ゲヴァルト処女、設定地図

2004/05/08-2006/11/15

地名事典

スクエアリウム:地名 「十二神方台系」を蒲生弥生ちゃんが訳してみた名前。「スクエア」+「アクアリウム」から来ている。つまり「方形の人工生体環境」の意味。額のウオールストーカーが十二神方台系を一々翻訳するので、じれったくなって自分で名前を付けた。100年後には皆使っている。

大氷壁:地形 海岸にそってずっと北上すると、いずれ大氷壁に突き当たる。高さ500メートルある氷の壁で、人間はもとより鳥ですらよく登れない。多分北極に連なると思われ、事実北の果てを同じ緯度で延々と東西に続いている。ときおりこぼれて氷山になるので、巨大な氷河かとも思われるのだがいかんせん誰も登ったことがないので分からない。

暴風の壁:地形 東西の果て航海1ヶ月の経線、および南海のやはり航海1ヶ月の緯線にある暴風の多発地帯。この先はキルギルギス将軍の艦隊も進めなかった。よって「十二神方台系」は、東西南に航海1ヶ月、北に海岸沿いで1ヶ月、暴風と大氷壁で阻まれる方形の領域の中心に位置する人間を住まわせる為の大地、と定義されている。

聖山:地名 この世界の北方にそびえ立つ巨大な山。麓に大針葉樹林帯を持ち、人の侵入を拒み続ける。また気候が寒冷で作物が取れないので住んでいる人は居ないとされる。聖山の手前にトリバル峠というところがあり、ここが人間と自然界を分離する境界となっている。一説によると、人喰いの一つ目巨人の一族が住んでいるともされるが未確認。トリバル峠から南に広がる森林地帯が「北山」で、神聖神殿都市が古くから作られ、修行する僧侶神官が住んでいる。狭義では神聖神殿都市自体を「聖山」と呼ぶ。トリバル峠を境に東西に線を引き、それから南が、ちょうど方形になるので、この世界を「十二神方台系」と呼ぶ。

トリバル峠:地名 聖山と人界を分ける境界となる峠。北には聖山のすそ野に広がる大針葉樹林帯が広がり人はほとんど住まない。トリバル峠の左右に広がる森林地帯には古代からそのままの生活を変えないネズミ族が住み、洞窟に住む。またタコ女王時代に作られた神聖神殿都市があり、多数の神官巫女が修行を励んでいる。中には神秘教スガッタと言われる密教系技術の本山もあり、超人への道を目指している。

神聖回廊;地名 デュータムポイントから神聖神殿都市を抜けトリバル峠に至る街道。盗賊が多いが手向かいしなければ聖山への巡礼者として命は取らないと言われる。枝道が多く、本街道と区別つかないこともあり、迷う者が続出し、そのまま住み着いたりする。この回廊の脇の領地は未だタコ女王領とされ、ゲジゲジカブトムシ両王国の支配を受けない。というよりもここの近辺は産業に乏しいために、課税する程のモノが無く、神聖神殿都市への上納を持って両国の寄付とする、という取り決めがなされており、両国が会談を行う際の中立地帯として役に立っている。ゲジゲジ側の衛星都市がウラタンギジト、カブトムシ側がエイタンガブトといい、共に王族が常駐する。

ウラタンギジト:地名 神聖回廊東側にある金雷蜒王国の中立衛星都市、金雷蜒王国の王族斎院が常駐している。ウラタンギジトは東西金雷蜒王国双方共同で治める街なのだが、東金雷蜒王国の方が上席とされる。また双方の国での取り決めはここで評議されるので、衛星都市とはいえ人口も兵力もかなり充実している。

エイタンクァプト:地名 神聖回廊西側のデュータムポイント近くにある褐甲角王国の中立衛星都市。ウラタンギジトよりも小さい、純粋なカブトムシ神の神殿都市で、警備も手薄。メグリアル家の当主はここに住み、カブトムシ神の斎院を務める。また金雷蜒王国からの亡命者の受け入れによく使われる。

