GEKI物辺村少女自警団 設定 その一夜

 

 

 

【ミスシャクティについて】07/07/26

まゆ子「というわけで、ミスシャクティについて考察して、第一期設定祭りを終了したいと思います。これから先は小さくとも作品を作るという事で。」

じゅえる「マンガだよね、エロマンガ。」
まゆ子「はいそうです。が、どうせマンガ全編なんて描きませんから、捕捉して文章だとか、会話だとかイラストだとか、まあてきとーな形で。」
釈「要するに、思いついたら描くという事ですね。」
まゆ子「そういう事。」

 

じゅえる「ミスシャクティなんだけど、31世紀とか35世紀とか色々と説があるけれど、結局はどの時代の未来人なの?」

まゆ子「あんまりそういうのは関係無い。彼女今年で400歳くらいだから。」
釈「げ!」
じゅえる「不死人なんだ。」

まゆ子「そりゃ1000年も科学技術が進んでりゃ、当たり前だ。というか、脳がネットワークと接続していて、個人ですらない。単なる有機アンドロイドの端末みたいなものだよ。」

釈「じゃあ人間とは全然関係無い、製品ですか?」
まゆ子「そこがまた違うわけで、彼女はこの時代つまり21世紀においては、ほぼスタンドアローンで動いている。つまりただの人間と同じ存在だ。またそれに耐えられるように特殊な自我を形成している。未来社会において「ミスシャクティ」と思われるモノから、人間として自律して動く部分を抜き出した、と考えた方がよい。
もちろんこれは21世紀人とのコンタクトの際に、向こうが分かりやすいように整えた、という話だね。」

 

じゅえる「ということは、このミスシャクティは本物じゃない?」
釈「いえ、これは、既に独立した存在と考えるべきでは?」

まゆ子「うん、そう考えた方がいいかもしれない。未来社会のミスシャクティから切り出した個人、なんだ。経験するデータはすべてバックアップが取られているけれど、あくまで人間として機能する。また未来技術を操作する際にも、直接脳で操作とかはせずに、ちゃんとスイッチを用います。」

じゅえる「それで間に合うんだ。」
釈「つまり、おそろしくローテク、レトロな存在として作られているんですね。」
まゆ子「その観点からすれば、この人は間違いなく人間です。お供の未来人や合成人もまた同じ手法で構成されており、要するに地球に降りている者はすべて”人間”なのです。」

じゅえる「では、やたらと賢い人間と考えても不都合は無い?」

まゆ子「大丈夫です。しばしばヘマもおっちょこちょいもやらかしますが、重要なミッションでは絶対に間違えません。そういう存在です。」
釈「頼れる奴なんですね。」

 

まゆ子「で、ミスシャクティはNWOに参加する世界のVIPと交渉を持ち、ゲキの観察を指導する立場にありますが、普段は門代高校に通う二年生の一生徒に過ぎません。鳩保物辺喜味子と同じ5組です。」
じゅえる「で、ウエンディズの隊士でもある。」

まゆ子「はいはい。ミスシャクティはミーハーでもありまして、21世紀最大の偉人と称えられる蒲生弥生その人の教えを直に受けられるという事で、感涙です!」

釈「では、家族は?」
まゆ子「ミスシャクティの21世紀での家族は、父母弟2妹1、長女です。実はこの家族、本当にミスシャクティのご先祖様で、そこに強引に記憶操作して割り込んでいるのです。」

 

釈「では、やっぱりミスシャクティは最初から関与する事が運命付けられて居た、ということですか。」
まゆ子「うーん、そう言ってもいいのかもしれない。ただし、NWOにこの家系が関与するのは5世代後です。それまでは普通に一般庶民です。」

じゅえる「ふーむ、あまり影響は無いのか。ではミスシャクティが童 稔の家系というのは?」

まゆ子「あれは、確かにそうなんだけどそれから更に10世代ほど先の話になります。この時期シャクティの家系は或る程度大きな財閥を形勢、というか社会の形態がかなり変わって、ともかく血縁でまとまる或る種のコロニーというのがネットワーク上に展開される事になり、独自の国家とさえ呼べるものになります。「氏族トライブ」ですね。このトライブがゲキパイロット、アクティベーターの家系と提携関係を結ぶ事になります。

で、ここにゲキパイロットの因子を受継ぐ仮想人体「ミスシャクティ」が完成するのです。」

釈「あ、もうこの段階でアンドロイドですか。」
まゆ子「すでに自然生殖はマイナーな事例になったからね。で、ゲキ因子を持った人間として成長し、NWOの一員として働きます。というか、数百人居るパイロット候補生なんだけどさ。」

じゅえる「完全自然生殖、というのは無い?」
まゆ子「あります。オリジンとして直接の家系が保存されています。なにが起こるか分からないので、慎重に保存してる。この人達は実務には参加しないし政治的にもNWOには関わらない。家元みたいなもので、ともかく在り続けるのが仕事です。」

釈「NWOの理事ではないのですか?」
まゆ子「そういう責任体制も既に消滅しています。トライブの集合意志が互いに関係しあって運営していく、という方式になっています。この時期は。」

 

じゅえる「で、ミスシャクティはその後、どんどん出世していく、と?」

まゆ子「或る意味ではね。つまりこの時期、ゲキの技術はかなり応用が進んでおり、宇宙時代になっている。核融合を用いた恒星間宇宙船も作って行ってる。で、宇宙派と地球派にNWOも分れます。地球派の有力トライブにのし上がったのがミスシャクティです。というか、21世紀に人類にゲキを授けねばならない事が分かっていたので、それを担当する役にミスシャクティが選ばれて、晴れて正式な「ミスシャクティ」になったのです。」

じゅえる「ちょっと待った。という事は、それ以前にもミスシャクティは沢山居た、てこと?」
釈「というか、オーディションで選ばれた?」

まゆ子「だから、数百人居る、って言ったじゃない。ゲキパイロットは同時にゲキの起した時間軸の変更に対処する役目を持っているのです。その最大のものが21世紀のゲキ確認、です。だからその役を誰がやるか、いやどのトライブが取るか、熾烈な争いがあったのですよ。

 

ただそれは、地球に残る人間がやればいいだけの話で、宇宙にゲキを持ち出そうという連中はより発展的にゲキを解明しようとする。で、大爆発。」

釈「うわー。」
じゅえる「人類絶滅?」

まゆ子「地球は大丈夫だったけどね、冥王星よりも外でやってたから。ここでゲキは一旦失われます。で、地球においてゲキの復元活動が行われ、友好的な宇宙人の協力によりゲキロボ立ち上げに成功です。これが25世紀くらい。」

じゅえる「先は遠いな。」

 

まゆ子「その後反省して、ゲキの存在する環境としては、人間が人間として素朴に暮らしている状態が良いのではないか、と推察されて、ゲキ専用国立公園という広い領域が確保され、生身の人間が暮らすようになります。勿論人には寿命もある。だから、或る一定期間ここで過ごしちゃんと年老いて死ぬと、そのトライブから同じ人間が再生されてゲキの前に現われる、という形を作りました。」

釈「うーん、自然なのか不自然なのかわかりませんね。」

まゆ子「そういう声も持ち上がり、では元の自然生殖で家系を続けてはどうか、という話になり、このゲキ公園内でそういう風に因子の継承が行われるようになります。これが第二オリジンです。第一は一度どこかの家系が絶えて、作り直しを余儀なくされました。それもあってこの計画です。

  で、この計画はその後、地球人類の家系をオリジナルの遺伝子に整理し直すという副産物を生み出し、地球上居住者は純血の民族別に生活すると限定されます。
  これ明美帝国の下設定ね。

で、合成人間とも言えるミスシャクティ達は裏方に回ります、というかすでにトライブ制も時代遅れになり、ミスシャクティはミスシャクティとして広大なネットワークを構成するようになりましたから。個人の持つ能力が極大に拡大した、ということです。
だから既にNWOもこの時期には形骸化している。ゲキ公園管理団体、というくらいのものです。」

釈「それが、何時です?」
まゆ子「27世紀。以後ゲキは定期的に活性化されつつも、ほとんど寝た状態にあります。科学技術的解明は現時点での可能な部分まですべて解明し終わり、これ以降は時間制御技術の発展を待たねばなりません。だから応用に興味が偏ります。それに手を出さなかったのが、ミスシャクティの一派。NWOの管理人、という立場に甘んじてました。」

じゅえる「じゃあ、ミスシャクティというのは早くに決まったものの、時間移動技術を持たないから全然意味無かったんだ。」
釈「なんか無意味ですねえ。」
まゆ子「まあそんなもんだよ。ミスシャクティが称号になってたんだ。

 

で、31世紀です。時間制御技術の解明に必要な諸要素を全てクリアして、遂にゲキの核心とも呼ぶべき領域に斬り込みます。そんな時に現われたのが、ミスシャクティ。」
釈「??」

まゆ子「いや、35世紀からやって来たミスシャクティだよ。で、31世紀のミスシャクティと統合して、本格的本物のミスシャクティになる。なんでかというと、時間制御技術の解明は非常な危険を伴い、はっきり言って無理だからです。そこで35世紀のミスシャクティがリードしつつ、安全に解明を進めていく。」

じゅえる「なんか、パラドックスじゃない?」
まゆ子「時間の可塑性についての考察はまた後にして、とにかくそうやって安全にゲキの核心部分は解明されたんだ。と同時に、21世紀への旅立ちの時が迫るので、時空戦艦の建造も開始される。時間跳躍能力をもつ構造物の建造はこれまた困難を極め、戦艦の形に収めるのに200年掛りました。」

釈「全長12キロメートル、ブロクレブシュ級時空戦艦の誕生ですね。建造費は?」
じゅえる「そういう心配は要らない。」

 

釈「しかし、ミスシャクティもいい加減長生きですねえ。35世紀バージョンと統合してから400年、ですよね。それまでにも500年以上。いい加減飽きませんか?」

まゆ子「まあ、そんなせっかちな性格ではミスシャクティは務まらない、ってことかな。ともかく、ミスシャクティはこのミッションが終ると死にます。」

釈「え?」
じゅえる「ちょっと待った? どの段階でミッションが終る、と言うのだよ?」
まゆ子「つまり、1957年に出現して、2008年にゲキロボ覚醒、2010年に一度解散して、2037年に次代に引き渡された時点、です。ミスシャクティプロジェクトは一度終了して、ミスシャクティはシャクティになります。」

釈「???」

じゅえる「あ、分かった。2010年の時点に戻って、ただの一般地球人のシャクティとして鳩保達と同じ時間を生きていく、という事だね。」
まゆ子「ここからはちゃんと成長して大人になって、結婚して子供を産んで、ちゃんと死にます。そこまでがシャクティです。」

釈「あ、それはー、え? 私?」

まゆ子「そういう事。弥生ちゃんの行く末と活躍を見たかった、というミーハー根性なんだけどさ。」

釈「では、あの? 人間じゃないミスシャクティのネットワークはどうなります?」
じゅえる「だって、31世紀に統合してるじゃん。」
釈「あ? あ、そうか。もうミスシャクティは無いんだ。」

まゆ子「そういうこと。ネットワークとしてのミスシャクティが無い、ただの人間となったミスシャクティは、ただの人間として生きていくのに最もふさわしいと思われる場所に立つ。

そこが2010年の門代高校卒業式、だ。ついでに、ミスシャクティと共に彼女達を見守って来た「小学校の先生」もただの人間になり、彼女達の卒業を祝福する、というお話。」
じゅえる「感動です。」

 

釈「あー、じゃあ、でも同じ時間にシャクティが二人居ても大丈夫なんですか?」
まゆ子「なんでダメなんだよ。」
釈「うう、そういう時間の論理なんですね。じゃあ、いいんだ。」

じゅえる「とっぺんからりとしゃん。」

    ***

釈「とりあえず、ミスシャクティの生涯には納得しました。でもNWOはその後どうなります?」

じゅえる「ミスシャクティは時間を飛び越える人だよ。つまり31世紀に統合したミスシャクティは、すべてを終えたミスシャクティなんだ。その後のNWOの事もちゃんと始末をつけてるんだよ。」
まゆ子「まあ、ね。ミスシャクティは全時間に存在したのではなく、必要のある時間帯に跳躍して現われているだけだから、やるべき事はやってしまってるんだ。

ま、NWOは当分ミスシャクティの指示を受けますけどね。でも普通は別の代理人が居ます。人造人間ヨキです。ロボットです。」

じゅえる「それはー、ミスシャクティとはどういう間柄の。」
まゆ子「電話みたいなものです。ヨキで用が足りなければ、ミスシャクティを呼び出します。ミスシャクティは生身で現われる事もありますし、立体映像の時もあります。
というか、立体映像ばっかりで、時々フラーッと生身がやってくる、というスタイル。10年置きくらいにやってきて世界のVIPを総集めして会談し、報告を受け、ずばっと痛いところを突いて、地球観光をして帰っていきます。」

釈「それはひょっとして、シャクティ時間で考えると、毎日出現しているようなもの、ですか。」
まゆ子「YES!」

じゅえる「そうか、普通の時間に居る人間には悠久の時を生きる神人のようなミスシャクティは、裏を返せばさっさと終らしてやろう、という気満々の人だったんだ。」

まゆ子「ちなみに、ヨキの立体映像はネットワークとしてのミスシャクティだから、本人にはあまり関係無い。ま自動ね。」

 

じゅえる「ということは、出ずっぱりなのは、鳩保達と同じ教室に居る、1年半くらい?というか、1年生の終わりに転校して来たんだから、2年か。」

まゆ子「うん。この時期の1年くらい前からずっと出現しっぱなしです。だからNWOでも特別警戒体制を取っています。

生身の人間としてのシャクティは、面白い女の子という印象を裏切りません。
NWOのVIP達はしばしば政治的に対立するんだけど、ミスシャクティはこともなげに解決してしまいます。「答えを知っているから」と自分ではいいますが、VIP達はそうではなくちゃんと神算鬼謀で考えているに違いない、と見切ります。実際そうです。」

釈「つまり、この2年の間、世界はミスシャクティが動かしていた、と考えていいんですね。」
まゆ子「だから、世界のVIP達は涙ぐましい努力をして、シャクティの関心を惹こうとします。滑稽なくらいに真剣です。」

じゅえる「そこんところもちゃんと描かないとおもしろくない。でも、どのくらい大袈裟に、そうね軍隊ならばどの規模を持ち出すくらいの話になる?」
まゆ子「うーん、そうだねえ。イラク戦争に視察にとか行きますから。」
釈「そうとうな数が動員された、ということですね。」

まゆ子「というよりも、だね。NWOの連中は国家元首とかだから、軍隊を自由に動かす事が出来る。だから、鳩保達が見逃した犠牲者100人以下の宇宙人襲来事件を自力で解決しようとする。で、やってみて酷い目に遭わされるのをミスシャクティに救ってもらっている、というところだよ。人造人間ヨキは当初その為に使われている。」

 

釈「そのヨキってのは、どんなロボットなんですか?」
じゅえる「しゅわちゃん、だな。ターミネーター。」
釈「いえやっぱり、液体金属であるとかトランスフォーマーであるとか。」

まゆ子「いやそんな、もっと普通に金属製のロボットですよ。金属のマネキン、という感じ。金属の禿頭のマネキンが背広着てる、てかんじ。場所と場合によって軍服も。武装は無し、というか普通の21世紀初頭に用いられて居た歩兵用の武器を使う。ま、M2重機関銃を片手で撃つくらいはできるけどさ。」

じゅえる「ヨキはお話し出来るのかな。」
まゆ子「並みの人間よりも賢くて、ユーモアのセンスもあります。だじゃれも飛ばします。」
釈「いやなろぼっとですねえ。」

じゅえる「でも1体だけじゃ足りないんじゃないかな。」
まゆ子「その時は、タコロボでも連れていきますよ。タコハチではなくマーズマン。」

釈「マーズマンとは、統則ロボットカテゴリー7に属する、人型統則ロボット兵器の究極バージョンで、早い話が二足歩行するタコです。火星人みたい、と言った方がいいですか。説明終り。」

じゅえる「そのマーズマンは、NWOに提供される?」
まゆ子「あー、2010年以降には提供されますね。技術レベルも低いし。使われている材料も21世紀後半の素材ですから。コンピュータ部分はブラックボックスだけどさ。」

釈「では、ヨキは極めて高度なロボットなんですね。35世紀の。」
まゆ子「いや、26世紀くらいのだ。つまり、アラカン遺跡と同じレベル。どうあがいても21世紀人には分解も出来ない。

ちなみに何故26世紀かというと、この時期に技術上の大きな転換点が有り、電子回路やより進歩した量子回路を使った機械が一掃されました。つまり、ゲキと同じ亜空間回路とマイクロブラックホール機関がマイクロチップ化されて、製品になったんです。
だからミスシャクティが21世紀人に提供する機械は、その転換が起きる直前のもの。つまり21世紀技術の系譜の製品の最終バージョン。理論上は21世紀人にも解析出来る機械なのです。」

 

じゅえる「具体的なヨキとマーズマンの出現状況を考えよう。なんか、予定ある?」

まゆ子「無い。そうだねえ、アルカイダの中に宇宙人が混ざっている、とかのガセ情報でアメリカ海兵隊が出動し、こてんぱんにやられる、とかのケースを考えよう。

まず海兵隊はいい気になってどんどんヘリで兵隊を下ろします。
で、包囲殲滅をすると、中から怪しげなロボットが現われる。で、怪光線を発して兵士がつぎつぎに蒸発していく。これに敢然と反撃するも、まったく効果無し。
遂には戦闘機とか呼び出すけれど、最新鋭F-35がさくっとレーザーで空中分解。このままでは全滅必至ということで、ブッシュ大統領ミスシャクティに泣きつく。
しかたなしにヨキ出動。怪光線を跳ね返し、素手でそいつと格闘戦。その隙に海兵隊は残りの武装ゲリラを鎮圧し、怪ロボットは手足をもぎ取られて逃走。以後行方不明。
こんなもんだな。」

じゅえる「そんなに強いんだ。」
釈「というか、その怪光線ってのは、なんです?レーザーですか。」
まゆ子「それですら現代の地球の科学技術では分からない。ともかくレーザーみたいにまっすぐ飛ばずにジグザグに飛ぶんだから。」
じゅえる「うーむ、まさにSFパルプフィクションだ。」

釈「マーズマンの戦力は?」
まゆ子「あー、まあ普通の人間並だな。小型宇宙人を捕まえる時に、その長い手足が役に立つ。武器は敢えて地球のこの時代のものを用いる。ただ装甲が結構厚くて、怪光線を浴びてもそう簡単にはやられない。生身の兵士を庇うくらいはできます。」
じゅえる「重装甲で壁になる、てのだな。救助活動とかもだね。」

まゆ子「一応空を飛べるし、水中も潜れます。というか、穴掘って地面にも潜ります。コンクリの壁を切り取って侵入します。爆発の中でも焔の中でも動けます、人間の歩く速度くらいで。」

釈「理想の兵士ですねえ。それは欲しいでしょう。」
まゆ子「欲しいねえ。喉から手が出るほど欲しいよ。しかも技術レベルが低い、ってのだから。どうにかしてかっぱらってやろう、とあの手この手です。逆にヨキは高度過ぎて誰も手を出さない。ヨキは人気が無いので寂しいのです。」

じゅえる「その他の未来から来た側近は?」

まゆ子「サイキックヒーラーと呼ばれる人達が4人ほど。
ほかに近侍が3人、この中に例の学校の先生が入ってます。
それと、未来人の軍人も一人。彼はミスシャクティに変わって軍人と会話します。作戦行動について説明解説する、という。
更に技術士官らしき人も一名。
全部で10人くらいに、ヨキとマーズマン。さらに時々重装型マーズマンらしきものも出て来ます。」

じゅえる「意外と小規模だね。地上に常駐?」

まゆ子「あー、サイキックヒーラーは時々姿を見せません。
近侍は誰か一人は必ずNWO本部に常駐して、学校で勉強しているミスシャクティに取り次ぐ時は彼女を通します。学校のミスシャクティには通常護衛はありませんが、不可視のガーディアンがあると確認されています。おそらくはヨキの同型と思われます。
で、軍人技術士官は常駐だけれど研究とか指導とかで結構忙しく世界中を飛び回って居ます。この移動は普通の飛行機です。墜落しても彼だけは死にませんが。
でヨキは待機です。

というか、NWOのVIPはかなり頻繁に対宇宙人戦闘を繰り広げており、その度に窮地に陥っており、ミスシャクティに連絡すればすぐヨキを使えるようになっています。ヨキの移動は近場だと自前ロケットで飛んでいきますが、遠い場所だといきなり出現します。時間移動を利用したテレポートと考えられて居ます。」

釈「それに対してNWOの体制は?」

まゆ子「ミスシャクティ、サイキックヒーラー、近侍に対してはメイド隊です。もちろんひらひらのフリフリは付いてないけれど、メイドです。もちろん皆軍人とか諜報機関からの選り抜きです。
その外に、ホスト隊です。見目の麗しい男性、もちろん軍人とか諜報機関から選り抜きのが控えており、雑用を承ります。これが結構多い。というか、NWOの各国はそれぞれ違った立場にあり、それぞれ違った対応をしなければならないので面倒くさい。これを彼らが引き受けて居ます。
で、その外にNWO事務局の官僚が居ます。ホスト隊がミスシャクティ側とすれば、NWO21世紀人代表、と言った所です。
それらを守る特殊部隊。そして各国から派遣された軍人・技官の集団があり彼らのスタッフがあり、さらに科学者の集団。
それらすべてを監視する防諜機構の人間、
そして雑用スタッフ。

と様々に取り揃えておりますよ。計5万人てとこ。さらにVIPが集合した時には、それぞれの護衛で10万人に脹れ上がる。

もちろんこれは日本じゃない。」

 

じゅえる「日本じゃなければ、どこ?」
釈「アリゾナとかですか? それともエリア51とか。」
まゆ子「エリア51はアメリカ単独の対宇宙人部隊の基地です。

実はこの場所は、日本近海、太平洋上の島です。というか、ブロクレブシュ級時空戦艦の一隻を浮かべてます。」
じゅえる「なるほど、それは簡単な話だ。飛行場もある、というか12キロもあるんだから、そのくらいあるか。」
釈「港もありますね。ではその上甲板上に街がある、とかでは。」

まゆ子「うん、そんな風に人が住みやすくなっている、というのも悪くないな。えー出来たのは1969年です。各国元首の秘密の会合場所として、今よりもっと南寄りにありました。ゲキが日本に現われるという情報開示(つまりアラカン情報)の後に少し移動して硫黄島近辺に位置し、1999年に現在の位置になります。ちなみに衛星からでは見えません。レーダーにも映りません。ナビに従わないと絶対上陸出来ません。」

