とりあえずは統則だ。ともかく統則だ、なんといっても統則だ。」

釈「わかりました、わかり。つまりは次は統則をいやでもやる、ってはなしです。」

まゆ子「うん。だがこれはー、でぽでは公開しない事になっている。故に、まあなんとかHPの更新の手段を考えてみるよ。」
じゅえる「小説が当分ダメだとなれば、絵だな。また手間が掛るな。」
まゆ子「うん。」

 

06/12/02

まゆ子「543枚! げばおとEP4は結局、543頁になってしまいました。」

じゅえる「ふむ。最終章自体は37枚て尋常な長さなんだけどね。」
釈「すごいですねえ、543枚て言えば、原稿用紙が広辞苑並みになってしまいますよ。しかも一冊で。」

まゆ子「しかしなんだ、まだ2000枚書いてないと思えばまだまだかなとも思うな。もっとも設定のくっちゃり入れれば3000枚超えるだろうけど。」
じゅえる「設定がね、多いんだよねうちは。これ書く方が本分ぽいんだけど。」

釈「で、どうしますか、このまま行っちゃいますか。EP5は。」
まゆ子「ま、一週間ほどは別のコトをしますけどね。とりあえずげばおと事典は徹底的な増補しなきゃいかん。人間が章ごとに3人ずつは増えているから、困るんだよ。」

釈「物事とか軍政府組織とかもまとめて書かねばならないんじゃないですか。それにジョグジョ薔薇も。」
じゅえる「銀椿の悲恋モノってどうするの?」

まゆ子「あーそれは、書簡集というのが頒布された事にするよ。病弱な黒甲枝のお嬢様と銀椿との間での手紙のやりとりを、お嬢様の死後に家族が蜘蛛神殿に奉納したんだ。それで詩や物語の愛好家の間で評判になり、写本が出回って大ブレイクだ。この時銀椿18歳。14歳から17歳までの間の話なんだけど、子供に似合わぬ見事な文章で武徳王からも称讃されるという栄誉を得た。それだけの文才があるから、ハジパイ王も注目して政治の世界に誘ったという塩梅だ。」

じゅえる「ふむ、じゃあその死んだお嬢様というのをどう造型するかを今後考えよう。で、どこから出て来る?
まゆ子「名前はちょくちょく出しておこう。だが本当に出るのはEP6の弾劾事件からだ。一章二人について書いてみるか、アルエルシイ絡みで。」

釈「でもその時は、弓レアルは婚約者の軌バイジャン亡くして放心状態ですよ。いいんですか。」
まゆ子「まあ、なんというか、だからこそアルエルシイは外に注目する、という感じか。カプタニアに再び政治の季節が巡って来るんだよ。いやでも注目せねばならない。それにカプタニア山の褐甲角神が消滅しているから、城内緊迫しているんだよ。空気が悪いからこそ、そういうものに注目する。」

じゅえる「ふむ。じゃあ、カプタニアでは妙なお祭り騒ぎが起こっている、という事かな。」
釈「大審判戦争が終わって、ゲジゲジ神聖王がデュータム点近辺に滞在中で、弥生ちゃん先輩が失踪ですから、そりゃもう天地がひっくり返ったのと同様の騒ぎで、もうなんもかんも投げ出したって感じになっていてもおかしくはありませんね。」
まゆ子「それに加えてカプタニア山に大火が起った後だから、ええじゃないかくらいはあるか。」

じゅえる「ええじゃないか、うん。」

釈「なにか、そういう妙な言葉が大流行して、市内到るところで「ええじゃないか」と騒ぐ人が居る。てことにしますか。」
まゆ子「ピルマルレレコ、と騒ぐことにしよう。」
じゅえる「うむ。神殺しの神としてのピルマルレレコは、この場合非常に適切なアイテムだ。それで行こう。」
釈「ピルマルレレコの顔の付いた幟を振り回す打ち壊し、とかですかね。」

まゆ子「とまあ、そういう事で

 とりあえず褐甲角王国の軍隊の配置を書いてみたよ。むろん第一稿であるからかなりいい加減なもので、整合性をまだ!考えていないから、今後くるくる変わるけどね。と言うか、さっそくげばおと本文中の表現を訂正だ! 主に第五章ね。」

【褐甲角軍】(戦争前)

王国基幹軍(5000)
 近衛兵団(1500)
 ヌケミンドル特別防衛軍団(2500)
 カプタニア神衛士団(神官戦士含む)
 金翅幹王師団(従僕含む)
 カプタニア内国兵団(1000)
   アユ・サユル湖水警備隊(100)

北方軍(15000)
 カプタンギジェ関特別防衛軍団(10000)
   ボウダン街道防衛兵団(2000)
 デュータム内国兵団(2000)
   神聖街道守護士団
 メグリアル神域防衛軍(2000)
     メグリアル神衛士団
     エイタンカプト防衛隊
   ウラタンギジト結界兵団
     聖山結界防衛士団

 赤甲梢実験戦闘士団(1000)

中央軍(9000)
 スプリタ街道毒地防衛軍団(9000)
  ガンガランガ兵団(2500)
  ミンドレア兵団(2000)
  ヌケミンドル内国兵団(1500軍団本部)
  ベイスラ兵団(2000)
  エイベント兵団(1000)

南方軍(7500)
 イローエント特別区防衛軍団(4800/1800)
    イロ・エイベント兵団(2000)
    グテ広域防衛兵団(1000)
      クワァンタン駐屯隊(300)
 サユール兵団(1500)
    トロシャンテ警備士団(400)

 イローエント南海軍団(1200)
    南海舟戦兵団(500)

西方軍(10000)
 ミアカプティ中央防衛軍団(8000/3200)
  ティカ兵団(2000)
  エイタン・ボオ兵団(1000)
  グルン兵団(800)
  シオ内国兵団(1000)

 百島湾海軍団(2000)
   西海舟戦兵団(1000)

【戦争中にできたもの】

 輸送軍(?邑兵主体)
 毒地侵攻軍(?)
   穿攻隊・兎竜掃討隊、赤甲梢兎竜部隊・神兵装甲歩兵集団
 難民移送団(?)

 

**軍団、兵団、士団、隊の区別について **

軍団は兵師大監が直接に指揮する軍の大きな区分であり、中央軍制局と密接な繋がりを持つ。大体1万人規模の兵員を有する。
   海軍団は特殊技能を必要とし装備の金額が大きいので、兵数は少なくとも兵師大監に率いられ軍団と呼ばれる。
      舟戦兵団は海上の行政権を持つ。
兵団は兵師監が直接に指揮し、同時に軍政によって一般行政についても権限を持つ。大体3000人規模の兵員を有するが、邑兵も入れてとなる事が多い。
   神兵50人以下が通常。ただし、衛視として日常は軍務を行わない神兵も数に入っている。
       内国兵団というのは、商品市場に対しての行政権が特に大きい兵団で、早い話が算盤を使う官僚を多く抱えているという事。兵糧装備輜重の拠点となる。
士団は兵師監によって指揮されるけれど、行政については権限を持たない戦闘を主任務とする集団。クワアット兵1000人を目安として組織される。
   神兵25人以下が標準で、それを超えると行政能力を持たなくとも兵団扱いされる事が多い。
     神兵が異常に多い赤甲梢は特別にこの区分に留まるが、クワアット兵の数で決まっていると考えると良い。下の「戦闘団」が寄り合い所帯になっている。
集団(戦闘団)は、神兵のみ、もしくは剣令や剣匠といった定められた身分の者だけを集めて作った団で、特別な任務を与えられている事が多い。
   ここらへんは成立の経緯から適当に定められているので、あまりあてにはならない。兎竜部隊の旗団は、これに相当する。
   旗団は長期に渡って上層部の指揮を受けられない戦闘団が独自の判断で行動する事を定められ許された印として、四角の旗を持つ。普通は幟幡なので違いが目立つ。
     日本で言うと、母衣衆みたいに目立つ存在。

部隊は大剣令によって指揮されるかなり自由度の高い戦闘集団であり、特命を受けて一定の行政権警察権を持つ。神兵10名程度1000人以下。
   主席となる大剣令の下、部所ごとに大剣令があるというのが普通。合議制で運営され、黒甲枝の序列から指揮官が決まるのが褐甲角王国のやり方。
   ”部隊”という語は便利なので、直接には使わないようにしている。「○×防衛隊」とかになる。
   兎竜部隊は、街道上で自由に臨検できる権限を持っている。というよりも、臨検するという名目で金雷蜒王国の隊列を攻撃する許可を持っている。
戦隊は専ら戦闘にあたる戦闘小隊の集団で中隊規模で独立して行動している。行政権は無い。神兵は10名以下だが大剣令は一人なのが普通。兵数は300人から500人。
支隊はクワアット兵のみで構成される隊で、主に神兵の支援を行う。戦闘団には支隊が付き物であるが、神兵においてけぼりにされる事が多く、独自の指揮官を持っている。
凌士隊はクワアット兵のみで構成され、クワアット兵の剣令によって指揮される戦闘隊。小隊規模でしか組織されないのが普通だが、たまに1000人規模の大兵力の部隊が存在する。

難民移送団は兵師監によって指揮されるが、本来は部隊格。所属は王国基幹軍。
  戦闘目的ではないが、行政権と共に街道沿いの治安維持も命じられた、特殊な士団、という事になっている。
  輸送軍内部にも非戦闘目的士団が幾つもある。地方の区分を横断する役目を負うので、地方の兵団に拘束されないようになった。

この措置に伴い、兵団の指揮権は兵師大監(後列)が務める事に変更になり、士団との区別がはっきりと分けられた。
新しい士団の定義は、
   兵師監によって指揮され、軍団に直接属し地方区分に拘束されない特別な目的を持った集団で、神兵20名程度を標準としクワアット兵1000人を目安として組織される。

金翅幹王師団は臨時に編成される集団で、武徳王の直接指揮を受ける事になっている。金翅幹家元老員が自前の甲冑装備で結成し、神兵100名余にそれぞれの家の従僕がついて来るので、500から800名にもなるはず。理論上の部隊で今だかって実戦に出た例が無い。

 

06/11/30

まゆ子「さて公約通りに、げばおとEP4「最終章 雷鳴轟く」を書いたぞ。29日だ。」

じゅえる「現在修正中で、ま、明日掲載になるかな、書くよりも修正校正バグ取りが大変だ。」
まゆ子「それを自動化してくれるソフトは無いものかねえ、無いんだけど。」

釈「で、今回紋章旗団がかなりおおっぴらに出たんですけれど、今後も大活躍しますか?」
まゆ子「ギジシップ島攻略では大活躍します。それに、ハジパイ王の粛正の時にも、彼らと赤甲梢とはかなりの待遇の差が出ます。この意図的な差が問題になります。ま、有るべくして有るのですよ、紋章旗団は。」

じゅえる「にしても、紋章旗団の司令官の人は、当初の計画よりもいい人になったんじゃない?」
釈「あ、この人は苗字で呼ばれるんですよね。なぜ下の名前で呼ばないんですか?」

まゆ子「そこんとこにはかなり厳密な規則がある。劫アランサ、とかいう嘉字付きの名前は、かなり親しみを込めてでも正式な呼び方として使われる。嘉字無しの名前は、ほとんど身内同然の相手に使われるわけで、目上の人には絶対に使わない。苗字だけ、つまり今回の司令官とかだね、は人間的描写をしたくない、作劇上組織の一員とか権威の上に成り立つとかの立場の人に使われて、公式な感触、立場の違いとかを協調するのだね。ハジパイ王なんか特にそうだ。」
じゅえる「だから、そこんとこはあまり深く考えない方がいい。変に思う時は理由があるんだ。」

まゆ子「ただ、苗字の方が語呂がいいから、と使われる者も居るな。ま、深く考えないで下さい。

 で、じゅえるの言う、この司令官さんはー、そうね予想外だわ。ま、仕方ない所もあるんだよ。アホな人間を書くには私はちょっと向いていなかった。」

釈「まあ、典型的な組織人間てのは、描いてておもしろいものではありませんから。」

まゆ子「というか、そういう人間は黒甲枝にはあまり居ないんだよ。特に近衛兵団には。近衛兵団は中央軍制局の足元にあるけれど、あくまでも武徳王を護る為にある兵団で、独立性も高い。さらに、全土の黒甲枝が聖戴を受ける際に再訓練を行うところだから、特にカブトムシ神への信仰心が強いんだ。
 ハジパイ王の下にある官僚機構と衛視局が政治的な安定性に傾くとして、中央軍制局が現実的な軍の運営に傾くとすれば、近衛兵団は武徳王の為に神兵としての本分であるカンヴィタル・ィムレイルの誓いに重心を置くように定められている。

 こんなとこに長年居た人間が、組織人間である道理が無いんだよ。」

じゅえる「でも、まあそれじゃあコントラストというのが無いんだけど、出来たものは案外かっこいいから、いいか。」

まゆ子「まね。だが副産物として、彼は再登場する、せざるを得なくなった。ハジパイ王の粛正に真っ先に槍玉に挙げられてしまう、そういう立場に陥った。」
釈「あ。・・・そうですね、それは当然です。」
じゅえる「そうか、伏線を敷いて居たのか。」

まゆ子「いや偶然敷いてしまったというのが本当だけど。で、そのおかげで紋章旗団は一等処分が軽くなるという。ま、もちろん紋章旗団の連中はそんなことは許されないと抗議するんだけどね。」
釈「なんか、ドラマがちゃんとしているんですね。感心しちゃいました。」

じゅえる「で、まあ、とりあえず書いた。書いたはいいが、エピローグはなんだ?」
釈「猫です。」

まゆ子「いやなんとなくだよ。弥生ちゃんの出番が少なかったからさあ、最後は弥生ちゃんで締めくくろうと思ったんだけど、小話書くには次がゲリラ的野球団だし、猫も活躍してないし、と思うと自然と手が動いて、ああなった。」

じゅえる「あー、ま、いっか。」
釈「猫ですよねえ。」

 

06/11/24

まゆ子「さあて、最終章だ。ちなみに第十二章は42枚ですか、オマケ付きで。」
じゅえる「枚数としてはこんなもの。ただし、現時点でファイルサイズはEP3と同じ大きさになっている。EP1が312k、EP2が324、EP3が364、EP4が現時点で368だ。」
釈「下手すると、400Kを超えますね。さすがにちょっと対策を考えた方がよろしいかと。」
まゆ子「一章30K換算で、という量になってるね。

 あーそれにしてもうるさい。」

じゅえる「なんかコンピュータうおんうおん言うよ。」
まゆ子「どうやら電源容量に問題があるらしい。IEEEなんとかを外してUSB2のカード入れただけなのに、電源のファンが大回転だ。まあ、なんせ135Wだからね。」
釈「これまではなんだかんだ言って静かでしたからね。」
まゆ子「そうなんだ、物書きにとって静かなコンピュータは必須条件だ。最悪の場合は電源取っ替えるしかない。」

じゅえる「大丈夫なのかなあ。」
まゆ子「やったことないもんねえ。しかし、HDDが2台つないだ時点で大丈夫だった、というのはかなり不思議だ。ひょっとしたら別の、ファンのもんだいかなあ?」
釈「電源が原因て、ほんとうなんですか。」
まゆ子「まあね。二台目のHDDはモバイルラックてのに入ってるから簡単に抜き差し出来るんだ。これ外すとうおんうおん言わない。」

じゅえる「でも、おんなじようなカード取り替えたくらいでねえ。ひょっとして、取り外したカードはホントに電気使ってなかったんじゃない?」
まゆ子「どうなんだろう。とりあえず色々試してみる。まったく使やしないモデムのカードも取っ払ってみるか。それともいっそHDDを外付けにし直すか。電源別ならまた静かなもんだろう。」
釈「コンピュータってホントに手間掛りますねえ。」
まゆ子「内部に独立した部品が多過ぎるよ。

 てなわけで、まあ最近はちっとも絵を描かないしCGもやらないんだ。」
じゅえる「物部村少女自警団てのの第二話を描くはずだったのに。

 そりゃそうと、まあ本題に戻る。最終章です。」

まゆ子「あーこれはいいや。赤甲梢が出撃して、紋章旗団が突っ込んで来る、今回の主役は紋章旗団だ。奮い立つ武者達の様子を描くにはこっちの方が便利。本隊の大活躍は次に嫌と言うほど描くからね。スケジュールから言うと、今回が突入編→進撃編→渡海編→首都攻略編、です。但し、EP5冒頭第一章は、弥生ちゃんのゲリラ的美少女野球団、です。」

釈「まじですか?」
まゆ子「恐ろしいぐらいにマジです。ついでに大狗の暗殺部隊てのがありますよん。」
じゅえる「ふむ、ここで持って来るか。」

まゆ子「たぶんここしか入れるところが無い。それにEP5は構成上弥生ちゃんは案外出て来るんだ。3章くらい出る。ということは、EP4のようなちょこちょこ挿入されるという形は取らない。出すべき所でエピソードはちゃんといれますよ。この際だ、唐突なくらいがちょうどいい。」
じゅえる「唐突か、考えてみれば唐突くらいが良かったかもねえ。」
釈「でも丁寧に描いたからこそというのがあると思いますよ。」

まゆ子「ま、書いてしまったモノをぐだぐだ言っても仕方がない。唐突というよりも削除で対応して居ただろうから、それはそれでイヤだよ。」
じゅえる「さしずめ人喰い教団とアルエルシィは削除で真っ先に、という感じだね。」
釈「それは困ります。やっぱり必要なものは必要なんです。」

まゆ子「そうでないと、EP6のハジパイ王の粛正なんて唐突を通り越して狂人の弾圧になるからね。つまりはこの、最後に弥生ちゃんが現れてぱぱーっと解決する、という唐突さを不自然なく描写する為に、これらの無駄とも思える丁寧な描写が必要だったのだ。」
じゅえる「急がば回れ、だね。」
釈「回り過ぎですよ。」

まゆ子「で、紋章旗団の話はここでは取決めない。ここはもう、一気呵成に突入する。書く方もそれでいく。」

じゅえる「ふむ、勝算があるんだ。」
まゆ子「逆説的ながら、この章は会話文の塊になるはずなんだ。だからここで無理して取決めても投入出来ない。」

釈「でもなにか、ちょっとくらいお手伝い出来そうじゃありませんか。」
まゆ子「まあ、やらせてみてよ。」

 

06/11/21

まゆ子「てなわけで、げばおとEP4「第十二章 鉄人劫アランサ」が出来た。今修正中。」
じゅえる「21日が締め切りだから、まあいい感じで出来ました。」

まゆ子「すごい不安だった、今回。」
釈「辛かったんですか?」
まゆ子「今回落ちが決まってなかったから、どこに突っ走って行くか分からなかったんだ。その不安感と来たら、100枚書いてもまだ足りないんじゃないかと思う程だよ。」

じゅえる「で、落ちは結局どうなったの。」
まゆ子「”畳”が見つかった!」
釈「見つかったんですよねえ、よかったよかった。」

じゅえる「うんうん。やっぱシリーズものは強いよ。どっかにちゃんと抜け穴が掘ってある。」

まゆ子「にしてもさあ、げばると辞書の不足が辛いよ。穴だらけで役に立たない。最終章が終ったら、徹底的な修正を掛けるよ。まーほんと、書いてないのが多過ぎる。」
釈「ほんとならこんなもの要らないというのが正しいと思うんですけどねえ。でも長編だから仕方がないですか。」
まゆ子「時代劇ならば、ここんとこは資料の山として存在するんだけど、ファンタジーはねえ。」

じゅえる「で、最終章に突入しますか。」
まゆ子「そりゃまあ、十二章が完成してからにして。それよりも、裏設定が弱いかなと思えて来た。つまりジョグジョ薔薇と銀椿だ。この展開が現在まるっきり存在しない。だから引っ張って来る手掛かりが無い。」
じゅえる「ふむ、そりゃ大変だ。」
釈「早急に手を打たねばなりませんね。でも、それには番外編を書くほどの手間が掛りますよ。」
まゆ子「どうせならイラストも描いて欲しい所だが、内では男の絵は描かないし描けないからねえ。」

明美「こんにちはー。」

じゅえる「おや、なんだ。いきなり。」
明美「いや、弥生ちゃんからたまには働けと言われたから。」

まゆ子「あー、げばおと初期設定はお前さんの意見から始まったんだったね。えー、ジョグジョ薔薇てのが居るんだけど。」
明美「らいんはるとさまですかあ?」

じゅえる「うーーーーーーむ、それはなんというか、背は高いんだよ。」
明美「じゃあ、もっと別のかっこいい人でないといけないんだ。でも背の高い人ってのは、美形と呼ぶにはむずかしいのよねー。」
まゆ子「いきなり美形になってるな。まあびけいなんだけど。」

明美「やはり、ちょっと可愛いという感じがするべきじゃない? だって、女の子の憧れの的というのは、強くて立派というのとはちょっと違う。アイドルでしょ、この人。」
まゆ子「そうか、あいどるだったなあ。」
釈「そうですね、政治的側面にのみ注目して、そういうところは欠落してましたか。」

まゆ子「銀椿は俳優の渋目の人、そうね、ちょっと歳はいってるけど渡部篤郎て感じかなあ。」
釈「おお、つまりなんか系統が違うんですね。」
じゅえる「アイドルと俳優か、なるほど勉強になるな。」

明美「意外とアイドルの方がお金が無くて、俳優の方が金持ちのご子息、というのがいいかもしれない。アイドルはすかんぴんがいいわよ。」

まゆ子「ちょっとまて、ジョグジョ薔薇は神聖王の血筋なんだよ。」
じゅえる「いや、それは一理ある。ジョグジョ薔薇は結構無理しているという設定が良いかもしれない。対して銀椿は、民間の大富豪の娘が母で、妻もまたお金持ちのお嬢さま。金銭的に困ることはこの先も考えにくい、というのは悪くない。」
釈「いやーほんと、そこまでは考えつきませんね。」

明美「アイドルだから歌は歌うのよね?」
まゆ子「いやそれは、・・・・じゅえるどうしよう。」

明美「俳優が歌を歌ってはいけない、というわけでもないでしょうけど。・・そうね、銀椿には人々の涙を誘う大純愛の悲劇があるのよ。」
まゆ子「それ! もらった!!」
釈「それですまさに必要なものは! 今の奥さまの前に、悲劇的な別れを告げた恋人があり、歌にも謳われているのです。もう涙がぼろぼろ出て来るようなのです。」
じゅえる「銀椿が注目を集めるのは、それが原因か! なるほど、それは凄くいいはなしだ。」

明美「じゃあ、アイドルの方はスキャンダルですよね。でもそんなに汚れ系じゃないんだ。」
じゅえる「お笑いじゃないからね。」
明美「スポーツから転向、て感じの方がいいのかな? 素でアイドルになった、というのはチャンネルが限られるし。」

まゆ子「まて、それは一理ある。重厚な褐甲角王国でアイドルというのは確かに場違いだ。如何に目立つ格好をしていたとしても、無い。」

じゅえる「方台にそんなスポーツがあったかな?」
まゆ子「いや作る。といっても武術競技ではそんなには、・・いやそれで行こう、歌だ。詩歌の独唱で対決して歴史的勝利を収めたのだ。なにか、国家の名誉が懸かる凄い大舞台に、若き元老員ジョグジョ薔薇が出て奇跡的大勝利、で一気に注目を浴びて武徳王からも称賛される! これだ。」
じゅえる「兎竜?」
まゆ子「うむ、それも悪くない。そうだ、カプタニアとルルントカプタニアに兎竜で凱旋したのだよ。だから一躍トップアイドルだ。兎竜は、ご褒美でもらった、とかだね。」
釈「ウラタンギジトで、歌合わせ、とかですね。知性と教養を試される勝負があったんですよ。それに、・・・ええと、13歳くらいで出場してしまう。」

明美「でも身体を動かす方がいいんじゃないかなあ。やっぱり。」

まゆ子「ちょっとした冒険もそこにあった、というのだね。人喰い教徒か督促派か、ともかくなにかをさくっと解決してしまった、というのが良い。えーと、この時はまだ聖戴はしていない、かな。」
じゅえる「13歳だからね。順当にそこは17歳くらいで、というのにしよう。誰か王族と一緒に付いて行って、神祭王に恥をかかされて、それを庇う為に思わず飛び出しちゃった、という感じだ。」
釈「この頃からでしゃばりだったんですよ。そのくらい必要です。」

明美「でも暗い影もあると、ちょっとミステリアスな要素も欲しかったりする。」

まゆ子「では、父か兄かが、死んだ・・・いや、再亡命して金雷蜒王国に戻ってしまったとかかな?」
じゅえる「いや、なぞの失踪を遂げて無法都市タコリティで死んだ、とかがいい。兄だな。姉もある、凄い美人ででもその事件に翻弄されて命を自ら断ってしまった、とか。」
釈「その復讐の為にも動いている。いい感じです!」

明美「ほらやっぱり、らいんはるとさまになる。」
まゆ子「あ、うん。」

じゅえる「要素が一個足りない! ジョグジョ薔薇と銀椿を繋ぐ、なにか糸が足りない!」

まゆ子「事件?」
釈「因縁ですか。うーん。」

明美「それはあれでしょう、調子に乗っていた所を諭されるという、ライバル登場というシーンですよ。」

まゆ子「そうか、銀椿は黒甲枝だから、ちゃんと兵学校に通って軍務に就いているんだ。そこに調子に乗ったジョグジョ薔薇が現れて、なにか妙な事を大言壮語する。あったま来た銀椿が分も弁えずに抗議に出て、というはなしね。」
じゅえる「いい加減、長くなる因縁だね。でもそれなら分かりが早い。いつまで経ってもゲジゲジ王国を倒せないのは御前達が無能云々を言っちゃうんだよ。」

釈「実に、ありそうな話です。でもこのタイミングならば、トカゲ神救世主を引き合いに出した方がよいと思いますよ。えーと、14、5歳くらいとして今が25だと、10年前。創始歴4996年です。」
じゅえる「まさに、トカゲ神救世主前夜だね。・・・蛇だ。」
まゆ子「蛇か。蛇がカプタニアに出現した最初の事件、というわけだ。ゴシックホラーの香り漂う陰惨凄絶な話だね。」

明美「えーと、まだ要るかな?」
じゅえる「いや、御苦労。ものすごく役に立った。じゃ、またウエンディズで。」
明美「うん。ウエンディズも近々話が進む予定だから、そっちの方で。じゃね。」

釈「・・・明美先輩って、結構使えますね。」
じゅえる「人は適材適所だよ。」

 

06/11/18

じゅえる「感心にも、新しい絵が増えてるよ。物部村の連中だね。」

シャクティ「物部村少女自警団というのですね。暫定第一話てなってますけど、これは?」
まゆ子「続きを描くかわからない。ま、サービスとしてエロイ絵を一枚、色無しで描く気だけどね。」

じゅえる「サービスかあ。で、物部村少女自警団というのは?」
まゆ子「ま適当にでっちあげたシリーズにもなっていないお話です。目先を変えてなんとかしようかな、と。連中の新しいコスチュームも考えました。エロイです!」
釈「ほお、それほどに。」

まゆ子「サルボボをモチーフとしていますから、尻剥き出しです。」
じゅえる「宇宙服でしょ?」
まゆ子「宇宙服で尻が出ていたらいけないとでも?」
釈「そりゃ、いけないでしょう。せめてぴちぴちスーツなんかで。」
まゆ子「ちぇ。」

まゆ子「さて、というわけで第12章「劫アランサ」に入ります。EP4はこの回を実質的な最終回として、最終章はステイチューンになります。」
じゅえる「赤甲梢電撃戦の進発だからね、新章突入だよ。」
釈「やっとですね。」

まゆ子「その前に、下準備の最後を整えておかねばならない。劫アランサの物語だ。今回弥生ちゃんは出ない!」

じゅえる「ほう。するっていと、周りの連中ばかりかな。」
まゆ子「ま、ウラタンギジトという特殊な都市の説明だね。それと、劫アランサの特殊な身分についての軋轢。無論、ハジパイ王も関与している。ジョグジョ薔薇のライバル銀椿がデュータム点からちょっかいを掛けてくる。」
釈「結構込み入った話ですね。」
じゅえる「素で描けばうっとうしいな。」

まゆ子「でも、EP5第一話は弥生ちゃんの楽しいお話です。ゲリラ的美少女野球をウラタンギジトでやります。神官戦士団とクワアット兵とで。」
じゅえる「なるほど、ではこの回は鬱でいいんだ。」
釈「とはいえ、鬱ならよろしいのですが、鬱陶しいのは読む気になりません。どこにネタを仕込みますか?」

まゆ子「そうだねえ、劫アランサは生真面目な人だからねえ、ネコでも出すか。」
じゅえる「ネコか。なるほど、その手もある。」
釈「しかしマンネリにも見えますねえ。もっと別の生き物を投入しますか、猿とか。」

まゆ子「あ、十二神方台系には猿は居ないんだ。うーん、獣がダメなら蟲かなあ。あ、ちなみにウラタンギジトは窯業とガラス工業が盛んです。褐甲角王国向けの高級食器を作ってます。七宝もやっていて、ウラタンギジト製の作品は高値で取り引きされて居ます。」
じゅえる「ブランド品か。しかし今回、劫アランサの身の回りに限定されるんだよね、彼女がなにを考えているか、とか。」
まゆ子「その予定だ。」

釈「ウラタンギジトってどんなところなんです?」
まゆ子「えー、今回初めて出るわけなんだけど、十二神方台系には珍しい完全な城壁を持つ都市だよ。高さ15メートルもある白色の綺麗な塀に囲まれたかなり大きな街で、周囲にも街が有って、中で5000、外で10000人は住んでいる。」

じゅえる「凄い大都市だね。」
まゆ子「そうなんだ。神聖神殿都市に向かう巡礼もここを見物して行く事に決まっている。内部は見れないけれど、外の街も十分賑わっている。」
釈「異国情緒たっぷり、てことですか。」
まゆ子「というか、神聖金雷蜒王国時代の遺風が残っているのだね。建物自体は新しいけれど。で、神族は50名も居る。神祭王のサイド、東金雷蜒王国の外交官サイド、西金雷蜒王国側のサイド、暇人、と分けられる。暇人は主に産業に関っているね。数は、10、15、10、10、それに神祭王とその家族で5ってとこか。ゲイルもあるけれど飼うのに餌の人間が要るから、30体しか持っていない。」

釈「褐甲角王国の内部にゲイルの巣があるわけですね。警戒は厳重でしょう。」
まゆ子「そりゃもう。ウラタンギジト結界兵団20、聖山結界防衛隊5、神聖街道守護兵団15、エイタンカプト防衛隊10、メグリアル神衛士10にメグリアル王家まである。がちがちです。」
じゅえる「神兵60人以上で囲んでるのか、そりゃ凄い。さらに加えて、南に下りればデュータム点の防衛隊が待っていて、赤甲梢もやってくるという寸法だ。」
釈「息も出来ませんね。」
まゆ子「まあ、そんなわけで、戦争しようなんて馬鹿な考えはここの神族は持っていないんだ。

 で、さて劫アランサはどうしよう。」

じゅえる「まあ、敵地に乗り込んでいるわけだから、・・そうか、まず弥生ちゃんのウラタンギジトでの評価というのを、劫アランサが説明しないと。」
釈「斧ロアランとか、ウェダ・オダさんとか、色々と出る人がいますね。」
まゆ子「意外と、アランサを動かさないでもいいかな?」
じゅえる「いやー、動いた方がいいだろう。」

釈「いっそ、ネコが居ない、というのはどうでしょう。アランサがそわさわしてネコを探すが、いつも弥生ちゃんの近くに居るはずのネコ達が今日に限ってどこにも居ない。そこでアランサはウラタンギジトを探して回る。」
じゅえる「落ちがいるな。」
まゆ子「弥生ちゃんがマタタビを焚いた、という事にしよう。それで皆へろへろしてる。」
釈「ではネコが居ない、という話でいいですか。」

まゆ子「うん、悪くない。出そうで出ないというのがいいな。ウラタンギジト内をうろついて、色んな人に遭うんだ。快く思ってくれる人ばかりではないし、いじわるもされる。」
じゅえる「ふん、しかしおいそれとは神祭王は出て来ないようにしないと。エライ人はうろつかないもんだ。」
まゆ子「そうだね、劫アランサはなんだかんだいって、未だ軽んじられている。そこんところを浮き彫りにして。しかし赤甲梢の電撃戦についてもなにか示唆しておかないといけないよ。」
じゅえる「褐甲角王国の側の方が、軽んじているもんだ、そういう時は。」
釈「そうですねえ。むしろギィール神族に高く持ち上げられているとかの方が、良いですかねえ。」

まゆ子「どちらにも軽んじられているのを、この回でなんとかするというのがいいな。物語的に。」

じゅえる「そうか、そういう話にするか。なにかを解決しなきゃいかんのだ。」
釈「セオリー話ですね。しかし、なにをしますか。政治的な混乱?」
まゆ子「聖山に近いから、宗教的なものかなあ。」
じゅえる「むしろ民衆の騒動とかの方が。トカゲ王国準備委員会もいるだろうし。」