毒地:地形 毒によって封鎖された土地。ギィール神族がタコ化石より作り出した化学毒であり、風に飛散して植物を枯らし動物の呼吸を妨げる。元は化学肥料だという話もあるが、現在は毒としてしか用いられない。浄化の方法はギィール神族しか知らないが、すでに金雷蜒王国に浄化する事業を行う力はない。聖蟲を持つ者は毒地でも自由に往来できるが、一般兵士は毒消しマスクの着用と風の流れで毒が来ない領域を通過する方法を取らなければ生きていけない。風の通り道を知るために、ゲジゲジ神族の寇掠部隊は蝉蛾神の巫女の風の声を聞く能力を利用する。毒地は神聖首都ギジジット周辺の広大な荒地全部と西金雷蜒王国周辺の島嶼部に散在するものとがあり、カブトムシ王国の軍勢の侵攻を妨げる緩衝地帯として機能していたが、ギジジット周辺は蒲生弥生ちゃんによって一夜にして浄化されたためにいきなり両軍が対峙することになり、大戦争の引き金となった。

タコリティ;地名 「タコシティ」大陸南東部の外れにある孤立した都市。かっては流民や犯罪者の隠れ家として、またタコ化石の採掘場として自然発生的に生まれた街。現在は無法な商業都市としてゲジゲジ・カブトムシ双方の王国から独立を保っている。故に古の幻の女王の名を取って「タコシティ」と呼ばれるが、正確な発音は「ッタ・コップ・リティ」である。。

カベチョロバレィ:地名 トカゲ神降臨後の作られた神聖都市で中核にトカゲ神殿がある。元の名はデュータムポイント。北の聖山より南に下る街道の分かれ目にあり、かってはタコ女王の宮殿があったと言われる場所でもある。交通の要所であり、大陸全体へアクセスし易い場所でもある。南に広大な平原を抱え大規模な軍勢の運用も可能で戦場としてかって幾度も大規模な戦争が行われた。100年後は巡礼者が引きも切らず訪れる商業都市としても発達している。その名はもちろん蒲生弥生ちゃんが付けた。トカゲ神に縁のモノはc音になるというこの世界の音韻の問題から、”チャベチョロ・・”と発音される。

デュータムポイント:地名 スプリタ街道の起点となる街。後に神聖都市カベチョロバレイとなる。ここより二キロ東に行ったところにタコ女王宮殿遺跡がある。かっては壮麗な宮殿だったがその後盗賊や墓荒らしあ掘り尽くし無残なありさまになっている。聖山の神殿都市と俗世をつなぐ要所ではあるが、褐甲角王国と東金雷蜒王国との戦場が近く、たびたび戦火にあっているのでなんとなく寂しい感じがする。”ポイント”はまさしく”点”であり「駅」の意味で正式には「デュータム点」である。「デュータム」の意味は”別れ道”であるから、元の名はただの「別れ道駅」であり、弥生ちゃんが異世界の言葉で「ポイント」と名づけたことを街の人は大層喜び、そのまま地名となった。

イローエント:地名 スプリタ街道の終点の街。ど田舎。街自体は大きいものの、ここは地の果てで産業も無く、もっぱら農業と漁業で食べている。ここから東に進むとタコシティなのだが、草木も生えない荒野であり、盗賊も金雷蜒王国軍も出るので普通の旅人は行き来しない。褐甲角王国の防御拠点でもあるので、街自体は大きく安全そのもので、民心はむしろたるんでいるくらい。戦略物資であるタコ化石の中継地点ではあるが、西回り航路でミアカプティ港まではタコ化石専用船で運ばれ船員の街への出入りも禁じられるため全く儲かっていない。西側の街道は森が海岸にまで進出するとても寂しいところでギィール神族も盗賊も出ない。カブトムシ兵にとってイローエント防衛といえば左遷を意味する。