じゅえる「でも戦艦内部、ってのは一方的にミスシャクティが有利で、印象良くないね。」
まゆ子「うーん、悪くてもいいんだけどねえ。じゃあさっき言った、甲板上の街をミスシャクティの宿舎とするか。常時21世紀人の目の届く場所にある。」
釈「まあ、そのくらいの譲歩で我慢すべきでしょうか。名前は何にします?」

じゅえる「NWO、いや、それじゃあ面白くも何ともない。イルミナティ島、とか?」
まゆ子「いやー十二神方台系、とかスクエアリウム島にしよう。」

釈「スクエアリウムはいいですね。時空戦艦って四角いんですよね。」
じゅえる「えーと、ひし形の一辺を伸ばした、て感じかな。確かに四角い。だかえらスクエアリウム島でいいんだよ。」

釈「ではNWOというのも、なにか別の隠蔽する組織名を付けておくべきではないでしょうか。地球開発環境会議(財団法人)とか。」
じゅえる「賢人会議、というのもばかばかしいなあ、たしかに。」
まゆ子「新宇宙開発会議(財)だな。巨大なアンテナもあるんだ。共同宇宙開発ということで、各国予算はそこから出ている。」

 

釈「宇宙人、襲って来ますかね。」
じゅえる「襲って来ないと面白みがないだろ。ねえ。」
まゆ子「だね。ズゴックみたいなのがやってくる。それに対して、時空戦艦からもモビルスーツが出動する。」

釈「水中モビルスーツ対戦ですか、それは凄い! それだけでもお腹一杯です!」

 

【謎について】07/07/25

釈「謎はどうです?」

まゆ子「謎?」
じゅえる「謎と言っても色々有る。たとえばどんな、というか頭の軽そうなお話だと、出生の秘密とか?」

釈「個人的因縁はあらゆる物語において核心根本となるでしょう。だめですか。」

まゆ子「いやー、うちの物語はそういうのはあんまり無くてね。」
じゅえる「経験不足ってこと?」

まゆ子「というか、すべての情報が開示している状態で物語を展開させることこそが、正統派だと思うんだ。」
じゅえる「でぽのポリシーではあるね。」
釈「だめですか、しょぼん。」

 

まゆ子「まあ待ちなさい。物辺村5人に裏は無くとも、脇キャラゲストキャラに裏は有ってもだいじょうぶだよ。」

じゅえる「というか、50年以上前にミスシャクティが現われていて、誰も何も手を出してないの?」
まゆ子「嘘ついてました。物辺村ではなく、阿蘇部村と。」

じゅえる「それはー、秘密保持の為?」
釈「というか、ゲキという名でもバレそうな。」
まゆ子「アラカンです。」

じゅえる「つまり、日本の阿蘇部村にはアラカンという宇宙人のロボ、がある。というデマを流して居た?」
まゆ子「YES!」

釈「それなら最初から言わなきゃいいのに、とか思いません?」
じゅえる「それじゃあ面白くないから、でしょ。でも実際よくバレなかったね。」
まゆ子「偽物作りました。ほんとにそれらしい遺跡もあります。怪しげな住民も住んでます。」
釈「うーむ、騙す気満々だったわけですね。で、騙された方は怒りません?」

まゆ子「というか、世界各国CIAKGBMI6等々が色々工作をやりまくりまして、結局遺跡を壊してしまいましたよ。アラカン遺跡は崩壊して、どうしようと皆途方に暮れて居た所です。これが1980年代の話。その後5年くらいミスシャクティは姿を見せないので、見捨てられたかと皆びびってました。というか、共産圏崩壊の遠因でもあります。」
じゅえる「ソ連の仕業なんだ、壊したの。」

まゆ子「まあ、特殊なフィールドに隔離された怪しげな空間に有るどう見ても超科学文明の遺跡となれば、そりゃ引っ掛かるさ。本物のゲキを見て仰天だよ。なんだこの土器の人形は!って。」
じゅえる「あはは、ガンダムみたいなのが埋まってたんだ。」
釈「いやライディーンとかラーゼフォンでしょう。」

まゆ子「で、すっかり意気消沈した所にミスシャクティが現われて、まだ大丈夫ですよと地下を指し示す。徳川埋蔵金がブームになったのはこのせいです。」
じゅえる「密かに穴掘りまくってたのが、民間に漏れたってわけね。でもなにも出て来ない。」

まゆ子「いや出ましたよ。もちろんミスシャクティが埋めたのが。その分析に10年掛ったけれど、なにも分からなかった。というか、90年代になって科学技術がかなり進展して来たので、レッスンの為にてきとーなものを与えてみたのです。全然ダメでした。で、どうしようもないという事をどこの国も骨身に凍みて知っている状態で、2008年です。」

釈「つまり、自らの能力の使え無さに十分自覚した状態で、本物のゲキの復活に立ち会った、という事ですね。なるほど大人しいはずです。」

じゅえる「ということは、同時に彼らのバックボーンであるAWOが何の役にも立たないという事を、彼らはよく知ってるんだ。」
まゆ子「うん。AWOの意見を取り入れての運営方針はことごとく使い物にならず、遂にはアラカンをぶっ潰してしまいます。その後に与えられたレッスン用の超科学オモチャも、彼らの暗躍ですべて紛失やら消失してしまいました。こいつらが関与していてはダメだ、というのはNWOはよーく知っているのです。」

釈「ミスシャクティは、だから50年も前に現われたんですね。でも恨む人も居るでしょう、それ。」
まゆ子「まあ、2世代3世代分くらい、人生を棒に振った人は出てますね。でも偽物埋めたとはいえ、十分に超科学文明の遺産ですよ。31世紀とは言わないが26世紀くらいの技術は使ってる。」

じゅえる「500年先の技術に、丸っきり歯が立たなかったってことか。」
釈「じゃあ、棒には振ったものの、ちゃんと価値有るものを与えられていて、ダメだったのはあくまで現代科学の能力不足が原因てことですか。恨みようもないですね。」
まゆ子「筋違いだな。だから、棒に振った人間が時々出て来てもおかしくない。というか、出る。」

じゅえる「では、そこにもなにか、謎を抱えた人間を登場させよう。阿蘇部村のアラカン、と口走る執念の鬼みたいな人達。鳩保達にはなんのことやらさっぱり分からない。」

 

釈「ところで、物辺村の連中は本当に家系的には謎というかバックボーンは無いんですか?」
まゆ子「無い、とい言いたい所だが、まあ1000年前400年前のなにか、は考えてもいい。ゲキに孕まされた子供、というのとかさ。」
じゅえる「ふーむ、具体的には何故物辺村に落っこちたか、400年前の経緯はどうなったのか、だね。」

まゆ子「とはいうものの、先祖代々物辺村に住んでるのは物辺家だけだよ。鳩保んとこは明治になってからだし、花憐とこは何代か前に外から養子取ってるし、童のとこには家系図無いし、喜味子んとこに至っては戦後に移って来ている。」

じゅえる「血縁は無しか、ちょっと寂しいな。」
釈「無いとなると作りたくなりますね。彼女達を繋ぐなにか、ですよね。どこかの神さまの氏子であるとか?」

じゅえる「うーん、それでも弱いな。むしろミスシャクティが彼女らのご先祖に介入して居た、とかの方がいいかな。」
まゆ子「それは宇宙人の仕業だろう。耳長エルフ星人。」
釈「彼らはリベレーターを見付けきらないくらいですから無理ですよ。…ゲキ自らの仕業です、やっぱり。」
じゅえる「なるほど、とは思う。が、当たり前過ぎてイヤだな。」

 

釈「ちょっと待って下さい、彼女達の母親はどうなったんですか?まるっきり話にも出て来ない。」
じゅえる「そうだっけ? えーと、アレ?」
まゆ子「父親の話はちょっとしたけれど、母親の話は無いな。ここら辺になにか埋めこむか。皆死んだか離婚したか。」

釈「でも不思議を埋めこむか、因縁を埋めこむかで処理は違って来ますよね。どうしましょう、謎ならばむしろ因縁の方が面白いかと。」

じゅえる「まあまずとりあえずの設定を作ってからね。鳩保は爺が医者で父は違う。何?」
まゆ子「公務員てとこにしておこう。ほんとうは医者にするつもりだったけれど、あんまり賢くなかったんだ。だから鳩保はリベンジということで頑張っている。母はー、失踪?」
釈「そういう感触は無いですねえ。居るような気が。うーんと、長期療養中というのは。」
じゅえる「うん、医者になりたいという動機づけには十分だ。それね。」

まゆ子「物辺優子。父は神主だし家には人がちゃんと沢山居るけれど、母親だけは居ない。おばさんは居る、出戻りのと行かず後家のと二人。でも母が無い。これが失踪だ。優子と同じような怪しげな性格で、歩き巫女みたいな属性を保っている電波系人間なんだよ。」

釈「すんなり認められますねえ。では花憐は、死にますか。」
じゅえる「離婚だな。父親は若い女が好きで何度か結婚離婚している。花憐の上にちゃんと兄と姉が居る、けれど、今居る人は前の奥さんが戻って来たというややこしい話。花憐本人の母親は今はヨーロッパとかに居る事になっている。」
まゆ子「怪しい、実にあやしい。」

釈「童です。えーと漁師さんですか、養殖もしている。こういうばあいはー。」
まゆ子「実は母親は居る。だけど、稔自身が実は拾われっ子なのだ。海の上をどんぶらこと流れて居たのを拾って来た。」
じゅえる「まさにそれだ!うん。」
釈「それはいい設定です。それは当たりです。」

まゆ子「で、喜味子の母親はちゃんと死んだ、と。こんなもんかな。」

釈「なんというか、割と上手く謎ができたじゃないですか。でも母親が居ないとどうしてゲキのパイロットになれるんでしょう。」
じゅえる「居ないという事もないんだけどさあ、近くに居ないんだな。では彼女達に欠けている属性は、愛か?」
まゆ子「母性。うーん、母性で簡単にくくっちゃっていいのかな?」
釈「母性に餓えているからといって、本人の母性が発達するという事も欠如するという事も無いでしょう。うーん、強いて言うならば互いに共感するところが大きい、かな?」

じゅえる「それは大きいかもね。あそうだ、だから、そこにもう一人特別な人物、身近に居る母の代理人があるべきではないかな?」
まゆ子「それって、人間?宇宙人?」

じゅえる「学校の先生という手もある。」

釈「学校の先生というのはいいですね。ミスシャクティの差配で未来人が小学校の先生をしているんです。で、彼女達は長くこの人によって育まれて来た。これはいいですよ。」
じゅえる「その先生は、彼女達の活動のバックボーンというか、精神的なコアになっていると考えるべきだろう。しかしこの時期、その先生はもう物辺村には居ない。ゲキ出現の直前、4月に転任というか退職というかをしてしまったんだ。だから5人の話には出ても、姿は無い。」

まゆ子「そういうのであれば、その人はミスシャクティの傍に居る側近の女性であるべきだな。出ては来ないけど出てはいる。そう、NWOの中で世界のVIPとかが客観的第三者的に彼女達の活躍を見ているのに対し、彼女だけは本気で心配しているんだ。」

じゅえる「ぐっどです。」
釈「すちゃらかエロマンガには相応しくない、心暖まる設定です。」

     ***

 

じゅえる「釈ちゃん、謎はこの母親ので十分だろ。父親までいじり出したら嘘っぽくなるよ。」
釈「はい。ただ、であればもっと母親の素性について突っ込んだ設定が欲しいと、」
まゆ子「全員がというわけでなきゃ、いいか。とりあえず優子の母親はただものではない。」

釈「やはり、ゲキパイロットの末裔ということですかね。というか、物辺神社創建の由来というのは?」

じゅえる「ゲキに関する伝承がまた別にある、というのはあり得る話だね。物辺村に飛んできたのは首だけで、胴体は北海道にあるんだから、なんかストーリーがあるはずだ。また優子が遊んで居たゲキの干物、ゲキのヘノコについての伝承は絶対必要ね。」

釈「あれって、ゲキロボのパーツの一部でしょう。ヘノコってどこですか?」
まゆ子「あ、うーん、ゲキロボは今回内部に3畳敷のコクピットを有する器なんだけどさ、この形状は別に決まってないんだよ。ただ内部が空洞な人型物体というだけで、デザインは結構時代と場所によって異なる。イメージはその時代の人の想像による、ってとこかな。電話があるのは今の時代の産物だから、だよ。」

じゅえる「じゃあヘノコがある人型の時代もあった、ってことか。完全な人型が。というか鬼?」
釈「でも人型というのも嘘っぽい話ですね。内部に空洞のある人型といえば、鎌倉大仏?」
まゆ子「ああ!」
じゅえる「そういう例もありか! では巨大な仏像がその当時、平安時代頃のゲキなんだ。ちゃんとチンチンも付いている。」

まゆ子「という事は、ゲキの首が飛んできた、という物辺村の伝承は、正確には頭部の形状をしたゲキロボ、口腔内がコクピットになっていたゲキロボ、なんだ。」

釈「では完全な形でのゲキ、ということですね。しかし北海道のは?」
まゆ子「ヘノコの由来と物辺村の由来は違う、ということかな。ヘノコは北海道のゲキであり、物辺村とは出元が違う。」
じゅえる「そんなものがどこから手に入ったんだよ。」

釈「いえこの場合、ゲキが物辺村に墜落して数世代後に再起動して、また飛んで北海道に落っこちた、というのが妥当ではないかと。」
じゅえる「ふむ、ということは400年前にはちゃんと起動に成功したんだ。リベレーターが居た、ってことか。」
まゆ子「そう簡単に因子は揃わない。これは物辺村に代々因子保有者が5人揃って居た、という事かなあ。」

釈「そこのところの鍵が、ゲキのヘノコですよ。なにか復元する鍵となる物体なんです。」

まゆ子「即身仏、とか? 第1世代の。」
じゅえる「面白いけど、なにか変。ゲキの由来はゲキそのものであるべきだろ。」

 

まゆ子「話を整理しよう! ゲキは北海道で目覚める。しかし物辺村の5人がパイロットだ。ゲキのヘノコを持っていき、5人が揃ったからこそ起動した。という事は、物辺村では起動出来ないということだ。」
じゅえる「結界があるんだ、物辺村には。ゲキ起動を抑制するなにかが。そうでなければゲキのヘノコだけで復元出来るはず。」

釈「ということは、ゲキは物辺村に封印された? 誰に?」
まゆ子「そりゃ当時のパイロットにだろ。つまり、ゲキの5人のパイロットが1000年前に仲たがいして、悪用を防ぐ為に誰かの意志でこれを暴走させて都を脱出し、物辺村に墜落した時点で封印措置を行った。その名残がヘノコだ。」

じゅえる「となれば、悪の意識が芽生えた者と、正義の心を留める者とでゲキの制御権を奪い合い、最終的には正義が勝ち、自らの意志で封印した。ということになる。」
釈「ゲキとパイロットが融合した、というのはどうでしょう。完全な制御を求めて一体化する魔法を発見し、鬼になる。鬼になった仲間を助ける為に殺さねばならなかった、と。」
じゅえる「悪人が融合、正義の味方が留めて、誰か一人はその過程で死亡、一人は都に残り、最後に一人が物辺村に神社を作って見守り続けた。こんなもんか。」

まゆ子「貴族、武士、陰陽師、巫女白拍子、なぞの蛮族、というところか、その面子は。白拍子をめぐって争い合いになり、貴族が一体化。白拍子死亡。陰陽師により封印されて物辺村に留まり、ゲキ内部で争い貴族にとどめを刺した武士は後に僧侶となり諸国を巡ったと。なぞの蛮族というのは、土蜘蛛とか?」

じゅえる「土蜘蛛がリベレーターだね。土の中からゲキが現われる。」
まゆ子「薄汚いなりの、ぎらぎらと光る目を持った、一見男に見えるけど実は女、てところがよろしい。洗って見るとなかなかに迫力のある美人。」
釈「まるで物辺優子ですね。えーと、貴族がプロモーター、土蜘蛛がリベレーター、白拍子がナビゲーター、武士がアクティベーター、陰陽師がマニュピレーターてとこです。

でも外記とされるくらいですから、正史に記録されるほどの大活躍はしなかったということですよね。なにをしたんです?」
じゅえる「そりゃ化け物退治だろう。世の人には知られないけれど、宇宙人退治を行ったんだよ、やっぱ。しかしその過程で世の矛盾に気付き、報われない身の上を逆転しようとゲキの力を自らの利益の為に使おうとした。そんなところかな。」

 

まゆ子「それはそうと、1000年頃って武士居たっけ?」
じゅえる「居るけど、そんな力は無いなあ。藤原道長の時代だよ。」
釈「平安貴族文化最盛期ですね。武士の台頭はこの後です。将門の乱は940年ですが。」

 

まゆ子「あー、ともかくなんかあったんだ、ということにしておこう。で、ヒロイックファンタジーの展開があって、遂には悪の虜となり自ら鬼神に変じた誰かが誰かに退治され、物辺村に墜落する。で、封印の為に起動キーに相当するパーツを抜き取って、つまりこれは今のゲキで言うと『電話』です、を御神体として祭る物辺神社ができるわけだ。」

釈「操縦方式も、時代や場所の人のイメージに準じるわけですね?」
じゅえる「予想外の操縦方法じゃ困るだろ。その当時に合わせてレイアウトもちゃんと変わるんだ。」

まゆ子「つまりだ、その当時の理解によると、三千世界の仏国土を飛び回る飛車、迦陵頻伽を手に入れたんだ。で数多の鬼を退治して衆生を救わんとするも、その為に却って平安貴族の腐敗堕落が目について、とかだね。」

釈「では、物辺村では起動出来ないというのは、ゲキのヘノコはその人達の意志により、これだけでは動かない事を義務づけられて居た、というのですかね。」
まゆ子「ふーむ、結界よりはいい感じかもしれない。」

じゅえる「本質的には、ゲキはゲキマイクロマシンとリベレーター、宇宙人と遭遇する体験があれば発現する。しかし物辺村のゲキだけは特別だ、ってことかな。他のゲキと異なり、パイロット自らの手で封印された。つまり瓦解する事を禁じられたゲキ、なんだ。で、因子保有者でなくとも起動キーを使えば動く事はできるが、デタラメに動いて蝦夷地に墜落。起動キーのみが物辺村に残されて、というか起動キーを使う所を見られて鬼神を制するにはこれしかないと衣川一刀流開祖に斬られたんだ。で起動キーはそのまま残るが、骸は無い。北海道に墜落している。」

まゆ子「だれでもいいってことはないけど、ヘノコと融合して人間で無くなっていく、とかだろうね。あるいは、誰かの因子を受継ぐ者だったんだ。」
釈「つまり、ゲキのヘノコはかなり特別な物体ということですよ。念を送ると剣になる、とかですかね。」
じゅえる「そのくらいベタなアイテムの方がいいか。」

まゆ子「そうだね。祠に神剣を奉納すると、ゲキが動き出すとかなんだ、操縦方法が。で、その剣を握ると超能力が発現する。電話と同じだ。」
釈「ふむ、やはりアイテムの設定は重要ですね。」

 

じゅえる「てえことは、400年前というのはこのゲキの剣を用いて反乱を起したってことだよね。ただの人じゃない、よね?」
まゆ子「定番! 要するにゲキを封印した人の一族がこの地を人知れず守って来て、そこに衣川家が封じられて来た。」

釈「それが碓井家ですか。」
まゆ子「いや、碓井家はもっと旧い。」

じゅえる「あーそれはあれだ。碓井家は当地の実力者であるから、物辺神社の由来を知っているというか人知れず保護して来たんだよ。碓井神社ってとこもあるから同業者だもん。で鬼を封じた神社となれば、そりゃあ護らねばならない。主に金銭的な援助をして物辺神社創建を助けたんだ。
しかし、その時からゲキの能力についての研究を始めており、ゲキの剣というのが絶対に必要だと密かにつかんで居たんだね。で、それから600年後、というお話。」

まゆ子「ま、そんなもんかな。すでにゲキパイロットの血筋も絶えて、物辺神社の神主は碓井家からの分家のような感じになっている。そこに野心を持った人物が現われて、衣川家の御国入りを妨害する為にゲキの剣で対抗しようとした。おそらくは、ゲキロボの存在はとっくの昔に忘れちゃっていて、ゲキの剣自体がゲキだと思ってた。」

釈「はあ、それは簡単なはなしですねえ。ゲキの剣を手にすれば、鬼の力が我が身に宿る、と考えたんです。で、宿りましたか?」
まゆ子「動いた動いた。ゲキの剣に取り込まれて一体化し、鬼のような姿になる。これはようするにエロスーツのバージョン違いみたいなもので、本人の希望通りの姿になるんだよ。
で、鎧を着た鬼のような感じになるが、衣川家伝一刀流宗家に弱点は剣自体だと見抜かれて剣を打ち落とされる。すると、鬼スーツの拡張が暴走してついにゲキロボになり、北の彼方に飛んでって墜落する。ってはなし。」

じゅる「やばい代物だなあ。でもただの人がそれ使っても、何も起こらないんだよね。」
まゆ子「やはりこの場合、たまたまリベレーター因子を備えていた人、と考えるべきだろう。しかし宇宙人との接触が無く、発現には至らなかった。だからー、この人も幼少より妖精を見た人なんだよ。だから神秘的な分野に興味が行き、ゲキの剣に行き当たる。」

釈「基本ですね。となると、物辺優子のご先祖様は、この男に犯されて妊娠してしまった巫女、とかですか。」
じゅえる「それも基本中の基本だな。」
まゆ子「単純ではあるけれど、まそういう事にしておくか。鬼の姿のままに犯されて狂ってしまった絶世の美女。うーんそうだ、美女ゆえに衣川のお殿様に召し出される事になり、それに怒った碓井の許嫁が、とか。」

釈「ベタ基本ですね!」

 

じゅえる「でもさ、リベレーター因子ってのは、そんなにありふれたものなのかな?」
まゆ子「そこんとこは今のところ謎にしておこう。ゲキの時間改変能力に関係のある、ゲキ自身の意志による操作が加わっている、ということで。」

釈「ゲキの意志、というのが、最終的な謎なわけですよ。」

 

 

【キャラクター配置について】07/07/21

まゆ子「具体的なストーリーを二三考えてみよう。あらたなる設定が生まれるかもしれない。」
じゅえる「というか、そりゃ生まれるさ、二ダースほど。」
釈「ですよねえ。どこから行きますか?」

まゆ子「取り敢えず学校の中からだ。彼女達は全員二年生で、それぞれクラスも異なる。花憐は1組、童は3組、鳩保物辺喜味子は5組だけど、本来鳩保は7組だな。カリキュラムの関係で他とちょっと違う動きをする。」
釈「数理研究科の女子は40人中5人のみ、ですからね。5組にまとめているんですよ。」

まゆ子「だから鳩保はその気になれば女王様になれるんだが、なぜか5組でなってます。」
じゅえる「やっぱ男子ばっかりのクラスの男は、がっついて来るからねえ。ダメだろう。」