まゆ子「うむ。ここはつまり、用件はアランサの手に負えるものでなければならないし、弥生ちゃんがやってのけてはいかんのだよ。弥生ちゃんも出て来ない。というか、最後まで出て来ない。」
釈「またたびでふらふらになったネコが、きゃぷてんがどうこう言う、くらいですね。」

まゆ子「さあて、なにをやらせるかな。別に都市の内部に原因があるのではなく、外にあってもいいんだけど。」

じゅえる「赤甲梢だろう。やっぱ。」
釈「ですね。」
まゆ子「そりゃ当り前なんだけど、ちょっとね。むしろ紋章旗団をなんとかするか。」
じゅえる「紋章旗団はすでに赤甲梢から外れているんでしょ。なんで?」
まゆ子「外れたから、でしょ。赤甲梢に組み入れてくれと、戦い場所をどうかしてくれと騒いでいる。」
釈「しかし電撃戦も迫っていますから。ちょっとだめですねえ。」

じゅえる「アランサの役を、銀椿が交替しようか、とか言って来るのは?」
まゆ子「それは織り込んで行こう。ただ、今回はそれが原因ではない。その口実と為り得る事件を、アランサが見事解決した、というのが望ましい。」
じゅえる「ふむ。」
釈「形としては、それがいいですかね。」

まゆ子「ただし、アランサは全権大使でもなきゃ交渉権も無いからねえ。単に弥生ちゃんが金雷蜒王国側と交渉する際のオブザーバーだから。」
じゅえる「では、教養を試される、というのがアレだね。」
釈「その資格を問う試練を下されるのですよ。でも誰が?」

まゆ子「どこからでもいいが、沸き上がって来た話、てのがいいな。誰も仕組んではいないけれど、これをアウンサにぶつけてみればどうだろう?と興味をそそられる話。」
釈「ですか。ならば、歴史とか前例とかに関係する外交プロトコルに関する話、ですかね。故事来歴を問うような。」

じゅえる「ふーむ、それはいいが、私達もそんなものは知らないぞ。ね、まゆちゃん。」
まゆ子「作る!」
じゅえる「あー。」
釈「それでいいんですか?」

まゆ子「なるほど、宮廷で起こる事件てのは忠臣蔵を見ても分かるように、そんな話ばっかりだ。故事来歴、いいね。」
じゅえる「では、なにかそういう前例にひっかかるような何事かが起って、金雷蜒側がアランサを試すかのようにそれを突き付けて来た。なるほど、それだ。」
まゆ子「褐甲角王国の側の全権大使は、それは分かるけれど、めざわりなアランサを引っ込める為に敢えて口を出さない。アランサは一人で解決しなければならなくなった。これね。」

釈「それで行きましょう。で、畳の表を換えるべきや否や、とかですか。」
じゅえる「意外と、そういう感じで忠臣蔵を思い出させる方がよろしいかな。分かりやすくて、分かっている人には更によくわかる。脇キャラもよく活躍出来るし。」
釈「そうか、脇キャラにしっかりと支えられているアランサ、という形を見せる所が必要なんですよね。しかし、電撃戦は?」

まゆ子「ふむ。ま、それはどうやってでも入れられるよ。で、畳なんだけどね。」
じゅえる「あ、ちなみに最終章は基本的に紋章旗団が国境線に到着するまで、を書きますよ。更に、EP5冒頭は「毒地で起きた不思議なはなし」です。」

釈「畳、ですかあ・・・。」

06/11/15

まゆ子「あらかた出来た。げばおとEP4「第十一章 たこ焼き王女は今日もごきげん」あらかた書いて今修正中だ。」
じゅえる「ふむ。ま、いいペースだ。」

釈「御苦労様です。しかし、たこ焼き王女は、サブタイトルに使うのは、ちょっと。」

じゅえる「そこはまあ今から考えるさ。ところで、たこ焼き王女は秘密道具をゲットしたんだね。」
まゆ子「弥生ちゃんのハリセンに対抗する為に、”どんな願いでも叶う王冠”を作りました。」

じゅえる「でもさあ、それって魔法じゃない。魔法は良くないよ、SF的基盤が無いじゃない。弥生ちゃんのハリセンとはちょっと次元が違うでしょ。」
釈「因果律制御、というのが必要なんですよね。どんな願いも叶うってのは。どういう理屈ですか、時間溯行をするんですか?」

まゆ子「いや、いんちき。」

じゅえる「いんちき?」
まゆ子「そうなんだ。トリックを使って、どんな願いでも叶うように見せ掛けている。

 一応、この王冠は三種類の魔法が使えるんだ。これは、一晩考えた末での決定で、タコ神さまとタコ女王の意味する所にふさわしい機能を、と必死になって考えたもんだ。

 で、1) 人の死すべき運命を一度だけ救ってくれる。
   2) 生死不明の行方不明者を蘇らしてくれる。但し、二度は帰らない。
   3) 人の生死に関らない、どんな願いでも叶えてくれる。ただし分相応の願いで、他者の幸福には使えない。」

じゅえる「一番難しいのが、2)だね。」

釈「1)はかんたんですよ。バリアを使えばいいんです。カブトムシ神もきゃぷてんのカベチョロも使ってます。」
まゆ子「まね。3)も実は簡単なんだ。関係者の都合を天から操作してしまえば、大抵のものは叶う。精神誘導だね。神様にはちょろいもんだし、それで済まない厄介な願いは、分不相応としてちゃいしちゃえばよい。」
じゅえる「それはまあ、科学的に不可能とは言えないか。で、2)は?」

まゆ子「まず対象者が生きているのならば、方台中どこに居ても神様の目からは逃れられない。精神誘導で帰還させるのに何の問題も無い。」
釈「それは分かります。でも、海で溺れて行方不明、とかはタコリティには多く居るでしょう。その場合はどうするのですか?」

まゆ子「幻。」

じゅえる「・・・・なるほど、凄いいんちきだ。」
釈「関係者本人がそう思えば、願いは実現した事になる。一度は実現しても、二度目には消えて行った、となれば・・・いかさまもここに極まったてとこですか。ひでえ。」

まゆ子「ま、そういう事さ。なんだったら、生きている人間をベースに一時的に顔形を変える、というのも神様にはおちゃのこさいさい。各個人の記憶とかのデータはちゃんと某所にバックアップを取って居るんだよ。遺伝情報もあるからクローンニングで再生というのも不可能じゃない。というか、十二神方台系の弥生ちゃんはクローンニングコピーだし。ただ、それをするほどの重要人物は、現在の十二神方台系には居ないさ。いかさまで上等。」

じゅえる「うーむ、なんとでもなるものなのか。じゃあ、どちらかと言うと、問題なのは3)の方か。」
釈「条件をクリアしていながら、実現には困難が有り、出来るけれどめんどくさい、というのがありますからね。」

まゆ子「まあしかし、3)の願いは、願った本人はその実現を見届ける事が出来ない、という拘束力がある。」
じゅえる「そりゃ酷い条件だなあ。実際は実現なんかしなくてもよい、ってわけだな。」
釈「なんでしたら、実は願った本人の心の奥の真の願いは、実はこうだったんだよ、という説明が付く場合もありますね。これも、いかさまで上等ということですね。」

まゆ子「魔法なんて所詮こんなもんだ。或る意味では、いかさまだからこそ人間にとって意味がある、てもんだ。マジモノの奇蹟だと世界がぶっ壊れてしまうよ。」
じゅえる「違いない。人間に与えるにはこの程度のもので上等だ。」
釈「奇蹟なんて勿体ない。」

まゆ子「てなわけで、この王冠に本当に必要な機能と言えば、ぴかぴか光る、てくらいなもんだよ。正直言ってこの機能は凄い。」
じゅえる「光るてことは照明に使えるってこと?」

まゆ子「昔話でよく有る、なんとか長者が村人を狩り出して大仕事している内に日が落ちて出来なくなったのを、太陽を扇で呼び戻してやっちゃった、というのがマジで出来る!」
釈「おお、なるほど。悪くない超能力です。なるほど、それは至極便利だ。」

じゅえる「ふうむ。でもそれは、王冠自体が光るんじゃないね。」
まゆ子「ま、周辺の空気が光る、と思って下さい。光自体はそれほど強いものではない。規模が大きいだけだ。」

じゅえる「その程度でも、たしかに魔法として十分以上の機能があるか。承認しますか。」

釈「そうですねえ。この魔法がいかさまだ、というのは早い時期に明らかにしましょう。で、これは、やはり弓レアル対策の伏線ですか?」
まゆ子「そうだね、当初王冠の能力については色々考えていて、弓レアルとは縁が無かったんだけど、願いの頭冠となれば、当然タコリティに来なければならないか。」

釈「セオリーですよ。」

 

06/11/10

まゆ子「スケジュールより三日遅れてしまったぜい。げばおとEP4「第十章 傍若無人の王女にも、ひとのこころはある」が出来ました。」

じゅえる「週1で11月中にはすべて終らせるつもりだったからね、ちとキツいな。」
まゆ子「あー、ちょいと心配事があるとすぐ執筆速度に影響する。困ったもんだ。」

釈「まあ、今回今まで出られなかった人が出たから、少しめんどくさかったのも事実ですけどね。」
まゆ子「それなんだ。約20章分も出ていないキャラというのを書くのは、これはかなりの大問題なんだ。その間にも彼らの間にはちゃんと進展があるのだから、どうしよーという事になるさ。」
じゅえる「本来ならば、彩ルダムなんかもっと沢山出るはずだったのにね。」
まゆ子「うん、なんか膨らませ過ぎたかなあ。まいいさ。必要な分を必要なだけ書いていたらこうなった、というだけの話だ。次行こう。わたしとしてはー、このまま最終章を書きたい所なんだけどね、赤甲梢を。」
じゅえる「それも悪くない。」
釈「しかし、それじゃあ赤甲梢ばっかりでEP5までつっ走ってしまいますよ。」

まゆ子「ひぃきたいたんねえ、あれも書かにゃいかんねえ。しゃあない。書く。ほんとはまた別の事で時間潰されそうだけど、しゃあない。」
じゅえる「うん。で、ヒィキタイタンは今回追い詰められて、東ゲジゲジ海軍を引き入れる、という事になるんだ。どうやるね。」

まゆ子「話は簡単、マキアリィの人食い教徒弾圧でタコリティには大騒動が持ち上がる。タコリティの半分がところがこの件でマズイ事になっているから、褐甲角王国と結ぶという手が使えないのだ。生き残りを掛けて、彼らは東ゲジゲジ王国と手を結ぶ。ヒィキタイタンは、当初反対するつもりだったが、考え方を変えて彼らをかなり積極的に支援する事とした。海軍を呼び込む為に、一戦するという条件を巧みに持ち出したのだな。その前提条件として、東ゲジゲジ王国からはイローエントの難民に暴動を起こさせて、イローエント海軍が使えないようにしろと言われる。これはさすがに悩む。」
釈「つらいところですねえ。」

じゅえる「あ、そうだ。赤甲梢装甲神兵隊、ってさあ、神兵って全部甲冑着けてるんじゃないの?」
まゆ子「ああ、あれは本当は神兵装甲歩兵隊なんだ。装甲歩兵というのがあって、それと同じ運用を神兵がやってる。つまりクワアット兵と同じ運用をしている神兵だって話。」
じゅえる「なんだ、つまんない話だな。」

釈「タコリティにも軍を出しますか?」
まゆ子「いや、それはやらない。難民の情勢を中心に描きたいのだが、それでもヒィキタイタンを中心に

 ・・・・、タコ女王6代の視点で書いてみるか?」

じゅえる「ふむ、視点としては面白い。」
釈「それは結構面白いです。このままEP3の最後みたいになったらいやだなあと思ってました。」
まゆ子「俄然興味が沸いて来たな。ではタコ巫女王6代たこ焼き王女の即位式を中心に、たこ焼き王女の視点に近い形でやってみる。」

釈「結構でございます。」

じゅえる「ところで「たこ焼き王女」てのはなんだ?」
まゆ子「ッタ・コップはそのものずばり「タコ」、テュラクラフ・ッタ・アクシは「明石のタコ」。となれば、テュクラッポ・ッタ・コアキは「たこ焼き王女」なのさ。」
釈「もじってるのですね。」
じゅえる「安直だなあ。」

まゆ子「えーと、つまり、たこ焼き王女が不可視になって遊びまくる視点で描いて行くのだから、どうするかな。」
釈「透明人間の説明も書きますか。人の裏が見えてしまうのですね、この人は。」
まゆ子「タコ女王は皆、そうなんだよ。えーと、まず円湾の内部の様子、海賊衆ね。それと難民出身の坑夫達、兵士達、街の人、神官巫女、ヒィキタイタン、西ゲジゲジ王国の神族の一行、とまあ色々と見えるさ。」

じゅえる「全部見せよう。敢えて、細かい描写をせずに断片的に、会話も断片的に、相対として話の筋が分かるというものに。」
釈「そういう演出ですね。」
まゆ子「そりゃ私に死ねというのと一緒だが、ま、このタイミングでその演出は悪くない、というかグッドだ。やる。」

じゅえる「うむ、潔くていい。ついでに、蕃兵とかテュークとかの闇の住人も出してみよう。」
まゆ子「うーむ、こりゃ忙しいな。ついでにモノとか街の印象の断片、いや、死体も転がる様なども描くとするか。たまには血生臭い話もよろしかろうよ。」

釈「いたずらとか、つまみ食いも。」
まゆ子「OK、ともかく円湾の内部のありとあらゆる所に出没するのだよ。」

 

06/11/02

まゆ子「げばおとEP4「第九章 怪談ヌポルノ原」は、本編だけで30枚、オマケ付きで45枚になります。」
じゅえる「オマケが半分もあるのか。」
釈「きゃぷてんが直で出て来ない分、説明で大活躍ですよ。」
じゅえる「こんなもんでいいのかな、というか、誰も損してないからいいか。次行こう。」

まゆ子「第10章、赤甲梢です。やっと、やっとここまで辿りつきました。長かった!」

じゅえる「あー、EP2で分かれて、何日掛かってるんだよ。」
釈「EP2で「さよならミィガン」の回が、060212です。八ヶ月てとこですね。」

まゆ子「いよいよ本編ですよ。ですが、その前に最後の詰めという回ですか。実は焔アウンサて人は好きなんだよ。桐子だし。」
じゅえる「暴れると楽しい人だからね。して今回はどうしますか。」
まゆ子「それはつまり、13章最終でなにをするか、という話になります。一応は出撃までを描くのですが、してみると今回出撃出来ません。」
釈「陣立ての内容を描くしかない、ということですか。厄介ですね。」
まゆ子「やっかいです。つまりは何も起こらない回です。」

じゅえる「なにか起こすべきかな。というか、起こさねば読まないだろう。」
まゆ子「違いない。というわけで、何をしますかね。一応はハジパイ王と遠隔地同士の暗闘を描かねばならない。」

釈「スパイ戦ですか。スパイを捕まえますか。」
まゆ子「というか、赤甲梢のスパイの話を書かねばならない。その作業が終って撤収するのだよ。」
じゅえる「えーと、敵の目を東本国に向けさせない為に、ギジジット攻略をぶち上げるんだよね。そして、スパイに敵側にも漏らさせる。当然これは味方にもバレルね。」
まゆ子「バレますね。」
釈「詰問の使者が来るはずです。どうしましょう。」

じゅえる「秘密兵器でぶち壊す、という作戦を考えなくちゃならないね。敵防御陣を真っ正面から打ち破る手があるとよろしい。」
まゆ子「戦車でもつくるかねえ。」
釈「戦車、ですか。牙獣でも使いますか。」
まゆ子「牙獣は赤甲梢で飼育実験をしたから、使っても悪くは無いんだよ。力は間違いなく有るし、ゲイルと正面からやりあっても勝てる唯一の生物だ。極少数しか飼ってないけどね。」
じゅえる「何頭?」
まゆ子「10数。もちろん少な過ぎるから使えるとは誰も思っていない。これ以上飼うのは不可能とされている。そうね、使わねばなるまいね。」
釈「無駄だと思われるのはいけませんね。予算の無駄づかいですよ。」

まゆ子「・・・うーん、そうだね。戦車でいこう。ただしそのまま戦うのではなく、恐ろしいほどの物資を一度に運んで、敵の目の前に砦を一気に作り上げるという作戦だ。あらかじめ出来上がった装甲車を並べて盾にする。」
じゅえる「凄い無駄づかいだ。ほんとうにそれは予算が通ったのかい?」
まゆ子「構想だけは、という事にするか。はりぼては作ろう。どっちみち、ハジパイ王もギジジット攻略戦で勝つ事は期待していない。一度神聖首都に矢を射掛ければそれで済むと思っている。」

じゅえる「目眩しはそれでいい、というか、結構それでいけそうじゃない。」
まゆ子「目眩しにはね。これを大っぴらに宣伝しておいて、実は兎竜で乗りつけるという作戦をハジパイ王には伝えているという事にしよう。だが、そういう話だから肝心の装甲車は全然準備が進んでおらず、責められるわけね。」
釈「それに対しては、どう抗弁しましょうか。」
まゆ子「そりゃ責め返すだろ。あれほど言ったのに、牙獣の数が足りないのだから十分な衝撃度が足りないと文句を言う。これも皆、赤甲梢に十分な金を出さなかったからだと先政主義を槍玉に上げるのだね。」

じゅえる「牙獣てのは、兎竜の前に飼育実験が行われてたのだよね。この実験は失敗だったんだ。」
まゆ子「飼育と使役自体は成功ですが、兵器として使うメソッドが開発されていませんでした。実は牙獣は速度もあるんだよ。短距離だが時速50キロというゲイルと同じ速度が出る。ただ、毒地の毒霧の中ではやはり死んでしまうから使いようが無いのだね。そこで大量の物資を運ぶ動力としての研究が続けられて居た。焔アウンサが今回提出した装甲車構想はかなりの驚きをもって迎えられて、ハジパイ王もゴーサインを出したのだよ。口から出まかせで言ったんだけど、なぜか大ヒットしてしまった。」
じゅえる「そりゃ桐子だよ・・。まあ、装甲車を並べて砦にするという手段は悪くはないと思うよ。」
まゆ子「悪くないどころか、凄く可能性を感じさせるね。ただ、牙獣自体は戦闘に用いないというのだから、アウンサは感心しない。兎竜派だから。」

釈「まあ、そういうものでしょう。で、陰謀は。」
じゅえる「赤甲梢の工作部隊が毒地に潜ってデマをばら撒いているんだけど、当然金雷蜒側もやってるね。」
まゆ子「うん。ただ、・・・情報収集が主かなあ。デマをばら撒く理由が無い。」
じゅえる「無いなら作ろう。なにか褐甲角王国が懸念するものはないかね。」
釈「キャプテンが反乱を起こす、とかですか?」
まゆ子「それはー、あまり効果無いなあ。」
じゅえる「誰が謀略を行っているか、で何をするかも決まって来る。具体的にはゲジゲジ側の誰なんだ?」
まゆ子「ゥイ・ゴーマン・ゲイルじゃないかなあ。寇掠軍支援サービス組織の。となると三荊閣なんだけど。」

釈「主体が思いつきませんねえ。第三勢力にしますか。」
じゅえる「そりゃ面白くない。ぶっ殺して来た事にしよう。敵情報戦の指令となっていた剣令を、赤甲梢のスパイ組織がやっとぶっ殺すのに成功した、という話。」
釈「おお。それは凄い。」
まゆ子「単純に剣令か。大剣令だね。つまりは職業軍人がいちはやく気付いて情報戦で対抗して居たんだ。ふむ。それはかなりいい。」

じゅえる「そこで、ハジパイ王の尻尾も掴まえた、とかかな。白根っこの会とか。」
まゆ子「ふむ。だが対抗していただけというのは、なんだな。うーん、褐甲角側に根付いて居たスパイ網をぶっ壊した事にするか。いや、それもおもしろくないな。」
釈「舞台がまんま戦場ですからねえ。暗闘ではないんですよ。」

じゅえる「つまりはどんぱちをいっこぶち上げたいんだよ。ストレスが溜まってるんだね。」
釈「でも戦闘シーンはちょっと。もう少し、そう演習とかで収められませんかね。」
まゆ子「演習は構わないけれど、必然性が薄いな。赤甲梢の日常とか歴史とかを書くのもなんだし・・・。書くか。」
じゅえる「れきし? そういえば、ここでは説明したけれど、本編で赤甲梢を系統立って説明した覚えが無いね。」
まゆ子「赤甲梢は一回ギジェカプタギ点に攻撃してほぼ全滅の憂き目に遭っている。当時の総裁もその責めを負って自害した程だ。そいうこれまでの歩みというのも描いておこうか。」

釈「しかし、スパイ組織が。」
じゅえる「スパイ組織のこれまで数百年にわたる暗闘の歴史、というのがあっても良いのではないかな。」
まゆ子「はー、そういう手も無きにしも非ずだな。歴史的に見て焔アウンサが何者か、劫アランサはなにを期待されているか、メグリアル王家とは何者か、を描いておくか。」
釈「メグリアル王家ですか。武徳王もさる事ながらメグリアル王家もほとんど分かりませんね。神聖王もですが。」

まゆ子「ふむふむ、なんとなくシステムが分かって来た。歴史的な経緯と共にその結実した現実というものを進行させていく。そう来るか。」
じゅえる「しかし面白くなくてはいけないよ。」
まゆ子「それは最優先。・・ならば、焔アウンサの武勇伝とかも書くか。ついでだから輔衛視彩ルダムを再登場させないと。」
釈「すっかり忘れて居ますね、そのひと。」
じゅえる「であれば、赤甲梢の主要メンバーのプロフィールとかも。」

まゆ子「毒地での暗闘、ハジパイ王の使者との攻防、赤甲梢の歴史、メグリアル王家と焔アウンサ・彩ルダム、メンバーのご紹介。他にはなんだ?」
釈「クワアット兵ではありませんか。隊長さんが残していくクワアット兵と会話して、今後どうなるかを教えておく。その触れ合いがあってしかるべきだと。」
じゅえる「静か過ぎる。」
釈「もっともです。」

まゆ子「なんか、すっきりしないな。それら全部描くとして、なんかもう一個別口のイメージを統一する”オブジェ”が欲しい。」
じゅえる「ふむ、そういう補助線があると便利がいいな。」
釈「羽なんかどうでしょう。翼甲冑を用いてる事だし、これから旅立とうとする暗示にもなりますし、キャプテンはトカゲ神で鳥も管轄ですから。」
まゆ子「羽、ね。綺麗だね。」
じゅえる「きれいだが、月並みなような感じがしないでもない。スパイ戦のギミックとして使っとこうか。裏切りの合言葉みたいなかんじで。」
まゆ子「鳥の羽と薄翅、その対比を考えてもいいか。これ以上考えても仕方ないね、後は書いている途中で考えよう。」

釈「では、第10章、北の大地より、を始めましょう。」
じゅえる「北の国からみたいだな。」

 

06/10/29

まゆ子「てなわけで、げばおとEP4「第九章 怪談ヌポルノ原」が出来ましたよ。」

じゅえる「ほう、ちゃんと公約どおりに10月中に上がったね。」
釈「しかし怪談とは。」
まゆ子「だって怪談だもん。ただ徹夜で書いたからまだへんなとこがある。こういうのね、実は大好きなんだ。」

釈「怪談はみんな大好きですよ。」

まゆ子「ちゃう。こういう、75調とかを交えて書く講談調のが大好きです。」
じゅえる「やな癖だねえ。」
まゆ子「暇があったらこれを極めてみたい所だね。というか、やりたい。」
釈「はあ、まあ面白ければなんでもいいんです。」

まゆ子「そういう事だ。ちなみに劇中で杣女と呼ばれる女が歌った歌は、本来弥生ちゃんが授けた「ラバウル小唄」の節で唄うんだけど、でそれに合わせて歌詞を考えたのだ。誰かの本で、作詞をする時は好きな歌の替え歌を作るつもりでやると簡単、と書いてあったから、まさにそのとおりにやりました。が、途中で曲調が変わって、「憧れのハワイ航路」に合せてしまいました。」
釈「そりゃ事前の準備不足ですよお。」

じゅえる「うーん、で、歌詞の出来はどうなんだい。」
まゆ子「固い。」
じゅえる「そりゃ神様の御使い救世主様を称える歌だから、固いのは当たり前だ。まいいか、出来た事の方が奇蹟だからね。」

まゆ子「今回かなり特殊ですから、日を改めてデバグをします。ちょいと今よりも変わる可能性がありますが、構わず次に行きましょう。」

釈「第10章ですが、ここら辺はまとめておきますか。

10、焔アウンサの最後の作戦とヒィキタイタンの決断
11、難民の大反乱、軌バイジャン絶体絶命
12、ウラタンギジトにて、劫アランサが赤甲梢を想う。
13、赤甲梢国境突破、電撃戦開始。

まゆ子「うーん、この11章をコンバートして、10章焔アウンサとハジパイ王の策謀合戦とジョグジョ薔薇の参入、11章ヒィキタイタンの決断、という事にしたい。」

じゅえる「軌バイジャンは?」
釈「いえ、そうですね、EP4が怒濤の展開に移っていくというのであれば、軌バイジャン絶体絶命はこの際後ろに持っていった方がいいかもしれません。」

じゅえる「怒濤の展開ね。ヒィキタイタンも邪魔なような気がするけれど、これを排除は出来ないのかな。」
まゆ子「東金雷蜒海軍を南に惹き付ける役があるから。それに、タコ女王の動向は一応描いておきたい。」
じゅえる「テュラクラフか、いまどこ?」
まゆ子「えー、グテから上陸してトロシャンテに寄って、アユ・サユル湖を渡ってカプタニア山脈に入るその直前、てとこか。」
じゅえる「ヒィキタイタンを描くのなら、テュラクラフは諦めないと。」

釈「そうですねえ、半端になってしまいますか。一応、EP5も上げておきましょう。

1、弥生ちゃん、ウラタンギジトでおもろいはなし
2、ハジパイ王の話、ヒィキタイタン標的に。
3、赤甲梢の電撃戦、港に到着。
4、赤甲梢、王都ギジシップ島に突入。激戦の末に遂に神聖王宮に突入
5、ヌケミンドル死守戦。武徳王の闘い
6、激闘。そして悲劇への序章
7、カロアル羅ウシィ、難民と金雷蜒軍とのゲリラ戦の渦中で戦死
8、イルドラ姫、ベイスラ穿攻隊との激戦。神人に遭遇。
9、弥生ちゃんの所に赤甲梢成功の報せが届く。ダゲレオたいぷ
10、赤甲梢、神聖王宮での和平の情景。
11、イルドラ姫撤退。神聖王の褐甲角王国入り
12、武徳王の帰還。カプタニア山中で謎の大火災。記憶喪失の軌バイジャン
13、弓レアル訃報を聞く。弥生ちゃん消滅!

じゅえる「見たまんま、2章がEP4に行くんだ。・・・この流れで行くと、2・3・4は全部赤甲梢でいいんじゃないかな。」
まゆ子「うーむ、6章を軌バイジャン行方不明に、5がヌケミンドルで6・7・8章をベイスラに、と割くか。あーいや、それじゃあ穿攻隊が無い。6章は穿攻隊の地獄の戦闘で、となると、」
じゅえる「EP4第11章ヒィキタイタン、ではなくて、イローエント難民大暴動だ。その中でヒィキタイタンの決断ね。」

まゆ子「うん。EP5第6章が軌バイジャン、英ジョンレ、羅ウシィ三者三様の苦難を描くか。」
釈「この章、90枚にしましょう。」
じゅえる「・・・・それは最後の手段だ。」

まゆ子「いや、それで行こう。これまで頑に避けて来たけれど、羅ウシィと軌バイジャンの親子が共に難民移送作業に従事するんだ。難民暴動の中に進行するのに、あえて軌バイジャンの小隊も志願する。親父さんについていく。」
じゅえる「げばおとでは避けて来たしめっぽい話だね。定番だけど。」
釈「いや、勇気のおはなしですけれど、・・・避ける手立てはありませんか?計画では独立に遭難するはずでは。」

まゆ子「その余裕が無い。たとえ赤甲梢を2章に留めたとしても、ベイスラはこれ以上増やせない。いや、そうだね。

EP4
10、焔アウンサの最後の作戦とハジパイ王との暗闘
11、イローエント難民の大反乱、ヒィキタイタンの決断
12、ウラタンギジトにて、劫アランサが赤甲梢を想う。
13、紋章旗団回収、赤甲梢国境突破、電撃戦開始。

EP5
1、弥生ちゃん、ウラタンギジトでおもろいはなし、狗の刺客
2、赤甲梢の電撃戦、敵地侵入撃破
3、赤甲梢の電撃戦、港に到着。舟を奪取、ギジシップ島へ。
4、赤甲梢、王都ギジシップ島に突入。激戦の末に遂に神聖王宮に突入
5、ヌケミンドル死守戦。武徳王の闘い
6、ハジパイ王の工作、ジョグジョ薔薇デビュー、ヒィキタイタンの状況、赤甲梢電撃戦第一報
7、ベイスラの激闘。そして悲劇への序章
8、カロアル羅ウシィ、難民と金雷蜒軍とのゲリラ戦の渦中で戦死。軌バイジャン行方不明
9、イルドラ姫、ベイスラ穿攻隊との激戦。神人に遭遇。
10、弥生ちゃんの所に赤甲梢成功の報せが届く。ダゲレオたいぷ
11、赤甲梢、神聖王宮での和平の情景。
12、イルドラ姫撤退。神聖王の褐甲角王国入り
13、カプタニア山中で謎の大火災。記憶喪失の軌バイジャン。弓レアル訃報を聞く。弥生ちゃん消滅!