円湾: タコリティの東、方台の南東部にある海岸に穿たれた完全に円形の湾。クレーターであり、端が海に繋がっている。最も大きいのが直径70キロ以上、他に数十キロ級の湾が23ある。方台の地層がひと目で見えて、表層部の土砂層、その下の灰と小石が混ざった灰沙層、大きな岩が重なる大岩層、粘土層、その下にテュークと呼ばれる巨大なタコ状生物の化石が折り重なっているテューク層がある。円湾は真上からすぱっと切り落としたように地層が穿たれている為に、切り立って平地が無い。またテューク化石の内部を掘ってタコ石やらタコ樹脂を得る鉱山が出来ている為に、無数の洞窟が掘られており、ここに人も住む。真水を得る事が出来ないが、タコ石の生み出す利潤によってかなり大規模な開発が可能となっており、その利権は古来よりタコリティの有力者が割拠して奪い合って来た。ガモウヤヨイチャンの到来後は、西のタコリティの都市が壊滅した為にここに街を移し、新生紅曙蛸王国を旗揚げした。

百島湾: 方台北西部の島が多数存在する湾。西金雷蜒王国がここを領土としており、褐甲角王国と対立する。

ミアカプティ港:地名 褐甲角王国の西の入り口となる大きな港。商業と軍事とで大変賑わっており、造船所もある。これより北に上るといくつかの群島を経て西金雷蜒王国になる。南に25キロほど下るとゲルトアンティ港という小さな漁港があるが、ここは西金雷蜒王国との公然の密貿易の拠点であり、この沖合いで船に荷を積み替えてミアカプティに荷揚げされる。

ゲルトアンティ港:地名 西の中央にある小さな港で漁業を主に営む。西金雷蜒王国と褐甲角王国との公然の密貿易の拠点。

スプリタ街道:地名 中軸街道。文字どおりにこの世界を南北中軸で貫く街道。デュータムポイントからヌケミンドルを経てイローエントに至る大きな街道で、カブトムシ王国の東の生命線である。左右に肥沃な農地を抱えるが、さらに東は毒地と荒野が広がり、常に東金雷蜒王国の寇掠部隊の襲撃を受ける。街道が長過ぎる為に防備がままならないが、カブトムシ兵の半数がこちらに配置され、毎年のようにゲジゲジ軍の小部隊と衝突を繰り返す最前線である。ただし、毒地は一般兵の通行が困難である為に大部隊の運用がならず、ここを通っての大規模侵攻は無いと見られている。

アユ・サユル湖:地名 大地の中央にある世界最大の湖で差し渡し100キロある。北にカブトニア、東にヌケミンドル、南西にシャマヌケミントの街を持ち、水上交通が盛ん。中央にマナカカプシプ島があるが、ここは褐甲角王国の特別な許可が無いと立ち入り禁止である。水量が豊富で金雷蜒王国時代にはヌケミンドルから東の荒野に水路が作られ大潅漑が行われ一大穀倉地帯となったのだが、褐甲角王国に神聖首都ギジジットが冒されそうになると周辺全部を毒で汚染し侵入を困難にして封鎖した。この水路は今も水が流れているのだが謎の巨大魚が住んでいて船を襲うと言われている。アユ・サユル湖の周辺は大変に美しく、タコ王国時代からの離宮や保養地となっている。

ヌケミンドル:地名 アユ・サユル湖の東にある街でスプリタ街道の中央に位置する交通の要所。ギィール神族が作った運河の起点で、壮麗な大橋が懸っている。スプリタ街道の両脇の穀倉地帯から租税としての農作物が輸送集約され水路でカブトニア、ルルントカブトニアに至る交通のハブであり大層賑わっている。最前線である毒地へ軍を派遣する軍事拠点として非常に重要であり警備も厳重だが、難民も多く集まり金雷蜒王国からのスパイも多数潜入している。