釈「というわけで普通のクラスで女王様をやっているわけですが、他の女子からは嫌われ者、に近い扱いを受けて居るんです。派手だからまあ、当然と言えばそうです。」

じゅえる「どういう風に処理しようか。ほんとうに嫌な女として描くか、それともちょっと誤解を受け易いけど本当は純真な少女、とするか。」
まゆ子「前者で行きたいところだが、そうは無理だろう。本人は気付いているつもりで自分の魅力を余すところなく発揮し利用しているつもりだが、実体は自分で考えるよりも何倍も大量にフェロモンをばら撒いている、そいう女にしよう。自覚が足りない。」

じゅえる「それ、レイプされまくりだよ、そんなの。」
釈「エロマンガであれば、大当たりなんですが。」

まゆ子「或る意味可愛いんだけどさ。そいう女はどうやって生きていくべきだろう。」
釈「それはー、女優というか派手な世界に憧れる、というスタイルが良いと思われます。しかしそんなに簡単な世界でも無いでしょう、特に田舎に居ては無理があります。」
じゅえる「国内でなく、ハリウッド女優に直接成る、と考えているのがいいか。アメリカ行って一旗上げて来るぞ、って。」
釈「あぶない、それは危ない。」

まゆ子「だがその逆に堅実な所もある、と考えるべきだろう。数理研究科にわざわざ通っているのも、その堅実さの現われとして。大学で研究者?」
じゅえる「医者になる、とかも考えているとか?」

まゆ子「医者か・・・。」
釈「ありそうな話ですね。医者ですか、頭はいいんだから不可能ではないと考えます。」

じゅえる「それだと、その派手な性格も案外使えるのかもしれない。うん、そういう事にしておこう。となると、物辺村における彼女のステータスは、」
まゆ子「医者の娘、か。」
釈「すこし芸がありませんし、彼女の背景としてそぐわない気もします。ここは、おじいさんが村の診療所をやっているけれど、父親は違う、という感じで。」

じゅえる「爺ちゃんっ子か。」
まゆ子「うん、悪くない。甘えんぼっぽい感触を導入するのにいい感じだ。」
じゅえる「そう聞くと、男を取っ替えひっかえも、なんとなく分かるような気がする。フケ専だ。若い同年代の男じゃダメなんだ。」

釈「ふーむ、そうなると逆に、大統領夫人になるというのがかなり早くなる可能性が出ますね。爺を捕まえて大統領にしちゃおう、と。」

まゆ子「そいう道筋も、ありだな。そういう女を前にして、クラスの女子はどう接するべきだろうか?」
じゅえる「フケ専ならば、むしろ先生とかに色目を使っているというのが。でも本人には自覚が無い。なにか爺の先生達にまとわりつかれていて、困っているとか?」
釈「逆になにかある度にこき使われて、同情されるとかではないでしょうか。でも男子と遊んでるとー。」
まゆ子「プロモーターだから仕切り魔でもある。女子ではなく男子を仕切りたがる、というので面倒が無くていいや、とかじゃないかな。」

じゅえる「激しく嫌う女も居る、ということで。若狭レイヤって女がライバル的に居るんだったね。」
釈「評価が大きく分かれる女、ってことですか。好悪の感情も。ただし本人はそういう張り合いをする気は無い。」
じゅえる「いじめを受けて居たりもしない。というか、男とよく話すから、色々と恋愛関係の話とかをよく知っている。時々は仲を取り持ったりもして、何故自分ばっかりこんな真似をさせられて、自分は独りなんだろう?とか理不尽に思うんだよ。」

まゆ子「大雑把すぎるんだ。アメリカンサイズなんだね。」

 

釈「こんなもんでいいでしょう。とりあえずは。で次は物辺優子です。」

じゅえる「きらわれもの、だよね。」
まゆ子「うん。」
釈「コワイですから。」

まゆ子「逆に言うと、この女が居るから鳩保は嫌われない。で、逆にこいつは男をじーーーーっと見詰めたりしてる、物欲しそうな危ない女なんだ。」
じゅえる「目が悪くて焦点が定まらないとか、だな。」
釈「男の名前と顔を覚えない、というのがいいかもしれません。」

まゆ子「うん、そういうの苦手っぽい。ただ美人なのは間違い無い。黙っていれば騙される奴も居る。」
じゅえる「髪がやたらと長いからね。それに裸同然で校内歩き回るから、やたらと写真が多い女でもある。」

釈「特定の男は無しですか?」
じゅえる「演劇部だったような気もするけど、山海塾だからさあ。ついてくる男は居ないだろう。」
まゆ子「よほどの傑物でないとダメでしょう。そういうの、居る?」

釈「必要とあれば。そうですね、一人だけ上級生に居る、というのはどうでしょう。彼だけは彼女のパフォーマンスを正確に理解する。」
じゅえる「そいつの前でだけは、可愛い女になるてのか。ふーん、それも悪くないなあ。」

まゆ子「ただそれが、どうしても彼女とは一緒になれないなにかがある、というのが必要だな。すでに彼女が居る、とか。」
じゅえる「凄い美人の彼女が居て、その娘もまた優子を評価してくれる、とかだな。でも三年生にそういう女居たっけ?」

まゆ子「無ければ作るけど、それは弥生ちゃんくらいなもんだよ。」
釈「鳩保はまゆ子さんの科学部にも所属しますよね。物部優子にもウエンディズを接触させましょうか?」
じゅえる「やめとこう。だが、強いて言うならばふぁかな。」
釈「聖先輩とかでは?」
まゆ子「聖ちゃんはもったいない。誰か開発しておくよ、物辺優子が絡み易いの。」

 

釈「で、5組最後は児玉喜味子です。ヲタクの彼氏が居る、という話ですが。」

じゅえる「科学部ではだめかい、それ?」
まゆ子「すなおに漫研でいいじゃないか。いや、鉄ヲタがいい。本格的なカメラを持っていて、機械や道具にも関連して、酷いヲタってのを表現するにはまさに鉄ヲタはぴったりだ。」
釈「しかし、正式に付き合っているというのではないですよね。これまた無自覚というか。」
まゆ子「ヲタの方は本気なんだけどさ。」

じゅえる「喜味子の方がいじめられっこで、自分がそういう風に見られているとかはまったく考えていない。というか、自分を好きになる男なんてのが実在するとかは考えないんだ。」
釈「眼鏡にしましょう。授業中は眼鏡っ娘ですよ。それも外してもちっとも可愛くならない真性の。」

じゅえる「残念ながら委員長キャラじゃないんだな。なにか色をつけとくか、昔レイプされたとか。」
まゆ子「あー、それは定番過ぎて面白くない。本物のエロマンガなら一も二もなく考えるけどさ。」

釈「ではいっそ、ライバルキャラを登場させましょうか。ブスのライバル。」
まゆ子「妙な絵だな。」
じゅえる「背の低い喜味子に対して、背の高いやせぎすな眼鏡お提げ女だ。これはー、実はレズで、ヲタから喜味子を奪おうとか考えている。オナニーとかもする。」

まゆ子「うーん、ブス百合というのは斬新ではあるけれど絶対受けないぞ。」
釈「しかし、そこまで執着するのは何か理由があっての事でしょうか?こちらこそレイプされてるとか。」

まゆ子「あー、喜味子の手は十分にいやらしいんだが、エロスを原動力とするのはやはり違うかなあ。じゃあ、アレだ。実はこの女、喜味子がキライなんだ。で、男とちゃらちゃらしているのが気に食わないから、破滅させてやろうと。で、喜味子は人知れず嫌がらせを受けて居るんだよ、鞄にハンミョウ入れられたりして。でもその犯人がまさか隣りに居る友人然とした人物だとは気付かない。客観的に見ると、近親憎悪のような感じではないだろうかね、と。」
じゅえる「サイコ女か。ではそいつはやっぱりレイプされたことにしよう。ただし、脳内レイプだ。よく分からないが、自分ではレイプされた事になっている。」

釈「そんな妄想がありますかね?」
まゆ子「いや、世の中広いから有るだろう。でもなにか、レイプ妄想を掻き立てる種があるはずだよ。それが或る種の器物ということで、彼女がそれを持っていて冒されてる。」
釈「AWO関連ですね。了解しました。」

 

じゅえる「で、花憐と童です。童稔ってのは、ロマンスとかあるべきだろうかねえ?」
まゆ子「必要無い! というか、その方が後にアラブの王子さまとかと接触した際に生きて来るはずだ。だから高校時代にそれはない。だがそれでは面白くないなあ。」

釈「陸上部ですからねえ、男の影を考えると、やはり運動部系の男子ですか。」
じゅえる「陸上の砲丸投げの選手って、モテるの?」
まゆ子「いや、筋肉質だからもててるという話は聞かないけれど。そういうのが好きな男は居るだろうけどさあ、でもチビだよ。」

じゅえる「徹底的に男ひでりにするか。その代りちゃんと女子の友達は居る。3組は明美二号の組だから、そういう関係で女子に包まれて生活している。むしろ、男子の目には留まらない、存在しない女、って事でいこう。」

釈「居るはずなのに分からないキャラというのは、ありますね。男女どちらでも隔離されてしまう人が。」
まゆ子「謎の女だね。じゃあ、やはり彼女は自分の為にではなく、友達の為に男と戦う。街を歩いて居たらチンピラに囲まれた、とかに威力を発揮するということで。」

じゅえる「それは物辺村の連中にとっても良いポジション。女ばっかりの中で生きている。ただし、家に帰るとむさくるしいお父さんとむさくるしいお兄さん、とかがいるわけだ。」
まゆ子「むさくるしい叔父さんも入れよう。」
釈「漁師の仲間、ということでむさくるしブラザーズですよ。」

まゆ子「家に帰ればお姫さま、ということか。家の手伝いとか炊事洗濯とかもちゃんとする。」
釈「悪くないと思いますよ。」
じゅえる「絵的に悪くないか。じゃあおっさん達と共に居るのと、女の子の中にしか居ないのと、二重生活を送っている。」

 

釈「花憐です。」
じゅえる「お嬢でいいじゃん。」
まゆ子「ヤクザが絡むんだよ。」

釈「嘘っぽい話ではありますね。村長の娘、なんですが。」
まゆ子「真っ赤なフェラーリ持ってるんだよ。」

じゅえる「でも臆病だからなあ、男はなかなか作れない。またゲキに接触しちゃうとそんな暇も無い。」
釈「では告白されても断ってばかり、ってことですかね。」
まゆ子「断るし、それっぽく言われても気付かない。それにー、外の人間が絡んで来るというのが定番だろう。」

じゅえる「さいでした。外から転校生とか、学校を常に監視している人とかに引っ掛かるのです。てことは、そこらへん関係でヤクザにも度々遭遇する、と。」

釈「でも村長はそんなに偉くはないでしょう? ヤクザの親分の娘とかにしときますか。」
まゆ子「網元もなかなかのものだよお。」
じゅえる「半ヤクザ、とかにはよく接触する事にしよう。それ以外はあまり、というか、割と年配のヤクザで若いのとは直接関与しない。するとすれば、外からのエージェントとかが絡まれている現場に出くわすとかだな。」

まゆ子「恋に恋する女の子、という線で固めていいと思うんだけど。」
じゅえる「かまととかい?」
釈「それでも悪くはありません。というか、世界人類を救おうとかはまさにそうですよね。」

まゆ子「違いない。では、学校の行き帰りに必ず見る特別な人、というのがあったり、いつも自分を見詰めている視線に気付いたり、とかばっかりだね。」

じゅえる「ならさ、半ヤクザは彼女の家にいつも居るんだよ。で、慣れている、というか使用人だったりする。自分では気付いていないけれど、やっぱ違うんだ、この家は。」
まゆ子「そういう話ならば自然に通るかな。昔の出入りの話とかを教えてくれる、とかね。で、うそばっかり、とか思ってるんだよ。」

釈「わかいもん、にひっかかったりはしませんか?」
花憐「臆病だから大丈夫だよ。それに、半ヤクザはヤクザじゃない。これでも親父はまっとうな実力者だ。ヤクザ紛いの業界と繋がりがあるというだけで、本人は長い物辺村の歴史を背負っている人物で、花憐はその一人娘ではない。ちゃんと兄姉が居て、花憐がある。花憐はそのままお嫁にでも行けばいい、という無責任な立場。だいじょうぶなんだ。」

釈「じゃあ、いい男っていないなあー、と1組の美人5人衆で愚痴っているばっかり、ですかね。」
じゅえる「そんなとこだね。」

   ***

 

まゆ子「で、おのおのにはパーソナルカラーとシンボルマークがある。」
じゅえる「ふむ。エロスーツの色分けだね。戦隊物の。」
釈「それって、機能とかエフェクトに関係して来るわけですよ。」

まゆ子「ま、焦らない。

鳩保が青、水玉の勾玉。物辺が黒もしくは紫、女の生首。花憐が赤か桜色、羽の生えた車輪。童が黄色、「愛」の字。喜味子が緑、盆栽。
でミスシャクティが白、無垢を表す。」

じゅえる「ゲキロボの首の後ろのエンブレムが、パイロットごとに変わるんですよ。色も?」
まゆ子「面倒くさいな。色はいいよ、茶色が土色で。」

釈「このパーソナルカラーは学校生活でもやはり意味があるわけですね。」
まゆ子「そうあるべきだと考える。少なくとも色イラストでは関係して来る。物語の設定で持ち込むのはむずかしいかもしれないけどさ。」
じゅえる「いや、まあなんとかなるさ。絡んで来る相手の印象はこれに合わせておこう。」

 

まゆ子「で、当然ながら五大元素とかも関係する。木火土金水とか陰陽、地水火風とかだね。錬金術にはおなじみの区分だ。」

じゅえる「でも、…そうだねえ、おりじなる5大元素というのを考えてもいいかもしれない。新版だ、と言い張るのだよ。」
釈「そうですねえ、歴史におけるゲキの登場ごとに解釈は色々変わっている、と考えた方がいいかもしれません。21世紀の今日、そんなベタな元素は必要無いでしょう。」

まゆ子「なるほど。ではさしずめ「情報」「エネルギー」「運動」「ポテンシャル」「システム」というところか。」
じゅえる「わかりづらいな。「情報」「エネルギー」「運動」「相互作用」「システム」ではないかい。」
釈「具体的なものに当てはめてみないと、なんだかイメージできませんね。漢字一字で表すべきでしょう、やっぱ。」

じゅえる「うむ、「智」「無」「光」「力」「系」て感じ?」

まゆ子「いかにもそれっぽいな。すくなくとも木火土金水よりはずっと先進的だ。」

じゅえる「であればさ、超常現象との遭遇もあるべきなのかね。神をも越える領域とか、超次元の超越者とかとの遭遇がさ。」
釈「お話の展開をすちゃらかで収めるには、必要無いと考えますが、どうですか?」

まゆ子「思いっきり戯画化して出す分には構わない。というか、無いのも不自然だろ。ゲキくらいの代物を操ってるにんげんにさ。」

じゅえる「オリジナルゲキの集合意識、とかとコンタクトする? というか、物辺優子はそれに耐えられる?」
まゆ子「優子と喜味子はそれが可能なのかもしれない。優子は自覚的に、喜味子は無意識に接触してる。」

釈「無意識というのはヤバくないですか? というか、何故二人だけ? 「智」とか「情報」ならば鳩保にもその資格はあるでしょ。」

まゆ子「性格が違う。」
じゅえる「うん。彼女は現実周りにしか目が行かないタイプだ。」
釈「花憐もそうですよね。現実の世界に目が向くからこそ、人を救おうと考える。外向的と内向的ってのですか。」

まゆ子「陰陽と言ってもいいかもね。陽の気を持つ鳩保・花憐・童は外向きで、陰の気を持つ物辺と喜味子は内向きでだからこそゲキと接触する。」
じゅえる「でも物辺優子はそれを制御できる。児玉喜味子は接触したことすら気付かない。わけね?」

まゆ子「それでいいと思いますよ。この面子ではそういう巡り合わせになっているんだ。

宇宙人情報を得ても取り澄まして天上の理だとして積極的に動こうとしないナビゲーターも居る。プロモーターであっても内向きで信者やら崇拝者の獲得に腐心し組織を作り上げるタイプもある。リベレーターが積極的に働いて神秘の世界を繰り広げるヒロイックファンタジーにしてしまう面子もある。」

じゅえる「そうか、必要なエレメントは5つだが、その発現の仕方にはいくらでもスタイルがあるんだね。」
釈「それで今回は、…すちゃらかに?」
まゆ子「うん。」
じゅえる「だね。」

釈「では喜味子の接触はトラブルを発生させるという事でいいわけですよ。すちゃらかに。」
じゅえる「だがひっかかるのは5人とは別の人間だな。5人の日常生活は驚くほど単調でスーパーヒロインとはとても思えない殺風景なものだ。現に不思議と接触している喜味子なんか冴えない地味ないじめられっ子だ。」

まゆ子「うーんそうだなあ。喜味子にとって、ゲキとは色んなものが収納している倉庫みたいなもので、必要があればひっくり返して探すけど、普通は暗くて中がよく分からないんだ。で、分からないものを敢えて光の下に持って来ようとは思わない。要るものだけを取ったら後は放りっぱなし、なんだね。だからトラブルが発生する。」

釈「そうでないマニュピレーターも居るんですね。」
じゅえる「整理魔、だろ。錬金術師魔術師の中にはそういう奴がごろごろしてる。辞書事典を作ってやろうて奴だ。」

釈「では喜味子はかなり大雑把でいいかげんな性格?」
じゅえる「じゃないかな、鳩保の友達だし。」
まゆ子「この5人に繊細な奴はひとりも居ない。驚くべき事にそうなんだ。」

じゅえる「だから長生き出来たんだよ。」
まゆ子「うん。普通は路線対立で殺し合いをする羽目に陥るけれど、すぱっと手を切る事が出来るのも大雑把故の特権だな。」

釈「うーむ、繊細でない主役キャラというのは、なんですねえ。すちゃらかにも一人くらい居る者でしょうに。」

じゅえる「ミスシャクティがそうなんだから、いいじゃない。」
釈「あ。」
まゆ子「だね。」

 

じゅえる「で、テイストとしてはこの魔術的なフレーバーを感じさせるように進展するわけだ。」

まゆ子「あー、どうしよ? それでもいいけれど、それではいけないような気もする。」
釈「すちゃらか学園エロマンガ、魔術風美少女ロボット戦隊ですか。なるほど、しかし洋風魔術で?」

じゅえる「現代風魔術、であるべきではないかな。古典的魔術とは一線を画すべきだよ。新元素も考えた事だし。」
まゆ子「なるほど、ではAWOからは古典的魔術集団が来るとしても、こっちはそうは問屋が卸さない。現代風、というかEVA的ネルフ的な感じの魔術集団はNWOのお偉方に任せて、彼女達は独自のスタイルを構築する事にするか。」
じゅえる「その事に関しては彼女達も自覚的であるべきでしょう。私達はこうではない、と明確に意識している。」

釈「じぶんらしさ、ですか。」
まゆ子「いや、じぶんらしさ、というのとも違う。時代の空気を吸い込んで今の時間風のヒーローヒロイン像をなんとなく分かっているんだ。時代が求めるヒロインはそうじゃない、と。」

じゅえる「たとえば?」
まゆ子「だから、鳩保はそれでもやはり悩むんだ。自分に他人他国の内政問題に直接関与する資格があるだろうか、って。
もちろん関与と強制はゲキの活動に必要なんだけど、でも考えてしまうんだ。ゲキの力を用いればあらゆる非道やら人権侵害やらを解消する事も出来る。社会的矛盾やら国際的不平等、格差を打破出来る。あるいはその矛盾は時代と人が要求しているものであり、第三者的に外部から介入しても意味が無いものかもしれない。
それでもなお、彼女は電話を掛ける。」

釈「なるほど。つまり鳩保もあれでなかなか常識人なわけですか。」
じゅえる「そう言われてみれば、場合によっては人殺しもせざるを得ないし、そもそもからして十把ひとからげで人殺しを見捨ててるわけだ。倫理的に悩んでもまったく不思議はないか。」

まゆ子「まともな人間ならね。そして多くの物語においてなおざり置き去りにされる問題だ。だが彼女達はすちゃらかであるが故に、その問題から解放されない。ヒーローとして最初からインプリントされてないんだ。」

釈「して、結論は?」
まゆ子「それが、彼女達なりの魔術、だな。犠牲者100人以下の宇宙人事件には関与しない。現地で繰り広げられる非道や人権侵害は、自分達の目の前の事だけは改善する。宇宙人の地元権力者への関与はこれを徹底的に破壊する。つまりゲキヒロインの掟、てものをちゃんと作っているんだよ。」

じゅえる「もっと明確にスタイル化しないと、それはダメだ。絵的に表現出来るなにか、あー、新撰組みたいな?」
釈「それはうえんでぃずです。」

まゆ子「うーん、クラブ活動的ではない。もちろん秘密結社でもない。仲良し会でもない。会社組織でもない。政府機関とはまったく違う。王朝とか宮廷は関係無い。」

釈「むしろ必殺仕事人みたいなものですね。金をもらわないと人は殺さない、とかいう規律がある。」
じゅえる「うーん、なるほどそれはそんな感じかなあ。正義の味方にだけは絶対ならないと決めているんだ。ゲキロボの運用を自己目的化しない。」

まゆ子「つまり、ゲキロボとそれぞれの超能力とは、天から降って来た災厄、厄介者なんだ。その意味では、彼女達の集まりはゲキロボ対策委員会、みたいなものだね。降り懸かる火の粉は自分達の力でなんとかしなければいけない課題なんだ。」

釈「志がありませんね。」
じゅえる「だが逃げないだけ偉いぞ。」
まゆ子「逃げたくてたまらないんだけどね。」

 

じゅえる「だとすると、実は彼女達はゲキロボに関してはまったく秘密にしていないんだ。というか、言っても誰も信じてくれないんだからそれをかさに着て、べらべらと喋りまくっている。」
まゆ子「どうすりゃいいのか、て相談してるってことか。」

釈「で、周囲の人間はまた物辺村の連中がへんなこと言ってる、とか思ってるわけですよ。で、時々物好きが物辺神社を覗いたりして、不思議空間に落っこちて奇妙な体験をして、でも最終的にはなんだったのかわからなくなって日常に帰る。」
まゆ子「鳩保が科学部のまゆ子先輩から新兵器や防具を調達してくるのも、そういうスタイルだからだよ。これはまったく秘密ではないんだ。」