でどうだ!」

じゅえる「ヒィキタイタンは出ないんだ。」
まゆ子「えーとEP6では弥生ちゃん消滅後、にわかにイローエントとタコリティがクローズアップされますから、大審判戦争の時ここでなにがあったかは、みっちり書きます。」
釈「時間軸を遡るのですね。」
まゆ子「そういうこと。人喰い教団とタコリティの癒着から、東金雷蜒海軍を動かした手口までばっちり書きます。これだけでEP一本終るくらいに。」

じゅえる「でも弥生ちゃんの単独行は?」

まゆ子「あー、EP6の手つけを打っておくか。ちなみにEP7でいやでも弥生ちゃんにはすべて解決トカゲ王国樹立してもらいます。」

じゅえる「ということは、EP8トカゲ王国樹立と領国分割交渉、決裂。西金雷蜒王国征服戦争勃発。EP9西金雷蜒王国戦争終結、ジョグジョ薔薇の乱へ。EP10ジョグジョ薔薇の乱終結。弥生ちゃん西の海に去る。という話になりますか。」

釈「・・・全10巻・・・。」
まゆ子「あーーーーーーー、そりゃ困るね。3年掛かるよ。」
じゅえる「だが、それ以上伸ばさない!と約束だ。」
まゆ子「10巻ねえ。そりゃあたいへんだあ、えへへへ。」
釈「いきなり挫けてますよ。」

まゆ子「えへえへ。で、とりあえずEP6の手付けね。

1、東神聖王、ギジェカプタギ点へ行幸。両軍再緊張状態。
2、武徳王、ハジパイ王、弥生ちゃんの指示で神聖王が走った事を知る。
3、三神救世主邂逅。即神人の到来、弥生ちゃん行方不明。
4、弥生ちゃん、いきなり北へ。森林地帯をさ迷う。
5、デュータム点で大混乱。両軍凍結状態に。褐甲角王国大動乱。
6、弓レアル、茫然自失。
7、ハジパイ王、粛正起動。標的はヒィキタイタン
8、イローエントとタコリティの話。
9、人喰い教団壊滅。
10、赤甲梢成功後のヒィキタイタン。再度のマキアリィとの対決。
11、いきなり中央政界に巻き込まれる劫アランサ。
12、焔アウンサの弾劾。
13、イローエントに軍勢結集。臨戦態勢。

じゅえる「ついでだ、EP7もやっちゃえ。」
まゆ子「うむ。

1、神聖神殿都市の謀略。
2、弥生ちゃん、遂に十二神の中枢に到達。
3、弥生ちゃん、神との対話
4、ハジパイ王の粛正。焔アウンサ殺人事件。
5、赤甲梢凍結命令。斧ロアラン走る。
6、劫アランサの弾劾。トカゲ神救世主の断罪。
7、タコリティ陥落。ヒィキタイタン、カプタニアに。
8、神聖王、事態の推移を見守る。弥生ちゃん帰還の予兆。
9、弥生ちゃん、遂に十二神方台系に帰還、ネズミ族の村。巨大カブトムシ神のお迎え。
10、大裁判。武徳王暗殺未遂・重体。ヒィキタイタンの帰還。
11、ヒィキタイタンの断罪。劫アランサの断罪。赤甲梢解散。
12、白の母。ネコとの対話。弥生ちゃんの帰還!
13、弥生ちゃんの大審判。トカゲ王国樹立。

釈「では、EP8は
1、弓レアル、再起動。新トカゲ王国の発祥
というところからで、どうです。」

じゅえる「うん、それは新しい希望の匂いがする。そこはそれでいい。」

まゆ子「イルドラ姫が居ないね。どうするかな。」
じゅえる「西金雷蜒王国征服戦争で出ればいいんじゃないの。」
釈「そうですね。むしろ斧ロアランをなんとか目立たせないと。ついでに、斧ロアランが弓レアルに気遣うというのが必要で、欲しいです。」
まゆ子「イルドラ姫は今回邪魔者か。ま、神人のところで目立つからいいか。」

じゅえる「じゃあ、EP7まではこんな感じでいきますよ。それにしても、まあ、大作だよね。これでもまだ全然枚数足りない。」
じゅえる「なんと申しますか、丁寧にやると限りがありません。」

 

06/10/25

まゆ子「てなわけで、げばおとEP4「第七章 弓レアル楽勝宣言!」が出来ました。」

じゅえる「いやに早いね。」
釈「早い分にはなにもいう事はありませんが、早いですね。」
まゆ子「ま、こんなもんよ。今回37枚、まいいでしょ。」

じゅえる「なんというか、今回の章は初期のげばおとの匂いがするね。悪くない。」
釈「軽くて、無責任で、ふんわりしていて、それでいてちょっと暖かい。いい感じですね。」

まゆ子「うん、久しく忘れていた感触だね。でもまあ今回はそれを求められていたから、という特殊事情があるからさ。」

じゅえる「ハギット女史がいい感じ。」
まゆ子「あのひとはー、げばおとにおける”わたし”だから。」
釈「ああ。なるほど、そういう役所なんですね。まゆ子さんの性格を仮託しているんだ。」

じゅえる「ふむ。で、ハギットさんはこの後幸せになるの?」
まゆ子「うーーーんん、成り行きだなあ。とりあえず、最後の最後、弥生ちゃんが西の海に去っていく直前、運命の巡り合わせで再開した軌バイジャンと弓レアルが治癒を求めてやってきて、奇跡的に記憶を取り戻してハッピーエンド、というのが決まっている。弓レアルが幸せになるのだから、ハギット女史もやはりそれに準ずるんじゃないかな。」

じゅえる「あくまで脇役か。ま、それもいいか。で、次の第九章は?」
まゆ子「今月中に上げます!」

釈「えーと、計画では次はー、「9、浸透戦術の開始。謎の薬売りの暗躍」となっています。いよいよ青服の男の活躍ですね。」
じゅえる「今回の主人公は、青服の男?」
まゆ子「いえ、鴨蔵さんです。」

じゅえる「は?」
釈「だれです、それ。」

まゆ子「お百姓さんのカモゾーさんです。今回一般庶民の生活に寇掠軍が直撃する、という恐怖の体験ですから、まったくもってべたべたの庶民が必要です。そこで登場するのが、カモゾーさんです。」
じゅえる「なるほど。偉い人ばっかりを書くのもアレだな、ということだね。」

釈「カモゾーさんは死んじゃうんですか?」
まゆ子「死んでもらっては困る。彼には、軌バイジャンが寇掠軍に襲われて行方不明、というか死んだ!という所を目撃する役になってもらう。ついでに、EP7あたりで弓レアルがバイジャンを探しに行った時に、カモゾーさんに助けてもらう事になる。今後の重要キャラだ。」
釈「おお! それはすごい役です。」

じゅえる「なるほど、それは凄い重要なキャラだ。では今回気合いを入れて描かなくちゃ。で、カモゾーさんは今回、どの程度びっくりするのかな。」

まゆ子「うーん、神族に遭遇すべきでしょうかねえ? 寇掠軍本番の一歩手前、という感じだけれど。」
釈「では、目の前を通過していく、というのはどうでしょう。草の陰から隠れて、行列が行くのを見守る。」
まゆ子「ギィール神族は、7キロ周辺の全てを見通すんだよ。」
じゅえる「ダメだね。じゃあ、あっさり捕まるか。捕まって、引きずり出されてゲイルの餌にされそうになるけれど、何を考えたのか上に乗っていた神族のお殿様から例の弥生ちゃん金貨を貰って解放される。まるで狐につままれたようなおはなし。」

釈「あは、それは面白いですね。」
まゆ子「日本昔話風かあ。それも悪くないなあ。でも、気まぐれというのはちょっとイヤだな。」

釈「じゃあ、神族同士で賭けをしていたというのはどうでしょう。カモゾーさんがどうするか、で賭けをしていて、勝った方の神族が褒美をくれた、と。」
じゅえる「ふむ。それはわかりやすい動機だ。」

まゆ子「・・・・百鬼夜行だ。彼は突然異世界に迷いこんだように、凄い世界を見てしまうんだ。」
釈「瘤取り爺さんですね。」
じゅえる「なるほど、ギィール神族に遭遇するというのは、そのくらいのインパクトがある、と読者様に印象づけるにはいいのかも知れない。だが書けるかな。」

まゆ子「書く!」

釈「では、そういう事で。でも、仕掛けが足りませんね。青服の男から、えーと難民の武装勢力と、寇掠軍、ギィール神族に到るまで、一本道ですか?」
じゅえる「なんかそこに居る動機が無いといけないな。木の洞に居るとか。」
まゆ子「マジで瘤取り爺さんだな。」

釈「でもそれは面白いですよ。彼が何故なうろに居るか、というのが神族の賭けの対象にしましょう。」
じゅえる「そうか、それはいい。で、山狗の仮面を着けた狗番に追い出されるんだ。他にも化け物にしか見えない、凄い連中を目撃する。」

まゆ子「・・・人喰い教団、出そうか?」
じゅえる「うーむ、その手もある。督促派行徒という手もある。」
釈「女、というのもありますね。謎の美人。」

まゆ子「謎の美人、けってい! ただもう少し、仕掛けが欲しい。謎の美人は工作員、青服の男は警告に来る薬売り。・・・青服の男がひそかに繋ぎの目印を置いていったのに偶然気付いたカモゾーさんが、それを拾ってしまう、とか。」

じゅえる「殺人くらいはあってもいいだろう。」
釈「まあ、そうですねえ。でもそれだと、案外面白くない。もうすこし間抜けな方がいいです。」

じゅえる「鬼、が出なくちゃ。」
まゆ子「鬼かあ、狗番は十分鬼なんだが。そうだね、難民の武装勢力が独自の変装をしているのがまさに鬼、という感じで。」
釈「マジモノの鬼は無理ですか?」
じゅえる「鬼というのもベタすぎるか、じゃあ河童とか天狗とか。」

まゆ子「まてまて、そこであまりな化け物を出すよりも、何をするかの方が問題だ。凄い話を聞いてしまう。寇掠軍の襲撃計画で、きわめて具体的にどこどこを襲う、とかを洞の中で聞いちゃうんだね。」
釈「では、最近起こっていたちょっとした日常の変事が、すべてそいつらの仕業で寇掠軍の下準備だった、と判明するのはどうでしょう。で、段々怖くなって来る。」
じゅえる「難民の、一般御百姓衆への恨みが噴き出す、というのだね。で、それを洞の中でがくがくしながら聞いている。」

まゆ子「いいでしょう。ついでに、何故洞の中で、というのは酒飲んで寝てしまったとかがいいかな。」
じゅえる「おとぎ話の定番だね。なぞの美女からもらった酒を飲んじゃうか。」
釈「まじでおばけも出しましょう。ただし、本当に出るのではなくて、カモゾーさんはおばけが出ると思うのです。つまり十二神方台系のおばけの話です。」
じゅえる「フォークロアとしてのおばけ、てわけ?」

まゆ子「ふうむ、それは当然存在するが、今まではそういうの書いてないねえ。むしろ、実際に存在する聖蟲と十二神を前提に理性的に書いている。なるほど、そりゃ書かなくちゃ。」
釈「つまりは風俗ですよ。」

じゅえる「青服の男から始まって、謎の美女、酒、木の洞の中で寝る、外に怪しい音がする、おばけかと思う、難民/鬼だった、狗番が来て、ゲイル、ギィール神族だ。というのだね。それが寇掠軍だ、というのは最後の最後にしか分からないという事にする。」

まゆ子「話の筋としては了解した。だがー、なんか足りないな。」
釈「カモゾーさんの家族ではないでしょうか。家族の為に、カモゾーさんは活躍しなくちゃいけないのでは、瘤取り爺さんのように。」
じゅえる「ふーむ。特技が無いとね。物真似で、動物の声をまねるとか。」

まゆ子「そりゃいくらなんでも。うーん、謎の美女が鳥の声をまねて合図を送って居たのを、覚えて、それを使う事で危機を脱するというのがいいな。難民達にこの洞が怪しいと調べられそうになって、・・そうね、酒の匂いがしているのに気が付かれるのだよ。で、調べられそうになるところその合図を使うと、ばーっと逃げていく。」

じゅえる「ふむ。謎の美女って、なに?」
釈「青服の男の関係で、手下というのはどうですか。ちょっと色っぽい方がいいですか。」
じゅえる「ちょっと仙女っぽい方がいい。岩の中から、というか木の洞か、から宝物を取り出してみせる。というよりも、木の洞があるとはとても思えないところに洞がある。で、調べて見ると中に酒ビンがあった。」
まゆ子「それだ。なんというか、仙女じゃだめ神女じゃだめ、魔女でもだめ。なんて名前にするかな。「杣女」というのにする! 仙女と山姥がくっついたような存在で、それと出くわしたと思うんだ。杣女は鬼を使うという話ね。」
釈「難民の武装勢力は、あくまで鬼として描きましょう。正体はばらさないで。」

まゆ子「了解だ。だがさらに一ひねり欲しい。」
じゅえる「30枚なら、これで十分だろう。」

釈「そうですねえ、荒猪でも出しますか。で、洞から出られなくなる、と。」
まゆ子「ネコでいいじゃないの。いつの間にか木の上にネコが居て、今出ない方がいいって教えてくれる。」
じゅえる「もちっと血生臭いのがいいな。」
釈「鬼がやってきて、火を起してなにか獣を焼き始める、とかですか。ネコ?」
まゆ子「ネコは可哀想だ。どっかから連れて来たイヌコマだ。」
じゅえる「イヌコマも可哀想だよ。」
釈「まあ食用ですし。」
まゆ子「マジで化け物を出すか。大梟というの。飛べないフクロウで、目がらんらんと輝くのが森の中を徘徊している。」
じゅえる「そりゃあマジモノの化け物だよ。それが出る、という話にするか。森の中をらんらんと輝く目だけが見える。」
釈「音が無いんですよ。鳴り物が。」
じゅえる「骨?骸骨とか。」

まゆ子「あー、本質からずれて来たな。カモゾーさんの内省というか、そうだね、地獄観というのか、死んだらどうなるとかを挿入するか。」
じゅえる「死後の世界か。あー、なるほどそういうのね。洞の中でがくがくしている時に考えちゃうという設定で、読者様に説明するんだ。」
釈「じゃあ、ここは回想シーンと言うか、日常の不吉な話が次から次に頭の中に浮かび上がって来るという事にしますか。」

まゆ子「妥当だね。難民の鬼が消えた後で、洞から出て行こうとして、何故か出られない、というか、出たのはいいが闇の中らんらんと輝く目が自分を見ていると知り、慌ててまた飛びこむんだ。そこで考えちゃう。」

釈「OKです。」
じゅえる「こんなもんか。OK。」
まゆ子「カモゾーさんのシーンはこれでOKだ。あとは、青服の男の活躍のしかた、だね。」

じゅえる「そりゃそうと、弓レアルの弟ね、そんな偉い学者さんの官僚になる人を教えるレベルの高い塾にやらせて、役に立つの?」

まゆ子「うにゃ。そんな事はどうでもいいんだ。頭は別に悪くは無いけどね。
 ま、人名事典を見れば分かるけれど、ギョンギョさまはとても御偉い賢人なのだ。カプタニアでも一二を争うほどに偉い学者様。これほどの人になると、政官財、王宮からでもお呼びが掛かる。もちろん一人で出掛けてはいかないから。」

釈「あ!」
じゅえる「ず、それはズルい!」

まゆ子「そういう事なのだ。お供に弟子を一人二人連れていく。その中に少年が混ざっていると、なにかと便利。ヒッポドス商会としては、次代の当主となる人が、政官財のトップクラスの方々と直接会う機会を得て顔を知られるというのは、計り知れない価値があるのだな。」

じゅえる「ううー、ハギット女史というのは煮ても焼いても食えん女だな。」

 

06/10/21

まゆ子「てなわけで,げばおとEP4「第八章 勇戦。」が出来たわけですが、わたくし諦めました!」

じゅえる「は?」
釈「なんのことですか。折角折り返し、ーは第七章ですが、七個書いたからまあ折り返しにきたんですけれど、なんです?」

まゆ子「私諦めました。もうげばおとやります。もう何も考えずにげばおとします。」

じゅえる「いいじゃん。」
まゆ子「もうウエンディズも統則最前線も考えません。成り行きまかせです! そもそも一々計画を立ててやろうと思ってたのが間違いだ、いきあたりばったりにします!」
釈「あーーーー、それはあーーーーーー、たしかにちょっと、まずい話ですねえ。」
じゅえる「ウエンディズも新章突入なんだが、統則最前線も書き直しなんだけど。」

まゆ子「だもんで、なにも考えません。あとはあなたたちが適当にしてください。」

釈「・・・切れてますね。お腹が空いたのでしょうか?」
じゅえる「逆だね。げばおとがうまく行きすぎてるんだよ。げばおとの調子を落とさないように、他に目を向けるのを止めたんだ。」
釈「それはいい事なのか悪い事なのか、」

弥生「あー、こほん。」

じゅえる「お、やよいちゃん。」
釈「きゃぷてん! えー、こういうはなしになっていますが。」

弥生「皆まで言うな。これは最初から決まっていた話なのよ。でぽでは同時に二つの事は出来ないと相場が決まっていた。げばおとがうまく行く時は、他が割りを喰うのが当然だ。」
じゅえる「なんとかなると思ってたんだけど。」
弥生「出来ないものは出来ない。理の当然だね。しかし、これは当然ではあるけれど、新しい世界を拓く突破口にもなるのだよ。」

釈「しかし、計画的に時間と労力の配分をしなければ、うまくいくものも・・・・、元からうまく行ってないか。」
じゅえる「そういわれてみると、ちゃんと配分したものがうまくいった例が無い。」

弥生「そもそもが、ウエンディズだってその他の企画だって、既存の企画が煮詰まって来た時に逃避的に生まれて来たんだ。げばおとが煮詰まれば、他に目が向くのが当然。逆に逃げ道を閉ざしていれば、全部頓挫するのが当たり前。」
じゅえる「そういう考え方は、正しい。たしかにそうだ。じゃあこれまでのやり方が、・・て、そういうのは弥生ちゃんのやり口じゃないかあ!」

弥生「てへ。」

釈「あー、いい加減でなくなったでぽは、墜落するんですね。げばおとだけが生き残っているのは凄い努力の賜物なんだ。」
じゅえる「ということは、つまり工程管理の責任者はそもそもがまゆちゃんではなく、弥生ちゃん。」
釈「あ。・・・・そうなんですか?」

弥生「ウエンディズ最初期の話を読んでごらんなさい。」

釈「うわーーーー、このひと捕まってるよ。そうか、座敷牢ってこう使うんだ。」
じゅえる「ころっと忘れていたね。管理責任者蒲生弥生なんだ。」

弥生「というわけで、まゆちゃんはげばおとを専らにします。他は余技です。」
釈「はあ。」

弥生「逆にいうと、まゆちゃんを追い詰めてげばおとをがしがし書かせたら、嫌気がさして別な事をします。逃避的行為ですから確実です。」
じゅえる「うーむ、それは最初から分かっていたんだけど、私達まじめ過ぎました。」
釈「反省です。」

弥生「分かればよろしい。」

まゆ子「というわけで、近所に大きなゲーセンが出来てねえ、バーチャファイター5が入ってるんだ。でも最近はテレビゲームよりメダルゲームの方が断然人気あるのよね。だからばーちゃも悠々出来ますわ。」

 

06/10/16

まゆ子「てなわけで、げばおとEP4 「第六章 尻尾の勢いを駆る青服の道化は、夕闇に踊る」は40枚ジャストで出来上がりました。金貨のくだりとかを削除すればもちっと減ったけど、まこんなもんでしょう。」

じゅえる「意外と伸びなかったね。」
まゆ子「戦闘シーン自体は枚数が伸びないんだよ。独自の流れがあるから、うまく乗り切ると短くて済む。むしろその下準備とか計画を描写すると、これがまた無闇と枚数を喰うのだね。」
じゅえる「ふむ。」

弥生「こにちわー。」

じゅえる「帰れ!」
弥生「な! なんでよ、せっかく帰って来たのに。」
まゆ子「釈ちゃんの方がお話を考えるのに向いているのだ。だから、帰れ!」

弥生「ひーーーーん。」

釈「・・・あの、いいんですか?」

まゆ子「いいんだよ、主人公が自分が出て来るお話を自分で考える、ってのの方が間違っている。」
じゅえる「ということは、お前さんの責任はより重大になったという事だよ。心して掛かりなさい。」
釈「はあ。まあ、どうせ大したことはできませんが、がんばります。」
まゆ子「うん、そのくらいの心構えが◎だ。」

釈「じゃあこのまま続けます。で、やはり第八章ですか?」
まゆ子「うにゃ、今回第八章はいきおいで書いてみるよ。詰まったらまたこっちに戻す。

 今回やるのはトカゲ王国樹立→西金雷蜒王国接収→ジョグジョ薔薇の乱→弥生ちゃん西の海に去る、なんだよ。ジョグジョ薔薇の乱はとうぜん西金雷蜒王国接収の流れを受けている。」
じゅえる「ふむ、なんにも設定無いからね、スルグリ以外。」
釈「当面は不要だったはずですが、なにかありますか。」

まゆ子「ジョグジョ薔薇の乱を書こうと思えば、当然西金雷蜒王国は避けては通れない。タイムスケジュール的には、トカゲ王国の支配権確立が成り立つ直前だからこそ、反乱を起したわけだよ。」

じゅえる「西金雷蜒王国は神聖王が居るんだよね。これはー、どうなる?」
まゆ子「どうもならないよ。弥生ちゃんの軍隊が、というか基本的には褐甲角王国の百島湾海軍を使っての戦争です。目的は、神聖王を取っ捕まえて弥生ちゃんに拝礼させる、ってこった。つまりは方台全ての政治権力を弥生ちゃんに跪かせて新体制を樹立するのが目的。元々がトカゲ王国は方台をばらばらの封建制にするのが目的だから、征服はどうでも良い話なのだ。」

釈「では、西金雷蜒王国の海軍を壊滅させるわけですね。丸裸にして、城下の盟を誓わせると。」

まゆ子「ま、そんなとこ。首都島を全軍で包囲してね。ここで方台初の蒸気船とポンポン船が軍船として使われます。人工動力というのをギィール神族が面白がって作ります。」
じゅえる「そんなもの作っていいの?」
まゆ子「使った後で、完膚なきまでに破壊します。ギィール神族には、これは凡人どもが自力で開発出来るようになるまでは、と封印します。約束です。」
釈「言う事をちゃんと聞いたのですか?」
まゆ子「弥生ちゃんの言う理屈を理解したからね、ちゃんと。それに人工動力の導入は神族神兵のバランスを崩す可能性が高いから、権力機構の存続を考えても止めといた方がいいな、と皆で了解しました。が、その記憶は長く受継がれて600年後から開発が始まり、1000年期の終わりには蒸気機関の全盛期に突入して居ます。」

じゅえる「そういうタイムスパンなんだね。600年後というのは?」
まゆ子「設定では、弥生ちゃんが十二神方台系に再召喚される。」

釈「救世主再臨てのですか。でもキャプテンは大丈夫なんですか?」
まゆ子「弥生ちゃん主観であれば、方台を去ってから一週間後くらいに呼び出されてます。至極不機嫌です。せっかく世を救ってやったのにもう音を上げやがって、という感じ。ちなみにこの時弥生ちゃんは十数個の世界を救世し終わって星河の神様から任務を解かれて、やっと学校生活に戻った所です。主観時間で50年ほど方台の有る惑星に留まり、小舟で移動して各地で救世主して、ようやくの解放です。長い悪夢からやっと醒めたって感じ。だから非常に不機嫌。焼きそばパン食べてる所を無理やり召喚ですから、そりゃ怒ります。」

じゅえる「ふむ。・・・あーこうして眺めて見ると、西金雷蜒王国との戦争の前が抜けてるんですね。何故戦争に陥ったのかが書いてない。」
釈「召喚に応じないから、という理由で戦争をしていいものなんですか?」
まゆ子「まあ現実にそうしちゃうんだけど、基本的には褐甲角王国の神兵達の希望なんだ。西金雷蜒をなんとかしないと、方台統一が成り立たないと主張する。それは正しい主張だから、仕方がない。」

釈「基本的なスペックから行きましょう。西金雷蜒王国は神族の数は何人ですか?」

まゆ子「人口25万人、神族は200人てとこだ。多いような気もするが、神族は自身で働くから、特権階級ではあっても穀潰しではない。西王国の特徴は、神族と神聖王との結びつきが強いってとこだ。ま人数が少ないから当たり前だが、元々の分離の際にも、新しい神聖王に付いて行ったのが、独自派閥の神族であるから結束力は固い。ゲェ派の一派であるから皆王族の関係者、分離後800年は経っているから更に血縁は強くなっていて、もう一つの金雷蜒王国の在り方ともなっている。王姉妹はあるけれど、人数が少ないから結婚します。結婚しても王姉妹ですが、旦那は苦労する。国全体を動かすのは枢密院というところで、金雷蜒王国では珍しい合議制だ。神聖王は直接政治には関与せず、神族同士の争いを仲裁する役目、東金雷蜒王国との折衝を担当する。ウラタンギジトに居る外交司は西王国神聖王の直接の部下で、最も信頼の厚い神族です。弥生ちゃんとも会っているはずだけど、まだ出てないな。」

じゅえる「西と東と、どっちが上なの?」
まゆ子「そりゃデカい方が上だろう。3000人の神族を有する東王国と、200人しか居ない西王国とでは国力が違う。ただ海戦に特化している西王国の軍隊は強い。海の上では神兵も有効ではないから、ゲイルが無くても強いんだ。」

釈「じゃあ、ウラタンギジトで弥生ちゃんキャプテンと東王国とで協定が結ばれると、西王国も従うという話ですか。」
まゆ子「あー、・・・・・どうしよう。」
じゅえる「それじゃあ戦にならないよ。どうしよう。」

釈「西の神聖王を呼びつけるんですよね。名目はなんですか?」
まゆ子「うーん、領土確定の交渉だ。方台全土を分割する際に、西金雷蜒王国領の線引きをするのに会議をしなくちゃいけないから、デュータム点に呼び出した。でも来ない。」
じゅえる「トップ会談でないとダメなの?」
まゆ子「トカゲ王国領を決める為の交渉だから、トップ交渉でないと。特に毒地内部の領域は、神聖金雷蜒王国の領土区分だから東と西は等分の権利がある。・・あーここだね。東王国は毒地には西の権益は無い、と言っちゃうんだ。」

釈「毒地の分割は、北側のボウダン街道沿いがメグリアル王国領、西側中央ガンガランガ横がソグヴィタル(ハジパイ)王国領、東側中央部がギジジット神聖央国領、東側南端山沿いが東金雷蜒王国領、南側西部がトカゲ王国領、ですね。」

まゆ子「そういうわけです。東王国とトカゲ王国領の境は傭兵市バガラ・ファンネムになります。ちなみにソグヴィタル王家は断絶して、ハジパイ王の息子がソグヴィタル王家と再統合します。ヒィキタイタンさんの息子は新生紅曙蛸王国に来るか、と思ったら、弥生ちゃんとこに行っちゃいました。紅曙蛸王国の隣にできるトカゲ王国領において、守護監になります。」
じゅえる「それって王様?」
まゆ子「ま、それに似た者だね。ちなみにこの設定は今考えました。」
じゅえる「すげーいいかげん。」

まゆ子「で、この交渉に西金雷蜒王国は参加しなかった。彼らの主張はまあ置いといて、それよりも百島湾の領土確定の方が難航していたからです。つまりは褐甲角王国えーこの時期だとカンヴィタル直轄王国か、カプタニア山脈から西側全部の一番繁栄している部分が武徳王の直轄地になります。東側スプリタ街道沿いの全域がソグヴィタル王国、イローエントのある南部が独立した黒甲枝諸侯国になります。」

じゅえる「黒甲枝諸侯国というのは、武徳王に従わないの?」
まゆ子「逆ですね。初代武徳王カンヴィタル・イムレイルの遺訓を受継ぐ一派です。敢えて厳しい環境の地に住む事で、ギィール神族と馴れ合う事を拒みます。だからこの地はギィール神族立ち入り禁止です。」

釈「西金雷蜒王国はどうしようと思ったんです?」
まゆ子「彼らの主張は簡単だ。毒地に領土は要らない。代りに紅曙蛸王国に隣接するどこか海岸線の円湾付近、つまりは東金雷蜒王国ガムリ点の南側の不毛地帯を寄越せ、てなもんだ。海運の基地が欲しいわけだが、飛び地だから東金雷蜒王国は難色を示した。弥生ちゃんもそこには手を出しにくい。代りに百島湾で毒に冒された島を割譲する交渉をしていたのだが、これも褐甲角側との折衝が難航。でもうぐちゃぐちゃになって、あったま来た弥生ちゃんが一方的に宣戦布告だ。」

釈「・・・・はあ。」
じゅえる「気がみじかいね・・・。」

まゆ子「いや、これでいいんだよ。弥生ちゃんは自分に残された時間がそう長くない事を知っていて、劫アランサに救世主の任を押し付けて方台を出て行く事をもう決めて居ますから、さっさともめ事を解決したい。それに、西金雷蜒王国だけを特別扱いする事で、新秩序にほころびが生じてしまうのを怖れたのだよ。一応はすべてを完全に掌握しなければ、救世の任がまっとうされないと考えるよりも早くに知っているから、短気に見えるほどの突然さで戦争だ。で、黒甲枝は元より反対しない。新秩序の確立こそが必要という東金雷蜒王国も、毒地解放によって生じる多大な利益を考慮すると、さっさとやっちゃった方が良いと了解が取れた。で、やるのね。」

じゅえる「で、完全撃破、と。その後は?」
まゆ子「いや、その後は別に良かったんだよ。西金雷蜒王国はそのまま存続、百島湾の小島のほとんどが西王国領に編入が確定。それどころか対岸の極北のグテ地に租界までもらっちゃった。戦争の結果、負けたのに儲かっちゃったんだ。」

釈「???、黒甲枝は承知したんですか?」
まゆ子「それが弥生ちゃんの仁徳だよ。ついでに言うと、西金雷蜒王国がかなり強くならないと今後は戦争が出来ない、という口車に乗せられちゃいました。一度は勝ったからにはカンヴィタル・イムレイルの遺訓は守られた。その後はまた別の道を探らねばならない、共存かつ競争、共食というキーワードで世界が動き始めるのだよ。つまりは互いに似たような規模の小王国が国力増大を図って互いに競い合い闘い合い、もって方台全土の成長を促し、来るべき外国との競争に打ち勝とうという、そういう理念ね。これに反発した黒甲枝がイローエントに篭り、グテで面従腹背する事になるのだよ。」

じゅえる「ははあ、ジョグジョ薔薇の乱は、そこが原因ね。」
まゆ子「そういうこと、・・・になるのか。ジョグジョ薔薇はヒィキタイタンの次に有力だった主戦論者で、主に西金雷蜒王国攻略を主張していた人であって、あこれはヒィキタイタンさんへの対抗でそいう事にしたわけだけど、ともかく海軍畑の人なんだ。で、折角攻め落とした西王国がそのまま存在し続けるどころか、焼け太りのようになってしまった。これは何故???、と思うのは当然だね。」

釈「では、そうすると、西金雷蜒王国攻略戦において、ジョグジョ薔薇さんは弥生ちゃんに協力的だった、てことですか。」
まゆ子「それはー、まあ、ほとんど海軍司令官総督、てくらいの役職。」
じゅえる「ははあ、そりゃあ怒るさ。」

まゆ子「しかも、自力では攻略不可能だったから、ギィール神族に弥生ちゃんが依頼した総鉄板張り人工動力戦艦によって一気にカタが着く、という屈辱的な目に遭わされちゃった。ついでに折角作った動力戦艦を自分がもらうつもりが、完全破壊。ま、反乱の一つくらい起こそうと考えるのは当然だね。」

釈「だいたいわかりました。で、もう一つ、新生紅曙蛸王国とテュラクラフ女王の行方はどうなりました?」
じゅえる「あ、そっちの方が緊急だろ。」

まゆ子「それは次回の講釈で。」

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まゆ子「てなわけで、現在ジョグジョ薔薇さんの話に掛かりっきりなんですが、よくよく考えると、西金雷蜒王国戦で重要な地位を占めているという事は、それ以前は弥生ちゃんサイドにあった、という証明なわけです。」
じゅえる「論理的帰結として、そうなるね。」

釈「西金雷蜒戦に先立つ領土交渉において、なにか手柄を立てているのでしょうか。でも、交渉で手柄というのもなんですね。トカゲ王国に寝返りでもしましたか。」
まゆ子「いや、そうすると黒甲枝主体の百島湾海軍を指揮するなんて出来ない。であれば、この時点までは褐甲角王国内にあって支持が厚かった事になる。」

じゅえる「ふむ。でも、褐甲角王国は四つに分裂するのよね。この分裂過程において支持を集めるというのは、変だ。金雷蜒神聖王の血筋という出自からしても、変だ。」
まゆ子「ハブにされたね。」
釈「でしょうね。分裂交渉においてはハブにされて、その失地を回復する為に戦争で指揮を取った、というのが正しいでしょう。では弥生ちゃんキャプテンになんらかの方法で取り入ったはずです。」

まゆ子「あー、ここに入る前にまあそれまでの道筋考えていてね、種明かししましょう。ジョグジョ薔薇さんは、ヒィキタイタン事件の終末であるハジパイ王の弾劾で、ヒィキタイタンさんの弁護とメグリアル焔アウンサの独断先攻に対する弁護をやったんだよ。」
じゅえる「あー、そういう話ね。そうか、黒甲枝の支持があるはずだ。」

まゆ子「当然、弥生ちゃんの覚えもめでたいわけだ。だが結局彼はハジパイ王に対して敗北する。どういう手順かはこれから考えるけど、ともかく華々しく登場して華々しく玉砕するんだ。で、弥生ちゃんの裁定で弾劾事件は結審する。が、ジョグジョ薔薇さんはこれで褐甲角王国に対して未来は無い、とか思ってしまうわけだ。そこに、三王家の分裂、という話になる。彼はそこに食い込もうとするが、余所者っぽい彼にはこの話に食い込む余地は無い。で、ハブにされちゃう。」

釈「納得出来ます。しかし、三王家分裂騒動がすんなりと収まるとも思わないのですが、きゃぷてんはなにをしたのです?」
まゆ子「さて。ともかく、劫アランサが次のトカゲ神救世主候補だというのは裁定の時に大々的に発表しているわけですから、メグリアル王家を独立させるという既定方針には変更が無い。ま、分裂と言っても聖蟲の聖戴権は武徳王にあるのだから、あんまり変わらないなと思う人も居るわけだ。いざとなったら軍を結集させればよいし、国を分けたからと言って互いに争うはずもないな、と普通考える。むしろ、弥生ちゃんの言うところの「社会制度改革の実験・それぞれの国家で独自成長策を試してみる」というのに魅力を感じる人は多かった。」

じゅえる「ジョグジョ薔薇さんは、その独自改革てところに目を付けるんだね。で、自分でも改革案をぶち上げて採用してもらおうとする。だがさすがにそれは褐甲角三王家では取り上げる事はなく実現しなかったんだけど、その結果彼はトカゲ王国に対して物申す人士だと、世間の評判が高まるのですよ。」
釈「・・・特に、問題はなさそうですね。平和的ですよ。」
まゆ子「平和的だね。ここまではね。」

じゅえる「また失敗敗北しなくちゃね。」

まゆ子「うん。彼はここで認められた事により、領土分割交渉の席に着く事が出来たわけだよ。あー、でも西金雷蜒王国に対する主戦論者であったから、そこで交渉の頓挫の責任を取らされちゃうのだね、八つ当たり的ではあるが、納得はしやすい。無論本人は納得しない。」

釈「なにか派手な手を使って、反発を買ったというのがいいですよ。」
まゆ子「うん。だまし討ち的な手法で、なんかやってのけるんだ。で、その事によって詐術的に会議は進行するが、当然リアクションがあって、彼は会議から排除される。で、一旦引いた後で、黒甲枝諸侯国というアイデアを思いつくんだ。王家により統治されない国、ね。」

じゅえる「ではそこまでに、彼の下には黒甲枝が或る程度まとまっていなければならない。あ、これが反乱勢力になるんだ。」
まゆ子「うーーーーーん、そうだねえーーーーー。黒甲枝の、主に聖蟲を持っていない人たち、というのがいいかな。聖蟲を持つ者だけで三王家分割、領土分割交渉が進んでいる中で、聖蟲を持たない黒甲枝の出身者が自分達の地位の向上を考えて、ジョグジョ薔薇を担ぎ出そうと考える。そこで彼が思いついたのが、王家の無い、いや聖蟲も無い黒甲枝の国だ。これは彼がギィール神族の血統で、マナカシップ島には聖蟲を持たない神族が居る、というのをよく知っている事に関係がある。」