カブトニア:地名 褐甲角王国の首都であり軍都。大地の中央にあるアユ・サユル湖と山に挟まれ街道を守る形で存在する交通の要所で要害。簡素だが堅牢な造りの城が幾重にも重なって作られている城塞都市。人口は少なめで褐甲角王国の軍事中枢と行政の中心としての役割が主。商業の中心は10キロほど離れた商業都市ルルントカブトニアでこちらの方が人口が多い。巨大なアユ・サユル湖のほとりにあり、湖の中心に褐甲角王国の離宮があるマナカカプシプ島がある。この島は褐甲角王国の最後の砦として作られた要塞だが使われた事が無い。褐甲角王国の最高機密が隠されている。

ルルントカブトニア:地名 褐甲角王国の商業中心地で経済・工業の首都といえる都市。褐甲角王国では最大の人口を誇る。軍都としては整備されてなく、城壁が一重という手薄さだが、ここに至るまでに東からはカブトニア、西からはゾグマリアという要塞を攻略しなければならないので、無防備でもまったく構わない。人の往来は多いがここには難民を入れさせない政策を取っている為に、非常に安全で快適で裕福な街となっている。ここは商業都市で左右に軍都を控えていることもあり軍人の黒カブトムシ兵はあまり居らず、却って官僚・豪商としての金雷蜒王国からの脱出者が幅を利かせる傾向があり、苦々しく思う住民も多い。

ゲジウォール:地名 金雷蜒王国滅亡後に作られたギィール神族を隔離する為の城壁都市。神聖ゲジゲジ首都の北にあり、カブトムシ騎士団とトカゲ神殿赤カブトムシ兵団により厳重に監視されている。ゲジウォール自体の人口は5万弱だが、周辺の平民街に10数万人が住む工業都市。

神聖ゲジゲジ首都ギジジット:地名 毒地と呼ばれた東の荒野の中央にそびえ立つ人工都市。神聖金雷蜒王国時代の首都。現在は毒に覆われて巨大ゲジゲジのみが暮らす場所となっている。ギィール神族以外の立ち入りは禁止だったが、初代蒲生弥生ちゃんがこの都市の中核にあった超巨大ゲジゲジ神を打ち破った為に、毒の効力が切れ毒地がいきなり浄化され一般の人間の立ち入りが可能になり緩衝地帯が無くなり、カブトムシ・ゲジゲジ両軍が直接戦闘する羽目に陥る。旧首都時代には放射状に舗装道が敷かれ交通が一点に集中する進んだ設計がなされ交通に非常に便利な為、100年後には再開発が進み行政上の首都として官僚が多数住み、また神聖金雷蜒王国時代の歴史資料を分析する学究都市としてトカゲ神殿領となり、中規模の都市に成長している。

ギジシップ島:地名 東金雷蜒王国の首都。東の外れの南北に細長い島。穏やかな気候となだらかな地形だが、大陸との間に細い海がある為、十分な兵力があれば難攻不落になる。金雷蜒王国の首都は神聖首都ギジジットと決まっているので、この島にあるのは仮の首都、行宮とされる。褐甲角王国との戦争が続く時代だったのだが、首都ギジシップギジトはほとんど軍事的な要塞としての能力が無い。産業もほとんど農業で、商工業活動はこの島の外、大陸側で行われており、ここでは聖なるゲジゲジの繁殖のみが行われていた。

シンデロゲン港: ギジシップ島に渡る港の内、最も北にあるもの。西の褐甲角王国から陸路で輸送される産物を扱っており、かなりの賑わいを見せる大きな港町。赤甲梢がギジシップ島への侵攻作戦を行った際には、この港から出港した。

ルルントピルマニウム:地名 神聖トカゲ皇国時代に作られた議会院都市。デュータムポイントの東側入り口付近にある。蒲生弥生ちゃんの示唆により、立法行政司法の三権を分立させることを国策として、行政から独立した立法機関として国会が開設され、その為の施設としてピルマル宮殿を中核とする城塞都市を建設した。警備はトカゲ神殿直属の赤カブトムシ兵団が行い、トカゲ神救世主教皇以外の命令を受けつけない。ピルマル宮殿とは、十二神のどれにも属さない超越した仲裁者として、初代蒲生弥生ちゃんが伝えた天空よりの飛来者宇宙人ピルマルレレコの名を取ったもの。この世界初の大型ドーム状建築物であり水色のタイル張りで星座をあしらっており、日の光に美しく輝くので、「ルルント」の名を冠せられる。5680年、遷都令で旧ギジジットに三権の施設を集積統合した際に廃都。