釈「では超能力を日頃から学校で発揮している、というわけですね。」

じゅえる「花憐なんか、とつぜん授業中に立ち上がって「うちゅうじんが攻めて来る」とか口走り、教師に寝惚けるなと叩かれている。鳩保が超能力で横車を押そうとすると、超超能力の弥生ちゃん先輩の前に敗北する、とかね。」
釈「童稔は怪力は日常的に使っていますし、物辺優子は…あれですし。喜味子もなにやら怪しい器物を発掘して来たりしているんですよ。」
じゅえる「見事なすちゃらかぶりだ。」

まゆ子「うん。二重生活を送る気さえない、暴露合戦なんだ。でもまったく注目されない。これはそういう能力が発動しているから、という事にするか。」
じゅえる「ミスシャクティの工作でなく?」

まゆ子「ミスシャクティの分析では、”まぬけ空間”が発生しているということで。宇宙人とゲキに関して、その空間内の人間が真剣に取り扱わない精神的抑圧を受けて居る。
で、外部からAWOがそのまぬけ空間領域に突入してばかみたいな敗北を繰り広げるというのが、この物語のルーチンだよ。」

じゅえる「学校内に宇宙人が侵入して破壊工作を行っても、彼女達ではなくうえんでぃずが退治してもなんのもんだいにもならない。とかだね。」
まゆ子「で物辺村の連中が、あたしらばかみたい、と感じてしまう、とかね。」

釈「了解しました。」

 

【ゲキロボ装備について】07/07/18

じゅえる「台風四号がひどいありさまでね、ついでに地震まで起きましたよ。」
釈「まあここらへんは大した事はないんですけどね、大雨は降りますけど。」

 

じゅえる「で、物辺村ですがね。物語としての悲壮感というものが必要ではないだろうかね。」

釈「エロマンガですよ?」
まゆ子「すちゃらかエロマンガですが、悲愴感が必要だろうかね?」
じゅえる「しかし、安っぽい感動は必要だろう。物語として。」
釈「せんぱい、それを言っちゃあお終いですよ。」

まゆ子「安っぽい感動は私はひつようじゃないなあ。でも私以外の人が必要とするのならば、考えないでもない。」
じゅえる「安易な悲劇というのは、頭の軽い人を引っ掛けるのにとても役に立つ。逆に本当に重い悲劇にはまったく引っ掛からないどころか気付きもしない。」
釈「悲劇にもトレンドとか流行というものがあるんですよ。」

まゆ子「いや悲劇はむしろ簡単だ。昔から喜劇の方がむずかしいとされていてね、どうせならば喜劇を書くべきだと私は思うんだよ。」

じゅえる「うーん、それはまあそうなんだけどさあ。どうしようもない重たい現実を描くのは、大昔から喜劇の役目だしねえ。」
釈「或る意味現在のエンターティメントに欠けているものは、それですね。寅さんが滅びて以来無いんじゃないでしょうか。」
まゆ子「挑戦する人が居ないわけではないけどさ。」

じゅえる「であれば、物辺村は喜劇で行こうと?」
まゆ子「というか、すちゃらかエロマンガに現実は存在しない。」
釈「そうですよねえ、エロマンガというものは非現実が売り物です。」

 

まゆ子「とは言うものの、今の話で方向性は勝手に決まった。喜劇で無ければならない。重たい現実は要らないけれど、非現実という名の現実の上での喜劇である必要が、出来た。」
じゅえる「なんかヤな話になって来たな。」

まゆ子「ということで、悲劇的要素を導入するのにやぶさかでない。どういう悲劇がひつようだろう?」

釈「やはり、誰か病気で死ぬとか?」
じゅえる「カノンじゃあるまいし。」

まゆ子「逆に言うと、こいつらの悲劇は個人的には悲劇でない、というところではないだろうかね? たとえばマフィアの親分の娘が居て、彼女が幸せになっていく陰で敵対勢力がばたばたと倒れていくというのは、これは現実的悲劇だろう。」
じゅえる「思いっきり飛ばして来たな。」
釈「確かにそれは悲劇です。そいう意味では、世の中で最も酷い話ですか。」

まゆ子「鳩保の悲劇となれば、彼女が例外中の例外と呼ぶべき破天荒な出世劇を繰り返す裏では、やはり涙を呑んでいる人が居る。」
釈「あーそれはー、悲劇と呼んではいけない種類のひげきですねえ。」

じゅえる「それでも鳩保は不幸になるんだよ。ほんの些細な不幸が、でもその裏で最も不幸になる人が居る。」
釈「それは酷い話です。」
まゆ子「悲愴感はないだろ、それ。」

じゅえる「やっぱ主人公キャラが不幸にならないとダメかな?」
釈「この世の不幸と矛盾の全てを一心に背負い込むというのが、最も支持を受けるキャラだと考えますが。」

まゆ子「ゲキの5人の中に誰かそいうのが居ると、連中は寄ってたかってなんとかするぞ。友達だから。」
じゅえる「そこまでは無理だろうねえ。」
釈「でうすえくすまきなーですから、本人達にはそいう要素は不要です。」

まゆ子「やっぱ本人達が不幸になるのはダメだろう。女子高生の楽しい日常に発生する些細な不幸くらいで収めるべきだ。」

じゅえる「鳩保は男出入りが激しいんだったっけ?」
まゆ子「おたくの敵、ってくらいに取っ換え引っ換えするが、別に寝ているわけじゃない。」

釈「物辺はヌード紛いにうろつくんですよね。」
まゆ子「山海塾だから、まあ普通に歩いていると警察に捕まるかなあ。」

じゅえる「花憐は美人だからストーカー被害とかか。童稔の不幸は?」
釈「野良犬にかまれるとかではないでしょうか。猿が柿を喰ってしまったとか。」
まゆ子「食い物の恨みは恐ろしいからなあ。」

釈「喜味子は、何も無いのが不幸といえばそうですかね。男ッ気まるでなし。」
じゅえる「悲愴感まるでなし。」

 

釈「これではどくしゃさまに共感される可哀想なキャラは無理ですよ。」

まゆ子「なんらかの使命が運命として不可避に訪れる、犠牲を払ってなおも生命までも要求する。しかも誰もそれを知らない。こういうところだろ。
実はゲキロボは元からそうなんだよ。
人類救済は不可避の使命として彼女らを拘束するし、それなりに犠牲を払うし生命の危険は常につきまとう。まるっきり安全ではない、というか彼女らは気付かないだけでゲキの能力もそれほど万能ではない。現実的存在としてね。で、誰にも知られる訳にはいかないさ。ミスシャクティにはバレバレだけどさあ。」

じゅえる「描きようで悲愴感出るのかな?」
釈「不可能ではありませんが、代償としてすちゃらかは失うでしょう。」

まゆ子「こういう場合、誰か一人割りを喰うのが正しい。まあ、鳩保は加害者が第一要件としてあるしー、物部優子も迷惑を掛ける方だ。花憐は被害者であるのだが、その一方彼女も臆病であるが故に迷惑を掛けまくる。その最終的な始末は、喜味子に回されるってことかなあ。」

釈「童稔はありませんかね。」
じゅえる「むしろこいつこそが一番迷惑を掛けてくるんじゃないかな、それも現実周りの事で。」
まゆ子「ゲキの怪力のせいで刑事事件起こしまくり、て感じか。これは鳩保の出番だね。」
じゅえる「なんでも鳩保が首を突っ込んでむちゃくちゃになる、というのがこの物語の正しい在り方だと思うよ。」
釈「まあ、そうですね。それがプロモーターの因子の力ですよ。」

まゆ子「で、一番可哀想な奴が一番ブスで一番誰からも振り向いてもらえない。そうね、読者さまにも加害者になってもらう、というのは喜劇のスタンダードな在り方ではないだろうか。共犯者、むしろ読者こそが主犯という。」
じゅえる「ふむ。しかしそれではおもしろくない。もっと明示的でないと、今のどくしゃさまには通じない。自分達が物語のキャラに対して危害を加えているなんてのは、今の流行ではないからね。」
釈「十数年前までは、それが当たり前の共通認識だったような感じもしますが、ダメなんですかね?」
じゅえる「読者観客が要求するからこそ、悲劇は繰り返される。そいう理解はたぶん、90年代には滅びたね。」

 

まゆ子「じゃあ、極めて明示的に、喜味子には怪我をしてもらおう。なんか起こる度にこいつだけ怪我をする。逆に、同じ場所同じ攻撃を受けても、童はまったく傷付かない。」
釈「間接的な意味での加害ですね。」
じゅえる「ふむ、今時の読者さまにはそこまでしてやらないといけないのか。ま、鉈で首を飛ばしてやっと喜ぶような人たちだからねえ。」

釈「しかし、どうして彼女ばかりが怪我をするんです? ゲキの力は及ばないんですか。」
まゆ子「ダメージ担当だから、というのかなあ。ともかく有形無形の傷を受けまくるんだ。そうだね、だからこそ宇宙人の首を絞め殺すとかもリアリティがあるってことかな。」

釈「そのダメージ反映システムは、鳩保とかには効かないんですかね?」

まゆ子「物辺優子には消耗というダメージは降り懸かる。
花憐は事前に予告という形で寝不足になるし、彼女ばっかり強迫的な予告を受信して出動を叫ぶという使命感を生み出す機能を持つから、ダメージシステムの一部ではあるだろう。
童稔は頑張っている時のパワーの出し具合が、直接彼女の頑張りに掛っている。挫けるわけにはいかない。
で喜味子が物理的攻撃のダメージを自分の身でも反映させると。」

じゅえる「案外綺麗に分れているな。鳩保は?」
まゆ子「頭を使うのは皆こいつだ。どうやって動けばいいかを考えさせるのが他の4人の仕事。何か問題が起きるとせっつかれてしまう。悩むよ。」
釈「なんだ、結構不幸はまんべんなく割り当てられているんですね。」

まゆ子「ゲキを使い過ぎると、優子は翌日寝込む、学校にも来ない。エネルギーは別に彼女から供給されるわけではないが、そういうものだ。花憐はまあ煩いな、やっぱ。被害犠牲が見えてしまうというのはノイローゼになっても不思議はない。童稔はやってる最中の話だ、負けるわけにはいかないから無理もする。」
じゅえる「で、喜味子にはちゃんと残る傷がつくわけだ。まるでいじめに遭っているように周囲の人からは見られたりするな。」

釈「そういうのって、書くのむずかしいでしょう。」
まゆ子「でもまるっきり被害が無いというのよりはよほど楽だ。ま、彼女達はそれぞれに「なんで自分だけが?」と思ってるわけだよ。鳩保なんか特に。」

 

釈「金も掛りますかね、ゲキを運用すると。」
まゆ子「掛るね。御菓子代とか。」
じゅえる「本来全てタダのはずなのに、何故か掛ってしまうのが金だ。そういう不幸はいいね。」
釈「時間的犠牲よりもむしろ痛いです。」

じゅえる「しかしなんだ、無報酬で世界平和の為に戦うというのも、今時不条理ではないかな。なにか商売を考えるべきだよ。」
まゆ子「モンスター退治でマネーが転がり込んで来る、みたいな?」
釈「それはー、あってもいいし無くてもいいですか。でもゲキからお金が出て来るというのは無しですよね。」

まゆ子「好意的宇宙人、というのが居て、ナニかを持って来れば換金してくれるとか。」
じゅえる「そういうのはダメだろう、やっぱり。」
釈「ここは地味に、世界各地を巡って骨董泥棒をしてくるとかで、地元の質屋で換金するのがよくありませんか。それとかネットオークション。」

じゅえる「ぶっ殺した宇宙人の落とした道具とか機械の残骸を拾って来て、馬鹿正直に「うちゅうじんの機械」という名目でネトオクに出して、それがまた高く売れるんだ。NWOが貴重な資料として買い上げる、というか謎の富豪とか財閥とかAWO関連の資産からも金が出て、恐るべき空中戦を繰り広げる。」

釈「億は軽く行きますね。」
まゆ子「女子高生にそれはダメだろう。」
じゅえる「じゃあ、二束三文で「誰か」が買った後、闇のオークションが繰り広げられ、殺人も茶飯事に起きる、とかだな。」

まゆ子「うん、そんなもんだ。少なくとも5人には10万円以上は渡らないようにしよう。というか、ミスシャクティの仕業でいいよそれ。なぜかうちゅうじん関連の品物は謎のインド人が買ってしまい、他の人は入札出来ない。で、しかるべき筋を通して来れば、闇のオークションに参加出来るんだ。」

釈「つまり、ミスシャクティが地球人類にとってふさわしいと判断したものだけを、入札に掛けるってことですね。」
じゅえる「そうか、地球破壊爆弾とかを売るわけにはいかないからね。」

 

釈「それはそうと、ゲキにまた新装備が出来たんですよね?」

まゆ子「洗濯機に加えて、ゲキテレビとゲキ電子レンジだ。
ゲキテレビはまさしくテレビで、遠征先の地点のテレビラジオを受信してゲキは現地の言葉を覚え自動翻訳機能を獲得する。また見たいものも見える機能があるね。
ゲキ電子レンジは簡易キッチンでお湯も1秒で沸く。カップラーメンを作る事が出来る。ゲキは時々時空移動を行うから、その間彼女達はゲキ内で寝起きしなきゃいけない。また恒星間飛行の時もまる一日掛る。更にいうと、電子レンジ内に物体を入れると様々な加工をしてくれる。色んなものを作れるんだ。」

じゅえる「コンピュータは無いの?」
釈「それはお金持ちの花憐が私物を持ち込むのではないでしょうか。」
まゆ子「ケイタイを使ってインターネットに接続も出来るよ。妙な話で、ゲキからは直接はインターネット接続は出来ない。その私物のパソコンでないとだめなんだ。というか、宇宙の果てまで出かけても繋がっているというところが超技術だな。」
じゅえる「いやな機能だなあ。星の彼方でメールを受信するんだ。」

釈「ゲキから下りて活動する際の、ゲキ自転車とかはありませんかね。」
まゆ子「1輌くらいは乗るけどさあ。出入り口の通路に。」

じゅえる「トイレは?」
まゆ子「ゲキに乗っている最中はそれはない。トイレ行きたくないように制御されている。さすがにね。あー、簡易ベッドくらいは有ってもいいか。」
釈「やっぱゲキエロスーツがかなり有効に利くんですよね。真空中にでも出て行けるわけですし。」

じゅえる「あ、エロスーツまたデザイン変わったよ。どいつも胸が超巨乳になる。」
まゆ子「生命維持機能を胸に収めているんだ。」
釈「すごく、ばかみたいです。」

じゅえる「ともかくゲキコクピット内部は色々なものを突っ込んでいるわけだよ。これが非稼動状態でも5人の秘密基地になる。ただの洞窟ではあっても、テレビとかは生きているのさ。」
釈「はい! ゲキコンセントてのはありますか?」
じゅえる「電気の?そりゃあるだろう。水道も。」
まゆ子「まあ、あるね。冷蔵庫とコンピュータは花憐の私物だ。電気が必要となる。水道も蛇口と流し台が小さいのがある。」

じゅえる「深海底にも潜れる、よね?」
まゆ子「ドア開けても水は入って来ませんよ、バリアがあるから。ドア開けて深海中で釣りも出来ます。」

釈「やはりトイレは作りましょう。必要は無くても、あるんです。」
じゅえる「うん、なんかひつような気がしてきた。5人もがやがや騒いでばかりじゃなく、一人だけ孤立して閉じこもりたい時は、トイレに逃げ込むんだ。」
まゆ子「かなり切実なはなしだな、なるほどそういう事であればゲキトイレも付けよう。だがエロスーツを付けている限りは本来必要はないし生理の始末も要らない。でも何故かあるのがゲキトイレね。機能もちゃんとある。」
釈「ここは宇宙と繋がっている事にしましょう。危険物体がコクピットに入り込んで居た場合、ここから外部に投棄も出来るんです。」
まゆ子「あーそういう手もあるか。うん分かった採用ー。地球上に有る時は異次元に繋がっていて、宇宙人を棄てる事もできるってね。」
じゅえる「べんりべんり。」

まゆ子「あーとはないかな、必要な家電品。電話はケイタイがあるし洗濯機はあるし、」

じゅえる「電話がある、というのは悪くないな。敵性宇宙人と直接対話をする際には、これを使うんだ。あるいはゲキ本体と会話する時も、これを必要とする。」
釈「ゲキはただのロボットではないんですか?」
まゆ子「ロボットであり喋らないけどさあ、知性が無いわけではない。そうだねえ、最終回でゲキを辞める時も、電話を使ってゲキと会話するというシーンは絵になる。では、なにか特殊な機能を発現させる時、特に時間移動をする時にはこの電話が必要ということにするか。ゲキが向うに居る、と彼女達は思っている。」
じゅえる「結構悪くないアイテムだ、それ。」
釈「ホラーにも使えます。グッドあいてむです。」
まゆ子「うむ、ゲキの反乱とかいうシチュエーションでも使える。創作意欲が沸いて来るね。」

 

じゅえる「内部はそんなもんだろうけど、外部に彼女達が利用可能なオプションて無いのかな?」
釈「いや、下りた時は自力で戦いますから、必要無いでしょう。」
まゆ子「原則としてはそうだ。でも武器とか必要な場合は、関節の一個とか取り外して武器に変換する、とかは出来るよ。それ以外はー、うーん。」

釈「スコップとかは要りませんかね。」
じゅえる「なんとなく必要そうだけど、使いどころが分からない。」
まゆ子「ゲキはゲキの服でもあるから、人間が作業しなければならない所では、ゲキでも出来るんだよ。だから要らないなあ。」

じゅえる「荷物の運搬は?」
まゆ子「しない。必要なら亜空間に放り込んでドラえもんみたいに運ぶ。あるいはフィールドを展開して小型バスくらいなら空飛んで持っていく。」
釈「必要が有る時にだけ、外部にロープで括りつけることにしましょう。」
じゅえる「そんなもんかね。まあ難民に食糧を供給したりはしないから、いいか。」

まゆ子「あ、それ出来る。ゲキは神話的な機能は幾つも実現可能だ。砂漠の真ん中で天から食糧が降って来る、とか簡単に出来る。」

釈「旧約聖書ですね。砂漠の真ん中でマナが降って来るとか、マナってのは綿菓子みたいなキノコみたいなものだそうですが。一匹の魚がどんどん増える、とかも可能ですか?」
じゅえる「そういや、魔法のランプと思ってる連中が居るんだった。どんどん塩が出て来る石臼とかも、可能なわけだ。」
まゆ子「そういう場合は、ゲキに口が出来てげろげろ吐きますね。水を流し込むとかもそう。」

じゅえる「アラジンの魔法のランプみたいに、一夜にして宮殿を作るとかもできる、ってことだよ。じゃあ特に外部オプションは要らないね。」
釈「申し訳程度に電話ボックスくらいは付けておきましょう。内臓電話が外からでも使えるということで。外の人がこれでゲキの中の彼女達に電話する、とかも有りです。」

 

まゆ子「電話ってべんりいいな。」
じゅえる「エロスーツにも電話付けとこうか。ゲキを呼び出す為の専用電話。」
まゆ子「面白いけれど面白過ぎる。電話で支援砲撃要請とかするわけだよ。」
釈「コンバットみたいなものですね。」

じゅえる「いっそのことさ、これを使って超能力を発揮する、というのはどうだろう。エロスーツの首の後ろ辺りに電話があってさ、これで話をすると超能力が起こる。」
まゆ子「ちょっとよく分かんない。」
釈「命令すると、現象が起きるとかですか。」

じゅえる「鳩保の場合は至極簡単だ。地元の権力者にまじで電話掛けちゃう。すると相手がどうしても従わざるを得ないんだ。抵抗するけれどさ、段々説得されていくんだよ。」
まゆ子「ほー、なる。」
釈「プロモーターとしては実に正統な能力の発揮ですね。」
まゆ子「うんまあ、鳩保の能力はビジュアル化が難しいのは確かだ。この小道具を使えば確かに有りだよ。」

じゅえる「花憐の場合はビジョンとして見るだけでなく、電話で耳で聞いて襲撃情報を黒板に書いていく、というのがいいんじゃないかな。馬券のオッズとかウェザーオブザベーションとか株価の電信とかみたいに、ずらずらずらーっと被害予測情報が読み上げられる。
で喜味子はなぞの物体の解体とか宇宙人のUFOとかのマニュアル情報を電話で聞きながら作業をする。」

まゆ子「童稔は電話要らないけどね。」
釈「いやそうでもありませんよ。非人間型宇宙人との交渉とかの際には、獣と関係のある彼女はなんらかの作用を持つべきでしょう。動物語翻訳機能があってしかるべきです。」
じゅえる「なるほど、非人間であっても交渉は可能か。それは盲点だったな。」
まゆ子「うん。」

じゅえる「だが物辺優子には要らない。」
釈「要らないというか、間違い電話が掛って来るとかですね。小道具としては大いに有りです。」

まゆ子「いや、ミスシャクティから掛って来るというのはどうだろう。彼女達を見守る存在があるというのを、優子だけは知っているという設定は悪くない。」
じゅえる「うーん、それは悪くないが超能力としてはどうなんだろねえ。」
釈「物部優子はエネルギーを操りますから、そこに絡めるというのは。電話を通じてエネルギーの伝達を行うとか。」

まゆ子「ここはギャグでいいとは思うんだ。別に小道具無しでも彼女はエネルギー出せるからさ。」
じゅえる「やはりミスシャクティとかAWOとか、彼女しか知らない相手と会話するというのがいいか。誰と話しているのだろうと他の4人が不審に思うって。」
釈「そんなもんですか。」
まゆ子「たまに、ラーメン屋の出前を呼び出す、と。」
じゅえる「うん、そんな感じ。」

釈「しかし、そんなおめでたい機能が有るのならば、受話器にもっと小細工をしたいですね。」
まゆ子「そうだねえ。喜味子の場合は受話器を突き付けると物体の正体を識別するとかで、その後マニュアル情報が流れて来る、と。
優子はやはりエネルギーの伝達はデフォルトで有りにしよう。鳩保とペアで凄い砲撃をするんだよ。鳩保の首の後ろの電話がじりりんと鳴って、優子の声で「エネルギー充填120パーセント」とか伝えて来る。」
じゅえる「童稔は受話器で宇宙人ぶん殴ると翻訳機能が働き出すというのはいかがです。鳩保はもっぱら優子のでいいとして。花憐は?」

釈「拡声器、にしますか。天から声が神がお告げを下すように聞こえて来て、周辺住民に知らしめるんですよ。奇蹟アイテムです。」
じゅえる「悪くない。予言をする人間には不可欠だ、それ。」
釈「天使の家系、ですからね。」

まゆ子「うん、いい感じになってきた。5人の相互の通信機能としてもそれはふさわしい。」
じゅえる「でもでっかい受話器が必要というのは、いかにもレトロっぽいな。」
釈「いいんじゃないですか、不便な方が人の目に留まり易い。しかも彼女達はそれぞれちゃんとケイタイも持っている。で、ケイタイの方がずっと便利だったりもするんです。」