釈「ふむふむ。よくわかりますが、少し飛躍がありますね。あくまで黒甲枝諸侯国は聖蟲を持つ者の国であるべきではありませんか?」
じゅえる「わたしもそう思う。」

まゆ子「そうか、じゃあ、・・・・大審判戦争第二期をやろうという主戦論者がジョグジョ薔薇を担ぎ出した、という事にするか。トカゲ王国の支配を良しとしない、金雷蜒王国完全撃滅を企図する者達があって、彼に決起を促す。だがこの時点では彼は抑え役に回るはず。」
釈「両方の側からの働き掛けがある、という事にしましょう。その方がリアルですよ。」
じゅえる「ついでに、金雷蜒王国側からも働き掛けがあるべきだね。彼にはその資格がある。」

まゆ子「うーーーん、そうだねえ。そう、彼は褐甲角王国の元老員だから聖蟲は持っている。金色の。これを返上しろ、という声がどこからともなく上がって来るんだ。あーーーそう、彼に王になれ、という人が居るわけだ。ヒィキタイタンさんが弥生ちゃんから貰った神剣で王位を手に入れたようなものだから、彼に倣えというわけだね。褐甲角の聖蟲が頭にあれば武徳王への忠誠を誓わねばならず、自由度が下がるのは当然だ。金雷蜒の聖蟲はもらえないだろうが、そういう事を言う人も居る。その中で、弥生ちゃんの神剣を頂くと、聖蟲があるのと同じだという評価がますます高まるのですね。というか、この時期には弥生ちゃんが聖蟲を作らない、トカゲ神族は無い、というのが世間一般の常識になります。」

じゅえる「神族を作らないからこそ、誰でも神族になれるという希望が生まれたわけだ。」

釈「少し構図が単純化してます。ここでまたぞろ、ハジパイ王の流れを組む反動を導入しませんか? 以前の敵と手を組むのです。というか、同じ褐甲角王国の行く末を案じた者同士が共闘する、ってことですか。」
まゆ子「ふむ。」

じゅえる「物語のセオリーだね。ま、ハジパイ王の弾劾をもうちょっと考察する必要があるか。時期的に言うと、当然まだ尻尾を引きずっているだろうし。」

まゆ子「ジョグジョ薔薇は、ヒィキタイタンさんに打ち勝とう、上にいこうと努力している人なんだ。ヒィキタイタンを太陽とすれば、彼はその輝きを凌ごうとする焔だよ。派手に黄金、と言ってもよい。ともかくヒィキタイタンさんは乗り越えるべき壁なんだ。だが、それは彼一人の話ではなく、彼と同様にヒィキタイタンを超越しようという人がある。ジョグジョ薔薇が金ならば、銀に相当する人物ね。」
じゅえる「ライバルね。ハジパイ王サイドに居たライバルの出現だ。彼はジョグジョ薔薇の失脚によって逆に浮かび上がって来る。」
釈「その人は、ハジパイ王を深く尊敬しているのですね。・・・ハジパイ王はまだ居る?」

まゆ子「生きてますが、病気になっちゃいました。そうね、・・・彼はしばらくの間療養中のハジパイ王に付いて中央政界から離れてたんだよ。それが、ハジパイ王の勧めで戻って来る。そしたら情勢が一変していて、彼はすんなりと受入れられた。・・・いやむしろ、ハジパイ王の息子が治めるソグヴィタル王領ではなく、弥生ちゃんのサイドに立つメグリアル王領で宰相級の扱いを受けるんだ。メグリアル王の下には官僚の層が薄いからね。で、彼の参画によって、領土分割交渉がうまく行き始める。」

釈「それを、ジョグジョ薔薇が妨害して西金雷蜒王国の脱退につながるんだ。」
まゆ子「あーーーー、・・・・そこは、別の勢力だな。白の母か神聖神殿都市か。ともかく、うまく行きそうなものが分解しちゃい、弥生ちゃん直々に乗り出しての説得工作も不調に終る。どうするか、と皆が固唾を飲んで見ていると、弥生ちゃんはジョグジョ薔薇を呼び出して海軍総督にしちゃうのだ。」

じゅえる「ふむ。もう一声だね。」

釈「神兵はその時点まで、主戦論者だったジョグジョ薔薇をヒィキタイタンと同じ路線の人だと思って居たのが、誤解で全然違ったんだというのに気付くのが良いです。神の計画から外れている事に気がついた。人の知恵で方台を治めよう、という論者だったわけですよ。」
まゆ子「そりゃハジパイ王に似ているんだが、まそんなもんか。対立する者が必ずしも遠いわけではないか。」

じゅえる「元老員はどうなんだ? 三王家にちゃんと分裂しそうにないんだけど。」
まゆ子「ふーむ、そりゃそうだ。三王家に誰が従うか、という問題がある。武徳王カンヴィタル直轄王国には黒甲枝の主流と武徳王に近い元老員。ま、これは当然だ。一方メグリアル王領にはボウダン街道の守備隊と赤甲梢、紋章旗兵団、宗教関係に造詣の深い黒甲枝、が従う。赤甲梢は後に劫アランサを慕ってトカゲ王国に行く。で、ソグヴィタル王領には、ハジパイ王が唱えていた先政主義派の黒甲枝と政治的に主流を占めていた元老員が従っている。先戦主義派は後に黒甲枝諸侯国を作るわけだが、この段階では普通に武徳王の下にある。

 ここで一個問題が出現。イローエント海軍がリストラされちゃった。」
釈「りすとら、って、要らなくなったんですか。」

まゆ子「うん。ま、軍事費の削減が余儀なくされ、しかも三王家に分裂だ。百島湾に面するカンヴィタル王領は海軍を廃止するわけにはいかないが、対立構造が不鮮明になっていて、しかも紅曙蛸王国の成立で海賊が組織化合法化され秩序を持つようになったこの時期、イローエント海軍の存在意義は非常に低く成っていた。だからりすとらされちゃった。」

じゅえる「でも、南の海を捨てるのはおかしいぞ。」
まゆ子「それは当然だが、金が無いのは仕方がない。南に直接権益を持つソグヴィタル王領では海軍を維持出来ない、と音を上げた。弥生ちゃんが西金雷蜒王国との戦争を始めたのは、このリストラ騒ぎで反乱が起きそうなくらいに不安定になったからでもある。南海軍を西に持っていって、使ったんだよ。その残りだけをイローエントで維持しようと、という作戦。このリストラ策は大当たりします。西海軍に編入されて、勝利の挙げ句にけっきょく体よく削減されちゃった。ただ、海兵の神兵達はあぶれちゃったんだよ。この人たちが勝利の余韻を引きずってイローエントに帰って見れば、」

釈「そこは元の懐かしい我が家では無かった、という話ですね。」
じゅえる「可哀想だな。」

まゆ子「弥生ちゃんがジョグジョ薔薇を使ったのは、南海軍を西に持っていく方便の役を彼におっ被せた、というきらいもある。そして当然の事ながら、南海軍を引き出したジョグジョ薔薇に、その後始末を海兵達は迫るんだ。」

釈「で、結論としてイローエント海軍はどうなっちゃうんです?」
まゆ子「黒甲枝諸侯国というのがとんでもない貧乏国になります。なんというか、褐甲角三王家国からの援助で成り立つという情けない状態ではあるんですが、ともかく自立した一個の国となります。領域はイロ・エイベント県とグテ海岸部。ただし交易で儲かるイローエントはソグヴィタル王領に属します。簡単に言うと、当初の構成どおりにイローエント海軍はソグヴィタル王領の管轄になりますが、兵員は黒甲枝諸侯国からの傭兵、外部委託という形式です。規模も往時の4分の一以下。ただし優先的特権的に海軍に所属できるという権利を得ました。ついでに、弥生ちゃんからグテ地とトロシャンテ森林地帯を勅許で護る任務を承り、資金も出るように決まりました。」

じゅえる「うーむ、座敷牢みたいなものだな。それでいいのかな?」
まゆ子「いいも悪いも、これで行くしかないようになる。ま、ジョグジョ薔薇の敗戦後の話だけどね。」

釈「その反乱はどこで決戦を行うのですか。場所です。」
まゆ子「あー、毒地だね。エイベントとベイスラの近辺の開けた平地。ベイスラを攻略すればヌケミンドルからカプタニアまでをうかがえるし、ベイスラは防戦には向いた土地だから、ここを拠点とすべく進軍して来た。彼らの目的はあくまでも武徳王に働き掛けて決起を促すというもの。ジョグジョ薔薇の思惑とはかなり違うが、それも承知で反乱に加わっている。」

じゅえる「サユールの、山側はダメなの?」
まゆ子「大軍を擁しての戦争には向かない。ゲリラ的に留まる戦略を取るという手もあったけど、戦乱を受けて居ないサユールは防御が固いんだよ。だから難民の反乱で混乱したスプリタ街道を進軍するしかない。ともかく武徳王に会ってから、という話だ。」

釈「ソグヴィタル王領の首都はどこですか。ヌケミンドルですか。」
まゆ子「ヌケミンドルは商都としてそのまま留まり、北のミンドレアに王都は作られます。弥生ちゃんの方に近いから。ヌケミンドルは敢えて王都に選ばなかった。カプタニアが近過ぎて恐れ多いということだね。防衛上も、カプタニアからの攻撃には抗し得ないから。昨日まで同じ国だったのに、国を分けるとこういう事を考えなくちゃいけないと自嘲しますよ。」

釈「こうなってくると、ハジパイ王の弾劾も考えないといけませんねえ。」
じゅえる「うん、いよいよ核心に迫っているよ。主要登場人物は後5回くらいの間に全部出ないと、出来ないよ。」
まゆ子「だねえ。とりあえずジョグジョ薔薇とお姫様、銀の人、は出す。」

じゅえる「うん。・・・あ、ちと思ったんだけど、イローエント海軍はタコリティを包囲するよね。これは、どうする? 作戦成功でヒィキタイタンさんを連れて来るのだけど。」

釈「ここはひきょーな手を使って、黒甲枝の海兵達を不満にさせておくとよろしいかと存じますね。」
まゆ子「或る種不名誉な体験をさせておいて、その名誉回復の機会を狙っている内に、リストラね。動きが活発になる動機としては十分だ。ヒィキタイタン事件の幕引きとして、これはー誉マキアリィさんではなく、銀の人の算段だ。大々的に海軍を用いていながら、姦計をもって降伏させて王都に連れていく。」

じゅえる「でも、それはいい人なんだ。」
まゆ子「うむ。客観的にはいい人がいいお仕事をした。でも黒甲枝的には、それは反則だ、てのね。マキアリィもここでなにかしなくちゃいけない。」
釈「それ以前に、タコリティが敢然と褐甲角王国に歯向かう、という姿勢を明らかにしないとダメですよ。」
まゆ子「それは海賊で、イローエントを襲うと言う話に、」
じゅえる「うん。そこでヒィキタイタンが反逆をされてる、というお芝居をしなくちゃいけないんですが。」

まゆ子「・・・・・ピースが欠けてるねえ。」
釈「テュラクラフ女王ですね。」

じゅえる「そうだねえ。スルグリを通じて西金雷蜒王国と結託する、てのでしょう。しかし、それではイローエントを落とすには足りないでしょう。」
まゆ子「というか、その逆で、褐甲角王国によって、タコリティの有力者達が次々と人食い教徒として捕縛されてる。こちらから攻めるなんて、出来っこない。」
じゅえる「逆に褐甲角王国の力が強くなってしまうねえ。ヒィキタイタンが勝っていて、褐甲角王国との連携をしているみたいだ。これだと、東金雷蜒王国の海軍を南に惹き付ける、て事が成り立たないよ。」

じゅえる「テュラクラフの動きをちゃんと設定しないと、話にならないのか。大審判戦争の最中に突然現われるべき、だね。」
まゆ子「避けて通れるつもりだったんだが、・・・・いいでしょう。こうします。テュラクラフ女王はタコの女王です。当然ながらテュークは水が大好きです。しかも現在、テュラクラフ女王は蕃兵の案内で陸地、それも褐甲角王国を通っています。」

釈「陸地ですか? 経路は?」
まゆ子「まあ、蕃兵は山の中専門ですから、グテ地からトロシャンテを通って、アユ・サユル湖を抜け、カプタニア山脈に入ります。」

じゅえる「そりゃ大事だ。あそこは褐甲角王国の心臓部で、巨大カブトムシも居るじゃない。」
まゆ子「だからこそ通る必要があるんだけど。ちなみにトロシャンテは蕃兵の住みかであって、テュラクラフ以前の女王はすべてここの出身です。6代テュクラッポ・ッタ・コアキもそう。」

釈「マナカシップ島には、ギィール神族の亡命者がいます・・・。」
じゅえる「嫌疑大十分だね。」
まゆ子「UMAのように、アユ・サユル湖でテュークを泳がせるか。」

06/10/14

まゆ子「てなわけで、げばおとEP4 「第六章 金雷蜒少女、がんばる」ができたわけですが、次「第七章 弓レアル楽勝宣言!」は一旦お休みして、「第八章 ヌケミンドル防衛線の戦い パート2」を先に書きます。掲載順も変わりますが、順番は第七章が出来次第予定通りに入れ変えます。」

じゅえる「何故?」
まゆ子「戦闘シーンが描きたい!」
釈「そりゃ仕方ありませんねえ。第八章は戦闘シーンだけでしたか。」

まゆ子「なんの説明もなく戦闘シーンから始まり、終始末端の兵士の姿、神兵の戦いのみを三人称で客観的に描き、最後まで突っ走る所存。これはノリが最重要な回です。」
じゅえる「なるほど、イルドラ姫様を描いた勢いで書こうってわけだ。別にいいですよ、それが適正であれば順番なんて。」

まゆ子「まあこれは良いとしてだ、最近頑張って「げばおと事典」を増補していたわけなんですよ。で、「ミィガンの狗番の剣」について書いていた所、或る問題に出くわした。」
じゅえる「ふむ。」

まゆ子「「ジョグジョ薔薇の乱」という事件がトカゲ王国成立後に起きるんだ。弥生ちゃんの支配体制に異議を唱えて空前の規模で発生する反乱事件。これ自体はEP7か8くらいで起こる事は既定の事実なんだけど、で、ここでミィガンの剣は白の母から反乱首謀者「ジョグジョ薔薇」に渡されて、弥生ちゃんにたたっ斬られる事が確定してる。

 で、だ。今回この乱にてきとーに名前を付けたわけさ。「ジョグジョ薔薇の乱」てね。薔薇のようにゴージャスな人物によって乱は引き起こされる。イメージをぼんやりと持っていたが、名前を付けてより明確になってきた。」

じゅえる「皆まで言うな。イメージが明確になったから、その人物を今から設定しておこうというわけだね。」
釈「それほどの人物であれば、大審判戦争においてもなんらかの一定の役割を負っているべきですよね。当然、今! 出ないといけません。」

まゆ子「というわけで、第七章にその片鱗などを出そうと思うのだけど、なんか無い?」

じゅえる「カプタニアの話ならば、そのジョグジョ薔薇というのは褐甲角王国の人間だ。王族?」
まゆ子「そこも未定。」

釈「彼?は反乱を起こすのに正当な理由を持つべきです。王族かそれに準ずる立場の人間でなければなりません。元老員はどうですか。」
まゆ子「うん、それも悪くない。」

じゅえる「反乱てのは褐甲角王国の分派が起こす訳?」
まゆ子「イメージでは、褐甲角王国と金雷蜒王国と、両方の勢力がごっちゃになっている大戦争だ。」
じゅえる「ミックスねえ。ではその両方から支持される人物でなければならない。聖蟲は持ってる?」
まゆ子「未定。有る方が説得力はあるね。」

釈「では自動的にカブトムシの聖蟲に決まりますね。ギィール神族であればそんなにバカじゃないでしょう。」
じゅえる「なるほどね、それはそうかもしれない。じゃあ、褐甲角王国元老員に決まりだ。王族の血も引いている事にしよう。」
釈「むしろ、金雷蜒王国の神聖王の血筋というのはどうでしょう。亡命者です。」
じゅえる「ぐっど。それだ。マナカシップ島の住人だ。」

まゆ子「あー、そういう話ね。なるほど、でも聖蟲を得るにはなにか、・・・決定的なまでの強い功績が必要だ。神族の末裔だとして、えー。」
釈「特に妙な手柄は必要無いんじゃありませんかねえ。目立つ、というだけで。普通亡命者ならばひっそりとしているものだけど、この一族は神聖王の血筋に連なるからと逃げ隠れせずに常に表に出て、褐甲角王国の政治情勢に影響を与え続けて来た、と。」

じゅえる「じゃあ、エリクソーを服用して、神族張りに長身であるべきだ。ギィール神族としてのステータスを失わないままに、カブトムシの聖蟲を戴いている。」

まゆ子「ふむ、異端だね。でも反乱を起こす際には、武徳王から聖蟲の剥奪を受けちゃうよ。離れて居ても、そのくらい出来る。」
じゅえる「だからこその、弥生ちゃんの狗番の剣をもらうのさ。聖蟲を失って聖性を失ったのを補填する為に、白の母は神剣を与えた。」
釈「十分妥当ですね。」
まゆ子「そうか、なるー。なるほど、そういう手か。」

釈「じゃあ、聖蟲を持たない人間だけの反乱ですかね。」

じゅえる「それはー、うむ。そういう話であってもいいな。弥生ちゃんが素の戦闘力を試されるというのも。神族神兵は出ない?」
まゆ子「うーむ、武徳王の命令があれば、神兵は動かないのが筋。ギィール神族は自身の判断で動くが、亡命した神聖王の血筋とやらに惹かれる奴はいないさ。・・・三荊閣家の一角が荷担するという手はあるかな。弥生ちゃんによって権益を失ったどこかの一派が、ひそかに応援するというのはあり得る。」

じゅえる「それでも神族の参加は無いか。更に神族神兵に匹敵する力の所在は、無い?」
まゆ子「さてねえ、タコ女王の所の蕃兵くらいかなあ。」
釈「薬物によるバーサーカというのはどうですか。」
まゆ子「却下。それでは長くは保たない。」
じゅえる「素のファンタジーならば死霊兵団の登場するところだがねえ。十二神方台系はあいにく魔法の不在の大陸だ。」
まゆ子「死霊ねえ、欲しいとこだねえ。」

釈「思いつきました! 狗にくっつける緑金のカブトムシはどうでしょう。」

じゅえる「あー、そういうのあったね。」
まゆ子「そういうのであれば、設定にある大頭戦士にくっついている「偽カブトムシ聖蟲」という手も。」
釈「緑金聖蟲ではだめですか。」
まゆ子「ふむ。悪くはないが、・・・・あれは王族に従属するからねえ。・・・おうぞくに?」

じゅえる「それだ。そのジョグジョ薔薇とやらは、緑金の聖蟲を人に与える能力を何故か手に入れた。しかし実際は他の人がそれを操っている。誰か褐甲角王族に反逆者というか、反抗者が居る。」
まゆ子「そういう事ならば、仮面の戦士軍団というのがよいな。聖蟲が憑いて居るとは他人に分からないように、仮面を被り続けている戦士の一団があるんだ。ジョグジョ薔薇はそれを預かって千人力だと思うわけだね。」

じゅえる「誰?」

釈「ヒィキタイタンさんは、この時期は。」
まゆ子「この時期、ヒィキタイタンは聖蟲を返上して只の人、新生紅曙蛸王国の王様代理になってる。関係無い。」
じゅえる「ジョグジョ薔薇は元老員だよね。仲間、というのではどうかな。」
まゆ子「妥当だが、つまらない。」
釈「ジョグジョ薔薇に恋する褐甲角の王女とかは。」
まゆ子「ふむ。そのくらいならば、死人とか病人とかの、不老不死の元老員が居るというのはどうだろう。聖蟲は憑いたままで何年も眠り続けている。」

じゅえる「いやあ、もっと悪辣な罠が欲しい。神人とか出るかな?」
まゆ子「出てもいいです。コウモリ神人とのラストバトルを前に、この戦は設えられていますから。」

釈「じゃあもう全部引っくるめて、ジョグジョ薔薇に恋する王女が、彼に加勢したくても出来ないのに煩悶しているところ、いきなりコウモリ神人と遭遇して魔法を掛けられて昏倒。聖蟲を奪われて、聖蟲を剥奪されたジョグジョ薔薇の手に渡される。秘密の小箱、そうですね、「銀色のカブトムシ型の容器」に聖蟲が閉じ込められている、というのでは。」

まゆ子「コウモリ神人の手による、というのが気に食わないが、可です。」
じゅえる「コウモリ神人てとこが、ちょっとね。」
釈「そうですかあ。でも白の母、というのもアレですね。更に強力な魔法の使い手というのは居ないでしょう。」
じょえる「弥生ちゃんは?」
まゆ子「さすがにそれは。そのくらいならば、王女が二重人格になる、くらいの方が説得力がある。」

釈「鯉に狂いますか。」

じゅえる「うーむ。聖蟲の縛りから解放されるほどの狂気というのは。・・・、そうだ。彼女思い余って、単身弥生ちゃんのとこに面会に行き、直接暗殺を図るというのはどうだろう。あんまりの事でやむなく斬ってしまうが、意識不明の昏睡状態に陥り、その病床から聖蟲が盗まれる。」
まゆ子「その暗殺の件は良い。実に良い。劫アランサ王女にとっても痛恨の一事となる。それ採用。で、聖蟲を盗み出すのではなく、聖蟲になにか付属品を与える事で緑金のカブトムシが動き出すというのが良いかな。」

釈「ジョグジョ薔薇の想い出の品とかですね。コウモリ神人もそのくらいならば関与しても不自然はないでしょう。」

じゅえる「私は良いと思う。」
まゆ子「反対する理由は、私にも無いな。ついでに言うと、弥生ちゃんのカタナが運悪く聖蟲に当たってしまった、というか聖蟲が王女を護ろうとしてカタナを受けたという事にしよう。それで聖蟲が傷つき王女も意識不明に。その損傷した聖蟲に対して、コウモリ神人が癒しの手を与える。」

じゅえる「OK。」
釈「OKです!」

まゆ子「うむ。じゃあ、「第七章 弓レアル楽勝宣言」でこの二人をセッティングしましょう。」

じゅえる「派手にね。かなり派手に。」

06/10/06

まゆ子「さ、がんばってまいりましょう。第六章 いるどら姫です。」

じゅえる「エロ絵が量産されてる・・・。」
釈「なんですかこれは。なんでいきなりエロ絵がたくさん出来上がってるのです。」
まゆ子「あー、あれは在庫整理。いやーなんですか、今年は絵の数がまるっきり少なくてねえ。年末が見えて来たから慌てて帳尻合わせに走ったということかな。まあ、色塗りの技術革新によって塗り絵速度が上がったというのもある。丸甲冑なんかその恩恵を受けまくりですね。」

じゅえる「いるどら姫も描きなさいよ。」
釈「そうです。土器能登子さんも。」
まゆ子「能登子さんは3DCGがあるから、・・・描かにゃダメかな。」
じゅえる「だめです。」

まゆ子「それはまあ置いといてだ、私反省しているのです。”でぽ”の絵は色気が無い。エロはあっても可愛げが無い。」

じゅえる「ウチのモットーは、”ドスの効いた美少女”ですから。」
まゆ子「そうなんだけど、それじゃあダメなんだ。もっと広く一般大衆に受入れられ愛でられる、素敵な愛らしいイラストが欲しい。」
釈「また出来もしない事をいいますか。」

まゆ子「4年くらい前はそれでも一度実現したんだよ。可愛らしいのが、ロリが一番受けるってマーケットリサーチの結果一生懸命絵から毒を抜く作業をして。でもそれは、描いてる本人が耐えられなかった。もっと自由に描きたいということで、元の通りにドスの効いた美少女路線に回帰したのです。」

じゅえる「そうだっけ? なにか、可愛くなってるよ。」
釈「最近のエロ絵は可愛いですよ。」
まゆ子「それは純粋にテクニカルの問題で、上達したからです。あと、リアル路線からは脱出しましたから。リアルで可愛いというのはなかなかに難しい。だから、リアルは捨てました。」

じゅえる「ふむ。ではつまり、機は熟したからには、またロリに帰ろうというのだね。」
まゆ子「で、考えました。ロリはダメです、描けません。普通の版権もののキャラクターをロリ化するのは不可能です。何故ならば、ちゃんと設定年齢を考慮して描くからです。16歳なら16歳に、20歳なら20歳にちゃんとします。16歳はロリじゃないから、ロリじゃない絵が出来上がります。」
釈「では今回の路線は、マジでロリを描きますか。」
まゆ子「そこも考慮しました。まじロリは、これもまた無理です。おっぱいぺったんこの年齢を、年齢どおりにリアルに描いてしまいます。つまりは、」

じゅえる「妖精さん年齢だね。年齢不詳のロリだ。」
釈「ああ、これは絶対おかしいと思ってしまうような、そういう年齢設定ですね。」

まゆ子「というわけで、”巨乳小学生”をモチーフとして採用する事に決定しました。これから当分の間、どのキャラクターを描いても巨乳になります。設定年齢は11歳、いや10歳くらいです。これでも見た目には10代半ばくらいには大人びて見えます。なんとなれば、ウチの流儀では小学生を描く時は目が小さくなるからです。顔全体が小作りになるから、目も小さくなる。アニメ絵みたいに、脳容積の半分が目玉というのは、体質的に描けないのです。」

じゅえる「具体的に言うと、アン・シャーリー11歳は、巨乳10歳になるのかな?」
まゆ子「ああ、また難しいことを言う。アンはさいしょからロリだから、えーと、頑張ります。」
釈「ルリルリは巨乳10歳に?」
まゆ子「あああ、あれは最初から10歳です。ササミちゃんも11歳です。さくらちゃんも11歳です。こいつらが大人に見えないように描くのは苦労するのです。」
じゅえる「子供にみせる為にぺたんこの胸を描くと、そこにリアル感が生じて大人っぽくなってしまう、というののだね。だからそこを巨乳の記号で破壊する。」

まゆ子「そうです。認識を破壊するのが今回の目的です。既に17歳音無小夜10歳巨乳が下書きで出来ています。」
釈「ブラッド+ですね。そういえば今まで描いていませんね。」
まゆ子「あれは日本刀を振り回すベタな女です。描く気になれませんでしたが、番組終了を記念して描きます。」

じゅえる「ふむ。スクルド年齢不詳見た目11歳は?」
まゆ子「ああああ、それもまたなんとかします。」
釈「ロリって難しいですねえ。」

まゆ子「というわけで、釈ちゃん、おまえさんもロリになってもらおう。物辺村の連中全員もだ。」
じゅえる「なるほど。

 で、げばおとに戻ります。イルドラ姫です。行軍の様子ですか。」
まゆ子「寇掠軍の日常生活というのを書くのは今回初めてです。一応は黒甲枝と遭遇させねばなりません。穿攻隊はやばいからちと南に下ります。ベイスラ防衛隊の本隊と衝突します。謎の薬売りが登場する予定です。」

釈「遂に出ますか。それは敵ですか味方ですか。」

まゆ子「一応は、ジー・ッカの手先という触れ込みで寇掠軍に接触します。弥生ちゃんの筋というのは、一応伏せられて居ます。彼らは本当にジー・ッカなのですが、弥生ちゃんは浄化された毒地中に、ギジジット神聖首都央国というのを作るつもりで、彼らも故に従っています。つまりは都市国家ですね。なによりギジジットの王姉妹を大切にする彼らにとって、弥生ちゃんの構想は十分に納得のいくもので、協力を惜しみません。」

釈「その都市国家ギジジットは、どういう産業で生計を建てるのですか?」
まゆ子「まずは神聖神殿として巨大金雷蜒神ちょっと小さくなったけどを祭ります。その抜け殻を餌としてゲイルを飼育します。更に毒地内交通の要所、宿場町と開発の拠点としての役割を担います。古代の知識を研究する学究都市にもなる予定です。ま要するに、巨大金雷蜒神を中心とする交易都市ですね。むろんちゃんと工芸も考えて居ます。」

じゅえる「毒地中には、産物は無いの?」
まゆ子「農産物とお、あそうだ、ギジジットは毒地中に水を供給する水路群を管理する役割も持って居ます。毒地に農地を復元するには極めて重要な役割を担います。」
釈「弥生ちゃん先輩にとっては、計画に無くてはならない所なんですね。」

じゅえる「ジー・ッカは分かった。だが現在ギジジットはどうなってるの?」
まゆ子「そこも今回描こうと思ってます。現在ギジジットはこれまでの閉鎖された都という枠組みを取り払い、寇掠軍遠征の主要な補給兵站地になっています。すでに交易都市に変貌しつつあるのです。水路の復元と通行許可も王姉妹は出しました。神聖金雷蜒王国時代の栄華が蘇ります。」

じゅえる「ふむ。それで謎の薬売りは。」
まゆ子「薬売りは寇掠軍のギィール神族と交渉して、寇掠軍のスケジュールを聞きます。また難民組織との接触の仲介も行っています。出来るだけ民衆を損なわず、褐甲角王国と黒甲枝に痛撃を与える為に活動しているのです。素直に民衆の命を損ねないように進言もします。」

釈「その為の策を献じるのですね。」

まゆ子「そういうこと。ついでに言うと、弥生ちゃん金貨も出て来ます。これはサガジ伯メドルイが弥生ちゃんの逗留中に地球の貨幣の話を聞いて、作ってみたものです。三荊閣家ではこれを用いて褐甲角王国内の物資を買い占めようという策を考案して、大量生産体制に移っています。イルドラ姫のところにも金箱は来ています。」
じゅえる「じゃあかなりの枚数が既に作られているのだね。」
まゆ子「或る意味では、毒地が浄化される前から、とも言えます。本来ならば国内で消費するつもりだったのだけれど、敵国内にばら撒いて経済活動を混乱させるという策が実に都合良かった為に、出来たものを片っ端から西に送っています。三荊閣家それぞれでデザインの違うものを作っているので、コレクターアイテムとしてはなかなか面白い。」

釈「お金、ですよね。」
まゆ子「お金なんだけどね、お金というものは或る程度数がまとまらないと力にならない。これまでの偽金は数の点で元々話にならなかったのだけれど、今回は三荊閣家が直々に偽金造りに乗り出しているようなものなので凄い話になります。」

じゅえる「で、どういう風に接触するの。毒地に歩いて行くの?」
まゆ子「まあ、ね。密かに潜入していた剣匠の案内で難民組織の有力者を連れて来るはずが、これが来た。とても変な格好をしており、トカゲ神の記章まで持っている。とても良く効く薬を持っていて、イルドラ姫様も思わず買ってしまう。」

釈「歌舞伎者だ。」
まゆ子「かぶきものです。まあ、元がジー・ッカの工作員だから。」

じゅえる「持っているのは薬だけ?」
まゆ子「マンガまで持っています。薬の使い方を書いた説明書なんだけど、十二神方台系初めてのマンガで描かれています。皆びっくりする。トカゲ神救世主降臨由来、とかのマンガも持っていたりする。これを元に村々で絵を描いていくのだね。蜘蛛神殿に持ち込んで板絵を描いてもらう、とかもある。」
じゅえる「情報戦だね。」
釈「なかなか恐ろしい奴ですよ。」

まゆ子「ほかにも秘密のレシピを持っていて、各地のトカゲ神殿ではそれに基づいて彼らに売薬を提供する義務を弥生ちゃんから負わされている。てなわけで、売り物の薬には困らないわけだ。」

じゅえる「で、キシャチャベラ麗チェイエィがイルドラ兄様にちょっかいを出すんだね。」

釈「どちらに重心を置きますか。寇掠軍の運用ですか、ちょっかいですか?」
まゆ子「うーむ、難しいな。書いてる内に、という気もする。それにイルドラ姫様はちょっと、スガッタ僧ジムシにもいらいらさせられている。ここも描かないとね。」

じゅえる「では、いらいらするイルドラ姫様は、故に主戦論者なんだ。さっさと褐甲角王国領内に飛び込もうとする。それを皆が諌めるのだね。」
まゆ子「上将が細かい作戦をやっているのを、迂遠だといらいらしちゃうんだ。そういう事であれば、・・・ジムシは何をしているかな。」
釈「彼は神人を探しているわけで、コウモリ神人は激烈な戦闘の渦中に現われるのだから、どうなんでしょうね。イルドラ姫様に従うような。」
じゅえる「逆だろ。上将ガブダン雁ジジの作戦の方がより大きな戦闘、より残虐な殺戮と心得て黙々と従っている。ついでに、神懸かりに大地を走る力線とかを瞑想で感じている。それもまた腹が立つ所だよ。」

まゆ子「で、今回ちょっとばかしは戦闘もしてみなきゃいけないんだけど、どうしよう。」

じゅえる「ということで、お兄様が妹を連れて二人だけの偵察行に出掛ける、というのはどうだろう。機嫌を癒す為に、戦闘をしに行き、物見櫓を引き倒す。」
釈「櫓はまだあるんですか。」
まゆ子「ありますよ。神兵が巡回するようになってからは、随分と大丈夫ですけど、それでもやはり第一目標は物見櫓です。」

じゅえる「ただ単に、というのは芸が無いな。兵に物見櫓を焼かせて、追って出て来る神兵を背後から強襲する、・・あ、そんなにまぬけではないか神兵は。」
まゆ子「巧妙な罠に神兵を掛けて、それを打ち破られてほうほうの態で帰って来る、というのがいいな。」