ノゲ・ベイスラ:地名 スプリタ街道沿いでイローエントとヌケミンドルの中間あたりにある少し大きな町。近隣のベイスラ地方の中核都市であり、黒甲枝のカブトムシ兵が三人駐屯している。司令官は大剣令カロアル羅ウシィ。「ノゲ」は「石臼の心棒」でベイスラ地方の中心という意味。この地域は穀倉地帯で麦のような粉を取る作物の栽培が主な産業で、地名にもそれにちなんだ名が付いている。弥生ちゃんがこの世界に出現した場所に比較的近い。

ボオダン街道:地名 スプリタ街道と直交する、聖山の麓の森と毒地の境目に沿って褐甲角王国と東金雷蜒王国を繋ぐ唯一の街道。毒地に一般兵を送り込めない褐甲角王国の侵攻はここを使う以外無い。デュータム点から、国境ギジェカプタギ点まで。

エイタンボオ街道:地名 スプリタ街道と直交し、デュータムポイントから西の海岸線まで行く街道。褐甲角王国領内。川が多い。

ギジェカプタギ点:地名 東金雷蜒王国の、褐甲角王国との国境を守る関所。要塞が多重に構えられており、南を毒地に挟まれて軍勢の通過は絶対不能とされる。その意味は「カブトムシがゲジゲジにやられる」というので、褐甲角王国ではただ単に、「ギジ関点」と言ったりする。

カプタンギジェ関:地名 ギジェカプタギ点に対応する褐甲角王国側の防衛設備。三重の塀と垣根を巡らせて関所が設けられている。褐甲角側の用兵思想により、大要塞で敵を留めるのではなく、何重もの防御網で足留めしている間に聖蟲を持った神兵が応援に駆けつける事になっており、大仰で費用の掛かる城塞はあまり作られない。だがボウダン街道にはこのような多重の関が何層も用意されている。ただし、この地は東西交易の重要路であるから、警備は厳重ながらも通行量は多くて目が届かずザル同然。近くにはちょっとした歓楽街もある。

ガムリ点:地名 東金雷蜒王国の南端にある軍港で防御拠点。国境といっても毒地とクレーター周辺の沙漠、タコリティ周りの岬とに阻まれてほとんど防衛上の脅威にはならないが、船で奇襲を掛けるとしたらここしかないのでそれなりに防備は整っている。現在は主に、タコリティ経由の密貿易を取り締まる為に有る。

ガムリハン:地名 東金雷蜒王国南の国境で軍港ガムリ点の5キロ北にある漁港。密貿易の根拠地の一つ。産業は主に魚皮を加工している。領主サガジ伯メドルイは、弥生ちゃんのギジジット行きを助ける。

ジュータンバ:地名 東金雷蜒王国の南、大三角州の出口付近にある大きな港町で、交易の拠点。褐甲角王国から船で輸送される産物はここで取り引きされる。この西側の山脈沿いに、寇掠軍「シンクリュアラ・ディジマンディ(救済と回復の霞嵐)」の拠点となる土地が有る。

メガアラム村:地名 ッツトーイ山脈東側南方にある村。イルドラ家が長年治めている。主要産業は白い石プレートで建築に用いられる。血脈諸派であるイルドラ家はさほど裕福ではないが、家発祥から300年ほどここに住む。