まゆ子「うん、その絵は悪くない。」

じゅえる「その他の小道具は、腰の後ろにでもセットするとして。鳩保は銃、優子は剣は掌から出るんだっけ。」
釈「童稔がガンダムハンマーです。喜味子は工具セットですかね。花憐はー、」
まゆ子「情報端末、というかニンテンドウDSだ。」
じゅえる「それちょっとバカっぽい。」

まゆ子「で、この電話は通常の私服制服の時でも任意に取り出せて使用可能なんだ。どこにしまってるか分からないんだけど、首の後ろに手を回すと受話器が取れる。ダイヤルは無い、交換手のゲキに通話先を伝えると勝手に繋がる。」
じゅえる「通常の電話回線には繋がらないんだけどね。」

まゆ子「まとめましょ。

鳩保→頭脳労働で考えさせられる:      受話器で地元有力者に直接通話、言う事を強制的に聞かせる/物辺からのエネルギー伝達で大火力射撃
物辺→ゲキ出動後は疲労して寝込む:    受話器でミスシャクティとかAWOとかと直接通話して、4人の知らないコネを持つ/鳩保に電話でエネルギーを送り攻撃
花憐→宇宙人情報がひっきりなしに降って来てノイローゼ気味: 受話器から宇宙人被害予測情報の詳細を聞く/周辺住民に天からのお告げを伝える事が出来る
童稔→ゲキロボ活動中に頑張ると筋肉痛: 受話器で宇宙人や鳥獣を叩くと、その言葉を理解し会話出来るようになる
喜味子→何故だかいつも怪我をする:    受話器で未知の物体を指し示すと、それに関してのマニュアル情報が聞こえて来て、それに従って処理工作出来る

 

【敵、について(宇宙編)】07/07/10

じゅえる「宇宙からの敵についてだけど、ヒューマノイドタイプってあんまり出さない方がいいとおもうんだ、私。」

釈「そうですねえ、ゲキに無残に虐殺されるだけですから、へたにヒューマノイドだと要らない描写が絡んで来ますね。」
まゆ子「ふーむ、たしかにあんまり出す気は無かったんだけどさ、エルフは出るでしょ。あとサルボロイドを与えたのはヒューマノイドであるべきでしょ。」

じゅえる「これで二つ。もう一個で打ち止めにするか。サルボロイドを与えたのはどんなうちゅうじん? 人間の顔をしている?」
釈「ロボの顔で姿を見せない、というのでも構いませんけど、どうします?メカ宇宙人にしますか、それともまるっきり人間と同じとか。」
まゆ子「…インカ帝国人に絡んで来るんだから、これをジャガー人間にするか、獣の顔を持つ人間。変身も出来てまるっきり人間になるとかも出来る。」

じゅえる「ふーん、定番過ぎてあくびが出るくらいだね。あんまり常識から外れていても困るわけだ。世の中頭の固い人が多いから。」
釈「ジャガー人間は悪くありませんが、ハイテクなところも見せないとなりません。」
じゅえる「おまぬけなところもね。」

まゆ子「では、ジャガーの頭が妙に大きいとか。着ぐるみのような大きさの頭を持つ宇宙人、もちろんこれは宇宙服の一部なんだけど、ジャガーなんだ。」
じゅえる「いやそれは、さすがに。いっそネコ星人にするか。逆に頭が極端に小さいんだ。ネコの頭くらい。」
釈「それじゃあ絵になりませんよ。ジャガー人間は却下ですね。」
まゆ子「だが、うーん。人間ぽくてにんげんじゃない、というのはむずかしいな。」
じゅえる「じゃあいっそ単純に三つ目族にするか。」
釈「一つ目ジャガー人間では?」

まゆ子「あーわかったわかった! ネコ耳だ!ネコ耳ネコ目ネコ尻尾人間だ。人間にもちゃんと化けるが、運動能力には秀でている。」
じゅえる「暫定でそんなものでいいか。」

 

釈「もう一つはどうします。これまでとは全く異なるヒューマノイドであるべきでしょう。」

まゆ子「飛頭蛮。」
じゅえる「あたまが飛ぶ奴か。ふむ、OKだよん。」
釈「はや!」

まゆ子「エルフ、ネコ耳人間、飛頭蛮。これでOKね。後はもうデタラメだよ。というか、探査ロボットみたいなものばかりだから、人間っぽくは無いんだよ。ゲキなんかが居る物騒な星に生身の人間を下ろせるか、ってもんだ。」

じゅえる「飛頭蛮ってのは、どういう生物なんだ?」
まゆ子「あー頭だけで生きている生き物で、胴体は別の生物の身体。襲って頭を齧り落として、乗っ取ってしまう。こいつらは地球人の身体を乗っ取る事も出来る、寄生生物だ。コウモリの翼と触手も持っている。」
釈「化け物でございますね。」
じゅえる「だが顔形は美しい。並みの芸能人だと負けてしまうくらいの美人ばっかりだ。」

釈「こいつらの目的はやっぱり、人間の身体の奪取ですか?」
まゆ子「それもある。だが、自分とこの星で需要は満たされてるから、同じ種類の生き物だという事で興味は惹かれるけれど、それほどでもない。やっぱゲキが目的だな。」
釈「学園宇宙人SFに出て来るのですから、そのくらいベタでいいですかね。もう少し、なにか?」

じゅえる「ではこうしよう。飛頭蛮の星には鳥が居ない。だから不用意に無警戒に飛んでると、地球では烏に突かれるのだ。てなわけで地球へはこの恐ろしい化け物を絶滅させようとやってくる。」
まゆ子「にんげん、かんけいなし?」
釈「いやそれは、…いいのかな?」
じゅえる「目的が人間である必要も無いでしょ。」
まゆ子「はあ。」
釈「では、烏絶滅の為にやってきた宇宙人、と。いいのかな?」
まゆ子じゃあ、この宇宙人は喜味子の家の鶏にも突かれる、と。」

 

じゅえる「こういう宇宙人に対応する為に鳩保達はどういう攻撃をするんだ。武器は、ゲキシューターだけ?」
釈「ひとりひとりに別の武器を与えるべきだと私は思います。」

まゆ子「うーん、まず鳩保がゲキシューター、光線銃だね。優子が掌から剣を出す。というか全身エネルギー兵器だ、バリアも展開できる。童稔も全身兇器であるけど、特に選択してガンダムハンマーを取り出せる。これは小さいのを手首に巻いていて、使う時大きくなるという事にしよう。喜味子は無い。」

釈「喜味子は何故です?」
まゆ子「宇宙人をくびり殺すから。手で首をひねるんだよ。」
じゅえる「それは斬新だな。」

まゆ子「えー花憐は超高速が使えるのだけど、鈍器も銃器も刃物もあるから、電気かな。」
じゅえる「どういう具合につかうかが問題だ。スピードに関係する武器でないと。ライトニングボルトでいいか。」
釈「体当たりではダメですかね。高速であれば普通にそうなりますよ。」

まゆ子「うーん、実は花憐には情報端末とか持たそうとか思ってるんだ、ニンテンドウDSみたいなの。宇宙人襲撃情報を自分で打ち込んでるんだよ。」
じゅえる「まあ、描き分けは出来るよね。でも戦闘の時にそれはー、…まあひとりくらい臆病な奴が居る方がいいか。」
釈「それはたしかにそうですねえ。宇宙人と素直に戦えというのも、無理がありますか。」

じゅえる「喜味子も本来戦わないタイプだしねえ。て、なんで喜味子は戦うんだ?」
まゆ子「あ、喜味子も戦わない。ただ小さいすばしっこい宇宙人を捕まえろと言われたら、やるしかない。ネズミからウサギくらいの大きさの宇宙人を素手で捕まえますね。喜味子の場合、捕まえても手にバリアみたいなのが出ますから、大丈夫。うーん、こいうのの場合、高速の花憐が追い込んで喜味子が捕まえる、ってのだな。小物専門。」

釈「では中くらいから大きいのは、鳩保達に任せるという事にしますか。」
じゅえる「人間タイプの場合、童稔のガンダムハンマーだね。」

 

釈「しかし、人間の被害が出ると言っても、どういう具合に人が死ぬんですか。食べるんですかね。」
じゅえる「そりゃ色々と有るだろういろいろ。でも、この面子の能力でケリがつくものかな。」
まゆ子「いや、ダメならゲキロボ呼べばいいんだが、まあ大丈夫。つまり、ゲキロボで地球中のどこにでも出張して、ゲキロボから下りて攻撃するという形でもいいし、乗ったままでもいい。」

じゅえる「それじゃあ、個人スーツがちゃんとしてないとダメだな。パワードスーツ並みの能力があるってことか。」
釈「移動能力もかなりのものが無いと困りますね。空くらいは飛べないと、迷子になっちゃいます。破壊力もそれなりの武器を搭載していないとだめでしょう。」

まゆ子「うーんそうだねえ。スーツを着たら色々武器が付いて来るてのがいいかなあ。しかし、前回漫画でかいたスーツはちょっとやり過ぎたような気もしない。あれじゃあ宇宙服だ。もっとエロで露出の多い、裸同然のスーパーヒロインスーツが必要だろう。」
じゅえる「まあセーラームーンやプリキュア並の能力は必要だね。」
釈「でもああいうのは機動力ありませんよ。」
まゆ子「やり過ぎるとゲキロボが要らなくなるんだよ。そこで困ってる。むしろ普通の服でも着ていた方がいいくらいだ。」

じゅえる「自分達でてきとーにスーツをこしらえるかね。でもそれじゃあ、エロくはならないか。」
まゆ子「自分達でも色々やってみるが、ストリップポーカーで剥ぎ取られて、最後の一枚が吹っ飛ぶとエロスーツ出現、て事にするか。」
釈「じゃあ、剣道の防具みたいなものをこしらえる事にしましょう。武器も自前で持ち込むとか。」
じゅえる「角材とかエアガンとかか。」

釈「いえ、そこは科学部のまゆ子先輩がこしらえたというのを鳩保が持って来るんです。新兵器です!」
じゅえる「ほら!」
まゆ子「なんだよ。」
釈「じゃあ、まゆ子先輩が設計した、ボディアーマーとかも着けときましょうか。出来ますよね。」
まゆ子「できるけどね。」

じゅえる「ただ、そのアーマーとか武器は、人間に対しても使われるんだよね。どうしよう、殺傷兵器でいいのかな。」
まゆ子「宇宙人相手だと威力が異常に増す事にしてもいい。なんか指輪かのアイテムがぴかっと光る事にしよう。それでゲキの力発動だ。」

釈「一般の人間の悪い奴、くらいには余裕で数十人ぶちのめす能力は必要でしょうね、やっぱり。」
じゅえる「花憐とか喜味子は、その使い方が下手なんだ。要領がよく分からなくてぶっ飛ばせない。ただ、逆に手加減が効かなくてぶっ殺してしまう事もある。」
釈「うわあ、さつじんきですよ。」
じゅえる「やっぱ、かなりピンチな状態にならないと絵にならないよね。かなりハードな奴に。」

まゆ子「そこんとこは、描いてみないと分かんないな。グロは簡単なんだけどさあ、桐子の話で結構グロは描いたからさ。」
釈「花憐なんか脅され易いですからねえ、男の人というかヤクザには至極弱いです。」
じゅえる「強い女の子なんかないけどさあ。弥生ちゃんは別かも知れないけど。

 

 そういやあ、治癒能力てのは誰も持ってないの?」
まゆ子「喜味子はできますよ。ま、オートで動くんだけど。」
釈「不思議治療ですか?」
まゆ子「傷口にゲキマイクロマシンをねじ込むとかの乱暴なものだけど、かなりよく効く。毒物とかは口の中に押し込むし、まあかなりやばいのには違いない。」

じゅえる「ダメージを受けて吹き飛んだ衣服はどうなるのかな? ゲキが修復してくれるのかな、やっぱ。」
釈「それじゃあプリキュアですよ。周辺ダメージが戦闘終了で回復するなんて。」
まゆ子「あー、周辺地域への被害は回復しないけれど、重要な施設等であれば喜味子が直す。5人の吹っ飛んだ衣服も直す。というか、ゲキの内部に洗濯機があり、そこに衣服の切れ端を入れるとぐるんぐるん50分くらい回して復元してくれる。その間は裸でうろついて居てください。」
じゅえる「むしろ不便だろ、それ。」

 

まゆ子「で、宇宙人襲来情報を花憐が得て、出動するわけだ。どういうシチュエーションが欲しい?」

じゅえる「こういう話では定番なんだけど、あの手この手でシチュエーションを変える衣装も変えるキャラもゲストが登場する、というのは物辺村では違うよね?」
釈「やって悪いとは言いませんが、ちょっと空気が違いますかね? やはり面白おかしく描きたいものです。そもそもがエロ漫画なんですから。」
じゅえる「エロ漫画ならレイプされても仕方ない。」

まゆ子「うーん、難しいねえバランスが。宇宙人退治に行くよりも、現地に居る地元民との接触の方が問題だ。日本国内なら問題ないんだけどさあ、歌舞伎町とかにゲキで下りるとかいう話も考えられるしねえ。」
じゅえる「戦争の真っ只中に下りるとかもあるわけだよ。あるいはブラジルみたいに誘拐されたりとかアフリカの内戦虐殺の真っ只中とか、イラクの爆弾マーケットなんかもさ。」
まゆ子「わざわざそんなとこ選んで下りなくてもいいじゃん。」

釈「でもプレデターみたいに人死にが盛んに起きている所を選んで宇宙人は出るんじゃないですかねえ。」
じゅえる「あーそりゃ理屈だね。10人100人死んでもおかしくない所に出てるんだ。」
まゆ子「となると、諸悪をひっくるめて退治しなきゃいけないかな? あーめんどくさい。そこまで描く気は無いぞ。」

釈「ここでプロモーター因子が発動するんですよ。なにか、現地の人を従わせる王としての威厳というものが発動して、鳩保の言う事を良く聞くと、」
じゅえる「逆に騒ぎに火を点ける事になりかねない。だがプロモーター因子が関与するのは間違い無い話だね。」

まゆ子「そういう風に使うのか、それは考えてなかったな。じゃあ地元ヤクザとか軍閥とかにいきなり脅しを掛けるかな。ゲキの力を誇示して。」

じゅえる「弥生ちゃんとは別の印象を与えなきゃいけないから、大声で黙らせるとかはダメだ。いかにも神秘的な作用があると良いのだが、ヤクザ者相手にするんだからねえ。」
釈「現地の親玉に時限爆弾でも撃ち込みますか。それなら簡単に出来るでしょう。」
まゆ子「口でだまくらかすのがやりたいんだけどねえ、そうもいかないか。あーそう鳩保は運が良かったんだ。現地についたらいきなりトラブルに見舞われ、それが現地の親玉の関係者だったり本人だったり敵対勢力だったりして、どうしようもなく関与してしまうんだよ。」

じゅえる「そんな感じかなあ。鳩保に関しては。花憐はそいうのは無いけど、そこはいい人とか悪い人とかNWOの廻し者に助けられてドラマが生まれるということで。」
釈「鳩保が超能力だけ、というのも芸がありませんから、ちゃんと人間力で勝負するとか鯉に墜ちるとかも描いてあげるべきではないでしょうかね。」

じゅえる「人によってさまざま対応があるってことか。うーん、でも5人が別々に行動するとか役割分担で一人で出向いていく、とかは無しにしよう。こいつらはあくまでゲキ+5人が基本。」
まゆ子「そのくらい臆病な方が現実味があるか。で、一人二人学校の用事とかで欠けるんだ。」
釈「そうですね、やばいと思ったら迷わずゲキロボ大暴れですよ。」

 

じゅえる「えーと話を戻すと、エルフ宇宙人は敵対的行動は取らない。ネコ耳宇宙人はインカ帝国残党を使役して当面の悪の親玉中ボスくらいなもんだ、頻繁に戦闘を仕掛けて来る。飛頭蛮はにんげんは相手にする気はないが、鳥を殺されてはかなわないから5人から仕掛ける。

なんか足りないね。」
釈「中ボスの前には小ボスが必要です。」
まゆ子「違いない。サルボロイドが強力な敵として鮮烈デビューするとなれば、その前に雑魚敵を軽くやっつけて、ちょっと強いのもクリアする、という手順が必要。そのちょっと強いのだね。」

釈「話の定石を辿れば、ゲキ登場・5人契約→雑魚敵掃討→小ボス登場→武装強化で討滅(エロスーツ誕生)→サルボロイド登場、強力さをアピール→AWO続々登場→学園潜入開始。という感じではないかと。」
じゅえる「定石ではね。」

まゆ子「じゃあ小ボス敵は光学迷彩を用いる人型宇宙人でプレデターみたいなの、人間を襲って生血を吸う。その実体は空中を飛ぶクラゲみたいなもので、電気を発して攻撃もする。光学迷彩ではなく、元から身体が透明なのだ。」

じゅえる「人型?」
まゆ子「人型クラゲ。手足のように見えるものにその機能は無い。あくまでクラゲ。」
釈「知性はあるのですか?」
まゆ子「それがあるから不思議。人間狩りをするくらいには知能はある。小ボスというくらいだからかなり強いのはたしかで、急造の鎧くらいじゃあまるでダメでストリップさせられちゃう。」

じゅえる「武器ももっているかな? これでも宇宙人だから、そのくらいはあるか。」
釈「毒針を発射する、とかはあるかもしれません。毒で相手を麻痺させるんですけれど、軽く戦車砲並みの威力と貫通力がある、と。」
まゆ子「麻痺する暇無いじゃん!」

じゅえる「うんいいぞ、地球の軍隊ではちょっと手に負いかねるというのは、重要な特性だ。防御力もそれなりに強化しておこう。通常の銃弾くらいでは傷もつかないとかだね。」

まゆ子「ではクラゲには大きいのと小さいのが居て、小さいのは人間サイズ、大きいのは戦車くらいの大きさで人間の体液タンクになっていてかなり丈夫。ミサイルも受け付けない、としよう。小さいのはがんばれば普通の人間が工夫してなんとかなるくらいの強さにしておけば、作劇上便利。人間の英雄が現われる余地となる。」
釈「コックが厨房で撃退する、くらいは有りにしましょう。」
じゅえる「そのくらいの強さね。うん了解。」

釈「そのクラゲ、UFOは持っているんですか?」
まゆ子「宇宙人だからねえ、そりゃあ持ってるだろう。けっこう大きな直径1キロくらいの奴。ゲキロボで軽く撃破だよ。」
じゅえる「撃破の快感を忘れてはいけないからね。」
釈「それはかなり派手に暴れて、人間界でもニュースになる、というのがいいですね。ちょっとくらい世間にバレるくらいがやりがいがありますよ。」
まゆ子「了解りょうかい。」

 

じゅえる「だが、その小ボスと同じくらいに、人間的な敵キャラ宇宙人の登場、というのが定石的に必要ではないかな。AWOの存在はあくまで影であって、正面からぶつかるのは宇宙人という図式を崩すべきではない。」

まゆ子「飛頭蛮って、小ボス? 中ボス?」
釈「図式的には、どちらでもないと考える方が。クラゲ星人をやっつけた後でもクラゲは何度でも懲りずに現われる。中ボスサルボロイドはなかなかクリア出来ないけれど、同時にまったく別の方向からやってきた敵性宇宙人として現われる。こういうのではないでしょうかね。」

じゅえる「飛頭蛮はむしろ、かなり人間的なキャラなんだよ。戦いを避けはしないが、話し合いもする。自分達を平和的なうちゅうじんだ、とかも言ったりする。」
まゆ子「混ぜっ返しが役目、というわけか。人間ではなく鳥が目標の連中だから、それはそんな感じかねえ。美人だし、出所は色々あるか。」

 

じゅえる「じゃあ、サルボロイド以前、クラゲ星人以前にも、一度ヒューマノイドを倒しておかねばならないね。アンドロイドか。」
釈「定番ですかね。殺人アンドロイドです。人類の知識ではこれがなんで動いているのか分からない、妙な機構を持ったロボットです。」

まゆ子「魚肉ソーセージみたいなもので構成されるロボットだ。ただし知性はある。というか、絃学的な台詞を弄び5人を翻弄するけれど、実は自分の頭では何も考えてない、という喋り方をする奴。人を殺すのも芸術だ、とか言うけれど、実はなんだかよくわからない理由で動いているだけ。というか故障中で、5人がやっつけると宇宙人のサービスマンが「えらいすいませんご迷惑をおかけしました」とか言って回収に来て、お詫びに手拭いを置いていく、くらいの代物だ。」

じゅえる「家電製品の回収だな。皆様にお詫び申し上げます、てのだ。」
釈「じゃあそれは、セクサロイドにしましょう。人間の権力者に売りつけたんですよ、オモチャとして。」
じゅえる「うん、宇宙人の勢力がどこまで人間社会に浸透しているか、を表現するのにちょうどいい話、ってわけだ。」

釈「で、このセクサロイドをぶち壊すのはどなたが?」
じゅえる「撃ち殺す斬り殺す殴り殺すくびり殺す、どうしよう、むしろ花憐が戦闘力の切れ端を見せるというのがいいかな。」

まゆ子「鳩保物辺童は最初から武器を持っているから、ちゃんとひとごろしもしている。その前回では、小さめの宇宙人を喜味子が素手で〆ている。となると、一番めんどくさそうなものを花憐が殺すのは、常道でもあるし表現の自由を増すのにもいいかな。超高速で跳ね飛ばしてしまおう。」

釈「それで死にますかね?」
じゅえる「それで死ぬ程度の柔なロボットだったんだよ、魚肉ソーセージ製だから。身体が半分に千切れて内臓が散乱する、とかだな。明らかに人間とは違う臓器が入っている。」

まゆ子「その状態でも喋るんだよ。花憐に精神的なダメージを与える。だがそこに登場するのが、宇宙人のサービスマン。ロボットが喋って居たのは顧客が要求したカスタマイズで、単にてんぷれで喋ってるに過ぎない。その方が人間が食いついて来る、と計算上のものなんですよお、とか解説してくれて5人はぽかあーんとしてしまう。というお話。」
釈「そんなもんですね。魚肉ソーセージごときに騙される方が悪いんだ。」

じゅえる「この魚肉ソーセージ、実はNWOの内部にも入り込んで居て、ミスシャクティに破壊される事にもしよう。使えるものならば我慢もするけれど、賢しこぶってバカな真似ばかりする粗悪品だ、って。」
まゆ子「そんなに広く行き渡ってるもんなんだ。そのサービスマン宇宙人て結構やり手だな。」
釈「人間社会で一番高く売れるのは、やはり人間ってことですかね。」

 

まゆ子「てなわけで、地上に出て来る宇宙人、前半はこんなもん。次は大宇宙を駆ける巨大な悪の宇宙船だな。」

 

 