じゅえる「落とし穴というのはどうだろう。」
釈「げんしてきですねえ。効きますよ。」
まゆ子「神兵はカンもいいんだけど、そんなとこでいいか。毒地は平坦だけど、細かく見ると意外とでこぼこはあるし、ゲイルを潜めさせる穴だってある。というか、掘るし。」

釈「ゲイルが穴からぼっと飛び出す、というのはクワアット兵には恐怖でしょうが、バレますか。」
まゆ子「ばれるねえ。13メートルもあるし、臭いだってする。」
じゅえる「ゲイルを完全に消す方法というがあればいいんだけどねえ、建物の中に居るとかかな。」
まゆ子「縦穴、というのは? 井戸に潜むことが出来るよ。」
釈「しかし、直径5メートルの井戸というのは無いでしょう。ゲイルが潜むにはそのくらい要ります。」

じゅえる「おもいっきりダサい罠がいい。縦穴はヤバいでしょ。熨斗烏賊みたいにゲイルがぺたっと寝そべるとかは可能?」
まゆ子「えー構造上不可能に近いのだが、ほら、長い肢で支えるからには肢は伸び過ぎない方がバネが効くから。ムカデみたいには無理だよ。」

釈「裏をかきましょう。ゲイルの臭いのするものを風上に置きます。そうすれば、」

まゆ子「いや、より単純な仕掛けが。逆を突こう。兵と剣匠を出しているのだが、ゲイルでこれを回収する。超高速で移動する事ができるんだよ。ソリだ。ゲイルにソリを曳かせる。」
じゅえる「そういうのは有り?」
まゆ子「今回有りになった。ゲイルに奴隷を乗せるよりマシな方法として、ソリを考案しました。10人も乗れます。」

じゅえる「ヤバいね。」
釈「激ヤバです。ゲイルだけが持っていた高速移動能力を特殊部隊兵が持つようになったのですよ。」

じゅえる「ソリか。いいね。これ褐甲角王国側も使ったらどうかな。人ではなくて神兵がソリを曳く。3人もあれば2トンくらいのものは運べるよ。」

釈「しかし誇り高い神兵がですよ、やりますかね。」
まゆ子「選択肢として取っておこう。純軍事的に有効な手段であれば、必要があればプライドよりも勝利を優先させるのが黒甲枝だ。」

じゅえる「ということは、追い詰められたはずの金雷蜒軍の兵が、さーっと逃げちゃったという策だな。じゃあ逆に、神兵が絶対的な優位を見せるという感じかね。」
まゆ子「そいうことであれば、イルドラ姫様が超攻撃型対応を取るのも許されます。」

釈「決まりですね。」

 

06/09/30

じゅえる「お。丸甲冑と翼甲冑の絵が出来てる。」

釈「おや、ほんとですね。暇だったんでしょうか?。」
まゆ子「あのね、暇を見つけて一生懸命描いたんだよ。というか、かなりいい加減だけどね。マスク切らなきゃ手っ取り早い。」

じゅえる「で、甲冑の説明をばして頂きましょう。」
まゆ子「あー、これまで翼甲冑の絵が無かったのは、関節の構造をどうするかで悩んでたからなんだね。今回、タコ樹脂の網という新素材の導入で、そこんとこを何も考えずに解決出来ました。」

釈「鎖かたびらじゃないんですか。」

まゆ子「タコ樹脂の網です。だが、本来タコ樹脂では網は作れないんだ。線材にする事がかなり難しかったんだよ。で、薄いタコ樹脂を塗り込めていくという重甲冑の手法を利用して線を作る手法が開発されたけど、直径1ミリのかなり太いものになるんだね。これを使っているのが丸甲冑。肩と股の部分の垂れはこれで織っている。が、見てのとおりに細かいものは作れない。ごわごわするからね。タコ樹脂はPET樹脂に似たようなものだけど、一度成形してしまえばほとんど切断は不能なんだ。というか、刃物では切れない。薬品で切る。とても細かい細工は出来ないのね。」

じゅえる「ふむふむ。ではどうやって網を作ったんだ。」
まゆ子「織るのを諦めました。鉄板の上に細い釘を整然と並べて、その上に薄いタコ樹脂の液を流します。すると、穴が開いた薄いシートが出来るのです。」

釈「はあ、なるほど。それで自由に折り曲げ出来る素材が出来たんですね。で、これはどの程度の強度があるんです。」
まゆ子「タコ樹脂の盾は、強弩の矢でさえも防ぐが、変形して内部にとんがります。貫通はしないけれど、ちとやばい。だから裏に鉄板が必要だったのですが、今回の網を何枚も重ねると、内部への進入を効果的に防ぐ事が可能です。」

じゅえる「厚い盾、というのは作れないの?」
まゆ子「高い!」
じゅえる「そうか、経済性の問題か。」

まゆ子「タコ樹脂を如何に節約するかがもんだいなのだね。で、重甲冑では針金の網と鉄箔を貼る接着剤として使っている。翼甲冑でもこれは使っているけれど、網が作れるようになったから、重量を大幅に軽減して、接着剤の量も少なくなりました。その分、翅と翅の盾が作れます。」

じゅえる「という事は、基本的に費用は変わらない?」
まゆ子「値段は一緒。新装備を多数投入して居ます。ま、只の盾として見た場合は重甲冑が一番だよ。機動性運動性が大幅に向上しているから、使いやすくなっている。メンテナンス性も向上して、ここでは費用の削減が可能だね。なんせ網だから。」

釈「重甲冑はロボットみたいなんですが、翼甲冑と丸甲冑は構造的に違うんですか。」
まゆ子「ここんとこはちょっと難しくてね。重甲冑はなにも好きこのんでロボットになっているんじゃない。
 丸甲冑と、重甲冑翼甲冑の根本的な違いは、ゲイルだ。丸甲冑は基本的にゲイルと戦う事を考慮されていない。だから、ゲイルにふっ飛ばされるという状況を考慮されていない。」

じゅえる「ふっとばされる、ってのは肢で?」
まゆ子「パワーショベルくらいの力はあります。」
釈「うわー、それは死にますね。」

まゆ子「死にます。いかに聖蟲を持つ神兵だとはいえ、これはダメです。甲冑を着けていても衝撃は中に通ります。が、重甲冑はそこを解決した画期的な甲冑なんですね。翼甲冑はその工夫を新世代に継承する新型なのです。」
じゅえる「それが、ロボット構造?」

まゆ子「甲冑の全てのパーツがバネで繋がってるんだよ。で、衝撃を甲冑全体で吸収するようになっている。甲冑が肉体の周りで衝撃を受け止めて、肉体にダメージが届かないようにしているんだね。早い話が、甲冑全体がボールになっていると考えて下さい。サッカーボールのように、側が衝撃を吸収し、反発する。中身はフリーだ。」

釈「ほお。では丸甲冑はそうなっていないんですね。」
まゆ子「丸甲冑はただの甲冑だ。常人では使えないような重量の甲冑だ、というだけだね。あとは背中に翅が8枚生えていて、聖蟲の振動を使って泳ぐ事が出来る。だから、丸甲冑は手足のパーツが別なんだよ。
 翼甲冑はそうじゃない。手足は胴体のパーツと繋がっている。ただ、重甲冑ほど効果的にバネを使ってはおらず、外部から衝撃が加わった際に人体を保護する機能がある、てだけだ。重甲冑ほど重たくないから、機械的な運動支援が必要無い。ま、つま先とアキレス腱のところにバネが入って走りやすくなってるけど。」

じゅえる「重量は100kgほどは違うんだ。」
まゆ子「うん。重甲冑が200キロ、翼甲冑は100キロと倍違う。丸甲冑は海で使うから50キロから80キロで手足のパーツを外して使う事が可能。丸甲冑は単に弓、弩の攻撃を防ぐだけでいいから、脚は要らないといえばそうなんだ。というか、船の甲板に穴が開いちゃうから、翼甲冑や重甲冑のスパイクが生えてるのは禁止だ。」

釈「水中を泳ぐ事が可能なんですよね。ルパンのカリオストロの城みたいに。」
じゅえる「あれはー、こんなボリューム無いよ。」

まゆ子「あー、それはですね。可能です。海戦用というのはダテじゃない。ただイルカのように泳ぐというわけにはいかない。この丸甲冑、頭が丸いけど、兜に空気を溜める事で数分の水中活動が可能なんだ。空気抜きの穴も上に空いてる。」
じゅえる「あ、ホントだ。」

まゆ子「で、甲冑は重いが、頭は上に浮く。つまり立ったまま沈むんだね。だから、背中の翅が振動して推進力を生み出すと、立ち泳ぎするような感じで進むんだ。まあ、普通に泳ぐ事も出来ん事も無い。頭の聖蟲は海で泳ぐのは嫌がるけど。」

釈「ゲンゴロウが憑いて居る人は居ないんですか?」
まゆ子「うっ! それは思考の外だった。」
じゅえる「そりゃあ良い考えだね。なんとかしなさい。」
まゆ子「うう、考えておくよ。

 で、ともかくだ、丸甲冑は泳ぐ事が出来るし、潜るのも出来る。潜水で敵が来るのを待ち伏せする事もできる。まあ海で使う分には困らないように出来てるよ。ただ、手足は甲冑を着けてると溺れそうだから、そういう時は普通外します。・・・? あ、そうか。潜水専用丸甲冑を作ればいいんだ。水密兜と背中の翅だけが付いている甲冑を。」

釈「タコ樹脂の殻が無くても、聖蟲の振動を利用できるんですか。」
まゆ子「あ、それは特に問題じゃない。タコ樹脂を使うと簡単だというだけで、人体に翅みたいなものが付いていれば普通に振動します。刀を持ってたらそれが振動してる、というのもある。聖蟲が喜んで振動させます。」
じゅえる「そういう性格なんだ。」
まゆ子「問題は、振動した翅をどうやって目的通りに使うか、だよ。ま、憑いてる人間の器量によるんだけどね。」

釈「しかし丸甲冑で神兵が潜水、てのはあまり尋常な事態ではありませんね。そういうのはクワアット兵の水兵の仕事では。」
まゆ子「うん。神兵はまあ普通潜らないさ。聖蟲があるからね。逆にいうと、弥生ちゃんのカベチョロは泳ぐよ。」
じゅえる「ほう。そうか、海イグアナの力も持ってるんだ。」
まゆ子「カメとかワニの力だね。」

釈「前の回で、丸甲冑の背中に翼甲冑の大きな翅を付ける、という改造がありましたが、これは簡単にできるんですか。」
まゆ子「できません。丸甲冑の背中の八枚の翅は、製造段階でびちっとくっついていて、外す時は壊す時です。つまり、丸甲冑の製造ラインに大きな翼を付ける工程を加えるのです。」

じゅえる「じゃあ、新製品だ。」
まゆ子「新製品には違いないが、実戦テストしてない間に合わせだからね。製造途中だったのと、使い古して解体修復中の丸甲冑にくっつけてみました。ベイスラ穿攻隊で呪ユーリエが着ているのがコレ。ゲイルと遭遇しなければ十分な防御力があるはずです。手足は丸甲冑の陸戦モード装備ですから、決して弱くはない。むしろ、ごてごてと何も着いていない分、便利だとも言える。」

じゅえる「丸甲冑は陸地で他に使っている所は無いの?」
まゆ子「丸甲冑は原始的な聖蟲用甲冑でもあるんだけど、聖蟲の力を利用する甲冑は毒地成立時に重甲冑として防御力を利用して進攻するという使われ方をしたから、あまり主力としては使われていないんだ。礼装甲冑に賜軍衣を重ねて使うというのが普通でね。あるとしたら、カプタニア山を守る神衛士だね。」
釈「カプタニア山にゲイルは来るんですか。」
まゆ子「来ない。だから、海軍の陸戦隊以外は丸甲冑は使う所が無い。」

じゅえる「ちょっともったいないな。」
釈「なにかないんですか。考えましょう。」

まゆ子「あー、ベイスラならアユ・サユル湖に近いから、湖水軍が使ってるな。マナカシップ島の警備は皆これだ。」
じゅえる「ふむ。水のある所でゲイルが居ないのが使いどころか。」
釈「それは、まあ、ちゃんと使われてるんですか、ちっ。」

じゅえる「礼装甲冑に特別バージョンは無いの? 丸甲冑に似たコンセプトを持った軽装の聖蟲用甲冑は無い?」
まゆ子「考えてみてもいいけれど、元老院が使う甲冑は礼装甲冑とはいえ特別製だよ。タコ樹脂も使ってるし。」
じゅえる「性能は?」
まゆ子「立派!」

釈「それはスタイルが良くて、見た目に派手で、いかにも高級そうというのですか。」
まゆ子「元老院はそれが一番必要なのだ。でも、武徳王の盾になるという使命もあるから、大きくて立派というのは必要な性能なんだよ。しかもかちゃかちゃと音がしない。」

じゅえる「うー、それはなんか違う。」

まゆ子「元老員の礼装甲冑はそれなりによく考えられてるんだ。この甲冑の用途はギィール神族だ。会談の場などでいきなりギィール神族が襲って来る、あるいは刺客がうじゃっと出て来る時の為に防御力よりも運動性が考えられている。あまり強力な矢はそういう場面ではないだろうと防御力は低めだが、火に強いように外回りは鉄板張りになっている。また、礼儀上内装武器が無い事を示す為のチェックのしやすさというのも性能の内で、なかなか手が込んでいるんだよ。」
釈「結構めんどくさいものなんですねえ。」

まゆ子「実は、この礼装甲冑はそれだけで使うのもいいんだけどね、増加装甲というのがある。手足のパーツも変更出来る。丸甲冑の手足はこれに組み合わせて使う事も出来るんだ。バネで繋がっていないからこそ、出来るんだよ。」

じゅえる「じゃあ、元老院は丸甲冑のパーツを持っている?」
まゆ子「穿攻隊で使っている丸甲冑の手足部分はそれだ。供出してもらってる。まあ、海軍からそっくり回してもらってるのが多いけど。ちなみに、穿攻隊の黒甲枝が用いていた重甲冑は軍政局が回収してヌケミンドルに回してます。」

釈「じゃあ、丸甲冑は手足パーツだけは数がある、重装甲のスタンダードなんですね。」
まゆ子「破損中の重甲冑、翼甲冑が壊れた手足をそれで補う事もある。つまり手足は数があり胴体部だけを作ればいいから、今量産してるんだ。翼甲冑の翅と、丸甲冑の胴体と、元老院からの手足を組み合わせてね。
 妙なものができつつあるよ。丸甲冑の肩と腰のパーツはより製造の簡単な網に変更されて、後に翼甲冑に改造する事を見込んで共通パーツとし、ありあわせの部品と組み上げてる。」

じゅえる「兜はどちらのを使ってるの。」
まゆ子「製造が簡単なのは翼甲冑の兜。丸甲冑重甲冑の兜は呼吸装置が組み込まれているから、ちと難しい。ただ翼甲冑の兜は首の部分でバネで繋がる構造になっていて衝撃を胴体で支えるようになっている。ここを外すと翼甲冑には使えないから、えーと・・・・・、どれでもないただの兜を作ってる。」

じゅえる「そういうやり方か。まあ、そんなもんだね。ゲイルには出くわさないように、てわけだ。」
釈「神兵が使うのにもったいないですねえ。」

まゆ子「この急造甲冑、のちに弥生ちゃんが分捕る手筈になってる。神兵と神族を集めて傭兵隊を作るのに、神兵専用甲冑として使うんだよ。鱗甲冑と呼ばれることになる。」

じゅえる「安物だから目を付けたんだ。」
釈「さすが。」

06/09/28

まゆ子「というわけで、第5章があらかた出来たわけですが、かなり予想外の展開です。」

じゅえる「予想外? 不本意な出来なの?」
まゆ子「予想外です。最初は不本意だったんだけど、リカバリーしたら、その不本意が却って生きて来た。だが、本来この章はがちがちの戦闘シーンになるはずだったんだよ。」
釈「戦闘、無いんですね。」
まゆ子「無いんだよ。いや、書いてる内に分かったんだけど、ここは戦闘シーンを書くべき所では無かったんだ。最初の計画が間違っていたのを、無意識裡に修正していたんだ。」

じゅえる「で、戦闘シーンを中抜きしてしまった、と。でも通常の対応なんでしょ。」

まゆ子「戦闘シーンが物語の勢いを殺す、というのは持論ではあるが、必要な時には必要なボリュームで書くべきだ、とも思っている。当初の計画ではここにはがちがちの戦闘シーンが入るはずだったんだけど、2章でちゃんと戦闘シーンが入ったし、4章は戦闘こそ無いもののディテールにおいては十分にハードな描写があるのだから、必要性が薄れていたんだね。逆に、さらっと書く方が良いかな、と思っていた第7章でのヌケミンドル防衛戦での戦いが、今回のあおりを喰ってハードなものにならざるを得なくなる。」

釈「して、予想外というのはどんな感じなのです。」
まゆ子「だから、当初書きながら不本意に思っていたんだよ。ここは戦闘シーンを予定していから、書いている内に「アレ、準備している所を書かなきゃいけないぞ。それに砦を落とした後も描写しなくちゃいけない。そうでなければ、神兵としての英ジョンレが描けない」と分かってしまったんだよ。で、そのまま流されて書いている内に、そうね、第4章で書くはずだった軌バイジャンの自問自答が英ジョンレに移っている。黒甲枝としての今回の大戦に臨む意気込みとかを書くつもりが、黒甲枝神兵としての存在意義とかを問うような感じになってきた。でも英ジョンレって人は、基本的に明るくて軽い人だからね。」

じゅえる「なぜか、技術的な話も増えてるね。」
まゆ子「私的にはまさに本分、という話になってしまった。これも予想外、だがどこかでいつかまとめて書いておくべきだ、とは思ってた。まさかここに来るとは考えてなかったけど。で、ついでだから、章の前後に弥生ちゃん特別編が付いて、また技術的な話を膨らませてみました。これでこの章は構成としては完璧です。」

釈「弥生ちゃんキャプテンは、なかなか出ませんね。」

まゆ子「うーむ、そうなんだ。書き進めていく内に分かったんだが、EP4唯一弥生ちゃんが出る予定の、・・・ありゃ、第6章はイルドラ姫戦闘シーンてなっている。弓レアルの手紙の話だとばかり思ってたのに。」
じゅえる「あ? あれほんとだ。スケジュールはそうなっている。どうするね。」
釈「この構成から言うと、がちがちの戦闘シーンは、止めておいた方が。」

まゆ子「そうだね。では行軍の様子と、わずかに戦闘も交えておこう。ギィール神族の兵の扱い方と作戦行動、それに難民組織との連携、を書いておく事にするよ。
 で、弥生ちゃんが出るはずだった第11章は、ここ弥生ちゃん出ません。弥生ちゃんの周りの人の動向を書きます。という事を自覚的に考えますとだね、では弥生ちゃんの動向は随所に細かく挿入しておこう、という話になるのだね。ウラタンギジトでの弥生ちゃんの生活は、これからちょくちょく出て来ます。一応は主人公だから、出番がなくちゃ。」
じゅえる「ふむ。そういう手もあるか。」

まゆ子「でー、問題が一つ。また分量が増大した。」

釈「またですか。今回は何頁ですか。」
まゆ子「本編で45枚、前後の弥生ちゃん編を足すと61枚だ。」
じゅえる「また倍か。この調子でいくとEP4の分量は1000枚に到達するぞ。」
まゆ子「そこまではいかない。700枚だ。400枚が定数なんだから、ははは、でかいね。」

釈「削れないんですか?」
まゆ子「エピソードを削れば、そりゃ可能だ。というか、それは得意中の得意だ。でも、必要なんだよね、ディテールを描くには、そのエピソード。」
じゅえる「ディテールは大事だよ。しかしそれ、苦手だったんじゃないの?」
まゆ子「どうやら慣れてきたらしい。いや、上達した、と言った方が良いかもしれない。ともかく、キャラを掘り下げるのに最低必要な描写で、今45枚が必要だとなってるみたいだね。」

釈「もうちょっと慣れれば、短くてもなんとかなりますよ。」
じゅえる「その前にインフレするぞ。」
まゆ子「うー、そりゃ大変だ。書き直しができんよ。しかし、焦点を絞ればよいのだろうけど、いまはこれがいい、と思ってるからねえ。」

じゅえる「でー、次を考えます。イルドラ姫です。エロくいきましょう。」
釈「キシャチャベラさん、ですか。兄上に毒牙を突き立てます。それでいきましょう。」

まゆ子「あ、うーん、なるほど。」

 

06/09/18

まゆ子「指が痛いよ。」

釈「げばおと、第三章第四章連続掲載です。というのが5日ほど前の話。」
じゅえる「キーボードが新しくなったけれど、キーのバネが固くて指が痛いのよね。字を大量に書くげばおとがこれにより妨害されている。」
まゆ子「うー、古い方のキーボード丸洗いしなきゃいけない・・・。」
じゅえる「てなわけで、第五章の打ち合わせしなきゃいけないんだけど、到底できゃしない。」

まゆ子「てなわけで、古いキーボードのキートップを全部外して台所用洗剤で洗って、綺麗にしました。まーあんな固いキーボードはアメリカ人しか使えないよ。腱鞘炎になっちまう。

 で、ちと遅れましたけれど、げばおと第5章です。今回の主役はサト英ジョンレ。女房にまぬけと言われた彼は、でもそれを全然苦にしていない、どころか神様の思し召しの大チャンスと思っています。なにせ黒甲枝の世界では、安定職と言えば衛視、聖蟲が無くても続けられる衛視で勤め上げるか、そこから横滑りで高級官僚・大臣になるのが堅実な生き方です。軍に留まるというのはかなりリスキーな生涯設計で、通常は大剣令どまりの45歳聖蟲の継承で引退、になります。軍官僚というのはクワアット兵から昇進した人も多いしあまり身分的にも高くない。兵師監になるのはそれは大出世で名門の家柄でない黒甲枝の神兵にはなかなか難しい。」

じゅえる「カロアル羅ウシィは名門の家柄なの?」

まゆ子「黒甲枝には大体三階層あって、名門、中堅、新参ですね。カロアル家は中堅に当たります。名門は褐甲角神救世主初代武徳王カンヴィタル・イムレイルの聖征に従った人たちで、最初期に聖蟲を授かった家系です。中堅はそれに継ぐ500年前ぐらいまでに聖蟲を授かった家系で毒地が完成するまで、というのが通り相場です。新参はそれ以降に分家として家を立てた家系や赤甲梢として聖蟲を授かり黒甲枝の家に養子となった人、とかの家系です。この三階層に制度的な差は無いけれど、慣習的な差があります。その中でも最も上になるのが元老院への昇進を勧められながらも頑として拒み続ける5家くらいの黒甲枝です。これらの家は一家に3匹の聖蟲を頂くという金翅幹家の特権をも授かっています。」

釈「では中堅のカロアル家だから、兵師監になれた、ということですか。」
まゆ子「本人の資質の問題もある。階層の差によって配属は大体決まるんだけれど、上を目指す人はより大変な配属先を希望して経験を積んでいくというのがあるのだね。だから並の人よりは昇進は早くなる。ちなみにカロアル羅ウシィはちゃんと衛視の資格も持っている。衛視になると30代では5年に1年、40代で1年必ず軍務に就かねばならないという規則があるんだが、この人は逆に衛視資格を維持する為だけに5年に一回衛視をやる、とかでもっぱら軍務に精を出して居た変り者です。」

じゅえる「衛視の試験というのは難しいの?」
まゆ子「難しいといえば難しい。が、そもそも推薦で試験を受けるから、受けられる人は大体受かるんだよ。英ジョンレはその点では運が悪かった。ヒィキタイタン事件が起ってソグヴィタル範ヒィキタイタンの追放となり、東ゲジゲジ王国への大侵攻作戦が潰えてしまい、当分は戦争は無いな、という見方が主流になり衛視を受ける人が多かったんだよ。衛視の試験というのは早い話がポストが空くと行うのであって定期的に行われるのではない。20代初めでその機会が巡って来た英ジョンレはラッキーだったんだが、そこに人が殺到して競争率が高くて落ちちゃったんだ。だから落ちても仕方はないのだが、まあそこは覚悟が足りなかったわけだよ。」

釈「そこで大戦争が無いから暇になった赤甲梢に行った、というわけですね。戦争が無いなら危ない任務でもよいと。」
まゆ子「そこまで計算したわけでは無いけれど、衛視の試験はもう3年ほどは巡って来ない、と思ったから、それまでただ時間を潰すのは勿体ないというわけで、赤甲梢に行ったんだ。若い頃でないとなかなかそういう暇な機会は無いからね。ちなみに黒甲枝が手にすべき資格には、衛視、高級官僚である官職、外交官である外交司・接遇司、軍官僚である凌士監、剣匠令、軍船令、造城令・造兵令・造船令、監察師、褐甲角神に仕えカプタニア山脈を守る神衛士、王宮に仕える王侍・近侍、があります。」

釈「どれでも受けられるんですか、その資格は。」
まゆ子「だから推薦で決まるんだよ。推薦をもらわなければいけないし、推薦は現職の人だから最初に資質を見極める。ただ王侍近侍は推薦即採用だけに選抜は自分の意志とは別だね。 英ジョンレの場合、衛視、官職、凌士監、剣匠令のどれか、でなければいけない。外交司や監察師は衛視の資格が必要だし、造兵造船とかは専らにする家系があり余所から入り込むにはよほどの勉強が必要。軍船令は最初の配属で水軍になった人が大体なる。ベイスラで普通に小剣令になった彼は事実上他に選択肢が無く、衛視から始めるのがセオリーだが、実は彼は気質的に衛視とか官僚とかはいやだなあ、と思ってた。若いからね。で普通の道筋で落っこちたからには自分の嗜好に従って素直に剣匠令を取りに行った、て話です。」

じゅえる「話を戻そう。で、何が起きるんだ。」

まゆ子「ベイスラとヌケミンドルの県境に近いボラ砦というのを攻略するのが、今回の任務。毒地中50里の所にある最前線基地で、年によって毒が薄かった時にはこちらから攻撃もしていたという砦だ。ここを奪取しない限りはいつまででも敵がやってくるし、毒地中に踏み込んで攻撃する為の前線基地としても非常に便利の良い砦だ。なんとしてでも落とさねばならないが、当然の防備も固い。・・・が、東金雷蜒軍ではココが落ちるのは既定の方針なのだ。だがタダではやられないし、ココが落ちる事を前提に計略を巡らしているのだからバレないようにも頑張らなきゃいけない。というわけで、結構な激戦になります。ま、どうせ一章で落ちる砦だ。」

じゅえる「その程度なんだね、結局は。」
釈「ただ単に戦闘というのはなんですね。」

まゆ子「ちがいない。で、今回絵を描こうと思う。」
じゅえる「なんだそりゃ。」

まゆ子「軍学校で習うから、黒甲枝には結構絵を描く人が多いんだ。状況を正確に認識し分析する、情報を共有するためには目で見たものを正確に再現する、細部を正確に記憶する訓練が必要で、絵画はその為に教えている。だから穿攻隊の中に絵が得意な人が居るんだ。黒甲枝の文化的側面も描いておこうというこったね。」
じゅえる「なるほど。それは目先が変わっていいかもしれない。」
釈「文字どおりに絵になるように、情景を想像するように読者さまを誘導出来るわけですよ。」

まゆ子「さらに、穿攻隊を指導する隊長が赤甲梢からやってきている。剣匠令を取った時のお世話になった人が居るわけですね。ちなみに近衛で取ったのと赤甲梢で取ったのとでは剣匠令の位が違います。ベイスラ方面は近衛で取った人が多いから、英ジョンレはちょいと自慢。故に先発隊にも選ばれます。100の内50で攻略して、50で敵のリアクションを防止するという作戦。ギィール神族を相手にする時は絶対に後方を警戒しなければいけない。ゲイルは早いから、思わぬ所を痛撃されて城砦攻略はしばしば頓挫してしまうんだよ。」

じゅえる「砦を襲う、というのはいい。しかしそれではここではあまり話の筋立ては作れないね。」
釈「そうですねえ。戦闘シーンはこういう書き方では難しいです。」

まゆ子「順序立てて考えよう。ボラ砦は平原のどまんなかにある普通の砦です。人が住まねばならないから毒も薄い、地形も大分良く知っている。城壁は固いが1000人規模の大きさしかなく、城兵も200しかいない。というよりもギィール神族が居ない。」

じゅえる「いない?」
まゆ子「いや、居るんだけど皆外に出ているんだよ。つまり城は囮で野戦で黒甲枝をやっつけようという作戦。砦に篭ってはゲイルの長所が死ぬからね。」
釈「あー、それはそうです。では防戦にはゲイル騎兵はあまり役に立たないんですね。」

じゅえる「弩を引くのにうすのろ兵が居た方がいいのかな。」
まゆ子「うすのろ兵も居ない。勿体ないからやめてます。その代り火を使う。火焔瓶の大活躍です。兎竜部隊が遭遇した、神兵の鎧も燃やすという特殊な油の火焔瓶のみで接近戦を行う、と思って下さい。」
じゅえる「予想外の展開になるんだね。でも、ちと弱いね。」
まゆ子「新兵器も出そうか。火炎放射器とか、火矢とか。」

釈「獣人くらいは出した方が良くないですか。いくら計略といえども釣り餌が弱いと感づかれますよ。」
まゆ子「一理ある。では旧タイプの獣人が居る、という事にしようか。毒対応でない、ギジジットに居たような奴。」
じゅえる「ちょっとタイプが違うのにしよう。身長は高いが細身で、どっちかというとギィール神族に近いが、獣人。怪力と速度の両方を兼ね備えている。」
釈「それも使い捨てですか。」
まゆ子「使い捨てだね。在庫一掃だから持って来ている。」

じゅえる「うーーーん、べんりだな。これは没にしよう。なにかといえば獣人が出るというのは悪い癖だ。読者様に展開を読まれてしまう。」
釈「あ。なるほど、ではダメです。」

まゆ子「じゃあ、びっくりする事に、金貨がざくざく出て来る、というのはどうだろう。本気を見せる為に金貨の偽物、金メッキ金貨がざくざくとある。」

釈「金貨というのは使ってるんですか?」
まゆ子「いや、褐甲角王国は銅貨だ。それも崩壊寸前の劣悪品質の銅貨で、これ以上悪くは作れないという事で偽造を防止している。金雷蜒王国では秤量貨幣だよ。だから金貨というのは初めて見る宝物だ。」
じゅえる「当惑するんだね、これはなんだ?って。ふむ、トリックとしては悪くない。獣人よりははるかにマシだ。」
まゆ子「ま、金メッキといえども結構な価値はあるからね。」

じゅえる「整理すると、このボラ砦は落とさせる為の防備しかなく、兵の数も少ないが、火を用いる最新兵器で結構な戦闘力はあり激戦となる。しかも砦の奥からは金貨が出て来て、ともかくここは重要であり本気で防御する積もりであった、という気概は見えて、攻略は一応の大成功を納める、てことだ。金貨は勿体ないな、一回限りの出番では。」

釈「褐甲角王国内の難民の抵抗組織にに、活動資金として与えられるてのはどうでしょう。金ぴかのこれをちらつかせれば、褐甲角王国の田舎者などは簡単に騙せる。」
まゆ子「かんがえとこう。経済破壊、というのは普通にありえる手だ。しかし通貨は通貨として流通するからこその通貨であって、価値があるから通貨だとは限らないんだよ。」

釈「・・・ガモウヤヨイチャン記念コイン、というのはどうでしょう。東金雷蜒王国が新救世主の到来を記念して作った、という。で、特に警戒もなく褐甲角王国内に広まったが、やがてこれが通貨として流通してしまう。」

じゅえる「悪くないアイデアだ。王国の計画を越えて、闇経済が動き出すんだよ。新通貨の威力だね。」
まゆ子「であれば金貨の表面には弥生ちゃんの顔が描いてある。これは、弥生ちゃんが地球の貨幣について言及したものをそのままに作っているのだね。しかも石にぶつけると良い音がする。」
じゅえる「たいそうな品質だね。インフレが起きるんじゃないかな、それ。市場に高額通貨が投入されたのとおなじなんだから。どのくらいの価値で流通するのだろう。」

まゆ子「褐甲角王国では大中小の劣悪銅貨が使われている。それ以上は金か銀か鉄の塊だ。ガモウヤヨイチャン金貨は5金に相当、つまりは褐甲角王国大銅貨5枚に相当する。ゲルタ荷車5両分の価値がある。そのくらいの大金として使われるのだよ。」

釈「よっぽど褐甲角王国の貨幣が信用無いんですねえ。」
じゅえる「まあ年中ぴーぴー言ってる国だからね。」

まゆ子「というわけで、とりあえずこんなもんでやってみる。たぶん設定足りないだろうが、そこはまた後で。」
じゅえる「うん。」

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まゆ子「というわけで、第5章を書いてるわけだが、いきなりぶち当たったぞ。」