ゲルワンクラッタ村:地名 ボウダン街道のギジェ関付近にある村。国境に近いのでたびたび東金雷蜒王国からの亡命者を受入れてきた。中には要人も多く、70年前にはゴヴァラバウト頭数姉も滞在した。ウラタンギジトに向かう弥生ちゃんも滞在し、村近辺で空全体を覆う無数のゲルワン・カプタ(蝗ばった)をハリセンで叩き落とし、虫で醤油を作る。また赤甲梢総裁メグリアル劫アランサ、キスァブル・メグリアル焔アウンサと会談し青晶蜥王国の骨格を考えた、歴史上極めて重要な「女達の密議」が行われた。弥生ちゃんが来る前までは「ベギィルゲイル村」。

テュクルタンパ:地名 古代紅曙蛸巫女王国の首都で王宮のあった場所。ゲルワンクラッタ村の西に100キロほど行った場所にあった。現在はただの草原で往時を慕ぶものはなにも残っていない。当時の建築物は木造主体であったからで、穴居が主体であったネズミ神時代から隔絶して進んだ都市が歴史上初めて作られた。

”トロシャン・トロシャン”:地名 古語で「いないいないばあ」、現在「緑隆蝸(ワグルクー)神の苗木箱」と呼ばれる十二神方台系南西部の大森林帯を、紅曙蛸王国時代にはこう呼んでいた。その名のとおりにこの森に踏み込むと必ず迷い、脱出出来ずに行き倒れて死んでしまうと怖れられた。ギィール神族の超感覚もここでは制限されるので、これまでまったく開発も伐採もされていない。故に、南西部は海岸線以外ほとんど人は住まず村もほとんど無いわけで、ここに隣接するイローエントは、東のタコリティもただの沙漠であることから、すごい僻地のどまんなかの左遷の地とされている。

バガラ・ファンネム:地名 傭兵市。毒地の東の端で南部にある。規模としては小さい。三荊閣ガルポゥエン派が取り仕切る。

アゴーォ・ファンネム:地名 傭兵市。毒地の東の端でギジェカプタギ点の近くにある。傭兵市としては最大で一万人以上の奴隷兵を扱う。ギィール神族の互助会「ゥイ・ゴーマン・ゲイル」の本部もある。

チゲル:地名 ッツトーイ山脈山中にある温泉。紅曙蛸王国時代から続く秘湯で、ギィール神族が戦傷を癒す秘湯である。独自のチゲルバンドによって運営されており、どの神族に対しても中立を保つ。ここのお湯はゲイルの甲羅を厚くすると知られ、また子作りにも効く。

グテ: 十二神方台系の南西部の外周海岸の、山と海との間に挟まれた不毛の土地のこと。かなりの長さがある。ここは農業に向かず、またトロシャンテの禁域が有る為に開発も出来ず、非常に貧しい地域である。人口密度が低い為に海賊や密輸業者が根城とするので、褐甲角軍は神兵を派遣して防備しているが、黒甲枝の間ではこれは左遷の極であり、経済的危機に陥った家が王国に借金を肩代わりしてもらって、その代償として赴任するというのがよく行われる。

ボラ砦: 褐甲角王国スプリタ街道ベイスラ県北部の毒地中50里にある東金雷蜒王国の寇掠軍の基地。千年前からある由緒正しい砦ではあるが、長年使い続けられてきたので、修復には入手の難しい石材ではなく褐甲角王国の城砦建築と同じ泥と粘土で作り替えられており、壁は低いが厚い為に鉄箭や大矢にもびくともしない防御力を持つ。長期間滞在を目的とした砦であるので近所には毒の散布が少なく、気象によって風向きが良い年には毒が全く無くなり、この機を捉えてベイスラ軍が攻略を何度か行った事がある。

マングル砦: 褐甲角王国南部イロ・エイベント県の国境イローエントの端に在る最東端の砦。対タコリティの最前線であるがどちらかというと海戦主体の装備がされている。この東はタコリティまで塩が吹く荒地であり真水が無く、人家も住民も無い。50年前の大戦の後に放棄された廃村が残骸を残している。 