【敵、について(地上編)】07/07/07

まゆ子「突然だが、エルフを出したい。」
釈「はあ。」

じゅえる「敵性宇宙人で? それはまあ、とうぜん女の子の敵が出るのは定石だし耳長は宇宙人の定番であるから、かまわんのだが。しかし何故?」

まゆ子「宇宙人と地球人の二種類の敵がある、と言ったのは覚えているね。物辺村の連中とNWOに対抗する、彼ら以前からゲキに関わって来た勢力がある。」
釈「それは理解しますが、どのくらい前から敵が居る事にしますか?」

まゆ子「紀元前。しかも複数回ゲキは出現し、まったく独立した勢力によって使役され、滅びており、その残滓が残っている。」

じゅえる「何故彼らはゲキを失ったの?」
まゆ子「ゲキの操縦者は世襲で資格を受継ぐが、そのシステムへの理解が足りなかった。」

釈「制限があるんですか、ゲキの因子継承には。」
まゆ子「簡単な制限でいうと、ゲキから何世代も遠ざかっていると、自然にリセットされる。」
じゅえる「それはまあ、当然だね。その世代数は?」

まゆ子「ゲキに搭乗して動かした経験の有る者を第一世代とすると、子の代はまったく問題なく動かせる。子の代に触らずに孫が触ってもちゃんと動く。だが子・孫が触らずに曽孫が触った場合は誰かゲキを動かす事の出来る者の手解きが無いと発現しない。第5世代つまり玄孫の代だと動かせない。」

釈「しかし、それは十分な時間的余裕があると思いますが、その間に補完出来なかったのですか。」
まゆ子「もう一つ、いやな制限があるんだ。異なるゲキの因子を持つ者同士が婚姻して生まれた子には、ゲキを動かす事が出来ずまったくの無縁にリセットされる。」
じゅえる「ほお、それは意外。」
釈「因子保有者同士が血縁関係を深めるというのは、ダメなんですか。」

まゆ子「まだあるんだ。この因子保有者というのは、ゲキを動かせない玄孫以下第7世代にまで適用される。つまりまったく関係の無いと思われる者でもついうっかり引っ掛かってキャンセルされてしまうんだ。」

じゅえる「第7世代となると、えーと6回結婚するわけだから二人ずつ子供を産むとして64人か。」
釈「それが5人の因子分ですから、320人です。で、自分と同じ因子の組は良いとしても、256人と結婚してはならない。」

まゆ子「ゲキの力の行使者となれば、それは国の支配者特権階級だ。彼らはゲキの力によって高位を占めるが、その為に結婚出来る者の枠が狭まるという話だね。婚姻によって血族の契りを深める度に、ゲキの因子保有者は減っていく。」

 

釈「つまりは厳密な血縁の保持が必要になるわけです。しかし、最初の接触者第1世代はどういう要因で発現を許されたのですか?」
まゆ子「リベレーター因子による、と思えばいい。この因子はゲキが与えるものではなく、ゲキオリジナルの宇宙人由来の遺伝子要素なんだな。地球人皆、というか哺乳類ならどれでも持っている。しかしそれが発現している者はほとんど居ない。ゲキの骸の傍でそれが発現するのはまったくの偶然だ。」

釈「では、物辺優子自身がその要因だったわけですね。」
じゅえる「それは個人の性格とか精神的なものとか、人間的な要因かな?」

まゆ子「星の力、ではないかなあ。うーんと、そうだ。ここでこそエルフの登場だ。リベレーター因子の強弱は個人の遺伝子の組み合わせによるが、その中でも特に発現し易い関係にある者が宇宙人と接触した場合、ゲキの骸を呼ぶ。」

じゅえる「ふむ。極当たり前かつ自然な話だ。宇宙人に出くわしたら、身を護る為に武装を要求するんだね。」

釈「しかし、そのリベレーター因子というのにもう少し裏付けが欲しいですね。おばけが見えるとか。」
まゆ子「おばけはやめよう。因子の発動によっておばけが見えるのはいい、だがおばけが見えるからゲキが発動する、というのはイヤだ。」
じゅえる「淫乱、というのはどうかな。生まれつき、少女時代から淫乱淫蕩な血が流れているとか。」
釈「いや、物辺優子もそこまで頭のおかしいにんげんでは。」
まゆ子「古代の英雄の魂が転生した、とかいうのでは?」
じゅえる「魂とはなんぞや、という話になる。それとも共感子の設定でも持って来る?」
釈「なんですそれ?」

まゆ子「いや今回は止めよう。つまり、エルフはリベレーター因子を持つ者を探しているんだ。そして、目印がある。」
じゅえる「なんだ簡単じゃないか。エルフにだけ見える特徴がある、オーラが見える、でいいじゃないか。」

釈「それはあれですよ。エルフにも見えない、ゲキにだけ見える。ゲキを構成するマイクロマシンは、地球中をうろついてリベレーター因子保有者を探している。そして見付けると近くで増殖して蟻塚みたいなキノコみたいなものを作り出す。エルフはそれを目印にやってくる。」

じゅえる「ふむ。そんなものか。ではリベレーター因子保有者は知らずの内にゲキのマイクロマシンで遊んで居たりするんだ。妖精だな。」
釈「綺麗にまとまりますね。幼少期妖精と遊んだ者、ですよ。」
まゆ子「フェアリーリングだね。俗に言う。キノコが丸く生えるんだよ。ゲキのキノコが。」

じゅえる「エルフが出て来るのにちょうどいい、というわけだ。してみると、そのエルフはかってのゲキの行使者?」
まゆ子「うーん、宇宙人だからねえ。観察者調査者、或る意味ミスシャクティの商売敵だ。」
釈「なるほど。では知性派の武力をあまり使わない奴ですね。黒幕でもない観察者です。」

じゅえる「つまり、地球の歴史においてゲキの出現を自ら促し、その活躍を陰から見守って来た、というわけだ。」

まゆ子「というわけで、こいつらはゲキの話に欠くことはできないが、活躍はしない。ま、門代高校にひとりくらい生徒として入っているのは、いいかな。」
釈「ミスシャクティの転校に合わせて、こいつもやってくるというのが良いですね。」
まゆ子「長年病欠で留年していた、という触れ込みがいい。さいしょから居た人、なんだ。」

じゅえる「こいつらの武装と超能力、それなりにあるんだろ。ミスシャクティの宇宙船は全長13キロだっけ?」
釈「全長12キロメートル、ブロクレブシュ級時空戦艦ですね。これには勝てるくらいに強いはずです。」
まゆ子「じゃあ、太平洋の深海に存在するアトランティスと呼ばれる宇宙戦艦にしよう。クジラの形をしている、全長15キロの宇宙船。」
じゅえる「ブロクレブシュ級時空戦艦よりも強い?」
まゆ子「おそらくは。でもやらないから分かんない。たぶん1対1では絶対負けない。」

じゅえる「森の住人っぽいから、「3メートルの宇宙人」も連中の手下にしよう。メタルガーディアンだ。」
釈「ロボットですか。ちょっと無粋ですねえ。」

まゆ子「もっとファンタジーっぽいのがいいな、やっぱ。」
じゅえる「ではグリフォン。ワーウルフ。トロル。」

まゆ子「ムーミントロール!」

釈「決まりです。彼らはムーミンをガーディアンとして使うのです。」
じゅえる「著作権だいじょうぶかいな。(あ、ちなみにまゆ子の中学時代のあだ名はフローレンです。ムーミンのガールフレンドの。)」

 

釈「となると、邪悪はまた別に居るわけです。人間の歴史上にそのエルフが長年関わって来たとなると、10くらいは秘密結社がありますね。」

まゆ子「ゲキの骸は前にも書いたと思うけど、「家」であり「衣服」であり「乗り物」だ。どちらも中に人が入る為の空洞がある。よって、彼らは皆シンボルとして空洞のある物体を崇める。」
釈「わかりました!聖櫃とか聖なる祠とか聖杯とか、そういうのですね。」
じゅえる「なる。パンドラの筺とか天之岩戸とかノアの方舟、空飛ぶひょうたん等々、伝説上で空っぽのものというのはいくらでもある。それら全部をゲキの仕業にするんだね。」

まゆ子「こいう話にはたいがい特別な家系や血筋が関与する。最近の例で言えば、ダ・ヴィンチコードだね。聖杯をマグダラのマリアの血筋とする。」
釈「いかにもなはなしになります。そうか、それらは全部、ゲキの因子保有者として捉えるわけですね。」
じゅえる「特にプロモーターの血筋だ。王の血筋なんだよ。」

まゆ子「これらをひっくるめて、AWOと呼ぼう。”Ancient World Orders”だ。彼らは当然のようにゲキの力を我が物と考え、奪取しようと働き掛ける。これに対抗するのがNWO。ただしNWOの主要メンバーの中にもAWOの関係者が居る。居るのだが、目の前にある本物と伝説の彼方の幻と、どちらを優先するかは言うまでもない。ただまあ、それなりの危険とコストは伴うわけだ。」

釈「ではそれは5人の家系の成立にヤバい話になりますね。なんせWASPはキリスト教を母体とするし、花憐の王女さまはまるっきりAWOだし、童稔の嫁ぎ先もまったくにそれですから。」
じゅえる「物辺優子は神社の生まれだから、そうだろ。そうか、今回の発現もAWOとまるっきり関係無いわけでもないんだ。」

まゆ子「ま、そういうことだね。物辺村のゲキは1000年の歴史がある。千年前の発現を受けて作られた旧来の家系と秩序がある。だがー、AWOはゲキの発現と共に何度も更新しており、その度に旧来の秩序は滅ぼされて来たとも言える。乗り損ねた者達が支配権を獲得しようとあがき害を及ぼすのが、つまり敵対者としてのAWOだ。」

釈「3メートルのロボットはここで使いましょう。AWOの刺客の一つなのです。」

まゆ子「ちなみに、千年前物辺神社が出来た時、それ以前からこの地を統べる碓井家、碓井神社と揉めて居ます。さらに400年ほど前、衣川家がこの地に封じられた時にもやはり碓井家は揉め事を起こし、ゲキの腕を用いて乱を起こしています。これなんかもやはりその当時のAWOの抵抗と考えられますかね。」
じゅえる「衣川家伝一刀流の縁起話だね。」

まゆ子「で、碓井小夜子さんというおねえさんが居るわけです。しるくのお姉さん的存在として。」
釈「その人も関係するという事ですかね。」
じゅえる「必要があればね。」

 

まゆ子「話を戻そう。つまりAWOはゲキの与える因子の内、人間的に作用する超能力を主に利用して人間社会での成功を勝ち得てきた。ゲキの骸はこの場合、単なる宗教儀式の場、超能力の発現を引き出す装置として用いられる。飛ばなくても起動すれば能力を獲得出来るという事だね。

 そして大概の場合、その家系は数世代で能力を失う。何故ならば権力は独占されるべきものだからだ。5人がゲキの発動には必要だが、一度発動したゲキに5人は必要無い。誰が王になるかで争いが起り、互いに殺し合うのがお決まりの結末だ。
 これは大体、最終戦争と呼ばれている。ハルマゲドンだね。超能力者同士の戦いだから、まさにそう。特に、それ以前のAWOが関与または加勢する場合、戦いは悲惨なものになる。十字軍なんかはその最たるものだね。」

じゅえる「では今回の発動は非常に幸運なものだったんだ。」
釈「というよりも、ミスシャクティの関与が今回初めて有るのですよ。」

まゆ子「その理由は簡単だ。この21世紀の活躍が一番派手で大きかった。何故かはもっと簡単。物辺村の連中はゲキを神さまと考えずにロボットと考えて、正義の味方として使ったからだ。これを使って現実社会に覇を唱えようとか、乱れた世を正し人を救おうとか考えなかった。その代わりに恒星間宇宙に飛び出して地球を救おうと考えた。ま、時代が彼女達を救ったってわけだね。」
じゅえる「昔の人間には理解のしようも無いからね、そういうのは。」

釈「で、外宇宙に飛び出すからには彼女らの戦いも大袈裟なものになり、ミスシャクティの関与も必要となり、ゲキが自らの時空改変能力を使用して改変の手段としてミスシャクティと時空戦艦を呼んだ、ってわけです。」

じゅえる「宇宙人は大中小ありとあらゆる形状が考えられでたらめな能力を設定出来るわけなんだけど、
それはまあ良いとして人間側だね。設定すべきなのは。人間側の最強の敵というのは、やはりAWOということになるのかな。でもゲキの前にはまるっきり勝てないよね。」

まゆ子「そりゃやっぱり、宇宙人と手を組んだ売国奴が出て来るんじゃないかな。と言っても、地球の大国はすべてNWOに参加してるんだけどさあ。」
釈「NWOを破壊して、ゲキを手中に収めようという策謀はあるんじゃないですかねえ。やはり。」
じゅえる「ユダヤ資本の陰謀だ!」
まゆ子「うーん、まあそのくらいの敵は持って来ないと説得力が無いなあ。」

釈「人間側にも凄い超能力が無いと、やはりかっこうが付きませんよ。せめてロボットか、超生命体を使役するとか、吸血鬼くらいは。」
じゅえる「吸血鬼は良いな。ゲキの起動資格は失ったけど、超能力だけは維持する特別な方法がある、とかはいいんじゃない?」

まゆ子「ふうむ。だが血を吸ったくらいじゃねー。」
じゅえる「宇宙人の血を吸うのはどうかな。なんか精力絶倫になりそうじゃない。」
釈「ロボットを動かす為には宇宙人の血が要る、とかですかねえ。燃料として。」

まゆ子「でもやはり、ゲキの残滓であるべきだから。不老長寿にするか。活ける屍と成り果てた第1世代のゲキ搭乗者を使役する吸血教団。突かれても撃たれても死ねないでゲキのマイクロマシンが勝手に人体を修復し、意識の無いゾンビ状態のその人を動かしている。意志となるのは使役者でその人の血族。超能力を保ち続ける為に、第1世代が死を拒絶した。」
じゅえる「それも一つ入れておこう。」
釈「悪くはありませんね、わるくは。」

まゆ子「やっぱ吸血鬼らしい吸血鬼が欲しいわけね? えーとじゃあ、空を飛ぶ?」
じゅえる「それはナビゲーターの因子からなんとかなるんじゃない?」
まゆ子「なる。しかしコウモリに化けるというのは。」

釈「立体映像でいいんじゃないでしょうか。ただの立体映像だけど、触ると傷付く。人に危害を加えられる。でもいかなる攻撃も受け付けない。」
じゅえる「映像投影装置があるんだ。ゲキの部品の一個だな。宝具だろう、それ。」
まゆ子「ふむ、なんらかの形でゲキの能力を封じ込めた器物というのが作られるというのは自然な話だ。それは喜味子の”操作者”の因子だな。」
じゅえる「魔術的にいうと、錬金術師の家系てことか。」

 

釈「”王の家系”、”聖者の家系”、”天使の家系”、”英雄の家系”、”錬金術師の家系”というかんじですかね。」

じゅえる「どの家系が生き残ったかで、そのAWOの性格が決まる。秘密のパワーの性質も決まる。」
まゆ子「なんらかの操作によって、本来うしなわれるべき因子が遺伝子に組み込まれる、という事にするか。かなりおぞましい方法で。」

じゅえる「近親相姦だ!」
釈「なるほど、そういう可能性は否定出来ません。第1世代によって因子を受継ぐ我が子に自らの子を生ませる事で、因子継承がループするんです。」

じゅえる「しかし待てよ? そんなに難しいものならば、鳩保達の家系はよく存続出来るな?」
まゆ子「ゲキを起動状態で保存したからだよ。通常任務を終えたら、ゲキは分解されるものだ。一度ぶっ壊したら因子が5人集まらないと再生出来ない。最初の一回は因子を与える手続きがリベレーターから与えられるけれど、それ以降は5人揃うという条件が必要なんだ。」

釈「一世代に一回きり、の手続きですか。」

まゆ子「リベレーター解放者の存在自体がまず珍しい。宇宙人が歩きで探すほど難しい。それを発動させる条件は宇宙人に遭遇する事だけど、一度発動させればエルフはもう来る必要が無い。だから二度目の発動はほぼ無いに等しい。敵が無ければゲキの骸は自ら立ち上がろうとは思わない。だから通常一世代に一回きりでまったく問題は無い。」

じゅえる「もうちょっと、因子消失の条件を厳しくしようよ。なにかもっと、決定的な奴。」
まゆ子「じゃあ、因子が一個でも失われると、ゲキ自体が縮退モードに入る、という事にするか。それ以降のゲキ搭乗資格発動を行わない。”神が死んだ状態”になるんだ。」
釈「そうですね。あくまでも5人の因子が存在するという状況においてのみ、それは命を持つというのは、実に納得し易いものです。」

じゅえる「そこで残った因子保有者は超能力を保存する為に禁断の秘法に挑戦する。自然でいいね。」

 

まゆ子「この内、最も失われ易いのが”王の血筋”だ。王としての能力には、超能力らしきものは無いからね。それがゲキによるものだとは、本人全く気付かない。人を従わせ王国を築くというのは、あまりにも自然過ぎる能力だ。己を過信するのも当然だ。だから通常最初に能力を失う。あるいは逆に、他の因子所有者を殺してしまう。」

釈「”英雄の家系”も戦場で死にますね?」
じゅえる「死ぬだろうね。」
まゆ子「英雄色を好む、で隠れ因子保有者に子供を産ませてしまうんだよ。ま、誰が家系であるかは厳密に管理してないと分からないから。」

じゅえる「”聖者の家系”リベレーターは、あれでしょ? ゲキの骸を壊してしまう。」
まゆ子「うん。粗略に扱われて腹が立って、認証に必要なゲキの骸を壊してしまう。自分もそうなるとダメなんだけど、そこは知恵が沸いて出るから、超能力維持の秘法を実施する。」
釈「そうか、やっぱりここが要であり、また悪の中枢なんですね。」

じゅえる「”天使の家系”は花憐が陥ったのと同じで、留めようの無い犠牲者情報に押し潰されて精神が参ってしまうんだ。この恐怖からは逃げられないので、自ら死を選ぶ。少なくとも子供にまでは因子を伝えようと思わない。」

釈「”錬金術師の家系”はそりゃあもう、実験の失敗。魔導の術の失敗で自らも取り込まれて人外に成り果てる。こんなとこですね。」

 

まゆ子「となると、人外になるのはリベレーターとマニュピレーターか。プロモーターは組織力によってAWOを支配し続けようとする。アクティベーターは不老不死の道を選択する。ナビゲーターは狂信的宗教に走る。」
じゅえる「リベレーターは自らの肉体の制御をゲキに譲り渡してしまい、エネルギー体となって生きる。ゲキの因子の代りに幽霊と呼べるような自分が子々孫々に乗り移る。これが吸血鬼ね。」
釈「マニュピレーターは器物に自らの意志を封じ込め、魔法の道具として存在し続ける。でも全てはリベレーターの示唆によって5人の因子保有者はそれらの術を行うわけですよ。」

まゆ子「整理しよう。

 プロモーター”王”;組織力によってゲキに基づく支配を維持し続けようとする。→政治的工作
 リベレーター”聖者”;エネルギー体となって、子々孫々乗り移る吸血鬼となる。→魔法的攻撃
 ナビゲーター”天使”;ゲキを信仰の対象とする宗教の狂信者となり、影響力を維持する。→狂信者による暗殺
 アクティベーター”英雄”;自らを不老不死体に変換し、子孫によって使役されるロボットのようになる。→決闘者として出現
 マニュピレーター”錬金術師”;器物に自らの意志を封じ込め、魔法の力を発する宝具となる。→実体の無い攻撃

釈「じゅーぶんオカルトです!」
じゅえる「ま、ね。ただ魔法に関してはなんらかの物理的背景とかトリックを考えよう。エネルギー体の吸血鬼ってのは良く分からなさ過ぎるよ。」
まゆ子「いやまあ、高次元回路によってなんだって成り立つんだけさあ。」

じゅえる「ただ、単純に襲い来るというのも芸が無い。ゲキの支配権は譲渡不能であるからには、なにかを分捕るとどうにかなるという仕掛けが必要だね、やっぱ。」
釈「そうですねえ、NWOを乗っ取るようなものですからねえ。よく考えてみれば鳩保達を襲う理屈はありませんねえ。」

まゆ子「うーん、ゲキは今の5人にしか動かせないからねえ。他の人間が乗り込んだって拒絶されるか無視されるか、どっちに転んでもダメだ。ま、プロモーターの場合はいいんだ。捕まえてガキを孕ませればいいというだけだからさあ。あるいはナビゲーターは宗教的にNWOを一元的に支配する、という妄想だから単純に突っ込んで来るだけだし。こいつらに関しては問題は無い。」

じゅえる「リベレーターの場合、現在のリベレーターである物辺優子に取り憑こうというんじゃないかな。吸血鬼なんだから、それでいい。なにか優子だけが持っているアイテムを行使すれば交換が完了するとか。」
釈「じゃあ逆に、マニュピレーターの場合はそのアイテムを自分と交換させる、というのですね。」
まゆ子「うーん、なるほど。色々とあるもんだ。アクティベーターの場合は決闘者であるから、現在の5人を単純にぶち壊し崩壊させるのが目的であってもよい。」

 

じゅえる「これはあれだ。襲撃者達はどれも同じ時代のAWOでなくて良いんだよ。異なる時代異なる国において発生したゲキの子孫だ。だから共同戦線なんか張ったり張らなかったり、互いに殺し合ったりもする。その中でも最強のなんかがあるんだよ。ラスボスに相当するのが。」

まゆ子「第六の因子、と称する奴だな。」
釈「あ、そういうのあるんですか。5人ではなく6人目が。」

まゆ子「ゲキにはもう一つ因子があるけれど、人類には許されない機能がある。時間跳躍と改変だ。これはベースが人間である限りは使えない。真のゲキにのみ許される。ただ、時々ちょっとだけゲキの骸が自動で機能するから観測は出来る。」
じゅえる「ふむ。タイムトリッパーだね。なるほど、最強のラスボスにはぴったりだ。クロノスと名付けよう。」

釈「じゃああれです。クロノスの目的は文字どおり時間跳躍。失われた過去のゲキを時間を遡って復元し、世界にそのまま覇を唱えるというのですよ。その為の道具として現在のゲキが必要になる。」

じゅえる「MODIFIER修正者だね。だが実際はそんなものは無い、というのが定番だ。」
まゆ子「定番だね。自分では出来ると思いこんでいるけれど、実際に勝利してやってみると、違った。ただなんらかの強力な能力がある、という事にしよう。例えば、誰かがなにかをしたとしてそれが彼の不利益になる場合、直前の時間を戻して修正出来る、という感じで。」

釈「いや、それはよいのではありませんか?ちゃんと修正出来てるから。」

じゅえる「その実体は、実は未来予測だ。これはナビゲーターの能力なんだ。極めて正確に未来予測をして、それがあたかも既に起こってしまった事のように自分には感じられる。だから、不利益を修正するというよりも、未来予測において不利益と思われる事を事前に変更しているに過ぎない。だから、時間が改変された事を御前達には分からないだろう、とか言うんだが、実はまったく時間にはアクセスしてないんだ。」