じゅえる「なんだい?」
まゆ子「戦隊と部隊と小隊の区別がつかない!」

釈「決めてなかったんですか・・・・。」
まゆ子「いやなんとかなるかな、と思ってたんだけど、甘かった。えーと、つまり小隊中隊大隊の別はいいんだ。ところが穿攻隊というのはよく考えると兵団のような気がする。設定段階で間違えた、・・・てことかな?」
じゅえる「間違えたのかなにか知らないが、ここまで書いたんだ押し通りなさい。」
まゆ子「押し通る。

 あーーーーー、そうだね。穿攻隊は毒地進攻兵団の一部隊なんだ。つまりは国境線防衛兵団と毒地進攻兵団とに分けられており、ベイスラ県の普通の神兵はベイスラ防衛兵団の所属だけれど、穿攻隊は進攻兵団に属する一戦隊なんだ。だからトップは戦隊長だ。でもトップは兵師監で一軍の兵団と同じ格式を持っている。つまりはー、毒地進攻兵団はかなりデカいんだよ。」

釈「進攻兵団ではなくて、進攻軍団ベイスラ兵団とした方がよくありませんか。」
じゅえる「軍団、というのはなんだね。進攻軍・ベイスラ兵団・穿攻隊(戦隊)というところか。隊長が兵師監では上過ぎないかな。」
まゆ子「神兵が100人も居るんだ。位の上では問題無い。ベイスラ兵団は50人くらいだよ。」

じゅえる「じゃいいか。えーと穿攻隊は二つあるんだっけ、ヌケミンドルの南北の、ベイスラとミンドレア。」
まゆ子「正確に言うと、ベイスラ穿攻隊、ミンドレア穿攻隊、ガンガランガ兎竜掃討隊がある。ついでに言うと、赤甲梢も進攻軍の所属でボウダン赤甲梢迎撃兵団だ。
 これらは皆、防衛ではなくて毒地内部の東金雷蜒軍を直接叩くのを任務とする。」

釈「よいではありませんか。穿攻隊は神兵のみの戦隊で、ベイスラ兵団いやベイスラ進攻兵団はクワアット兵と邑兵を含む、とすれば。」
まゆ子「あー。そういう考え方もあるか。なるほど採用しよう。つまり穿攻隊のトップは兵団長だから兵師監でいいんだ。」

じゅえる「人数は何人?」
まゆ子「兵団全員だと、神兵100、クワアット兵300、邑兵200に人夫が400くらい。人夫はベイスラ内部で穿攻隊の為の物資を調達したり砦を修復したりしている。陥落させたボラ砦にも送り込まれるよ。えー一般兵員だけだと500だが、どうせ毒地内部への進攻は神兵しかやらない。クワアット兵邑兵はその補助だ。防衛隊とは必要とされる戦力の質が違う。」

じゅえる「兵数は少ないかな?」
まゆ子「赤甲梢が多過ぎるんだが、まあクワアット兵1000人以下なら兵団でいいや。クワアット兵300は三個中隊だから、邑兵中隊が二個あるとして、大隊規模と呼んでいい。神兵数は十分兵団規模だから、一個大隊しか持たない兵団、というちょっと変な構成だな。」

釈「兵団は大隊4個でしたか。大剣令が指揮する。」

まゆ子「うん。小隊がクワアット兵20名もしくは30名以下の邑兵を含む集団を指す。中隊は小隊が4個以上8個以下。数は100〜300人以下。クワアット兵のみで構成される場合は100名をもって中隊とする。輸送小隊とかは人数的には増えるけれど。ちなみにベイスラ輸送大隊は2000人も居て、5個中隊、20個小隊もある。にわか邑兵ばっか。ベイスラ全体では当初クワアット兵500邑兵2000だったんだけど、ニワカ邑兵2000、応援のクワアット兵500で増強されている。その応援分のクワアット兵300が穿攻隊だね。更にエイベントとの県境の砦にクワアット兵200が入ってる。エイベント自体は邑兵を増やしただけでクワアット兵の応援は無い。その代りにボウダン街道難民移送計画の為にクワアット兵200が配置されて居て、これが街道の南半分の治安を守る。」

じゅえる「カロアルさんだね。こうして見るとベイスラもそれなりに大増員されてるんだ。」
まゆ子「そりゃそうです。最前線の次に襲われる、というところですから。まあ北の方が寇掠軍多いんだけど。」

釈「ではベイスラは兵数5000に増えてるんですね。ニワカ邑兵は戦争には使えないけれど。」
じゅえる「古今未曽有の動員?」
まゆ子「間違いなく。実は引退したクワアット兵も相当数復帰している。ベイスラ地方には結構そういう人が多かった。150ほど邑兵として参加しているけれど、この人たちは輸送小隊でクワアット兵の装備で着いている。」

じゅえる「完全なクワアット兵の輸送小隊は、少ない?」
まゆ子「武器輸送をしている小隊に重点的に配置されている。カロアル小隊は別で、カロアル軌バイジャンは難民の流入による混乱を監視・処理する任務を帯びているから、クワアット兵3名。この任務を帯びている輸送小隊は他にはなく、警戒小隊が二つ受け持っている。」

じゅえる「戦闘小隊、警戒小隊、偵察小隊、警備小隊、輸送小隊、てとこかね。砦とかを修復するのも小隊になるのかな。」
まゆ子「工兵隊はまた別だけどね、邑兵主体でやってるよ。工兵中隊100名の班だね。また人夫が結構入ってる。実は輸送隊も人夫が入っていて、危険の無い奥部、ボウダン街道の南北の前線県を支援する後方の県では、邑兵を前線に出して、民間の輸送業者を主に使って支援物資を送ってる。」

釈「わかんない所は、邑兵でごまかしてますね?」
まゆ子「てへ。」

釈「まあ150万人しか居ない国ですから、ベイスラ一県でも10万人居ないんじゃないですか。それで5000人の兵をひねり出すのは無謀ですね、確かに。」
じゅえる「10%が兵員調達の限界だっけ。」

まゆ子「常備軍は人口の1%、戦時の動員体制では10%が限界だ。10ぱー取られたら産業は壊滅的打撃を受けていると思っていいよ。餓死者が出る。こんなのはあくまで防衛戦争のぎりぎり死ぬか死なないかの状態と考えて下さい。

 まあ普通に考えれば分かるんだけど、男女が半々だから50、老人子供も居るから30%しか男は使えないんだよ。少年兵とか見殺しの老兵までも引っ張り出すとしても40%だね。で30%として、つまり人口の70%は非戦闘員だから、これを食わしていく為の人数が居る、社会を維持する労働力が必要だ。男手で一人が四人を預かるとしても、15%は生産活動に回さねばならない。まあ非戦闘員が働かないわけではないが、その反対で戦争という物資の蕩尽を行っているんだ。補給を考えると15%の男手はかろうじて生きていられる程度の労働力だね。
 という事は、頑張っても15%の男しか兵隊として使えない。だが、これをすべて兵隊として使っちゃうと後が無い。兵隊は戦闘で戦死もするし負傷も病気もする。そもそも兵隊として使えない者も居る。兵隊が飯喰わにゃいけないから、兵員以外でも輸送やら調達やらの戦争補助活動を、生産活動以外でも行わねばならない。ぎりぎり必要な15%からこれは割けないから、5%を兵として使える人間から割く。10%が兵数のぎりぎりだという結論を得るわけだね。

 まあ、通常こんな戦争はしない。1%の戦闘員に3%の補助要員で出来るスケールの戦争以外はするべきではない。というか、やる奴はそれだけで死に値する。敵から侵略を受けた場合なら致し方ないが、こっちから出向いてやるならばそういう話ね。」

釈「発展途上国ではやたらと兵隊が多いところ、てのがあるんですが。1%より多い。」
まゆ子「そりゃあるだろうけど、戦争していないよそいつら。」

じゅえる「そういう国は、ろくに訓練もしないよね。」
まゆ子「訓練だってタダじゃない。動けば兵隊は飯を喰う。自分達の食いぶちくらいは、と畑を耕したりしているもんだ。それに、そいう国は兵隊が治安活動をやっている。国家の秩序を維持する為の暴力装置として機能するんだ。国家はかつかつの状態で生きているのだから、発展はしない。」
釈「しませんね、確かに。」

まゆ子「韓国なんか戦時中にも関らず多数の兵員を抱え、なおかつ産業は発展したわけだけどお、それは日本とアメリカから、特に日本から有形無形の援助があるが故、そいう構造が成り立つのだよ。外国からの支援なしでそういう体制がなんとかなった、という例は近代においては無い。ま、征服を事業として搾取収奪を行うという戦争の在り方も無いではないが、その場合搾取される国の住民とかも勘定に入れれば、やはりこの比率は保たれているわけだ。」

じゅえる「しかしだね、全兵力5000、戦闘員3000ではあまり多くの隊を作れないね。」
釈「えーと、国境ぞいの村に駐留する兵が神兵5クワアット兵50。」

まゆ子「それは現在国境防衛軍として固まっている。えーとね、神兵はベイスラの定数は、5+5+3が通常軍務を行って、衛視やら官僚として10が予備兵力として存在する。更に交替要員として王都にベイスラ付きとして定められて居た神兵10があり、計33。現在休暇やらはすべて凍結されて総動員されているから、神兵は33全数ある。

 でこれを配置し直して、国境防衛軍、神兵15クワアット兵200邑兵500。その背後にベイスラ中核軍10兵200/1000。中核都市防衛隊5兵50/200、衛視3になっている。衛視は現在ベイスラ県防衛軍の司令官であるスバスト兵師大監(後列)の参謀として機能しているから、いざという時は都市防衛隊は神兵8になる。まそんなとこ。さらに輸送大隊は神兵はいないがクワアット兵50が配置され邑兵を指揮して物資の輸送を行っている。こちらに着いているクワアット兵はベイスラに長く居て地理と人に明るい者を選んでいるので、第二陣であるベイスラ中核軍に配属されているのはほとんどが他県からの応援のクワアット兵となっている。

 で、穿攻隊100兵300/300、エイベント砦10兵200/???だけど、こちらの神兵はエイベントから出張って来ている人だね。」

釈「邑兵も他県から応援に来ているんですね。」
まゆ子「うん。ただし、難民移送計画の為の人数で、しかも集中して使えるわけではなく、ボウダン街道南半分の街道沿いに配置されている者を適宜使えるようになってる。兵200/2000という事になっているけど、実際に配置されてきたのは50/500だった。しかもニワカ邑兵だ。」

じゅえる「難民移送作戦は神兵は何人配置されてるの。」
まゆ子「カロアルさん以下ベイスラ中核都市防衛隊の3名だよ。この作戦は一般人剣令が5名配置されている。神兵の出番はあんまりない。というか、用があるまで出ないつもりだった。難民暴動が起きてカロアルさんがエイベントまで出向かねばならなくなる。」

じゅえる「話を戻そう。穿攻隊の部隊編制ね。」

まゆ子「毒地進攻軍ベイスラ兵団穿攻隊、神兵とクワアット兵邑兵が隔絶しているのが、この隊の特徴。クワアット兵の指揮をしないんだ。100の神兵の内30人ずつ3隊、本部付き10人の計100人。白兵突入隊、機動殲滅隊、迎撃防衛隊だ。最初からボラ砦は取る事が決まってたから白兵突入隊も最初からある。一隊は5人ずつに分けられて6分隊ある。剣匠の位は神兵なら誰でも持っているからなんだけど、分隊長は剣匠令。ただし剣匠令が複数居る隊も当然有る。

 で装備なんだけど、黒甲枝本来の重甲冑は本部付の10人だけね。彼らは本拠地本営の防御の役も担っている。で、翼甲冑と丸甲冑の半々なんだ。丸甲冑は水中戦闘可能なんだけど、翼甲冑の四枚翅を付けた応急改造がされている。ただ翼甲冑も赤甲梢が使う完全なものは数が少なくて、後ろの甲翅が一枚きりだったりするし、翅が二枚のものもあったりする。兜だけ丸甲冑だったり、手足に重甲冑の部品が使っていたりと大変だ。新型も混じっている。赤甲梢が使っているのより更に新しい型で、鎖かたびらを多用しているのがある。関節構造が無いんだね。また甲翅の代りに薄い翅盾だったりもする。ギィール神族が使うタコ樹脂の盾だ。だが押し並べてみると、装甲防御力は重甲冑が最高として、新型=正規の翼甲冑>丸甲冑>盾無し翼甲冑 となる。武器はまちまち。鉄弓は誰でも使うが、白兵戦闘用はもう神兵の好きに任せている。」

じゅえる「でもゲイル相手には苦戦するね。」
まゆ子「スピードの差は大きいさ。現に今回の砦攻略戦でも、二日目の夜襲でクワアット兵の損害がかなり大きかった。夜戦は生身の人間には堪えるんだよ。夜目が効かないからね。」

釈「150万人しかいないのはわかりますが、古今の歴史書で出て来るような兵数とはなんだか全然数が違いますね。こういうので本当に戦争って成り立つもんでしょうか。」
じゅえる「それを言ってしまうと、困るんだけど。」

まゆ子「まあ密度がもうちょっと高いと良いんだがね、1000キロ四方はかなり広いのは広いんだ。ゲイル騎兵、黒甲枝神兵は一人頭百人力だから、戦力で考えるとべらぼうに高いんだけど、そうね、衝突するエネルギーで換算すると100人の神兵は一万人に相当するし、エネルギーの集中は百倍なんだから、地球の軍隊じゃあ鉄砲が出る前の戦じゃあ勝てないよ。エネルギー同士の衝突も百倍だから。」

じゅえる「一万の兵が動くのに必要な準備と補助の人数が削減されているのを考えると、ベイスラ県には兵一万五千、補助要員二万くらいの戦力はあるんじゃないかな。」
釈「地球の軍隊の七倍換算ですか。十分にファンタジー世界なんですねえ。」
じゅえる「違いない。魔法は無くともこれは完璧にファンタジーだ。逆にこの人数の少なさがそのファンタジー臭を消してくれているんだね。たった百人程度で何が出来る、という感覚が実は間違っているんだよ。」

まゆ子「鉄砲持った兵隊が百人、丸腰の社会に現われるというのに似て、それはなんというか、だからね。」
釈「その状況こそファンタジーですよ。

 で、戦闘の状況ですが、書かないんですよね。」
まゆ子「スペースが無い。60枚必要だ。赤甲梢兎竜部隊の活躍から推察すると、そうなる。今回30で収める気だからどうしてもはしょる。」

じゅえる「はしょるのは構わない。だが後で申し開きをしなくちゃね。無駄話が少ないよ。甲冑談義はすでにEP2でやってた。どうしよう。」

まゆ子「具体的に敵の攻略の仕方を雑談するか。今まで出なかった単語とかがゴロゴロ出る。」
釈「神兵達って、ギィール神族についてどう思ってるんでしょうね。そこらへんを書くべきではありませんか。それとも敵に女が混じって居たら、とかを書きますか。」
じゅえる「ふーむ。大状況ではなく卑近の事を描くのが今回ふさわしい。やはり敵の攻略法を談義しながら、ギィール神族についての憶測情報を書きますか。」

まゆ子「ふむ。赤甲梢が北部で大戦果を出しているから、そこらへんを例に上げてだね、神族をとっつかまえたらどうするか、でも書いとくか。」

じゅえる「あ。それはどうするの?」
釈「捕虜の扱いはどうなんですか? やはりひどいことするんですか。イルドラ姫さまとか犯されちゃうのです?」
まゆ子「いやーそこは、どうしよう。」
じゅえる「殺さない、よね。普通捕虜は。」

まゆ子「というか、普通神族は捕まらない。狗番は捕まえたら殺すけど、奴隷兵はそのまま矯正キャンプに放り込まれる。剣令とか剣匠はケースバイケースで金銭で補償して解放してもらうか、あるいは殺すか。だけどギィール神族は聖蟲が憑いてるから、神兵だって勝手に処理できない。武徳王の許可が要る。」

じゅえる「やっぱ捕虜は捕虜か。蝉蛾巫女は?」
まゆ子「そりゃ神殿はこっちにもありますから。」
釈「神官巫女に敵味方の区別は無い、てことですね。」

じゅえる「ゲイルはどうするの?」
まゆ子「完全撃破はともかく、生きていたら普通撤退するギィール神族が連れ帰る。どうせ捕まえてもゲジゲジの聖蟲が無いとコントロール出来ないから、無用の長物だ。逃げるなら逃がす、殺すなら殺す。捕獲して利用なんてのはありえない。」

じゅえる「逆はどうなの? 神兵が捕まった場合、どうなるの?」
まゆ子「普通ありえないんだけどね。寇掠軍が攻めて来るんだから。しかしまあ、時々ギジェカプタギ点とか海戦とかで無い事も無い。が、・・・・・素手でも並の重装甲兵よりよほど強いから、捕まる時は重傷で基本的に数時間以内に死にます。動ける状態であれば、まあ颱風が吹き荒れるように暴れまくって討ち死にします。それが分かっているから、神兵を捕虜にしようなんてバカはどこにも居ない。」

釈「それは、ゲイルを使ってさえダメですか。」
まゆ子「ゲイル一体を潰す気でやるなら不可能ではないだろうが、そこまでの価値があるか、って事だね。尋問拷問したってしゃべりゃあしないだろうし、ギィール神族だって聖蟲に手を出すのは怖いんだよ。なにが起こるか分かりゃしない。ことによったら、聖蟲同士の格闘戦とかにもなりかねない。」

じゅえる「聖蟲の戦闘力というのは、どうなの? カブトムシはゲジゲジより強いの?」
まゆ子「歴史上そういう事態は存在しないから。でも、空中を飛ぶカブトムシの方が有利なのは間違い無いと、ギィール神族は見ている。「金雷蜒神の雷」のレーザー光線を弾くのはよく知られているからね。カブトムシの聖蟲は身体に空気の膜かバリアーを持つらしい、というのが知見だ。このバリアーで包まれているから、神兵は無敵であり怪力を授かるのだね。」

釈「トカゲはどうなんです?」
まゆ子「それはー、弥生ちゃんの頭に居るウオールストーカーは特別だ。あれはマジでチューラウ神の化身だから、ただの聖蟲じゃない。格が5桁ほど違う。で、後に発生する二匹の聖蟲もスペック的にはウオールストーカーと同じだから、聖蟲同士で戦ったら負けようが無い。というか、食べますねトカゲが。」
じゅえる「うん・・・・。」

釈「もしギィール神族を捕まえた場合は、カプタニアに送って処刑、という運びになるわけですか。」

まゆ子「いや、亡命して来たギィール神族はミア・カプティ湖の真ん中のマナカシップ島に連れていかれる。捕虜も同じだ。ギィール神族はおかしな連中でね、褐甲角王国が戦力的に弱いなあと思うと勝手にやってきて、武器とか重甲冑とかを作ってくれるんだよ。バランスが大事、と思ってるんだね。神兵との交戦によって軍事技術が進展する、と思ってるから、停滞が見えたらてこ入れに来るんだ。物見遊山の奴も居るし。で、亡命に飽きたら密かに西金雷蜒王国側に引き渡される事になる。これは最短距離で王国から追放する、というわけで、東金雷蜒王国出身者であろうとも一緒なんだ。
 捕虜も一緒だね。下手に公開処刑なんかやってしまったら、民心が暴走する可能性がある。神に等しいと思われるギィール神族への信仰は褐甲角王国民衆の間にも根強い。そんな事をすれば祟りがある。ただ神兵が互角の戦闘で倒す時のみ、祟りから免れるとそういう信仰があるんだ。捕まえた無力の神族を殺すのは神兵にとっても凄まじいプレッシャーがある。ついでに言うと、東西金雷蜒王国の秘密組織が奪還やら報復やらを行う事が分かっているから、まったく割に合わないんだよ。」

釈「あ、復讐は当然あるんですね。失念していました。」

じゅえる「とまあ、英ジョンレはそういう話をするわけで、話は進んでいくことにしますか。」
まゆ子「うむ。」

 

06/09/01

まゆ子「とまあ、そういうわけで、げばおとEP4 第三章を書いたわけですよ。今直してるけど。」

じゅえる「ちょっとエッチなお話ですね。」
釈「しかしまあ、この白の母という人は、性格がよく分からない人ですね。場面場面でぜんぜん違う人みたいです。」

まゆ子「そりゃそうだ。この人は私達と同じ、別のお話から来た人だもん。ウエンディズにも出ているよ。ゲリラ的美少女野球創始者、流祖橘家弓さんが勤めている大学教授で女インディージョーンズ、てのはこの人の事だ。」
じゅえる「身長2メートル?」
まゆ子「身長196センチ、髪はくるぶしまで届く真っ黒、単に大きいのではなくて非常に美しい人でしかも武術の達人にして魔法の導師、極めて淫蕩であるにも関らず常人離れした包容力を持ち、古代から現代に到るまであらゆる事物に博識で骨董や美術に対する鑑定眼も確か、年齢は68歳なんだけど30歳くらいに見えなくもないし、それどころか肌なんか子供のようにつるつるしている。」

釈「化け物ですね。」
じゅえる「そりゃあ、白の母そのまんまじゃないか。」

まゆ子「名前は東雲綾子透梨あるいは遠梨これは号だね。白の母との違いは、一匹狼で家弓さんしか付いている人が居ない。金づかいが荒いから年中ぴーぴー言ってる。と言っても貧乏ではなく、必要経費がべらぼうにデカくて資金調達に苦労している、てとこだね。で、自宅と研究室を倉庫代りにして世界中の魔法具を集めている。これまでに子供は三人産んでいるが、一人は13歳の時の出産で行方不明で本人も産んだ事を忘れてる、一人は人間にあらざるものとの間の子でこれまた行方不明、三人目は東雲綺子といい中学生でこの人を母とは知らずに育っている。」

釈「それほどの人がほとんどお話に出ていなかった、というのは不思議ですね。」
まゆ子「いや、この人はマンガに描こうと思って、実際何編か描いたんだ。」
じゅえる「そうか、マンガのキャラだとでぽにはなかなか出ないからね。スペースの関係で。」

まゆ子「100メガ欲しいねえ。で、次のウエンディズは、家弓さんか、そのお友達が出るわけですよ。」
釈「はい。」
まゆ子「でも、やっぱ計画通りにお友達でいこうと思います。どっかの古い遊郭を買い取ってアパートにしているという変な人でそこの管理人さん。エプロンして竹ぼうきでいつもお掃除しています。」
じゅえる「そりゃあ、どっかで見たようなひとだな。」

まゆ子「で、それは置いといて、EP4の第4章です。これがまた、何にも無い!」
釈「ほんとうに、なにも無いんですか? ちょっとくらい有るでしょう。」

まゆ子「考えたんだけどね、無いんだよ。まー話の骨格としては、軌バイジャンが輸送小隊を率いてベイスラ県内をうろちょろする、というお話で、難民移送計画の矛盾と東金雷蜒軍の脅威を描くというものだけど。」
じゅえる「ばくぜんとし過ぎだよ。」

釈「戦闘シーンはありますか。」
まゆ子「その予定は無い、ってとこが癌だね。なにしろ輸送小隊だから戦闘任務は極力避けねばならない。というよりも、これまで独自判断での戦闘は禁止されて居たんだよ。新米だから、戦闘の判断が出来ないという事で、で今回やっとその許可が出て戦闘章というのを貰う。やっと一人前になるんだよ。で、増えるばっかりの難民に対して住民の不満と不安が高まっていくのをなんとかする、てのだね。ちなみに軌バイジャンの率いる邑兵達は地元ベイスラの人だから、難民達には決して好感をもってはいない。」

じゅえる「では、その輸送小隊は難民に対して酷いことするんだ?」
まゆ子「しない。そこが黒甲枝と邑兵上がりの剣令と違うところで、黒甲枝の家の者は視野が広く十二神方台系全体を見渡す事が出来るけれど、普通人上がりの兵だと難民に対しては単に敵!と思ってしまうんだ。そういう世の中ね。」

釈「閉鎖的で排他的なんですね。相互の地域で行き来は無いんですか?」
まゆ子「単純な平坦な大地なんだけど、驚くほど動きゃしない。昔昔、金雷蜒神聖王が遊びに出掛けて、地元百姓と話をした所、あんまりにもモノを知らなかったのに驚いて、禁止して居た蜘蛛神殿でのおみくじ売りを許可して一般庶民にも情報を与える事にしたほどだ。」
じゅえる「昔の人ってのは、そういうものなのかねえ。」

まゆ子「で、第4章はそういうとこを描きながら、次に続く悲劇の準備をしていくわけだよ。だから、大袈裟な戦闘シーンは無い。」
釈「はい! 恋愛はありますか?」
まゆ子「それも無いんだ。一応はマテ村にマドンナに会いに行くんだけど、所詮は人妻だし。」

じゅえる「あいしー。イベントが無いんだね。」
まゆ子「そいうことだ。だがあまり大袈裟なのも必要ではない。どうしよう。」

釈「どうしようと言われましても、どの程度の大きさのイベントが必要なのです。それが分からない事には対処のしようも。」
じゅえる「えーと、まず寇掠軍の突入は無い、歩兵兵団の侵入も無い。難民の盗賊はある。難民と住民との衝突はある。泥棒は居る。こんな感じ?」
まゆ子「うむ。驚くほどにレベルが低い。つまり戦闘は避けて欲しい。」
釈「しかしカッコイイところも見せないと、悲劇は引き立ちませんよ。」
じゅえる「事故を解決して、難民を救うくらいはしないとダメだよ。」

まゆ子「事故ねえ。雨でも降らせようかねえ。ちなみにこの時点でベイスラ地方には多数の難民が仮に収容されて居て、各村町に分散されて順番待ちをしています。一応は人数が増えるだけで平穏と言えなくもない。これからまだ続々と来るけどね。おかげで各村での補給もままならなくなり、輸送小隊の重要性は増している。」
じゅえる「ふむ。」

釈「さて。逆に考えてみましょうか。騒動が起きないようにして回っている、というのはどうでしょう。本来任務では無いですけれど、住民と難民との衝突を仲裁して鎮めて、御褒めを頂いた、てのは。」
まゆ子「悪くない。いや、それはいい。緊迫した場面は描けるね。」
じゅえる「準戦闘態勢というのも描けるし、それで行ってもいい。でも、なにかやっぱり派手な見せ場がね。」

まゆ子「なにか出て欲しいのさ。でもあからさまな脅威はダメだ。」
釈「ヘビでも出しますか。」
まゆ子「悪くはないが、もっと大きいのが。」
じゅえる「ベイスラ地方に猛獣は居ないか。人喰い教徒やら督促派やらは?」

まゆ子「うむー。むしろ喰っちまったという方が。」
じゅえる「食べてはいけないものを食べちゃった、とかか。なるほど。」
釈「ご神獣ですね。それは揉めますか。」

まゆ子「でも一個だけでは足りない。複数の要因が絡まって、抜き差しならない事態になってるてのがよいな。」

じゅえる「水源付近にキャンプしていて水が汚染されてるとか、畑で作物を盗んでるとか。」
釈「そんなもんですかね。難民にも女子供は居るでしょうから。逆に難民が家財一切を持って来ているわけですから、盗まれるというのも。」
じゅえる「いや、難民が盗まれた盗まれた、と言う騒ぎを何度も起しているというのは。でも持って来ている家財はどう見ても欲しくないがらくたばかりなんだ。」

まゆ子「ふーむ、もう一発だめ押しが欲しい。」
じゅえる「女をかどわかしているとか?」
釈「直接安全を脅かす、・・・・そうですねえ、焚き火の不始末で山火事を起こしかけたというのはどうです。」

まゆ子「うむ! それでいい。だがそれは背景として住民と難民との対立を煽る事件であって、軌バイジャンが遭遇するのはご神獣食べちゃった事件だ。」
じゅえる「げばおとにはそれがふさわしいね。で、その事件をさくっと解決しちゃうわけだね。」
まゆ子「いや、ぎくしゃくとしながらなんとか解決っての。住民は死刑にしろとか言うけれど、衛視が居なければそんな重大な決定は出来ないと住民をなだめるのだよ。」

じゅえる「うむ、だがもうちょっとはっちゃけた方がいいかな?」
釈「そうですねえ、このままではスケジュール通りに書いた、という以上のものがありませんね。」

まゆ子「はっちゃけ、えーつまり、大活躍?」

じゅえる「いやそうじゃない。読者さまの予想を裏切る展開だ。この通りだと一本道シナリオで燃えるとこが無い。たとえアクションが無くても、おいおいそこまでやっちゃうかよ、という逸脱ぶりが無ければ、読み続ける気力が無いんじゃないかな。特に地味な軌バイジャンだから。」
まゆ子「ふーむ、逸脱ねえ。要するに、私から逸脱すればいいんだ。」

釈「えー、ではどうしましょう。スケジュールから逸脱するということは、寄り道するわけですから枚数伸びるし章も増えますよ。」
じゅえる「それはいやだ。」
まゆ子「書くのは私だ。」
釈「では省力的に内容で勝負するしかありませんね。描写が逸脱するのです。」
まゆ子「とはいえ、他の章と明らかに印象が違う、というのは得策ではないぞ。ウエンディズじゃあないんだから。」

じゅえる「弥生ちゃん並にはっちゃければいいんだよ。」

まゆ子「弥生ちゃん常人じゃないもん。・・・軌バイジャンは常人だろうか?」
じゅえる「頭にまだ蟲乗ってないんだから、常人じゃないの。」

まゆ子「いや、違う。この人はお父さんが大剣令から兵師監という出世を遂げたお殿様の息子、つまりは若様だ。常人じゃあないんだ。」
釈「いままでは普通の人ですが。」
まゆ子「そう、普通のひと。でもそうであってはいけないんだ。このひとはこれからの方台を背負っていくエースである、と世間一般は見ているんだよ。」

じゅえる「そうか、それは道理だな。一般人の剣令では無いんだ。だからといって、いかにもお殿様若様という風にえばる事はしないよ。」
まゆ子「だが、それでは収まらない事態が発生する。黒甲枝の権威が無ければ難民も住民も承知しない。その中に、兵師監の若様が飛び込んで来るんだ。で、王国と軍の名誉を守る為に、偉そうにしなければいけなくなる。」

釈「言いたいことはわかりましたが、それを面白く描くのは至難の技ですよ。やりますか?」
じゅえる「うーん、代りにやってくれる新キャラを投入する方が無難だねえ。しかし、軌バイジャンは後に壮烈な戦死?を遂げるんだ。ここでかっこいい所を見せておくというのは、セオリーだよ。まゆちゃん、やりなさい。」

まゆ子「だが、もう一つネタが。やるとしたらどんどん加速的に偉くなる、という風に書くんだけど、地に足が着いていない、という所が面白いわけだし。」
じゅえる「あー、軌バイジャンのキャラに合わないんだ。そうか。
 ・・・変わらなくてもいいんじゃないかな。自分は普通にやっているつもりだけれど、アドバイスに従ってちょっと変えてみました。ところが、住民やら難民やらが印篭見せられた一般庶民代官達みたいにびっくり仰天して、転げ回ってへつらう、という。」

釈「それはー、凄い話になりますね。やりますか?」
まゆ子「クワアット兵のステータスの高さ、というのを印象的に描写するチャンスでもあるな、それ。いかにも芝居的なへつらい方というのは面白くない。そこリアルにびっくりさせよう。」
じゅえる「ふむ。そういうのを考えると、ここで一気に主要キャラの仲間入りする程のカリスマ性を見せる、というのもいいか。変身だよ。」

釈「落ち、が要ります。」
じゅえる「うむ。」
まゆ子「偉そうぶってばかり居ると、さすがに嫌味なキャラになるから、マテ村のマドンナに怒られちゃうのだ。えらそ過ぎるって。でくしゅんとなる。」

じゅえる「妥当だね。好きな女子の前だと、くしゅんとなるんだ。」
釈「ちょっとかわいい。」

釈「話の骨格はそんなものでよろしいですか。」

まゆ子「まあ、なんとかこれで筋は出来る。あとはディテールだね。ただ難民と住民の対立、というのだけではどうにも浅薄過ぎる。やはりここは戦争の本分に関るような兆しとか、父上の職務である難民移送についての説明とか、森の中でなにやら凄いものにすれ違うとかあって、いやおうなく戦争の気分を高めていくとかの印象的事象が欲しい。」

じゅえる「黄金の戦車が通る、とかかね。」
まゆ子「なんだそりゃ。」
じゅえる「いや、牙獣が曳く戦車というのはあるんでしょ。元老員が南部地方にそれに乗って移動するとかがあってもいいんじゃないかな。」
釈「でも、そんな戦車役に立ちますか?」

まゆ子「立たない。少なくとも南部には要らない。親衛隊から、・・・いや親衛隊はダメだ。そうだねえ、戦車はダメでも弩車の列、というのはあるか。弩車10両に護衛が100人も付いていて、ベイスラ南部の前線基地に配備中てのは、十分に迫力あるだろう。少なくとも、にわか邑兵達には大迫力だ。」

釈「ではそういうとこで。」
じゅえる「うむ。」

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じゅえる「えー、ここでまた基本的な事項についての設定確認というか、創出です。一般農民百姓という人たちの世界観、みのまわりご近所世界はどうなっているか、ですね。これはほとんど触れられていないはずです。」

まゆ子「『パンが食べられないなら、水みたいなお粥をすすればいいのよ!』というのが、まあ。」
釈「う、・・・それはなんというか、実によく貧しい人の暮らしを知って居ますね。」