アグアグ街道 方台東岸、ギジシップ島に面する街道で東金雷蜒王国の大動脈。ただし、河川が多くカエルが多く棲むので知られる。

ゥエーゲル間道 毒地北部にあり、これまでは毒で隔てられていた為に安全だった、寇掠軍が毒地に進出する際に用いられた間道。簡単な関所があるが兵を防ぐ事はまるで考えられていない為に、赤甲梢の電撃戦でもろくも落ちた。

アンゴー関 ゥエーゲル間道の関所から17キロ東の関所。北側から寇掠軍に出征する者は必ず此所を通る為に、それなりの宿場が設けられている。

ザンゴール鎮 アンゴー関の8キロ東にある兵の駐屯地。1000人規模が駐屯出来るが、赤甲梢電撃戦時には200しか居なかった。

ゲシャン・レイ点 ザンゴール鎮より30キロ東の旧い城郭都市。古来より東西貿易の拠点として栄えている。赤甲梢は迂回して通った。

ゴン砦 ゲシャン・レイ点の東にある山城。烽火台を持つ。赤甲梢に瞬く間に落とされて一夜の宿となる。

カンニンカニイン城 三荊閣の一角ミルト家の所有する都城で東方街道の防御の要の一つ。西にカンニン野という古戦場があり、古来より大戦争が度々行われている。「カンニン」の名は、死んだ兵士の血を吸って根元が赤くなったと言われる草の名から来る。

聖大門 ギジシップ島の表玄関である港の事。ギジシップ島の北から三分の一の場所にあり、対岸の都市に広く門戸を開いている。この門は神聖宮に直接通じており、聖戴の儀式を行うギィール神族が毎年訪れて聖蟲に選ばれるのを待つ。故に、この門はすべてギィール神族が一度は通るものである。門の外側には港町が開けており、けっこうな賑わいを見せる。海軍基地もあり警備はきわめて厳重。

ギジシップ島の北の港 名前はシプリュミタン。赤甲梢が電撃戦において上陸に使った北端の港、規模はかなり小さく警備も少ないが、対岸のシンデロゲン港にそれらの機能はあるので、支障は無い。ここは奴隷の通用門的な扱いをされており、ここから天原に上陸した場合は防衛隊に酷い目に遭わされるはず。

アルグリト点 ボウダン街道中央に位置する街。褐甲角軍の補給地でもある。ここはかなり大きな街ではあるが、それほど繁栄はしていない。街道の中心ではあるものの単なる通過点で交易拠点ではなく、ボウダン街道全域から荷役夫を集める輸送業者の拠点都市であるに過ぎない。
 神聖王ゲバチューラウの褐甲角王国入りの際には、2番目の受入れ拠点となり、聖神女ティンブットが格式の有る舞「双月叢雲に隠れる」を奉じた。
 和平交渉に際しては、ゲバチューラウはここより出立し毒地に近い草原中で武徳王とトカゲ神救世主弥生ちゃんと会合するが、直後に弥生ちゃんは謎の黒い獣と一大格闘戦を繰り広げ北方に飛ばされてしまう。和平交渉は一度仕切り直した方がよいと判断したゲバチューラウはアルグリト点には戻らず、ゲルワンクラッタ村に後退する。

”樹獄” 北方針葉樹林帯の俗称。聖山山脈の大絶壁により東西に仕切られている為に、方台との往来はほとんど存在しない。文字どおり、針葉樹林の大きな森で、しかも地面が湿っており寒冷で、人間のみならず哺乳動物の存在には非常に厳しい場所だ。さらには北方独自の危険な生物が多数存在する為に、まさに地獄の有り様。しかしながらこの先に神様が治める理想郷があるとの伝説があり、死を覚悟の旅を行うスガッタ僧が毎年何人か有る。

”三神会合地点” 後には”聖三角点”トラアッドと呼ばれる三神救世主会合地点。ボウダン県中央より少し東、毒地との境付近でこの時点では褐甲角王国領と看做される。何も無い草原であるが、後にはコウモリ神の聖堂が建った。

 

 

 

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