まゆ子「ふむ。なにせゲキはコンピュータでもあるから、未来予測はお手の物だもんね。」

   ***

じゅえる「とまあこいう具合に敵が定まって来たとなると、具体的なキャラ設定もあるべきではないだろうかね。まゆちゃんよ。」
釈「そうですね。敵の姿が無いと、絵にも描けませんよ。」

まゆ子「そうだなあ、と言っても現状では物辺村の5人とミスシャクティ以外描く気無いもんねえ。どうしよ。」
じゅえる「考えていく内にいいキャラが浮かぶんじゃないかな。というか、女子高生を主人公とするからには、学校周辺に敵も現われるはずだから、学校内にも敵があると考えねばならないっしょ。」
まゆ子「そりゃ道理だねえ。」
釈「とりあえず女の子キャラならば描く事もあるでしょう。そういう地道な努力からいきましょう。」

じゅえる「だがそういう背景があるのなら、AWOの連中は外国人だな。どこの国?」
釈「どこといわれましても、最低6ヵ国には分かれるでしょ。ですよね?」
まゆ子「エジプトやらローマやら秦の始皇帝くらいにはねえ。」
じゅえる「謎の文明は全部ってとこか。参ったな。」

釈「でっちあげるしかありませんか。6に絞るには。まず吸血鬼が出て来るのはやはりトランシルバニアの。」
じゅえる「いやインカ帝国の石仮面とか。」

 

まゆ子「とりあえず、キリスト教関係のは一つ確定だ。狂信者ナビゲーター系の荊十字騎士団とかだね。」
じゅえる「蔚十字騎士団だ。」
釈「失われたアークを探し求めるんです。そこに失われた聖杯の血を注ぐと、神の世界が復活する。」
じゅえる「欲張りな集団だな。」

まゆ子「吸血鬼はやはり東欧からロシアにかけて、ギリシャ神話の流れを汲むという、」
じゅえる「遠過ぎる! 近代にしなさい。」
釈「ではロマノフ王朝とかにも関係有る、ラスプーチンとか。」
まゆ子「じゃあ、リベレーター系吸血鬼はラスプーチンの子供、と。」

じゅえる「となると思いっきり旧いのは錬金術師系で、ギルガメッシュの時代から伝わる器物を用いる、というか一旦断絶したのを器物を掘り出して復活した、何度でも復活する集団というのはどうかな。」
まゆ子「あい確定。となると、それは中近東辺りの、あそうだ、それはあれだイスカンダルのとかソロモン王のとかの流れに有るとして、千夜一夜物語の世界に。」
釈「アラジンと魔法のランプですね。」
まゆ子「それそれ。」

釈「不老不死のアクティベーター系です。これはまんま始皇帝でいいんじゃないですかね。」
じゅえる「ふむ。不老不死を求めててのだからね。」
まゆ子「じゃ決定。となると、不老不死のミイラを頂く剣士の家系とかかな。弱小勢力になるかもしれん。」

じゅえる「で、最後に残るのがプロモーターだ。これはやっぱユダヤ資本ということで。」
まゆ子「NWOの基盤と考えてもよいのだが、そうだね。キリスト教蔚十字騎士団はこっちにするか。」
釈「となると、ナビゲーター系は置いておいて、とりあえず第6の因子というのは、インカ帝国にしますか。暦がやたらと発達した。」
じゅえる「支援する組織が必要だな。ここだけ特別中の特別な集団だ。」

まゆ子「では違いを際立たせる為に狂信者集団は海賊にでもするか。流行ってるし。」
じゅえる「ナビゲーターだからね。海賊傭兵団とかにしておこう。」
釈「蔚十字団は、別にNWOに絡まなくてもいいんじゃないですかね? 関係あるとしても、別派として勝手に動いているということで。」
じゅえる「ゲルショッカーみたいに、ナビゲーター系とプロモーター系が途中で合体した、というのでも悪くはないよ。」
まゆ子「ふむ。じゃあ陸地にも勢力を伸ばしているとして、世界中を植民地にしていった宣教師の中にそれが混ざって居たということで。」

じゅえる「仏教系が無いな。ヒンズーでもいいが。」
釈「では、始皇帝派はインドから来た達磨太子にこてんぱんにやられて少林寺に帰依した事にしましょう。その後清朝の支配に対抗して一時中国を脱出し、今はまた戻って来ている。」

まゆ子「まとめましょ。

 プロモーター系:NWOの母体となるキリスト教・ユダヤ資本関連で、事実上NWOを守るのが任務。
 リベレーター系:ギリシャ神話の流れを汲む吸血鬼で、最終的にラスプーチンの子供に乗り移っている。物部優子に乗り移るのが目的。
 ナビゲーター系:海洋を基盤とする海賊傭兵団で、植民地時代にプロモーター系の原理主義派と融合している。ゲキと5人を奪取し世界を一つの宗教で統一するのが目的。
 アクティベーター系:不老不死のミイラを御神体とする戦闘集団。少林寺に一時身を寄せていたが清朝に追い出され海外を放浪、今は上海に戻っている。ゲキ破壊が目的。
 マニュピレーター系:ソロモンの壷と呼ばれる魔法の器物に支配される一団。ゲキのコントロールを奪取する為に、この壷を5人に使わせるのが目的。
 (番外モディファイアー系):インカ帝国に発する時間を操る秘密結社。ゲキを奪取して過去に戻り、暦を逆転させ世界を征服するのが目的。

じゅえる「ニンジャが居ないね。」
釈「ちょっと寂しいですね。」
まゆ子「いやそれは、日本政府の。物辺村を守るのにさあ。」

 

じゅえる「ラスプーチンの派閥がよく分からんね。どういう武装集団にしようか。」
釈「しかし常人の兵では、面白くないですねえ。この面子では。化け物でしょう、やっぱり。」

じゅえる「プロモーター系がれっきとした軍人と公的な組織。ナビゲーター系が海賊傭兵団。アクティベーター系が中国拳法の秘密結社。
 となると、リベレーター系は化け物がふさわしい。逆にマニュピレータ系は学者とか神秘主義者とかの静かな感じだな。武力は超能力そのものを使うとして。」

まゆ子「なるほど。マニュピレータ系は現在でも超能力を使えるんだ。器物に閉じ込めてあるから。」

釈「具体的に5人にどう絡むか、という点で、喜味子の器物系の不思議事件によくマッチしますね。」
じゅえる「花憐のヤクザ系暴力集団が絡む、という設定にも海賊は良い感じだ。」
まゆ子「でも童稔の動物関連というのは外れるなあ。いっそ、ミイラ集団は動物も使役するとしますか。蒼き狼とか。」
じゅえる「ベタだな。そこがまた良い。」

釈「優子のおばけ話にも吸血鬼はいいんですけれど、はまり過ぎてちょっと問題有りますね。もう少し現実よりに修正しないと。」
まゆ子「傀儡だ!」
じゅえる「だな。超能力で人を無条件に従わせ、場合によっては人体が崩壊するほどの怪力を発揮し、使い捨てにされるんだ。化け物にだってなる。」

まゆ子「とすればだ、鳩保に絡むのはモディファイアー系だな。こちらはモノホンの化け物にするか。狼人間みたいな。」
じゅえる「インカならジャガー人間だろう。」
釈「ナビゲーター系で獣人に変身というのは、ちょっと無理があると思いますよ。」
じゅえる「だが古臭い呪いで変身する、というのは悪くないアイデアだ。変身といっても毛が生えるくらいで、ほんとに獣になるわけではないよ。」
まゆ子「ここはあれだ、ハイテク獣人だ。未来的甲冑を装備して、なお獣人変化するんだよ。」

じゅえる「うーむ、鳩保の銃の的にはちょうどいいんだろうけどさあ。あ、そうか、こいつらは宇宙人の力も借りてるんだ。そういう事にしよう。」
釈「ではこいつらがサルボロイドを使うと、」
まゆ子「うむ。決まりだ。ハイテクパワードスーツを使うと、副作用で獣人化するんだよ。」
じゅえる「獣人てとこを、もっと穏やかに設定するかね。」
まゆ子「ガサラキのTAパイロットみたいに、薬物中毒にするか。」
釈「あそうですね。インカ帝国ならば得体の知れない伝統薬物魔法をフィーチャーすれば面白いかもしれません。」
じゅえる「それのった!元からここの獣人は反応速度やら体感速度が薬物で加速されてるんだよ。だから、時間制御にこだわる。」

まゆ子「
 鳩保芳子 →モディファイアー系インカ帝国残党、獣人、サルボロイド。→銃でがしがし破壊!
 物辺優子 →リベレーター系吸血鬼、傀儡、ゾンビ。一般人の自由意志を縛り使役する。→不思議超能力戦
 城ヶ崎花憐→ナビゲーター系海洋傭兵団、蔚十字騎士団。あるいはヤクザ。→逃げる。助けてもらう。
 童 稔   →アクティベーター系中国武術結社。狼やら梟も使う。→実力勝負。動物をてなづける。
 児玉喜味子→マニュピレーター系魔法の器物の超能力をそのまま使う。表立っての攻撃は無く、陰謀と姦計を用いる。→鈍いから気付かなかった!

釈「こんなものですかね、地上の敵は。」

じゅえる「鳩保の銃って?」
まゆ子「ゲキシューター。ゲキマイクロマシンで出来た光線銃だよ。弾は水。プラズマ化した水が飛び出すんだ。」
釈「すごいんだかバカだか分かりません。」

 

【物辺村少女自警団最終回!】07/07/05

まゆ子「てなわけで、物辺村です。今回は最終回についてです。」

釈「さ、最終回ですか。それはあまりにも気の早い。」
じゅえる「いや、物語というものは最終回に突入して行くべきものだから、最初に最後を決めるのは正しい。で?」

まゆ子「実際この物語は最終回は無いわけなんだよ、世代交代していくからさ。となると、物辺村の連中の最終回をまず決めておかないと、次の世代に繋げられない。」
釈「なるほど、つまりは年表が必要なんですね。そのターニングポイントとしての最終回の一つ。」
じゅえる「その後の世代がどう繋いで行くかを考える上でも、彼女達が何を積み残したかは重要な要素なんだ。いいよ、うん。」

 

まゆ子「で、だ。高校生の彼女達の活躍は、一度高校卒業で終るんだ。その後彼女達が一堂に会す事は無い。」
じゅえる「成人式でも帰って来ないんだ。それはちょっと寂しいなあ。」
釈「しかし、世界中に散らばっては仕方ないでしょう。えーと国内に残るのは物辺優子と児玉喜味子の二人ですね。」

まゆ子「物辺優子はその後東京に芝居の勉強にいくと言って、一時行方不明になる。まあ、それから後に凄まじいアクション大活劇がある、ということで。」
じゅえる「そうか、魔界都市新宿みたいな有り様になるんだな。うんわかった。では尋常な人生を歩むのは喜味子だけだ。」

釈「物辺優子は、死なないですよね。」
まゆ子「まあ、秘密工作員に陰ながら護られているからね。死にはしないが、何遍も死んでもおかしくない体験をします。が、本人はそうは考えないけどさあ。」
じゅえる「不思議一杯幽霊やら鬼やら吸血鬼やらが出るってことか。」
まゆ子「こないだ考えた、物辺村連中にまつわる不思議怪奇現象設定に基づいて、おばけが出ます。」
釈「ああ、あれはまだ生きて居たんですね。」

まゆ子「で、鳩保はアメリカに留学して、何時の間にやらミスコンチネンタルとかになってしまい、そのままハリウッド女優として大活躍。いきなりWASPの親玉の息子と結婚して政界に参入。30年後くらい50歳頃にはファーストレディになります。」
釈「はあ。」
じゅえる「ぜんぶお膳立てができてるの?」
まゆ子「そうとも言えない。ゲキの超能力はその後彼女達にそのまま留まっているから、プロモーターの因子を持つ鳩保はなにかにつけて主役になる運命を持っている。」
じゅえる「なるほど、本人の志望とゲキの能力と外部の希望が合致して、なるようになったわけだ。」
釈「じゃあ、大統領に旦那がなれた、というのも彼女の能力が働いたという感じも。」
まゆ子「あ、そうだね。そういうのはあるだろう。」
じゅえる「なんだ、十分福の神なんだ。」

まゆ子「逆に大人しかったのが城ヶ崎花憐で、彼女は日本の女子大に行って特に何事もなく過ごして居たんだけれど、急遽外国から王子様が物辺村に訪問するとかの話が持ち上がり、村長の娘として当然に応援に呼び戻され、そこで王子様と鯉に墜ちるという展開になる。」
釈「なぜ物辺村に?」
じゅえる「いや、それはお膳立てだろう。」
まゆ子「というか、何故かこの頃急に物辺村の物辺神社に世界中のVIPがしばしばやってくるようになるんだ。まあ、当然ではあるが。そこで花憐も何度も世界のVIPに会っているんだけれど、その王子様の時にびびびと来たってわけね。」
釈「彼女の超能力は関与しなかったわけですか? 超長距離センシング能力ですよね。」
じゅえる「だから、それがびびびだろ。」
釈「あ、そうか。」

まゆ子「で、童 稔は商店街の福引で海外旅行が当たる。なんとカタールだったかの椰子の葉っぱみたいな超高級リゾート地に招待されちゃうんだ。もちろんこれはミエミエのお膳立てで、その超リゾート地で彼女は世界中から集まった花婿候補達と、めくるめくような偶然の出会いを積み重ね、最終的に運命の人と出会うんだ。」
じゅえる「…、あほか…。」
釈「そこまで露骨に。」
まゆ子「しかし、このくらいバカな方がむしろいいだろ。」
じゅえる「まあね。いっそそういうのの方が笑えて面白いかもしれない。というか、それはニュースになるな。」
釈「彼女は怪力が超能力ですから、王子様を救ってしまうというのがいいかもしれません。」
まゆ子「うん、それが面白い。だが彼女が救った王子様は一人や二人ではない、というとこだな。ダイ・ハード張りの巨大テロが発生し、彼女が解決してしまう。」
じゅえる「うむ。そんなもんだ。」

釈「で、児玉喜味子は?」
まゆ子「普通に短大に行って、普通に就職して、普通に村に帰ってきて親父の鶏飼育を手伝い、普通にそこらへんを歩いていた男に引っ掛かり、普通に結婚して普通の主婦になり、普通に子供を産んで、普通のおばさんになります。ただ普通で無かったのは、ときどき花憐からの連絡を受けてゲキを起動し宇宙人退治を続けたことですね。」
じゅえる「普通過ぎて却って胡散臭いな。」
釈「でも普通のひとが秘密を抱えている、というのはいいんじゃないですかね。恋愛物としても。」
じゅえる「なるほど。」

 

釈「しかし、それでは花憐はちょくちょく宇宙人の接近を感知して居たということですね。物辺優子が時々帰って来るとしても、ちゃんと動くわけですか、ひとりでも。」
まゆ子「動く。ただ鳩保ほどにはうまく動かせないし、花憐が居なければ遠い恒星間宇宙を飛べない。童が居ないから格闘戦もできないけれど接近戦はむしろ得意で、なんとか器用にやってのけます。優子は時々乗りますから、エネルギー兵器は使えます。」

釈「でもちょっとくらい支障はあるでしょう。」
まゆ子「いやまあ、だんだんゲキが壊れて行くんだな。新品じゃないから。で、修理を積み重ねて行く内にだんだん不格好になっていく。一度皆で集まって作り直しをすればいいんだけど、王妃様やらファーストレディは忙しいさ。そこで喜味子がちまちまと直して行く。」

じゅえる「童は特に支援はしないのかな? 時々帰ってきて、というのは。」
まゆ子「そういう時はすっ飛んで迎えに行く方が簡単。」
じゅえる「あ、そうか。地球上ならばどこに居てもあんまり困らないわけね。」
釈「じゃあ困った時は助っ人を呼びに行けばいいだけなんですよ。なら安心だ。」

まゆ子「安心し過ぎて、喜味子ばっかり割りを喰う事になる。まあ彼女の宿命だ。で、或る日突然、埋めて居たはずのゲキが消えている。すべてを知っているはずの優子も「もういいんだ」と言って、結局喜味子の活躍も終る。だがその時は既に。」
釈「自分の子供たちがゲキを受継いで居た、という事ですね。」

 

まゆ子「で、そこに到るまでの、高校生最後の日、だ。

彼女達はそれまで1年半ほどを宇宙人退治に明け暮れた。なにせ花憐が宇宙人襲来情報を感知してしまうから仕方がない。単に発見するだけでなく、予測被害者数とかまでも分かる丁寧なデータが出て来るわけで、休むに休めない。そこで、鳩保が決断し「一件100人に満たない被害者数の宇宙人事件のは関与しない」というルールを作る。」

じゅえる「一体年に何人被害者になるわけ?」
まゆ子「毎日1000人てとこかな。年間36万5千人だな。ちなみに中国の年間の自動車事故死亡者数は10万人。」
釈「うーむー、地球全体の人口を考えると、大丈夫な数なんですね、それ。」

じゅえる「なるほど、或る程度放っておこうと考えても仕方がない。で、一件あたりの被害者数は10人くらい?」
まゆ子「宇宙人にも大中小とあるからねえ。ただ時々、宇宙的災害規模の予測数が出るわけなんだ。これが出ると地球外、あるいは太陽系外にまで出張して迎撃する。あるいは地球滅亡レベルともなれば、わざわざワープで何時間も掛けて他の恒星系に出向き、そこで先制攻撃すら行う。だから大丈夫。」

釈「ううー、そんなに幅があれば足切りするのは当然ですか。」
じゅえる「一件100人というのはこれでも小さ過ぎるくらいかなあ。でも正義の味方としてやってしまうわけだ。」

まゆ子「で、この宇宙人襲来情報は花憐独自の能力であるのだが、当然感じる事を止められない。だから寝不足にもなるし、人が死ぬかもという予感で落ち着かないわけだ。或る意味彼女の為にゲキで物辺村少女自警団は活動している。

その能力が一時失われる。」

じゅえる「おお、やはり体調の不良とか心境の変化とか、宇宙的運命のいたずらってやつだね。物語定番の。」
まゆ子「いや、後頭部にスイッチがある事に気がついたんだ。頭の一部を押すと、すぱっと宇宙人情報が無くなってしまう。もう一回押すともちろん戻る。」

釈「…。え、いや、しかしそれは。ちょっと考えますね。」
まゆ子「そうなんだ。被害者情報を知らずに済むようになる。これは非常に大きな誘惑で、高校卒業後はどうしようとか考えていた彼女達に或る示唆を与えたんだな。ゲキを止められるって。」
じゅえる「そうか、それはいかにも最終回っぽい展開だ。ボランティアでやってきたものを、いかにして止めて足抜けするか、これは大問題だもんね。」

 

まゆ子「そこで彼女達は或る賭けに出る。宇宙人が当分やって来れないように、決定的なダメージを与えてやろうってわけだ。雑魚はいいから地球滅亡とかの大事を取り除いておこうってことだね。そこで、こちらから討って出る。」
釈「一大大戦争を引き起こすんですね。」

じゅえる「いやまて、それは予防的に敵を殲滅するという事だろう。そんなんでいいのか?」
まゆ子「宇宙人が可愛くない奴だから、いいんです。」
じゅえる「そうか、それならば仕方ない。」
釈「人間見た目ですよね。」

まゆ子「で、花憐がディープセンシングをして敵の本拠地を見つけ出し、5人がそれぞれの能力をフルに発揮してついには悪の根源をやっつけて、で勿論勝利する。

そして帰ってきて卒業式に臨む彼女達の周りで最後のあがきとも言える襲撃事件があり、これは解決して。で、ゲキを地面に埋める式を物辺村で執り行うんだ。桜の樹の下に、穴掘ってうめてしまう。」

釈「で、皆それぞれの道を歩んで行くということですね。めでたしめでたし。」
じゅえる「ふむ。最終回にしては悪くない話だ。」

 

釈「で、花憐の超感覚はどういう具合に発現するのですか。ビジョンですか。」
まゆ子「予定としては、黒板だな。昔の株取り引きというか、馬券のオッズとかのように黒板にチョークで書いていく。」
じゅえる「デジタル化されてないの?」
まゆ子「なんの為に?」

釈「では、極めて明快に予定犠牲者数とかが出るわけですね。」
まゆ子「もちろんリアルタイムで予測数は変化する。というか、自分で書き換えるんだけどさ。」
じゅえる「うーむ、それはあまりにも原始的だなあ。犠牲者数と場所と時間、だけ?情報は。」
まゆ子「まあ、必要があれば図像でも表示しますけどさ、花憐は絵は下手だ。

あと、この予定犠牲者には当然個別情報も付随して、名前から社会的地位やら続柄やらが全部分かっちゃう。だから、彼女達は自分達に関係する人間が犠牲になると出れば、それを修正しに行き救います。未来を覗き見るのではなく予測ですから変更は完全に可能です。」
じゅえる「未来の旦那様とかも分かる?」
まゆ子「ばっちり。ただ、花憐はそこまでは気付きません。なにやらこの人は救わねばならない重要人物だ、としかね。」

釈「高速移動能力は、生身の状態では発動しないんですか。」
まゆ子「いや、走るの早いよ。実際時速500キロくらいも出る。加速装置だ。」
釈「それはスーパーマン過ぎやしませんか?」
まゆ子「自分では制御できない。うわあっと驚いた時、いつのまにかそこに居る、という能力だ。普通の走行では女子高生としては格段に早い、というレベルだね。」
じゅえる「攻撃力は?」
まゆ子「生身の状態では無いに等しい。ただこの速度でぶつかっても本人には怪我は無いけど、対象を破壊する気持ちがあればそれなりのダメージを与えられる。ま、お勧めではない。」
釈「でもそれじゃああまり役に立たない。」
まゆ子「花憐になにを期待するんだよ。」

 

じゅえる「逆に童 稔は怪力を十分に発揮出来るんだね。」
まゆ子「武器を使えばね。特にハンマーがお気に入り。まあ素手でもそれなりにパワーは発揮されるんだけど、対象を壊さない程度にしか出ない。破壊の意志表明として武器を使うと、ゲキがそれを実現すると考えて下さい。」
釈「そうか、花憐もゲキが認識した移動の必要によって、発動するんですね。」
まゆ子「そうそう。自分の意志だけではなかなかうまくは発動してくれません。」

じゅえる「では鳩保の場合、拳銃を持ったら百発百中?」
まゆ子「ゲキが認識すればね。明確な、そして透徹した殺意が無いと当たりません。逆にそれが有る場合は戯画的なまでに当たります。後ろに何があるとは知らなくても、無意識に撃って当たるとか、そういうレベル。」
釈「殺意というか、正義の意志ですね。」
じゅえる「まあ、そういう綺麗な表現でもいいか。」
まゆ子「あと、車とか飛行機とかの乗り物をいきなり操縦出来ます。免許無くても。まあ取りますけどね。」