まゆ子「弥生ちゃんは毒地をゲルタのお粥でさまよった苦労人ですから、金持ち階級の高級官僚や神族神兵黒甲枝出身者の提言にはこうやって返しています。そいう連中が貧民層に対する施策を提言するなんてのは、ちゃんちゃらおかしいや。第一弥生ちゃんの日常生活は神官巫女とほぼ同じで慎ましいもので、貧民難民が押しかけて来て実情を良く知ってる。」

じゅえる「ふむ、難しいものだね、救世主ってのは。」

釈「で、ベイスラの農民ですが、農村で一番偉いのは、黒甲枝の神兵?」

まゆ子「いや、一番偉いのは邑兵隊長です。クワアット兵経験者、だいたい10年程度の在籍で除隊しますが、基本的に完全に任期をまっとうした人は階級が凌士長で辞めます。だから邑兵隊長はほぼ間違いなくクワアット兵凌士長という肩書きを持っている。凌士には、凌士、凌士夫、凌士卒、凌士長と四段階あり、邑兵はその下になるんだけど、小隊に配備された邑兵では、邑兵隊長は大体が凌士長のすぐ下くらいの高い扱いをされます。

 当然そういう人は村社会においても高い地位を持つ。というか、村長候補というのは基本的に邑兵隊長経験者になります。クワアット兵を30歳程度で辞めて、地元に戻って邑兵隊長になって45歳くらいで辞めるとなります。村長、というか農民議会の議長なんですが、にちょうどいい年齢ですね。


 で、農民議会には勢力は二種類あって、農業のつまりは庄屋に当たる人と、流通に関係する人や林業工業関係の勢力がある。邑兵隊長はその両者にとっての中立な立場である、という事で議長になる事が多いわけね。第一、農地の個人所有は国法で認められていないのだから、中立公正な立場で農地利用の領域決めは行われねばならない。ま、家屋等は個人資産であるから金持ち物持ちはやっぱり先祖代々裕福なんだけど。

 で、農民議会とは別に役所というのがある。地方の役所から派遣されて来た役人だね。この人は農村自治全体を監視監督する立場の人で、基本的に農民議会の議長である元邑兵隊長を通じて、村に命令や指導をする。郵便業務や為替もこの人が扱っている。

 整理しましょう。褐甲角王国の一般的な農村では、偉い人は三人居る。邑兵隊長・農民議会議長・役人、です。」
じゅえる「金持ち庄屋は偉くないんだ。」

まゆ子「それはまた後で。で、クワアット兵というのは彼らよりも更に偉い。
 クワアット兵は邑兵隊を指揮下に置くし、役人は彼らの便宜を計らねばならない。なによりも軍務が優先するのは軍事国家の宿命だから、そうなっている。またクワアット兵の剣令には行政権もあるから、或る程度までは村全体に命令して人員の使役や物資の供出を命令出来る。これは役人が記録して地方の中央市に届け出ると、当分の補償が受けられます。」

釈「ふむふむ。」
まゆ子「クワアット兵より怖いのが税吏です。これは農村議会に貸しつけている土地の使用料を取り立てに来るし、飢饉の為の食糧備蓄とかを検査したり、村全体の経理の監査に来ます。この行列が来た日には村中大騒ぎ。

 で、更に偉いのが衛視です。ここらへんになるともう黒甲枝ですから、頭を地面に擦りつける事になります。衛視は法律全般を取り扱い、訴訟を調停したり刑事事件の裁判をしたりします。死刑も含むすべての罰の決定と執行が権限にあるから、もはや神と言っても過言ではない。」

じゅえる「やくざとかは居ないの?」
まゆ子「そりゃちゃんといますけど、まあそれはこれからね。

 えーヤクザですが、単独でヤクザというのは居ません。ちゃんと生業があるのです。つまりは、ヤクザっぽい職業の人がヤクザもやってるってわけですね。まず理解して置かねばならないのは、褐甲角王国は昔は神聖金雷蜒王国の領土であって、ここにもちゃんとバンド制度があった、という事です。職業別の集団があり、互いに不干渉で縄張りを冒さずに個々の生業で成り立って居た。この伝統は褐甲角王国の時代になっても、ほぼ維持されて居ます。つまり、職業別の徒党を組んで生業の職分を冒さないように互いに不干渉で隣り合ってくらしている。」

釈「あー、だから農民議会なんですね。職業別集団が一同に会して、村の運営を行っていく。」

まゆ子「そうなんです。絶対的支配者たるギィール神族が欠けた後に、黒甲枝はその役を果たしませんでした。オブザーバーとして民衆の自治に委ねたのです。でもこれは、発想が時代に先走り過ぎていました。だもんで、結局は高圧的な支配体制が必要になります。そして、農民議会を舞台に民衆が互いに勢力争いをするようになりました。そこでヤクザです。

 その前に、つまりは職業別に分かれているんだけど、農業漁業は定住型産業だから、これはひとかたまりになってる。で、外部からの資源を必要とする鍛冶屋だったり販売を必要とする窯業やら林業やら、つまり換金する必要のある産業と、一村の範囲を越えて動き回る狩猟、そして商業は立場が違うわけです。だから大まかに言って、農業型集団と工業型集団、商業型集団とに分かれているんです。ヤクザはそれぞれにあります。」

じゅえる「農業にもヤクザ?」
まゆ子「いや、それは村同士の喧嘩というのもあってだね、水争いやら領地の争いやらは農業型ヤクザ集団が取り仕切っている。つまりこれは地付きのヤクザ。その背景は村の富豪富農で、農民議会の議員で世襲です。農業の集団作業はこの人を中心に行うわけで、租税義務の請負もやっています。彼らが自分の利益が損なわれると思った時に活躍するのが、農村ヤクザね。

 一方工業型集団は一村ごとというのは効率が悪いから、或る程度広い領域で固まっている。で、更に県を越えて流通を司る商業型集団は、全方台レベルの広がりを持っている。これが交易警備隊だ。」
釈「交易警備隊はヤクザなんですか?というか、傭兵では無いんですか?」
まゆ子「ヤクザに毛が生えたようなもの。つまり交易警備隊は村々で補給を受けねばならないから、土地の商業型ヤクザとの繋がりは深い。また、工業型集団は製品や材料を運んでもらい、金銭の運送も請け負ってもらってるから、これもまた繋がりはある。要するに外界との接点が有るか無いかで、二つのヤクザ組織が並立するのだね。」

じゅえる「そりゃ分かりのいい話だ。しかし、その話だと商業型と工業型ヤクザはほぼ同じで流通関係で、実にヤクザらしいんだけど、農業型ヤクザというのがよく分からない。」
釈「そうです。そういうのは普通無いんじゃないですか、というか歴史上聞いた事が無い。」

まゆ子「いや、だってこれ、自警団の話だもん。農村の自警団は農民議会が直接に抱えている武力集団で、その構成員は多分に邑兵と同じ、つまりは邑兵は自警団でもあり、農村の自治と権利の為にその治安と領域を護っている。」

じゅえる「あー、そうか、そりゃそうだ。ただ単に褐甲角王国の都合であるわけじゃないんだ、邑兵って。」
釈「それでやっとすっきりしました。邑兵は村の警備員なんですね。」
まゆ子「自警団と邑兵団の違いは単純で、同じものを邑兵隊長が指揮していれば、邑兵団。クワアット兵経験者でない者が指揮していれば、自警団。そのくらい同じなんだ。」

じゅえる「で、自警団は農民議会の有力者の指令で、村の為に動いている。邑兵隊長はそこに・・。」
釈「国家としての公益性を損なわないように、邑兵隊長が居る、てことですね。」

まゆ子「そう。農民てのはどうしても排外的で陰湿になりやすいから、クワアット兵の経験者で見聞も広い邑兵隊長が見張っている。第一強いんだしギィール神族のゲイルを間近で見てるような勇者様だから、抑えが利く。だから、農民議会の議長に押されるんだ。」

釈「でも自警団にはヤクザの親分というか、なんか北斗の拳の悪党みたいなのも居るんですよ。」
じゅえる「そりゃ必要だな。」
まゆ子「ま、富豪のばかぼんはどこの世界にも居る。財力にものを言わせて子分共を集めるというのはね。ただどんなに頑張っても、資質が無ければクワアット兵にはなれないし、そんな奴送り出してもすぐ帰って来る。まあ大した問題ではないさ。

 で、その重要な役目を負う邑兵隊長が、今大動員でどこの村でも留守をしているんだ。勢い、そういったばかぼん自警団が幅を利かせている。」
釈「あーーー、それは。」
じゅえる「そうか、それで歯止めが効かないんだ。」
まゆ子「難民との衝突は、だから必至なんだね。視野の狭い自警団の親分(あまり歳ではない)が、ええかっこ見せようと、村人全員がうさんくさい目で見ている難民の集団に、正面から立ち向かうんだ。」

じゅえる「では、自警団の中身もまともな邑兵じゃないんだ。」

まゆ子「軌バイジャンのところにまるで訓練していない農民が来るくらいだ。村の自警団は不良少年みたいなのか、既に邑兵を引退した人しか居ないのだね。」
釈「それはなるほど、れっきとしたクワアット兵でしかも黒甲枝の、さらには兵師監様のご子息がいらっしゃる、というのは一大イベントなんですね。」


まゆ子「今回、そういう事で商業ヤクザは出て来ません。自警団のヤクザまがいの主役になります。それに対する難民の側もほぼヤクザ。これは難民の一行が長年流離い歩いている間に出来上がったこれまた自警団で、バンドの息も掛かっている。中には以前には交易警備隊とかしていた者、あるいは豪商とかの警備員として勤めていた者も混ざっている。つまりプロだね。で、ばかぼん自警団は所詮はアマチュアで、まあ一触即発というのは相当にやばい話なんだな。」

じゅえる「で、その衝突の原因のご神獣食べちゃった事件の真相は。」

まゆ子「ベイスラ地方にはご神獣オガミモグラというのがいます。モグラにしてはけっこう大きい30センチくらいの生き物で、大体山間と平地を繋ぐあたりの柔らかい地面に住んでます。
 で、こいつが時折真昼の地面にぽこっと出て来て、爪の大きな手を天に突き上げてお天道様を拝むような仕草をするのです。これほど信心深い生き物は他には居ない、という事でベイスラ地方ではとても大切にしています。畑も荒らさないいい奴で、ときおりモグラ穴の中から砂金とかが出て来るとかの言い伝えもあります。だから、これをいじめる奴は子供といえども容赦しない。殺したりしたら死刑ですらありえる、という素晴らしい保護ぶりです。で、それを食べちゃった。」

釈「可哀想。」
じゅえる「ふむふむ。それは可哀想。」

 

06/08/29

まゆ子「というわけで、ゲキロボが出来たわけです。」

シャクティ「うわあー、本物だ。」
じゅえる「なんでまたわざわざ3DCGで作っちゃったのよ。」

まゆ子「特に理由があるわけではない。ゲキロボは基本的にいいかげんにデザインしている。作りやすいように作ってるのだね。それにCARRARA5をゲットしましたから、折角買ったからには使わなきゃいけないというわけで、習熟訓練として作ってみました。」
釈「あーそういうわけですか。なるほど、手習いですね。」

じゅえる「CARRARA5はどうなのだい。使いやすいのかな。」
まゆ子「そりゃバージョンアップだし、これまでと大体同じように使える上で、2年半ぶりのバージョンアップ分で相当強化されていますから、相当いい事は事実だけど。でもねえ、開発元が買収されたり、投げ売りされたり、開発担当者が身売りしたりと中々前途多難なわけだ。」
じゅえる「いやな話だね、それ。安心して使えないじゃない。」

まゆ子「まあ、バージョンアップがいつになるか分からない、というのを考えても、これから2年使うという考え方なら十分3年使えるだけの性能はあるよ、安いし。使いやすくてレンダリングが早くて綺麗、というのは間違い無い。プロになるわけじゃないし安くやりたいけどフリーウエアはヤダという人にはお勧め出来ますね。」

じゅえる「とはいうものの、3DCGのバブルも弾けて久しいわけで、StudioMOMOも閑古鳥だし、モモ展も哀しいばかりだし。」
まゆ子「でも、出来るヒトは同人でも相当使えるようになってるよ。ほぼプロというくらい。それに、最近はリアル、スーパーリアルよりも2D絵の方が受けるし儲かるらしいね。」

釈「こういっちゃなんですが、ゲームで綺麗なCGがいっぱい見れるのに、自分で作ってもあんまり面白くないような。」
まゆ子「ちがいない。あっちは金が掛かってるし、熟練したプロの製品だから、アマチュアが頑張って面白いという時代では無くなってるね。

 というわけで、ゲキロボです。」
釈「どういうわけだかしらないけれど、ハイ?」

まゆ子「どうもこうも、私は絵を描くけれど、機械モノは不得意だ。というよりも宙でなにも見ずにパース絵を描くというのもかなりの曲芸で、出来るんだけどね、うっとうしいのだよ。特にメカデザてのは苦手もいいところ。出来るんだけどね。」

じゅえる「出来るのは知ってる。定規でぽんぽん描いているじゃない。」
まゆ子「マンガの背景描く為にがんばりました。でもにがてなものは苦手。」
釈「それでCGですか。」
まゆ子「描くよりも、CGで組んでいく方がちゃんと出来る、というのがあるかな。もうちょっと楽に作れるCAD系ソフトがあればいいなあ、とか思わないでもないけどね。」

じゅえる「しかしまあ、ともかくゲキロボは作ったんだ。」
まゆ子「習熟訓練といいますか、新しくなってアニメも作りやすくなったから、こいつでちょっとアニメをやってみようかなと思ったわけね。だからアニメをするのに都合がいいように、簡単にシンプルに出来ている。アニメはちょっとスキルが無くてねえ。」

釈「で、これで出来上がりですか。」

まゆ子「ゲキロボは5体あるわけで、でもデザインはすべて一緒なんだよ。首の後ろの旗印と色が違うだけでね。ちなみにこいつは鳩保機。首の後ろには三つの黒玉が入っている勾玉がシンボル。色は行きがかり上緑で作っているけれど、鳩保のパーソナルカラーは青ですから、色は塗り直します。」

じゅえる「他の子は、何色?」
まゆ子「鳩保芳子は青、砥いだ包丁みたいな波というか刃文の青。物辺優子は黒、蒸気機関車みたいな表面塗装。城ヶ崎花憐は赤、銅製のヤカンみたいな色。童 稔は黄色、硫黄みたいな感触。児玉喜味子は緑、苔が生えている。」

釈「なにか、由来がありますか、それ。ただ無意味に色分けしているんじゃないんですよね。」
まゆ子「鳩保は叡智、物辺はエネルギー(奔騰)、城ヶ崎はスピード(光陰)、童はパワー(金剛)、玉子は寂滅を意味します。だからそれに合った旗印をくっつけてますよ。水の勾玉、女の生首、翅、「愛」の文字、盆栽が付いて来ます。」
じゅえる「つまりは戦国武将の旗印か。」

まゆ子「ちなみに、ゲキには劇檄戟撃激隙逆覡鴃屐郤闃鬩鷁とあります。」
じゅえる「すなおに外記でいいじゃん。」

まゆ子「で、習熟訓練と称して、女人をまたぞろ作っているわけですよ。こいつらのパイロットスーツ姿、というのをゲキロボに乗っけてやろう、と思ってね。ちなみにクララを乗せてみたけれど、身長175センチ程度が最大だね、ゲキロボに乗れるのは。ハッチの構造からそういう事になるらしい。」

釈「はあ。作ってみれば色々分かるものなんですね。」

まゆ子「あ、そうそう。武装ですね。ゲキロボには基本的に三種類の武装しかありません。だから、ミサイルとか砲とかを付けてみたくなるところだけど、我慢がまん。

 えーお腹の丸い銀色は、ゲキキャノン。超光速転送砲です。5グラムとかの氷を超光速で相手にぶつけるだけの武器。超光速から光速以下の常速物体に相転移する際に周囲のエネルギーを吸い取って、防御シールドとか装甲とかを無力化してついでに物質を構成する素粒子を剥ぎ取って核反応を起こしてぶっ壊す。逃げることも耐えることもできないから、超光速状態で同じ超光速物体をぶつけることで破壊するしか防ぐ手段は無い。

 ゲキロボの両手には爪が生えているけれど、これがゲキバニッシャー。触れるものを皆消滅させる。まるで風船が弾けるように、あらゆる物体が消滅する。範囲は100メートルほど。範囲内であれば、直接接触しなくても消滅出来る。つまりは、風船がゲキの爪に触れたら破裂するような感じね。これがあれば常速物体による攻撃は完璧に防御可能。弾け方が面白いから、児玉喜味子のお気に入り。

 で、頭部からはゲキビームが出る。ほんとのビームであらゆる物質をなんなく貫通する。直径数十キロの天体くらいは軽く射貫くし、射程距離は太陽系を越えてどこまでも飛んでいく。ただ、光速よりかなり遅い攻撃であるから、かわす事もゲキバニッシャーで防ぐ事も可能。貫通距離を精密に設定出来るから、工作に使う事も出来る。また、貫通や破壊だけでなくトラクタービームとして使い、物を動かすのも可能。でも基本的には穴掘りに使う。

 足の後ろにはブレードがあるけれど、これはゲキカッター。機能はただのストッパーで引っ掛けるだけの蹴爪。ゲキの元の主人である異星人には蹴爪があったらしい。こんなものを使わなくても、重力制御で壁面に貼り付く事は出来る。飾りだね。」

じゅえる「でたらめな能力だね。まあ神話的ロボなんだから、そのくらいは普通なんだけど。」

釈「内装兵器類は、外見から分からないから、どうでもいい話ですよ。」
じゅえる「そりゃそうだ。言うだけならタダだもんね。」

 

06/08/23

まゆ子「しゃくちゃんよお、感謝しろよお。徹夜で修学旅行ゲキロボ編を書いてやったぞ。」

シャクティ「あ、・・・ありがとうございます!!! まさか本当に出来上がるとは!」

じゅえる「なぜ、出来ちゃったの?」
まゆ子「こういうのは気合いの問題だ。書けるのと書こうと思う気合いが充溢すると、天然自然に出来上がるんだ。」

釈「第5話最終回、なんと70枚もです。大感激です!」
まゆ子「うむ。これでウエンディズも次に上がれるよ。えーと次はなんだったけ。」

じゅえる「スケジュールを発掘するのも大変だが、たぶん橘家弓さんの所に遊びに行くはなしだと。」
まゆ子「天狗道のエライ人、じゃなかったっけ。ま、そこんとこは色々と考えるか。これも、二年生話だっけ?」
じゅえる「そうみたいだね。ちょうど一年生も増えた事だし、いいんじゃないか。」

釈「がんばります!!」

まゆ子「というわけで閑話休題。『ゲド戦記』はダメらしいね。」

じゅえる「観てないからしらない。」
釈「あ、私はレンタル待ちです。」
まゆ子「ふむ。なにを隠そうこの私も。で、今日は映画です。

 あー、5月の連休明けに「Vヴィフォーバンデレッダ」でしょ、7月初めに「ダ・ヴィンチコード」でしょ、8月が「MI3」です。」

じゅえる「まあ、映画は見に行かねばならない、と決めてるから行くんだけど、どれを説くかね。」

まゆ子「これらの映画の特徴は、あまりどうという事も無い、てのですかね。」
釈「つまんなかったんですか。」
まゆ子「そうじゃない。ただー、そうだねえ、見たからといって得をしたとも言いかねる、面白くないわけでもないが、だからどうした、てのがある。」

じゅえる「普通の映画だったんだね。」
まゆ子「そうだねえ。折角お金払って見に行くんだから、凄い!という感動がないとね。」

釈「「V」てのはテレビのCM見ませんでしたね。」
まゆ子「これは例外のようだ、ハリウッドじゃないみたい。話もイギリスだし。割といい感じの出来ではあるんだよ。ただねえ、」
じゅえる「だめなのかい?」
まゆ子「いや、悪くはない。だが「攻殻SAC」でいうところの、スタンドアローン症候群のお話なんだよ。で、その視点で見ると、出来が甘い。」
じゅえる「ああ。犯罪ものなんだ。」
まゆ子「テロなんだけど、Vてのは変なお面被った人なんだけど、民衆が皆Vになって蜂起する、というお話なんだけど、残念ながら届かない!」

釈「SACてのはそんなにいい出来なんですか?」
まゆ子「うーん、2よりはね。」
じゅえる「じゃあ、これは佳作、というかんじかな。」

まゆ子「で、ダ・ビンチコードですが、ま、こんなもんでしょ。マグダラのマリアとキリストの子供、というネタは、そりゃキリスト教徒にとっては衝撃なのかもしれないけど、ありふれたネタと言えばそうなんだよね。」
じゅえる「あーまー、それを言ってしまうと身も蓋も無い。」
釈「それは定番ですからねえ。知ってる人にとっては知ってるよ、というだけですか。」
まゆ子「定番ネタをうまく使いました、というお話。原作は読んでいないけれどさあ、そこんところに凄く緻密な考察を積んでいるんだろうけれど、映画は所詮2時間だから。」
じゅえる「人によるんだけどね、監督さんが適した人ならば、そのネタでちゃんと作ってくれると思うんだけど。」

釈「やり過ぎても、却って悪いんじゃないですか、それ。キリスト教国にとってはあからさまなフィクションとして作ってないと。」
まゆ子「ちがいない。その点では合格だ。これを見て、キリストの子孫が現存する!と騒ぐ人は居ないよ。」

じゅえる「で、ミッションインポッシブル3ですね。」
まゆ子「今回、オチに使わせて頂きました。」

釈「ごっつあんです!」

06/08/22

まゆ子「開店休業中で−す。」
シャクテイ「頭働きませんねえ。夏は。」

じゅえる「うちでは、夏場は絵を描くようになってるんだよ。コンピュータもあんまり使わない。熱いからね。」
まゆ子「てなわけで、まあなにもしていなんだよ。でもさすがにお盆も終った事だし、8月中に一章くらいはあげようとか思ってる。」
釈「感心ですね。」

じゅえる「何いってんだい。アンタの修学旅行をすっ飛ばしての話だよ。ゲキろぼ編はどうするの。」
まゆ子「あー、気合いがあれば、そうね。」
釈「望み薄だなあ。」

じゅえる「というわけで、EP4第三章です。」

まゆ子「今の流行は舞乙HIME。女の子が女学校で処女でマテリアライズすると超人になるのだ。」
じゅえる「なんだそりゃ。」
釈「アニメですか。」
まゆ子「ビデオ屋で一枚ずつ借りて来て見ているのだ。週に一枚ずつ。」
じゅえる「なんか辛気くさいはなしだな。」
まゆ子「これをげばおとに導入して。」

じゅえる「却下きゃっか。で、聖山神聖神殿都市だけど、よくわからない。一応手を着けてみたが、ダメだね。分からないものには空で描くのは向いていない。」

釈「あのーそのマテリアライズというのはゲキの方で。」
まゆ子「うむ、そういう手もあるな。じゃあ鳩保が巨乳剥き出しでぴちぴち変身だ。」
じゅえる「そういう話なのか。」

釈「で、神聖神殿都市ですが、どうしますか。どこらへんがダメですか。」

まゆ子「基本的に、神聖神殿都市は最高部の法神官しか設定が無いんだ。あと神宰官がハジパイ王の息子で白の母の養子だというのね。で、大洞窟があり、ゲキが住んでいて、白の母のみがその言葉を理解出来るという事で。しかし、実は白の母はここに替え玉を常に送っている。だから、別名コウモリ巫女アルカンカラというのがここでの姿ね。で、この時は年齢90歳以上の白髪の小さなお婆さん、というのがそうなんだ。こっそりやって来て洞窟に入り、ゲキと会話してその内容を替え玉に伝えて演技させる、という手法で巧みに自分の姿を消している。むろん、ハジパイ王の息子はそれを知らされて居て、「本物の母」は黒髪のギィール神族の神人だと知っている。」

じゅえる「これだけじゃあ、足りないのね。なんとか出来そうな気もしないでもないけど。」
まゆ子「できますけどね。ここで新キャラを投入したいと思います。つまりは、ここでは白の母はアルカンカラという名のコウモリ巫女で凄いおばあちゃんなんだ。で、今にも死にそうだから、新しくゲキの声を聞く巫女が必要なんだ。というか女でなくてもいいんだけど。」

じゅえる「ショタだな。」
釈「男の子ですか。」
じゅえる「まるで女の子みたいに可愛い男の子だな。女装させてもいいぞ。」
釈「では、白の母が拾って来た子ですか。」
じゅえる「うむ。だがもう少し凄い仕掛けを。」

まゆ子「生贄にするか、ゲキの。」
じゅえる「ゲキって、人を食べるの?」
まゆ子「食べるか食べないか分からない。食べたらダメだけど、食べられなければ声を聞く能力を得られる、という話でとても綺麗な男の子をね。」

じゅえる「ふたなりにしよう。」
釈「両性具有ですか。なるほど、ファンタジーでは定番だ。それはエロイ話ですよ。」

まゆ子「というわけで、アルカンカラは自分に変わる新しい巫女を作る、という話を法神官に持ち込むのです。が、これには裏があって、この子がゲキの声を聞く能力は最初からあるんだよ。ただ、白の母はその地位を押し上げる為にかなりのお芝居を考えたのだね。そこで、誰も入る事のできない大洞窟の内部に男の子を一人入らせて、恐ろしい声の中で生贄としての儀式を執り行う。が、実は中にはすでに白の母が待って居て、男の子と一緒にゲキの言葉を聞く稽古をするのだよ。で、翌朝、生きて男の子は戻り、特別な巫女として手駒になる。」

じゅえる「ふむ。じゃあ、ゲキというのは本当にここには居るんだ。」
釈「ほんとうに、居るのですか?」
まゆ子「実は居ない。声があるだけ。だが繋がっている。そして白の母はほんとうにその読み取り方を教える。本物である事が、ほんとうの価値を生み出すと知っているからね。で、白の母に抱かれて一晩恐ろしい声の響き渡る、コウモリが無数に居る大洞窟に篭るんだよ。」

じゅえる「話は分かった。で、ハジパイ王の息子は?」

まゆ子「そっちはそっちで話も付いている。つまり、この男の子を十分に利用しろ、というのだね。そしてゲキの正体を明らかにする。地上に降りたコウモリ神の化身であると。これを利用して聖山の勢力地図を一変させる。と言っても、弥生ちゃんに歯向かうわけではなく、まここんとこはもうちょっと考えるけれど、つまりは弥生ちゃんの前にできるだけ強い立場で立ちたいという神官達の欲求をうまく使おうというのだよ。その裏付けだね。」

釈「神様が増えるのは、あまりおもしろくはありませんね。」
じゅえる「ちがいない。」
まゆ子「なるほど。では、コウモリ神人の姿をわずかに見せるだけで、止めておくか。ゲキがなにかは依然として謎、と。」

じゅえる「コウモリ神人の姿は、実は白の母の仮装ということで。本物と偽物の虚々実々を織り交ぜて作っていく。」
釈「つまりは、ゲキは確かに居て声はあるけれど、姿は無い。だから姿は偽を見せておく、ということですか。」

じゅえる「アルカンカラは、それを、実はコウモリ神人がここに住んでいたのだ、と白状する、という事ではどうかな。」
まゆ子「であれば、もう少し知的なものである必要が出るね。この大洞窟は知識の宝庫なのだが、解読には非常に困難を要する。」

釈「文書があるのですか?」
まゆ子「壁画が大量にあるんだよ、ネズミ文字の、象形文字で。」
じゅえる「いや、ギィ聖符の方が良くないかな。神秘的な知識が眠ってるんでしょ。」

まゆ子「ふむ。ネズミ文字とギィ聖符の中間の文字、という手もある。だが、誰が書いたかの方が問題だ。それによって文字の種類も決まる。ゲキの正体も決まる。」

釈「文字で無くても、絵画でもいいんじゃないでしょうか。洞窟壁画ですから、ラスコーの洞窟みたいな。ていうか、その洞窟はどのくらいの大きさですか?」

まゆ子「幅1500高さ700メートルの半円形を上から押しつぶしたようなへしゃげたアーチ状の洞窟で、深さは5キロ。内部は幾つもの部屋で仕切られていて、一見しただけでも人工物と分かるんだよ。ただ、通路自体は風化してかなり自然の造型に近い。鍾乳石もあるしね。弥生ちゃんが見ると吃驚するのは、つまり鍾乳石が有るという事は数百万年経っているはずなのに、そうはとても見えないということ。」

じゅえる「部屋というのは、どのようなもの?」
まゆ子「部屋は部屋。一辺100メートルのブロックがほぼ均等に並んで居て、上にも積み重なってピラミッドみたいになってる。そうね、コンテナを積んでいるというのに近いね。材質はちゃんとした凝灰岩だけど。」
釈「凝灰岩で、そんなブロック作れますか?」
まゆ子「ばれたか。実はこれは凝灰岩に似た特殊なコンクリート、漆喰と言った方がいいかな。ともかくドロンとしたのを固めて作っている。強度は結構あるけれど、硬度はさほどでもないから掘れるよ。」
じゅえる「繊維を混ぜたコンクリート、というのが確かあったはずだけど、それとは違うの?」

まゆ子「まーファンタジー世界の物質だから、凝灰岩みたいなもの、でいいんじゃないかな。ともかくだ、この大洞窟は長さ5キロのかまぼこ状空間に、凝灰岩のコンテナが乱雑に積み重ねている、という風に理解して。コンテナのせいで内部は迷路になっていて、ところどころには有毒ガスや窒息する所もあって、なかなかの難所。少なくとも常人には入れない。この遺跡が発掘されたのは聖山に十二神殿が追放された後だから2000年前だね。ギィール神族の調査もされているが、なぜか深くは解析していない。聖蟲により忌避されたらしい。だから、ここを発掘して解析するのは十二神殿組織に任されている。そして、長年月を掛けて部屋に描かれた壁画を記録して、解読作業に当たっているのだが、なにせ高さが100メートルもあるコンテナが積み重なっているんだ。箱一個を全部、天井まで調べるのに数十年掛かるんだよ。灯も届かないし。だから、ほとんど研究は進んでいない。そして、その進んでいないわずかな記録でさえも、解析には膨大な労力と優れた知性が必要なのだ。」

釈「じゃあ、ゲキというのはこれを作った人ですか。」
まゆ子「さて。ま、ともかくゲキというのは正体不明なのだよ。声と影だけの存在だ。そして謎の壁画文字がある。ゲキが書いた、という事にしておくと好都合だからそうなっているけれど、ほんとはどうか分からない。実際問題としては、読める所しか読んでいないから、ゲキの存在だけを知っている可能性がある。ところどころに落書きのようにあるネズミ文字しか読めないんだ。」

じゅえる「声というのは、何?」
まゆ子「これは白の母は正体を知っている。びっくりするような代物ではあるけれど、神ではない。」
じゅえる「なににしようか。ゲキロボにするかな。」
釈「これは意表を衝いた凄いものにするべきではないでしょうか。」
まゆ子「うーむ。ピルマルレレコ出ちゃったしねえ。じゃあこうしましょう、ファンタジーの王道に乗っ取って、形も定かではないあやふやな闇、長い毛のような感触はあるけれど、ほんとはなにが来るのか分からないなにか、という事にしましょう。」

じゅえる「ま、ファンタジーだからね。えーと、ではゲキを探しているというか、数を数えているというか。」
まゆ子「そんなとこだろうね。ただ、なんらかの情報をそこから読み取る事も必要だ。これは占いのようなものだから、なにか、ね。」
じゅえる「ふむ。うなり声から、意志を読み取るわけだよ。神殿の神官達が要求するのはそれだ。どうする、なにか仕掛けを作る?」

釈「ほんとうに憑いたりはしないんですか?」

まゆ子「えーと、なんらかの有用な情報は得られるべきだよ。ただ、具体的であるのもなんだ。神官の思惑によっていかようにも解釈できるなにごとか、だね。」
じゅえる「名前、というのはどうかな。名前ならうなり声の中からでも聞き取れるし、解釈も色々あり得る。」
まゆ子「なるほど、悪くない。ただ名前だけでは誰に当てはめて良いのか困るから、」

釈「ゲームですね。ゲームの駒を動かすように、動かす駒と駒の行動を示唆する。神聖神殿都市では歴史上もたらされたゲキの言葉に出て来る名前をすべて記録してあり、行動も書いている。右とか左とか、前に三歩とか。」
まゆ子「ふむ。」
じゅえる「あんまり考え過ぎてもダメだよ。この辺でケリをつけておこう。」

釈「それよりも、ハジパイ王の息子というのの動向が注目ですよ。」

まゆ子「理想を言えば、ハジパイ王の息子のところには白の母以外の勢力からの工作活動があるべきだ。つまりは、白の母は彼に自主的な判断による陰謀を勧め、彼はそのとおりに自分の力を試してみる、というのだね。」

じゅえる「どこの勢力からの工作にしようか、いっぱいあるねえ。というか、彼自身が既に一派を為している、という手もある。」
釈「よりどりみどりです。神聖神殿都市内部での勢力争いというのもありますよ。」
まゆ子「そうなんだ。彼はかなり忙しい人間だ。どうしよ。」