釈「しかしプロモーターとしての能力は、それではない。」
まゆ子「ま、なんらかの因子でトラブルを引き寄せちゃう、というのは今後の研究課題だ。条件が合えば発動、て感じかな。」

 

じゅえる「喜味子は普通に手先は器用なんだよねえ。それ以上は頭が賢くないとダメだろう。」
釈「そうですね。構造とか原理の理解が無いと、分解も修復も出来ないと思いますよ。それはどうなんですか。」
まゆ子「もちろん! あたまはかしこくならない。ただ、手先が賢くなる。手指に脳が増設されたみたいに勝手に動いて、とかだね。爆弾とかも本人が嫌がる中勝手に手が動いて解体、とかだ。」
じゅえる「そりゃ便利。」

釈「戦闘力としては、使えませんか。」
まゆ子「捕まえちゃうね。なんでも捕まえちゃいますよ。接触したら。ただあまり動きは早くないから、そこは問題だな。」
じゅえる「合気道とか捕縛術みたいに?」
まゆ子「うん関節技とかが勝手に決まっちゃう。」
釈「宇宙人とかロボットとかでもいいですか。」
まゆ子「不思議なくらいに捕まえちゃう。でも〆ちゃう事もできるからさあ。」
じゅえる「素手で宇宙人をくびり殺すのはさすがに気がひけるなあ。」

釈「で、優子です。やはり飛びますか。」
じゅえる「幽霊みたいに空中浮遊とかだね。」
まゆ子「いや、いろいろ出来るんだけどさあ。髪が伸びて拘束するとか、手から剣だって取り出しますよ。ただやっぱりエネルギーの発動が彼女の能力だ。エネルギーフィールドを発生させてバリアを作ったりする。破壊の場合、彼女がエネルギーを与えた弾丸を鳩保が撃つ、とかになる。」
釈「そこは定番ですね。」

 

じゅえる「でも防御力はどうなの。人間としての身体では、さすがに宇宙人の相手はできないでしょ。」

釈「戦闘服に変身ですかね。」
まゆ子「へんしんか。考えてもいいな。ただ、非変身状態でもなにか防御力向上の方策は必要だろう。でも、生身の弱い人間という線は外さない方がいいんじゃないかな。」

じゅえる「ダメージを食らうと服が一枚ずつ脱げていくストリップポーカー形式でいいんじゃない?」
釈まゆ子「それだ!」

 

【NWOによる5人の分割所有と婚姻政策】07/06/13

まゆ子「あー、物辺村です。設定なんですが、いきなりNewWorldOrder(NWO)という秘密結社ができました。まあ、冬に書いた世界の指導者達のことですがね。」
じゅえる「この人たちは物語の進行に関わって来るんですかね。なんか。」

まゆ子「あーNWOはこれから本番で、つまり物辺村の5人の少女を祖とする家系が中枢メンバーとして、ゲキの技術解析と応用、実用から運用とその結果である世界の支配までも司る事になるんです。」

釈「大きく出ましたね、また。」
じゅえる「してみると、こいつらは世界の支配者になる、…大統領とかはそれでいいの?ただの小娘がそんなで。」

まゆ子「いや、つまり世界の指導者達は彼女の家系血縁を支配して、NWOの支配権を自分の国に置こうと、当然のように思うわけだよ。」
釈「じゃあ、つまり身柄を拘束して、というかうまいことだまくらかして結婚させて、子孫を自分達の身内にするわけですか。」

まゆ子「ミスシャクティの勧告にもよります。つまりは、世界はこれからそういう体制によって運営されて行くのですね。」
じゅえる「ふうん、歴史上そういう事になってるんだ。」

 

まゆ子「ですから、つまり5人は当然のように分割して共有される事になる。配偶者をあてがわれて子供を生まされる事になるのです。」

釈「ふむ。ではそれは、と言っても世界の支配者を作るわけですから、生半可な配偶者ではないわけですね。たとえばアメリカならWASPの親玉一族とか。」
じゅえる「王族とかも有り得るのか。」
まゆ子「えーと、

まず基本的に5人は日本人であり、日本がまず一人を取ります。また物辺村という拠点を押さえておかねばならないし、ゲキの祭祀を維持し続けねばなりません。ということで、日本は物辺優子を取ります。これには異存はどこもありません。またミスシャクティは物辺家の存続によって他の家系が断絶した時の補完を行う、とかも示唆しますから、確定です。」
じゅえる「妥当な話だね。」

まゆ子「次にアメリカが、世界随一の超大国として当然に取ります。で、ミネソタに短期交換留学で来た事のある鳩保芳子が当然クローズアップされ、また能力的にも一番主役として活躍する子ですから、これを取ります。で、釈ちゃんの言った通りに白人支配層の誰かの嫁になって、ゆくゆくはファーストレディになると決まってます。」
釈「大統領夫人ですか…、凄まじいですね。」
じゅえる「でもこのくらいは普通に出来る実力があるってことだな、NWOは。それに、単に家系的なというだけでなく箔を付けておかなければ組織の指導的立場は得られないだろ。」

まゆ子「次にEUが名乗りを上げましたがロシアも割り当てを要求し、結局ミスシャクティの勧奨でEUとロシアが協同かつ競争で配偶者を決定するという事になり、城ヶ崎花憐が決まります。彼女はつまり、王女様王妃様になってしまいます。」
釈「来た!」
じゅえる「なんともまあおとぎ話っぽいな。でもやはり箔ってことか。」
まゆ子「やっぱ血縁には血縁で、というのが普通の思考法だよね。」
釈「イギリスの王子様ですかね、やっぱ。」

まゆ子「次。実はこの会議に中国代表は呼ばれていない。というか、本当は来るはずだったのだが、ミスシャクティの計らいで飛行機の故障と天候の悪化で間に合わなかった。なぜかというと、これから中国はかなり大変な政変に見舞われてそれどころではなくなるから、と予言をするのですね。だから中国はハブにされます。

 で、対象は童 稔。ほんとうはロシアが獲得を主張したのだが、白人キリスト教徒が独占するのは許せない、とその他の国から抗議されて、非白人勢力の間の女神となる事に決まります。欧米ロシアが国力にものを言わせて分捕ったりしないと後々まで保証を求めますが、それに対してミスシャクティは、自分がここに居るのがその証しだとにっこり微笑みます。」
釈「あ、そうか。インド人であるミスシャクティが居るという事は、誰かの血縁としてNWOに関与している証しなんですね。」
じゅえる「するっていと、ミスシャクティのご先祖様が童稔ってわけか。ふうん。」

まゆ子「ちょっと面白いでしょ。

 で、児玉喜味子ですが、この子はちょっと特殊でして、この子の属性は”手”、何でも操作して解明し作動させるという能力になる。これはゲキの技術解明に極めて大きな貢献をするってことで、実際喜味子の家系の人間を中心としてゲキの研究が進みます。

 というわけで、喜味子は特別にNWOの事務局が直接に配偶者を用意してどこの国からも中立を保つ、という事になります。まあそれは組織内の人事の問題になるわけで、或る意味各国の思惑に都合の良い状態になるわけですから、完全に了承されます。」
じゅえる「では喜味子の家系がNWOの主役になる?」
釈「いや、つまり技術的なことであり、それを政治的に利用するとかは他の家系の子孫の役割になるんですよ。」

 

じゅえる「喜味子の役割は分かった。物辺優子はもちろん分かる。では他の3人はどうなるの。鳩保は大統領夫人になるけど、組織の運営には関わらない?」

まゆ子「ここでNWO外の勢力について語らねばならないんだけど、NWOは裏国連という感じで、当然表国連というのがあるわけだ。で、こちらを大改革して世界を安定した秩序と環境復元に当たる強力な体制に組み直すのが、21世紀最大の政治家として30世紀まででも尊敬される「救世主」蒲生弥生ちゃんだ。」

釈「ということは、NWOは表国連のキャプテンと対立する事になる?」
まゆ子「まあ、ぼちぼちと。弥生ちゃんは結構長生きしますから、NWOが優位に立つのは孫の代だよ。つまり第1世代がこれまでの世界の指導者達、第2世代がゲキ出現後物辺村を監視するNWO理事会、第3世代が物辺村第1世代、第4世代が物辺村出身者支配体制下のNWOで、これが21世紀の終り、弥生ちゃん引退後だ。」

じゅえる「壮大過ぎる物語だな。」
釈「ではそれまではNWOはなにもしない?ってわけですか?」

まゆ子「まあ、ゲキの解析が始まるのが喜味子の子が大学生になったくらいからだ。喜味子自身は、というかこいつら5人は死ぬまでNWOの事を知らないし、ゲキの話が他人に漏れてるなんてまるっきり気付きもしない。」

 

じゅえる「ということは、鳩保はあれよあれよという間にアメリカ大統領夫人になり、花憐はどこかの王様の妃になり、童はどこかの大富豪かなんかの嫁になり、優子は地元でぐだぐだして、喜味子は普通に結婚して暮らしている、と。」

まゆ子「童稔は行き掛かり上はたぶん、アラブかインドの大富豪大財閥の令夫人になるのではないかと。ちなみに彼女によって継承される因子は「力」だから、彼女の子供たちはNWOにおいて「騎士」と呼ばれる戦士になります。」

釈「すると、それぞれが遺伝する超能力を身につけるわけですか。物辺優子は文字どおりのゲキの巫女としての能力として、鳩保芳子ぽぽーはなんです?」
じゅえる「鳩保は賢い、ということになっているから、ゲキの知恵とかかな?」
まゆ子「うーんどうしよう。おそらくはゲキのパイロットとしての特性が高い、ということになるはずだから、普通の飛行機とかのパイロットにもなるんじゃないかな? それとゲキについての歴史とか知識はこの超能力からは得られない。というか、それは物辺優子の家系がもたらすべきものだ。」
釈「やはりアメリカ大統領夫人なんだから、世界の指導者としての能力が抜群に高くなる、とかですかね。」

じゅえる「ちょっと面白みに欠けるなそれ。花憐の方を先に考えた方がいいかもしれん。えーと、高速能力?」
まゆ子「花憐はゲキを超光速で稼動させる事ができる能力をもっている。だから仲間からは「運転手」と呼ばれてる。」
じゅえる「星を読む能力だな。」
釈「宇宙からの侵略の脅威を直接感じる事が出来る能力です。ナビゲーターです。」

じゅえる「となると、鳩保はやはり超パイロットで銃の名手、てとこかな。判断力とかにも優れている。」
まゆ子「えーとNWOの構成を考えると、やはり鳩保の子孫が首座を務めるのがふさわしい。という事は、やはり人並み外れて優れている指導力とかがあるべきだろうかね。」
じゅえる「超能力で人を従えるとかかな。ただ超人とか天才は願い下げだ。それは面白くない。」
まゆ子「このシリーズは基本的にまぬけでないといかんのだよ。だから超天才でいいんじゃないかな。」

釈「運がいい、というのはどうでしょう。基本的に優れているんだけれど常人の枠でしかない。ゲキのパイロットとしての特性は抜群で他の仕事にも優れているんだけど、基本的に運がいい。」

まゆ子「運がいいというよりは、奇縁を引っ張り寄せる能力がある、ということにするか。色んな事が彼女の一族によって引き起こされ、その度世界は滅亡の危機に陥るんだ。
でもだからといって彼女の一族を排除してもどうにもならないんだけどね。クリア出来る危機がどんどん押し掛けるのと、クリア出来ない絶命の危機が一回だけ来るのと、どちらが得か、て話だ。」
釈「いいですね。トラブルメーカーですか。」
じゅえる「NWOの枠がようやく見えた。世界を破滅に追いやるおまぬけな連中の組織なんだ。」

釈「で、活躍はどの程度の期間内になりますか。」
まゆ子「鳩保たちはいいとこ高校生の内だ。その期間内しかゲキは稼動しない。というか、必要が無いから動かない。
で、皆それぞれ普通に卒業して村を出て行くのだが、実はゲキが不活性状態にあるからこそ調査出来る。なにをやっても怒らないんだな。ゲキの骸は使い捨てで、一回の出動ごとにキノコみたいに発生してミッションが終るとまた元に戻るんだけど、最後の出撃後ゲキは形を留めたままで休眠状態に入るんだ。というか、今後5人が揃って集まるという事が絶無になるから、一々発生段階をしていられないんだ。だからいつでも使えるように自分で繭の中に眠ってしまう。

これを回収して分析するのが、NWOの当面のお仕事です。ま、なにもできないんだけどね。」

じゅえる「ということは、物語で正義の味方をする期間は本当に少ない?」
まゆ子「1年半てとこかな。」
釈「となると、物語にNWOはほとんど出て来ない?」
まゆ子「いや、ミスシャクティは出ます。そしてミスシャクティは時代を越えて出ます。百年後二百年後とかの話も出ます。まあNWOがいかにぐだぐだな世界秩序か、というのはちと面白い話だ。」

 

じゅえる「えーと、つまり喜味子の子供が生まれて研究者とならない内は、絶対解明は進まないんだね。となると25年は後の話か。」
まゆ子「実質そういうことだね。つまり、NWOの物語は25年後から始まる。彼女ら5人の子供達が結集してゲキの解明を進める内に、当然のように支配力指導力を増して行く。そして孫の代には完全にNWOを掌握して、逆に世界に命令を下す事になる。」

じゅえる「男だね。」
釈「男の子ばっかりになるんですね。」
まゆ子「まあ、物部優子の子は巫女だから女の子だけどさ。」

釈「つまり喜味子→眼鏡っ男子、花憐→耽美な王子様、童→浅黒い体力系、鳩保→金髪の支配者さま、という黄金的布陣が完成する!」

じゅえる「そっちの方が面白いぞ。」
釈「ガンダムをつくりましょう!」
まゆ子「いやまあ、つくるんだけどさあ。」

じゅえる「妹は?妹は居ないのか?」
釈「そうです、姉妹は当然あるべきです!」
まゆ子「わかったよ。じゃあ、物部優子は一人娘として、」

じゅえる「いや、優子は父親の違う子を3人はノルマとして産め。」
釈「鬼畜ですね、うん!」

まゆ子「じゃあ、鳩保のところが3人の男子、花憐のところが姉弟、童のところが多数10名ほど、喜味子が兄妹。」
じゅえる「多産系だなどいつも。」

釈「物辺のところは父親の違う三姉妹です。これでいきましょう。」
まゆ子「うん、じゃあ物辺のところは揉めまくるとして、随分と大所帯になったな。」

 

まゆ子「えーとつまり、鳩保系はPROMOTER(発起人、促進者、張本人)と呼ばれるのだね。」
じゅえる「つまり、NWOにおいて政治的にもそういう役回りを持つわけだ。」
釈「ではゲキを始動させる因子を持つ、という風にもしましょう。」

まゆ子「うんそうだね。初めて鳩保系の男子がゲキの研究所に来た際に、それまでまったく動かなかったゲキの骸が起動するんだ。で、そこに丁度やってきた喜味子系の男子の目の前で動き出す。」

じゅえる「それはあれだ、喜味子のお父さんも研究者という事にしよう。家ではうだつの上がらない大学の講師だと思われて居た父が、実はゲキ研究の第一線で働く主任研究員の天才的頭脳の持ち主なんだ。」
まゆ子「それで喜味子はずっと物辺村に住んでいる。というか、彼女と物辺優子は残り3人がいない間も時々ゲキを動かして地球の危機を度々救って居たのだよ。ゲキは5人が揃って乗ると停止後その構成物を分解して土に戻るけど、一人が動かすだけならそのまま在り続けるんだ。」

じゅえる「となればだ、地球の危機は何度もこれまで起こっていたのだが人知れず喜味子と優子が解決して居た。それも止めた数年後、の話ね。でやれやれやっと宇宙人も来なくなったなあ、と安心して居たところで鳩保系の男子がやってきてゲキを起動させ、宇宙中におおぴらに信号を放出して敵の襲来をおびき寄せるんだ。」
釈「なるほどまさにそれこそが、アニメの王道ですよ!」
まゆ子「つまり次の物語のまさにプロモーターなんだ。」

じゅえる「で、それによって反応した宇宙人襲来の情報を超能力によって探知するのが、欧羅巴に住んでお妃様をしていた花憐系の姉弟なんだ。彼女達はNAVIGATOR(航海士)としてここで初めて覚醒し、日本にやってくる。」

釈「となると、童系の男子は「騎士」と呼ばれる肉体的にも強力な存在になるんですが、ゲキに乗っても鳩保系と能力がバッティングして活躍出来ないんじゃないですかね?」
まゆ子「鳩保系は万能的にゲキを操縦できるんだけど、格闘戦は出来ないんだ。地上に下りてスーパーロボットとして格闘する、という風な動きはできない。敵にそういう動きをする奴がやってきて地上付近に上陸して鳩保系では対応出来ない状況に陥り、敗北を来すのだね。地上とか都市部では鳩保得意の光線銃撃が出来ないから。」

じゅえる「うん、テコ入れとして新キャラ登場!というわけだ。うん、それだ。」
釈「そこで童系の浅黒い肌のカッコイイ男子が登場ですね。うんうん、まさしく王道だ。」
まゆ子「ではACTIVATOR(活動的にさせる者)という名にしよう。格闘戦だからグラップラーとかでもいいけれど、それだけに留まらない。」
釈「やはりガンダムを作らねばなりませんね、ふふふ。」

じゅえる「喜味子系はやはりMANIPULATORだろうね。でもゲキに乗った時はどういう風に操作するんだ、特別なってのは。」
まゆ子「ま、普通は素でなんでも出来るんだけどさあ、モノを作るとか修復するとか、特に敵性物体の機能を修復したり無害化するにはこの能力は不可欠なんだな。被害を受けた地球の物体を修復したりもできるから、鳩保とか優子とかがぶっ壊したのを修復しなきゃならん。というか、ゲキも壊れるから修理する。」

じゅえる「ゲキって、そもそもなんで出来てるの?壊れるもの?」
まゆ子「構成物質の元は土だ。地面の土を変換してマイクロマシンを作る。大きさが1ミリから10数センチの人型、というよりもなめくじに手足という感じの物体を作り、これが多数集合する事でゲキのボディを形づくる。金属部品の多い魚の骨部分も同じ。要するに珪素とアルミニウムの酸化物という地上ではごく当たり前の物質が元だよ。これに異次元パワーのバリアが乗っかって強度を保証する。」

釈「それが壊れるという事は、異次元パワーが壊れるという事ですか。」
まゆ子「まね。でも多層構造になっているから、機体が壊れる、機能が失われるのと、人体に影響がある、てのになるまではとんでもない隔たりがある。というか、同じ成分で出来たスーツを着ているから、生命維持にはまったく影響無い。」
じゅえる「ワープ中でも?」
まゆ子「う、うん。ゲキは実は大きさには機能は拘束されない。人体サイズでもそれ以下でも、ゲキとしのて機能は発現する。まあ、ゲキロボが壊れるというのは一種の演出だ。それだけ敵の力が強かったというのを表現する為のね。この修復は起動中戦闘中でも喜味子系の人間にしか出来ない。」

釈「で物辺優子は巫女ですから、SUMMONER(召喚者)ですか。」
じゅえる「もうちょっと、機能に応じた名前がいいかな。LIBERATOR(解放者)がいいんじゃないかな。秘められた力を解放する、強大なエネルギーを解放して敵を破壊する、て機能だから。」
まゆ子「ゲキロボは一回ごとの使い捨てで、その度に本体をさっき言った泥から作り出すんだ。これを司るのが物辺系。で、完全に壊れるのではなく、コクピット部分が家のような洞穴として残るんだね。ここが彼女達の秘密基地になる。その近所物辺神社の境内には古代のゲキロボの跡である洞がやっぱり残っている。」
じゅえる「で、高校卒業後は5人はバラバラになっちゃうから、ゲキロボは完全崩壊しないままに機能を温存したまま冬眠状態になるんだね。」
釈「穴掘って埋める事にしましょう。」

 

まゆ子「まとめましょ。

鳩保系=PROMOTER(発起人、促進者、張本人):ゲキを起動する。操縦して敵を破壊する。=NWOにて政治的指導力を発動する。/アメリカ
物辺系=LIBERATOR(解放者):ゲキを発生させる。ゲキの能力を開放する。ゲキのエネルギー兵器を最大出力で使用する。=ゲキプロジェクトの要。ゲキの祭祀の管理。/日本
花憐系=NAVIGATOR(航海士):超光速移動、超長距離探査、警戒能力。予測、予言。=NWOの広報や政治宣伝、世論操作を行う。/EU、ロシア
童系 =ACTIVATOR(活性者):ゲキで格闘戦を行う。地上、非エネルギー兵器戦を行う。=NWO秘密軍組織の指揮を執る。/非白人国家
児玉系=MANIPULATOR(操作者):ゲキで細かい作業を行う。ゲキで物体を再構成する。特殊な異星技術製品を使用する。=ゲキ技術の解明と利用応用の研究。/NWO内

じゅえる「いいんじゃないですかね、ゲキに関してはこんなもんで。他にも参入する機関はあるだろうけれど。そうだ、諜報機関は持たないのかな。」
釈「いえ、これは秘密プロジェクトですから、NWO自体が諜報機関であると解釈すべきでは。」
まゆ子「まあ、防諜には極端な努力を払っているからね。」

じゅえる「NWO秘密軍、というのはどのくらいの実力を持ってるんだろう。アメリカから艦隊一個くらい来ているのかな。」
まゆ子「そこまで大袈裟ではないが、ゲキが出現した時点でNWOは体制を換えて、在日米軍すべてがその為に動くようになっている。もちろん司令官以下は知らないけれどね。だから自衛隊と在日米軍全部、てとこだ。」

釈「そりゃ大袈裟ですねえ。まあしかしそんなくらいは必要ですかね、なにせ異星人のロボットなんですから。」
まゆ子「どこかが色気出して奪取しよう、と思わない為にもこのくらいは必要だ。ただその後童系の子孫が参加してくるに従って、独自軍も構成されるようになる。ゲキから派生した兵器を使う事が許されるのはこの軍だけになるし、実際童系の人間でないとろくに動かない不思議兵器になってしまう。まあここに4メートルガンダムとかがでてくるわけだ。」
釈「ゲキの力で動くガンダムですか。」

 

じゅえる「変身というか、サルボロイドもあるでしょ。あれは使えないの?」
まゆ子「うーん、サルボロイドは敵方に使おうとか考えている。ゲキ系のパワードスーツはまた別に考えよう。」
じゅえる「そうか、敵にも強力な武器が必要ってわけだ。」

じゅえる「次の回は敵について、ね。」
釈「ですね、宇宙人とか地球人とか。」

 

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