じゅえる「彼のスタンスは二つ、ガモウヤヨイチャンに従属するか、独立した権威を保ち続けるか。これは神聖神殿都市内部においても議論の分かれる所だ。救世主の新王国において一定の立場を確保するべきなのは間違い無い。だが、呑み込まれてはいけない、十二神信仰はあくまでもどの王国に対しても中立であるべき。更に言うと、中立の在り方にも色々とバランスの取り方がある。ついでに金の問題だね。独自の資金源を拡大するのは、十二神殿長年の悲願でもある。神宰官たる彼にはそれが一番の重要事だ。」

釈「やはり金ですね。金をどうやって調達するか、彼の発想はまずそこから出発するべきです。教義とか神秘とかは二の次ですよ。彼の立場なら。」

まゆ子「金は信者からの寄付と決まっているのだが、実際問題として十二神信仰においてはそこんとこはかなり複雑なシステムになっている。神殿は二種類あって、聖務神殿と教理神殿で、神聖神殿都市にあるのは教理神殿だ。これは早い話が研究と信仰の為だけにある神殿で、神官巫女の教育が主な目的。聖務神殿は下界にあって定められたサービスを行っている。聖務神殿は実質独立採算制であるから、金は自力で集めている。トカゲ神殿を例にとれば、治療費だね。金持ちから分捕って貧乏人からは金をとらない、という方針で強い支持を集めている。それに対して教理神殿は主に聖山を上って来る巡礼者と王族や豪商富豪からの寄付金で成り立っている。つまりは、本来の宗教的な事業だね。これが十二神信仰ではかなり弱いんだ。」

じゅえる「まあ、聖蟲を持った人がうろちょろしてますから、信仰というにはかなりマイナスですね。つまりはハジパイ王の息子はそこん所にてこ入れをするべきなんだ。」
まゆ子「つまりは、十二神神殿、神聖神殿都市自体のステータスを上げ、聖性を高める手段が必要なんですね。」

釈「そこでゲキ、ですか。」
まゆ子「うーむ、それはどうだろう。ゲキについては未だよく分からないのだよ。ゲキでなんとかしようという一派もある。しかしトカゲ神救世主が現れた今だからこそ、それはやめといた方がいいという考え方もある。弥生ちゃんの光に紛れてしまうとデビューのチャンスが潰れてしまうのだね。」

じゅえる「というか、そもそも十二神信仰にはどのような御利益があるのだ? 極楽往生かな。」
まゆ子「それはまあ、そうなんだけど。・・・やはり、教義についても一応突っ込んで考えなきゃダメか。何を救いとするか、ねえ。解脱とか成仏とかではないからー。」
釈「転生はどうなんですか、一応はあるんでしょ。その考え方は。」
まゆ子「ある。だが、天上で漂白されて、記憶も何も無い素の状態で来るのが正しい、という考え方だからねえ。」

じゅえる「お盆みたいな考え方は無いのかな?」
まゆ子「あー、無いな。作ろうか。」
釈「穢れとかを払う、というのはどうでしょう。禊をするのに巡礼をする、という考え方で。」

じゅえる「単純だな。もっと俗物的な考え方で、・・・・生まれ変わったら聖蟲を持つ人間になりたい、とかはどうだろう。」
まゆ子「めちゃくちゃ現実的なお願いだな、それ。」

じゅえる「ガモウヤヨイチャンが新しいトカゲ神族をこしらえる、とかで巡礼もわんさかやってくる、とか。」
まゆ子「うーーーむ、弥生ちゃんはそれ作らないからねえ。」

釈「ではこういうのはどうでしょう。生まれ変わったら、ガモウヤヨイチャンの来た星に生まれ変わる事が出来る!」

じゅえる「新信仰の誕生だ! それいい。」
まゆ子「それはー、詐欺だな。だが密かにそういう噂を流す、というのはハジパイ王の息子にはふさわしい陰謀だ。それでいこう。」

 

06/08/10

まゆ子「えー、なんとか出来てますね。げばると処女EP4 「第二章 古の劫火の顎には、滅びを饗すべし」。ちいと苦労しましたが、戦闘シーンが入ればそんなもの。」

シャクティ「あづー。」
じゅえる「実際あづー。さすがに夏は熱いから脳が動かないよ。」
まゆ子「あー、まあ、そね。」

釈「しかし、「白の母」ってひとはいい人なのか悪い人なのか、ぜんぜんわかりませんね。」
じゅえる「良いも悪いも、あの人は倫理の壁を突き抜けてるんだから、どうでもいいんだよ。」
まゆ子「だから、特別な人というのは相矛盾する性質を備えているもんだ。弥生ちゃんだってお節介のくせに他人を突き放したようなとこあるでしょ。」

じゅえる「で、次はなんだっけ。」
釈「えー次はー、「3、神聖神殿都市の黒幕出現、弥生ちゃんのウラタンギジト入りを注視する」てなってますね、スケジュールでは。」
じゅえる「あー、ハジパイ王の息子だ。」

まゆ子「また、新登場だよ。参ったね。そもそも神聖神殿都市ってぜんぜん考えてない。」
じゅえる「まあ、これも当然払わなきゃいけないツケて奴だね。最初から出るに決まっているものだから、やらなくちゃ。」

釈「それはそうと、1章2章は前後編の構成で90枚行ってます。ちと多くないですか。」
まゆ子「多い。つまりはすでに3章分書いてるって事だ。むくわれねえ。」
じゅえる「そうだねえ、前後編でそれなのに、全然足りないもんね。本当はカロアル羅ウシィのサイドをもうちょっと書くはずだったのよね。」
まゆ子「なぜか唐突に現れて投げっぱなしになっている。まずいんだよ。」

釈「その辺は、第4章で。「4、軌バイジャンの話 5、ベイスラ穿攻隊の大活躍シーン」と、ベイスラ関係が続きます。」
まゆ子「お。そうだったのか。急ぐ事ないじゃん。」
じゅえる「絶対戦闘シーンが出て来るんだけどね、それ。」

釈「どうしますか、ここで手つけを打っておきますか?」

まゆ子「やなこった。あづい。」

じゅえる「やなこった。もっとべつなことしよ。おまえさんの修学旅行最終章をやってやるよ。」
釈「うおー、そうですかあ。おねがいしますよお。なんせ一年ぶりの終了ですから。」

まゆ子「第三章はおいおいやるとして、修学旅行だ。いきなりおまえさん達は帰っている。いきなり目の前に明美三号が居てびっくりだよ。」
じゅえる「うん。なげっぱなしジャーマンでいこう。」

釈「では、ゲキというのは無しですか。」
まゆ子「このくそ暑い中でそんな鬱陶しいもんが出来るか、却下却下。」

じゅえる「で、神聖神殿都市の話だが、ゲキを出そう。」
釈「は?」

まゆ子「鬼か?」
じゅえる「獣人でもいいし、トリバル峠の向うの住人でもいい。とにかくなにか凄いのを出そう。」

まゆ子「その予定は無いんだが、大洞窟になにか居るというのは別に構わないかな。でもゲキにするわけには。・・・ロボ?」
釈「ろぼっとですか!」
じゅえる「ろぼかあ。しかし聖蟲の無い人間に操れるものじゃないだろう。・・・聖蟲を打ち破る者、としてゲキが挙げられている、というのはどう?」

まゆ子「ぐたいてきには。」

じゅえる「つまりは聖山においては聖蟲を持たないばかりにいつまでも僕に虐げられている神官巫女の立場を良しとしない者が居て、なんとかして聖蟲を越える可能性を模索しているんだよ。で大洞窟内にある不思議な霊遺物を捜索した結果、壁画を発見するんだね、巨人の、しかも人造の巨人の設計図みたいなものを。これが洞窟内にあるのではないか、という。」

まゆ子「おもしろいけれど、却下。これ以上余計な不思議が挟まるのは許せない。もっとなにか、・・・コウモリ人だね、古に伝わるコウモリ人についての伝承を大洞窟内で発見する。その図像がゲキなんだ。で、それはどう見ても人造の巨人だ。設計図なんだ。で、神がコウモリ人をこしらえて、人間を地上に送る際のナビゲーターにした。というのが、現在の状況で唯一説明可能な図像の解釈、なんだね。」
釈「じゃああんまり意味が無いですね、物語には。」

まゆ子「うむ。もうちょっと簡単にするか。えー、じゃあ洞窟内に未だ留まる怪物がある。それがゲキ。吸血鬼だが、人の生き血は吸わない。天変地異が起こる際にはそれが人語を発して人に警告する。姿を見ることはできないが、一説によると古代のコウモリ人の中で唯一居残って大洞窟の番人としての役目を与えられた者、と皆考えている。それが弥生ちゃん降臨に際してしゃべったわけだ。」
じゅえる「ふむ。それはあれだね、ネズミ神官達はそれに指示をあおいでいた、という事にしよう。コウモリ人達は居なくなったが、彼はまだ居る。そしてずっと人間の世を見続けている。」

まゆ子「悪くない。だが、もっと神秘的なものがいいだろう。」
じゅえる「じゃあ、正体不明の声ってだけにするか。」

釈「いっそ、霊媒がゲキの声をしゃべるってのではどうでしょう。ほんとうにそれが居る、となれば弥生ちゃんキャプテンが会いに行きますよ。」
まゆ子「なる、それはそうだ。でも霊媒を使うのはどうかな。ちょとやだな。」

じゅえる「この世界における一般人の超能力の設定については、疑問があるね。そんなものは無い、とした方が物語はずっと引き締まる。まあ、霊能はあるんだけどね。」
まゆ子「霊能について、なんらかの見解を打ちださねばなるまいね。やっぱ。」
釈「占いとか降霊術とか、無い訳が無いですよね。」
まゆ子「ある。」

じゅえる「そこも含めて、聖山の在り方をここでばあんと打ちだす事が肝要だね。相変わらずの泥縄だが、タイトロープなとこだよ。この回は失敗が許されない。」
まゆ子「失敗が許される回は無いんだけど、ここを間違うとあれだね、話ががくっと説得力を失うね。」

釈「・・・! あの! ここでもまた、白の母にお出で願うというのはどうでしょう。ゲキの声を聞く事の出来る唯一の巫女、というのが居まして、それの不在が問題になっている。何時やってくるのか見当もつかない風来坊で、皆やきもきしている。」

じゅえる「それはおもしろいが、そこまで頼るか?」
まゆ子「いや、それはかなり謎めいた描写で白の母とは容易に推察できない書き方であれば、かなり行ける。というか、今言っちゃったな。」
釈「だめですか?」

まゆ子「いや採用だ。問題は、神聖神殿都市の連中が彼女になにを期待するか、だね。」

じゅえる「あー、弥生ちゃんは勝手に動くから、占いなんて役に立たないんだよね。どうしよう。」
まゆ子「ゲキの声自体はうなり響いている、てのかな。なにかあるのは分かるけれど、その意味を読み解く能力を持ったのはその巫女だけ。風雲急を告げる状況だけに、彼女の到来を待ちわびている。かな。」

釈「大洞窟の内部から発せられる怪獣の声、ですか。そんなとこですかね。」

じゅえる「じゃ、次にいこう。修学旅行だが、おまえさんにはまったく関りの無いところで、物部村の連中は超次元戦闘を行う。」
釈「まじでやりますか。」

まゆ子「SFがウエンディズで出て来るのは良くないが、ホラ話というのはどうだろう。なんだかしらないけれど、こういう事が起ったようですよ、とウソ八百を並べ立てる。」
じゅえる「弁士だ。活動の弁士風におまえさんが、かのじょたちに聞いたんです、とか言って。」
まゆ子「かつどうかあ。やる?」

釈「やります! 是非とも!!」
じゅえる「うむ、積極的な態度は花丸だ。では本格ミステリーホラー伝奇SFね。ろぼは出て来る?」

まゆ子「出す。」
じゅえる「合体ろぼ?」

まゆ子「ラピュタに出て来るような小型ロボが合体して、ゲキになる。超宇宙の彼方からやってくる敵を撃退する為に選ばれた五人の勇者様だ。」

釈「なにがやってくるのですか、ぴるまるれれこですか?」
じゅえる「もっとすごいのがいい。カベチョロンとか?」
まゆ子「いやいや、そんな小物はダメだ。全長4万キロの巨大な彗星で、中には巨大な戦艦があって、超巨大ロボに変形だ。」

釈「まじですね。やりますよ。」

じゅえる「よんまんきろというのは、彗星の尾も含めて?」
まゆ子「核だけで。全体でいうと、直径が20万キロ、尾っぽが5千万キロにもなる。もちろん地球なんか一撃粉砕だ。しかし彗星の周囲を取り巻くガスは渦を巻いていてその中心にはごくわずかに穴があり、核に直撃出来るのだ。そこから宇宙怪獣が出現する。」
釈「おお! これまでに聞いた事も無いような斬新なアイデア!!」

じゅえる「宇宙怪獣てのは、ガンダムだろう。」
まゆ子「のんのんのののん! 宇宙バイキングだ。木造の宇宙船にしがみついた巨大ロボット兵が何人もでビーム攻撃するんだよ。」
釈「でかるちゃですか?!」

まゆ子「うむ、それに近いが、金属細胞で出来た半人造人間だ。これまで彗星帝国に滅ぼされた星の奴隷達が、ウルトラメタル細胞に汚染されて巨大な生体兵器に改造されている。」
じゅえる「気の毒なんだね。」

釈「じゃあ、それらを打ち倒しながら、必殺の一撃を彗星帝国にぶちかますんですね。何という名の必殺技です。」
まゆ子「そうねえ、ハイパーF5アタックというのは?」
じゅえる「それはやめよう。」

釈「やはり精神の力を伝達する、サイコブラスターカノンですよ。燃え上がる5人の心が一致しないと発射できないんです。」

まゆ子「まああ、そうかな。アプルゲア論理基準外挿カノンだよ。ぴるまるれれこの授けた最終兵器だね。敵のエネルギー磁場を呑み込んで再構築して逆位相変換でぶっ壊すんだ。」

じゅえる「なんか本格的になってきたな。じゃあ、彼女達をサポートする宇宙艦隊も用意しなければ。」
まゆ子「もちろんだ。未来人の艦隊がやってくるんだ。35世紀からタイムワープでやって来た地球人類が、宇宙バイキングと死闘を繰り広げるんだ。炭団の色をしたステルス戦闘機がワープしながら特攻する。正面の衝角で体当たりだね。それに対して宇宙バイキングは素手で対抗する。殴りつけてぶち壊すんだ。戦闘機の中からは量産型ゲキとも呼べるぬめぬめした人造生物が出て来て、未来人はこれと合体している。」

釈「それだけで一冊描けますね。」
まゆ子「それだけの設定を、この際ばあんと蕩尽するのだ、すごいだろう。」

釈「すごすぎます。あまりのあほらしさに、世界もひっくり返ります。」

じゅえる「よし。では謎の賢人とか、人類同盟とかも出すか。世界各国政府はこれを知っているけど何も出来ないのだ。」

釈「わかりました。そこまでのご信頼を頂けるのであれば、わたくしも出演いたしましょう。人類同盟を指導する、ミスシャクティにでもなります!」
まゆ子「ヨーガの達人で空中浮遊して、世界の指導者達に勇者の戦いぶりを伝えるのだ!」

釈「らじゃ!」

 

06/07/27

まゆ子「というわけで、タイムスタンプを見ると7/22「げばると処女EP4 第一章 褐甲角の兵は剣に恥じる所無し」が出来てる訳です。
 ついでに、ウエンディズ「恋する天竺人形 シャクティ修学旅行に行く」第4話、が5ヶ月ぶりにか、出来てるんですね。」

シャクティ「いやー、ほんとうに御の字です。でもまたどうして今コノ時期に書く気になったんですか?」
じゅえる「それはあれだね、暑いからまともなことをする気が無かったんだよ。」

まゆ子「ちゃうわい! えーとだね、げばると処女はなんぼでも書ける。それこそ、筋書きさえ決めておけばなんぼでも何巻でも書けるけど、でもなにか心でずれているものがあったわけだ。そこで修正をする必要を感じてね、原点に戻ってみようということで、頓挫して居た「天竺人形」に挑戦したんだ。
 まあね、ぱっと見にはすんなり書けているみたいだろうけれど、これがまた大難航してね、5回は書き直しているんだよ。」

じゅえる「そりゃまた、凄い努力だけど、なにがいけなかったの?」

まゆ子「なにがもなにも、キャラが自力で動き出すまでにそれだけの時間が掛かったんだよ。なにせ初出のキャラばかりだからね、動きやがらない。だから、地道にしっかりとキャラの性格設定とかを一生懸命無効にして、ひたすら自力で立ち上がるのを待って居たんだよ。」

釈「あの! それは逆ではありませんか? キャラ設定を精密にすれば、キャラは自力で立ち上がって自ら物語を構築していく、というのがセオリーだと思います。」
じゅえる「うん、普通そのはずだ。敢えてそれを無視するメリットとは?」
まゆ子「考えてもごらん、しょせんはお話の中の女の子というのは単なる言葉の羅列でしかない。いくら精密に綿密に練り上げたとしても、それは嘘の設定だ。人とは嘘の上に真実の姿、生活を組み上げる事はできない。」

釈「それを言ってしまうと、我々の立つ瀬が無いんですが、」

まゆ子「あなたはシャクティ・ラジャーニ、という名の大阪から来たインド人。日本語国語が大得意、お父さんは創作インド料理店のオーナーで各地を点々として家族でやっている。お母さんは美人だけどインド人に似ぬほっそりとした影の薄いタイプ、弟妹が三人も居る。本人は髪が真っ黒のストレート、ちと髪質太めで背中のはんぶんくらいの長さ、背はあまり高くなく高校生としては普通。美人というにはリアクションが面白過ぎて認識されていないが、まあ綺麗と言えなくもない。実は辛いものはあんまり好きではなく、日本茶抹茶と羊羹やらの和菓子が大好き。えーと、まだ上げようか。」
じゅえる「そりゃシャクティのキャラ設定だね。それが?」

まゆ子「こんな設定、いつ作った?」
釈「え?」

じゅえる「・・・・・・・いつだっけ? いつのまにか出来ていたような。」

まゆ子「そうだよ、いつの間にか出来ているんだ。ウエンディズのキャラは全員、いつの間にかキャラ設定が出来ている。物語中で動いていく内に、自力でキャラを獲得したんだ。」

じゅえる「あー、・・・・そういう話か。なるほど。「げばおと」ではそれは、無い。最初に決めたままの設定で一応すべてのキャラが動いている。違うのは弥生ちゃんだけだ。」
まゆ子「その意味ではげばおとの舞台は箱庭に過ぎないんだよ。おもちゃの兵隊だ。それを一生懸命推し進める事に、若干の罪悪感すら感じられる。だから、ウエンディズに立ち戻ったんだ。」

釈「そういう深い御考えでしたか。で、なんとかなりましたか。」
まゆ子「うん、なんとかなりそうだ。いや、そもそも物部村の人間は最初からキャラは立っているんだが、それにしても城ヶ崎花憐ですら生き生きと描くのには苦労したんだ。ほとんど台詞も無かった別当美子、キャラ絵だけは有る根矢ミチル、今回新作キャラの如月怜に至っては幽霊よりも薄いイメージしかない。」
釈「書ける道理が無い・・・。」

まゆ子「だから、書いたんだよ。で、苦労してやっとこさ感触を掴んだ。

 でもまあ、それ以外の収穫もあったさ。スピードだね。」

じゅえる「より早く、かい。」
まゆ子「いやより遅くだ。喋るに似たスピードで、じっくりと書いていく手法というものを身に着けた。くっちゃりぼろけっとにはふさわしくない描き方だけど、ウエンディズやげばおとならば効果は大きくあるだろう。つまりは急いて書くのも善し悪しで、頭の中にある筋書きをぱこぱこと打ち込んでいくという作業に徹するには、表現という行為は深刻過ぎる、ってのだね。血の通ったキャラを息をして歩いていかせる為には、スピードを思考の速度に合わせるべきだ。イメージの速度ではなく、口ずさむような思考の速度で考えタイプしていくべきだ、と思い至ったのさ。」

じゅえる「そりゃ進歩したといっていいのかね。」
まゆ子「一つ手法が増えたのは間違い無い。ま、或る意味ね、今までは考えるよりも早く指が動いていた、という面もあるのさ。画面にタイプされていく文字が現出するまでは、考えていない。そんな嘘みたいな話がありました。」

釈「じゃあ、これまでのげばおとは、すべて。」

まゆ子「そうなんだよ。実は指先に出て来るまでは何も無い、のだ。それに対して昔のウエンディズは、まず徹底的に空中で考えていた。宙でキャラを動かして、シーンを作り出して、いける!と思った所から初めて書き始めるのだから、遅いかもしれないけれど、裏は厚い。その中間をどうにかしてなんとかしよう、する手法としてタイピングの速度を口ずさむ速度に落とそうというのに思い至ったんだよ。

 更に言うと、生理的にその速度が最も気持ちいいというのもある。ウエンディズならば憑かれたように書いていくし、げばおとならばちまちまと増えていくのをじっと我慢する、という書き方になる。どちらも疲れるのよさ。」

じゅえる「で、天竺人形だけど、これからどうなるの? ゲキてのが出て来たけれど、これは一体、なに?」

まゆ子「これはねえ、・・・城ヶ崎花憐が自分で考えついたんだよ。わたしじゃない。書いてる内に、こいつが勝手に喋り出したんだ。「物部村には鬼が居る」って。
 ま、基本的な前提条件として、物部村の人間はすべて超能力者であり村内でのみ力を使える、という裏設定がある。これは、物部村を独立した物語として設定して居た時の名残なんだが、というか物部村は本来ならば凄まじい山奥にあるべきなんだ、でともかく超能力を使える理由が必要、てのが一点。それに対して、天竺人形では物部村の少女達が巨大不思議ロボを動かす、という公約がある、というのが二点。この二つを繋ぐなにか、が無ければいけない。わたしは最初それは、アイヌの巨神霊とかを考えていたんだけど、どうにもイメージが違うなというのでふらふらしていく内に、ガサラキの鬼のイメージと重なって、こういう話になりました。

 ちなみに、しるくの言う衣川家伝一刀流の開祖の話、というのも今回新作です。まあ、ゲキが出なければ出るはずの無い話ですが、最初から決まって居た設定は、或る日旅の途中で衣川藩に逗留した一刀流の剣客をそのまま剣術指南役に迎えて、一刀流としては独自の発展を遂げた、というものです。で、力を認められるなにかがあるといいかな、と思い至りこうなりました。」

釈「では、あのゲキの話というのは、ほとんど根拠もなく、計画も無く、いきあたりばったりの。」
まゆ子「そもそも今回計画ではこのようなオカルト話にはなるはずではありませんでした。仁見一恵さんもちゃんと出るはずでした。ざんねん。」

じゅえる「うーむ、でその次は、書くのかい。」
まゆ子「いきなり門代高校に帰ってきて、お土産大会をしようかとも思ってるんだけど、不思議ロボは必要かい?」

釈「うーむ、敢えて馬鹿話を書くのも、なんですねえ。」

 

06/07/12

まゆ子「てなわけで、新章突入激闘編EP4を始めちゃうわけです。なんかない?」

じゅえる「あづー。」
弥生「わたしおちる。」

シャクティ「というわけで、弥生ちゃんキャプテンの代りに私が会議に加わります。どぞヨロシク」

じゅえる「今更インド人の真似をしてもしゃあないぞ。」
まゆ子「おまえさんはインド人だから、夏場は得意だろ。」

釈「何を仰しゃいます。インド人は夏の暑さにただじーーーーーーーーっと耐える為に、とりとめのない哲学的思考を発達させてきたという、夏に非常に弱い民族ですよ。」
じゅえる「あー、そうだった。暑いと脳が働かないんだよね。」

釈「というわけで、まあ大失敗大破綻は目に見えてますが、がんばってやりましょー。」

まゆ子「あー、ま、いっか。というか、ここまで出来てしまうと大破綻も難しいんだけどね。」
じゅえる「げばおとが大破綻て、どういう状態になってしまったら、そう呼べるのかな?」
まゆ子「弥生ちゃんは死なないから、・・・そうだなあ、主要キャラが全部死んでしまっても、まだ破綻と呼ぶには弱いな。うーん。」

釈「カブトムシ王国が勝っちゃうというシナリオはどうですか。」

まゆ子「負けたかどうだか分からない終り方をする、と決まってるんだよ。・・・・そうか、勝っちゃうシナリオというのも、一応考えておくべきか。」
じゅえる「なんでだよ。」
まゆ子「やってる本人達は負けるつもりは無い。勝つ気だ。だから、勝った後の事も考えている。ではどうなれば勝ったと呼べるのか、というのもちゃんと腹積もりしているんだよ。」

じゅえる「そりゃそうだ。しかし、完全防衛を貫けば、勝ちなんでしょ。」
まゆ子「たしかに、ゲジゲジ軍が撤退すれば勝ちだ。しかし、その場合追い打ちを掛けるように考えていなければならない。物理的に可能かどうかは別として、追撃戦は常に視野にある。」

じゅえる「じゃあ、毒地全域、というのはさすがに兵力が足りないから、ギジジット制圧だね。ギジェカプタギ点攻略はさすがに無理があるから。」
まゆ子「うん。最低、ギジジット攻略戦は立案されている。」

釈「でも、不可能なんじゃないですか。撤退しても、ギジジットを見捨てるなんて無いでしょ。」
まゆ子「だが、手に届く、そして有意義な戦略目標が他に無い。勝ったと呼べるのはギジジットだけだ。もう少し現実的な目標として、ギジジット近辺までの攻略路確保、というところで止めておくか。」
じゅえる「毒地の後方を遮断する為にも、ギジジットで敵を封じ込める、てわけだね。ギジェカプタギ点から真南に降りる通路を確保していれば、寇掠軍はぐるっと回って南に寄らなければ進軍出来ないから、ボウダン街道全域を確保するのも容易い。」

まゆ子「うん。戦略目標としては間違いなくギジジットは有効だ。で、どう破綻させようか。」

じゅえる「勝ったと思って、兵力を不用意に投入する、って事ですかね。」
釈「物語の破綻ですから、不用意に投入、ではなく、不用意に撤退してしまった所に入り込んでしまった、の方が良くありませんか。バグダッド攻略みたいに。」
まゆ子「あれはさすがに馬鹿だったね。なんで首都攻略なんてしてしまうんだよ。」

じゅえる「そうか。つまりは、整然とした撤退に付いて行ったカブトムシ軍が、抵抗も無いままにギジジットに入城してしまうんだ。それはめちゃくちゃだな。」

まゆ子「それが可能かどうか、条件を吟味してしまおう。

 つまりは、赤甲梢がギジシップ島に突入して和平が成立する。ゲジゲジ軍はそれを受けて撤退を開始する。ギジジット以西の砦は全部放棄する、のは不自然だな。」
じゅえる「そりゃ不自然だ。だが差し止める兵力が無いぞ。とりあえずギジジットまで後退して、補給線を確保して主要砦の防御を固める、という形になる。」

まゆ子「ゲイル騎兵はすべて撤退してギジジットに集結、西へ行幸する神聖王の通過をここで待ち、ギジェカプタギ点にいつでも突入できるように待機している、という形だね。」
釈「対応する為には、カブトムシ軍もギジェカプタギ点に集結しなければなりません。第二戦をするつもりで軍の再結集をする、て事ですね。」

まゆ子「ゲルワンクラッタ村近辺に大軍勢を集結させて、ギジジットに対抗する。ボウダン街道全域の兵力を総動員だね。2万人くらいだ。これだけの兵力があれば、ギジジットを落とせる気になっても仕方がない。ただ、神聖王の通過を無事に成し遂げる為には、・・・ここでは或る種の議論の衝突が起こるのだね。このまま通すべきか、兵力にものを言わせて捕虜にしてしまうか。」
じゅえる「著しく、不名誉な決断だね、それは。」
釈「そこまで頭は悪くないでしょう。」

まゆ子「なにか、不公正なファクターが介入するか。暗殺者とか。」
じゅえる「うーん?」

釈「神聖王とギジジットのゲイル騎兵とが合わされば大兵力が整いますから、街道の通過を阻んで、一大決戦に臨もうというのはどうでしょう。野戦でケリを着けようというわけです。」

まゆ子「兵力的には、それは互角だ。」
じゅえる「どちらが勝つ、というのは無いな。どちらにしても、傷が大き過ぎる。ただ、カブトムシ軍の原理主義的な人物ならばそれはやりかねない。」
まゆ子「弥生ちゃんの構想に反するな、それ。じゃあ、だからこそやってしまう、という勢力も在るか。弥生ちゃん抜きで世界を動かそうとする。」
じゅえる「ハジパイ王がやりそうな事だよ。」
まゆ子「いや、ハジパイ王はそこまで馬鹿でも無いけれど、小人が考えそうな話だな。」

釈「それを防ぐ為には、劫アランサ王女がキャプテンの名代として神聖王を迎えに行かねばなりません。」
じゅえる「その大激突野戦の構想さあ、弥生ちゃんが言い出すというのはどうだろう。赤甲梢がギジシップに到達して和平がなった、と聞いた弥生ちゃんはすぐにギジェカプタギ点での大衝突に言及する。」
まゆ子「ふむ。わざとその噂を流す、という方が面白いな。びっくりした武徳王が駆けつけて来るからね。」

じゅえる「うん。それはいいアイデアだ。でも、どう火消しをするね。そのまま武徳王に任せる?」
まゆ子「任せりゃいいんじゃないかな。カブトムシ王国の領内なんだから。」
じゅえる「まあ、そうか。まあそうだねえ、それはそうだ。でも弥生ちゃんの関与が無いのは、ちと面白くないぞ。」

釈「キャプテンが戦争の勃発を避ける為に、劫アランサ王女に特別な命令を与えている、というのはどうでしょうか。神聖王に「走れ」と、伝言するとか。」

まゆ子「なにそれ?」
釈「いや、どうせゲイルに乗っているじゃありませんか。兎竜もある事ですし、両軍の兵力が衝突する暇も無いほどに、ギジェカプタギ点からはダッシュして領域を離脱するんです。」
じゅえる「神聖王本人がその場所から居なくなるのか。・・・そりゃあ、戦争にはならないな。」
まゆ子「気勢を削がれて、ゲジゲジ軍は撤退するか。武徳王も進軍が間に合ってデュータム点付近で神聖王と邂逅する。うむ、なるほど。」

釈「で、そこからウラタンギジトに向かう最中に、キャプテン消失の報が届くのです。」

まゆ子「まだ弱いぞ。そこで何かが無いといけない。弥生ちゃんもデュータム点に戻って来て、三王の会合が実現したその時!」
じゅえる「何者か凄いのが乱入して、弥生ちゃんが北に飛ばされてしまうのだね。で、会合は途中キャンセルで神聖王はウラタンギジトに、武徳王はガンガランガに陣を敷いて、事の成り行きに善処する。」

まゆ子「弥生ちゃん消失は、デュータム点で起きる、か。なるほど。」
じゅえる「なるほど、かなりドラマチックで自然だ。じゃあ、それは、つまり、多数の黒甲枝赤甲梢にギィール神族とゲイル騎兵が集まっている最中に起きるんだ。」

まゆ子「設定では志穂美に化けた神人が襲って来るんだけど、かなり派手目なものに変えるか。巨大な怪獣が襲って来るとか。」
じゅえる「全部を変える必要もないでしょ。巨大な怪獣がつむじ風と共にやって来て、弥生ちゃん一人だけを異次元空間に取り込んで、中でバトル、やむなく弥生ちゃんは光になって北の空に飛んで行く。」

釈「いきなりファンタジーですよ。」
じゅえる「いや、元からファンタジーなんだけどね。」

まゆ子「それはーつまりだね、その場に居た武徳王神聖王どちらにも弥生ちゃんが死んでない事を理解させる、会談の継続を決意させる効果があるんだ。これほどの神話的襲撃があるのだから、と弥生ちゃんの不在をそのままに留めておく理由となる。見てない者が、その重大さを理解出来ずに現実的な判断で不在の最中に最大の利益を上げようと動き出すのだ。」

じゅえる「矢継ぎ早に、ゴバラバウト頭数姉の武徳王暗殺未遂事件、とか起きるわけだ。ついで、ウラタンギジトの神聖王には聖山からハジパイ王の息子が干渉する。」

釈「ちょっとまってください! それはEP6じゃないですか!! 何故これからEP4を描かねばならない時にそんな話になったんです。」
まゆ子「・・・・・何故?」
じゅえる「おまえが言い出したんだろ。というか、何故?」

釈「EP4・5はもう展開画定ですか?」
まゆ子「あー、EP6から逆算すべきものは無いからね。画定してもいいかな?」
じゅえる「いや、EP6をもうちょっと煮詰めてみよう。なにか出るかも知れない。でも、ここまでの展開に問題は無いよね。」

まゆ子「うーむ、焔アウンサが居ないな。」
じゅえる「武徳王神聖王の会合の後、彼女は処罰されるべき、なのかな? 独断が過ぎたからねえ。」
まゆ子「弥生ちゃんからなにかご褒美をもらっていた、とかかな。まあ、弥生ちゃんの命令で動いたことは確かに軍令違反だろう。」

まゆ子「もうちょいと考えてみよう。」

 

2006年前半のばっくなんばーはこちら

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