2018/08/27
(ユミネイトの外伝物語を構想中、脱線)
釈「でも、ゥアムに「革命」って言葉はあるのでしょうか。」
まゆ子「タンガラムにも無いよ。」
じゅえる「無いのか。」
まゆ子「それ、シンドラの言葉だ。弥生ちゃんがヤクザ軍団を率いてイソギンチャク怪人による支配を斥けた際に用いられたのが「革命」て言葉だ。」
明美「アレって弥生ちゃん革命だったんだ!」
釈「いえでも、その後連合王国になったんですよね。旧来の体制が覆されて民衆による支配が起きるのが、あいや、中国の革命は別に民衆は関係無いのか。」
まゆ子「シンドラにおいては、その革命を契機として聖戴者時代が終わって、ただの民の出身である「太守」による地方分割統治体制と連合王国制に移ります。
れっきとした革命です。」
じゅえる「そうだったんだ。なら遠慮なく使わせてもらおう。」
釈「しかし、シンドラの太守はただの民なんですか。」
まゆ子「ヤクザ軍団の親分衆だ。氏素性血統関係なしに、弥生ちゃん革命に参加したという功績により「太守」の身分を手に入れている。
その身分を保証する存在として連合王が定められた。そういう国家体制なんだよ。」
じゅえる「だが待てよ、そんなヤクザを殿様にして、よく国家支配が成り立ったな。元より支配の経験者ではないんだろそいつら。」
まゆ子「まあそれなりの侠客であるとか軍閥、武力を持った商人程度には経営能力はあります。社長レベルくらいにはね。
だがシンドラ方台がイソギンチャク怪人に支配されていた時でも、旧来の支配体制における官僚や知識人、民間の有力者ってのは別に根絶やしにされてないからね。
というかイソギンチャク怪人はそういう支配にはまったく興味を持っていなかった。」
じゅえる「何持ってたんだよ。」
まゆ子「ヒャッハーしたかっただけ、だな。民衆から財や食料を奪い取り女を拐って犯して、という悪のならず者ルーチンワークを素直にこなしてました。
だから、奪い取るモノが無いとそれはそれで困るのです。適正規模の略奪というものがありまして、それには生産体制が健全に機能しなければ困る。」
釈「なんか、悪というよりは遊牧民による強奪みたいなもんですね。」
まゆ子「それが近いのかもしれないね。
で、旧来の支配体制を司っていたのが「コガネムシ聖戴者」
彼等は褐甲角の神兵ほど頑丈ではないが、怪力の持ち主で、しかも性格は温和で健全な支配体制を築いていたのです。
ただしギィール神族みたいな智慧は持っていなかったから、そこら辺は長い時間を掛けて一般人から出た学者によってゆっくりと科学技術が進歩していきました。
というか、コガネムシ聖戴者による安定した社会体制の中で、科学技術が堅実に育まれたとと解釈すべきです。」
明美「コガネムシ聖戴者っていい人なんだ。」
まゆ子「ところが残念ながら、イソギンチャク怪人は悪の権化であって、コガネムシ聖戴者は彼等に対して勝てなかった。
おそらくはなんらかの神秘的な毒によって動きが封じられたのだろうと解釈されているが、とにかくイソギンチャク怪人を止められず無策のままに支配体制を放棄する事となる。」
じゅえる「それも天河の計画ってやつか。」
まゆ子「そう考えるべき、と今のシンドラの歴史では教えています。だから弥生ちゃんがやってきた。すべてを終わらせる計画だったと。」
じゅえる「だからこその「革命」てわけだ。だから、ヤクザの親分が「太守」になっても、旧体制の官僚とかが集まってその下に入れば、国家が成立する。」
まゆ子「という次第ですから、コガネムシ聖戴者による統一国家の復活という選択肢は誰も期待しなかった。
で真実の救世主である弥生ちゃんが命じるままの、太守による国家分割支配こそが新しい世界の在り方だ、とヤクザの親分の下に彼等知識層が続々と帰属していくわけです。
で、元から居た仲間のヤクザ達はインテリのやることについていけなくて、地方に小さな土地をもらってほぼ村長レベルの小領主になります。
もっと下っ端は自分が耕す程度の土地をもらった一領具足的な存在として、在野の人になる。」
釈「追い出されちゃったんですか。」
まゆ子「安定した世界が成立すると、ヤクザの出番は無くなり、しっかり組織した軍隊・警察制度が取って代わりますね。
でもここまでが弥生ちゃんの計画通りです。
ヤクザだって30年も経てば歳をとってオラついていられない。
いずれ革命の闘士だったヤクザも引退する。彼等全員を貴族化するのは難しく、親分クラスだけを尊重した方が適切。
むしろ弥生ちゃん革命に参加しなかった官僚階級が平和な時代で権力を持って支配体制を構築するのを、かなりの強権で制圧しなければならないと理解していた。
その為に、「太守」の先祖が弥生ちゃん革命に参加した事を証明してくれる、「連合王」と呼ばれる権威の認定機関を作ったわけです。」
じゅえる「戦国時代が続いたわけではなく、累代の武士階級も無いとなると、こうなるわけか。」
釈「武士階級はコガネムシ聖戴者の時代には確立していなかったのですか?」
まゆ子「ありましたよ。ことごとくイソギンチャク怪人の集団に負けて、だからヤクザ軍団というのが私的に地方の秩序を守っていたわけです。」
釈「あ〜なるほど。負けちゃって権威丸つぶれだったんですね。そりゃダメだ。」
まゆ子「まあ「太守」が地方権力として支配基盤を確立させていく間に、元武士階級の人間は軍隊やら警察やらの部署に再就職して、身分の回復はしてますね。
ただ昔の秩序に基づく権威は既に失っており、ヤクザ伝説が歴史に輝いているだけです。」
明美「コガネムシ聖戴者も滅びてしまったしね。」
まゆ子「あー、いや意外と彼等は長生きするんですよ。300年位。
ただしもう社会の表舞台には立たず、隠者としてひっそりと暮らしています。学問や武術を教えたり、村の発展に寄与する策を教えてくれたり、民衆と共にですね。」
じゅえる「彼等は復権を試みなかったのか?」
まゆ子「弥生ちゃんとの協定により、「太守」による分割統治体制が新しいシンドラの枠組みである。と彼等は理解しました。
その上で、中心となる「連合王」を支えるべき存在が必要と説かれ、彼等はこちらに助力する事となります。」
釈「ああそういうカラクリですね。中央の「連合王」と連なる旧来の支配者が、隠者として村の隅っこに住んでいる。そんな形ですか。」
まゆ子「「連合王」だって、いずれかの「太守」の子孫から選ぶ事が決められましたが、コガネムシ聖戴者が存続している間は彼等に選定権が与えられてしました。
また「太守」達もそれを了承します。
なにせ「連合王」は神様と直接に接触する役目であり、只者にはとうてい務まらないのは一目瞭然。
実権を失ったとはいえコガネムシ聖戴者がそこを上手く取り仕切ってくれるのは、大歓迎だったのです。
また歳をとって「太守」の宮廷から追い出された元ヤクザ達は、彼等の元で生涯を終える者も多かったのです。
彼等下っ端ヤクザの子孫達は、わずかの土地をもらって、しかし聖戴者によって教育を受けて、また新しい時代を担う人材となっていくのですね。
300年ほどでコガネムシ聖戴者は地上から消滅しますが、その後に同様の役割を果たしたのが、彼等革命の闘士の子孫ということになる。
まあさすがに「連合王」の選定権は持っていないけれど、「太守」の統治に物申す存在にはなっています。」
釈「でも、復権した武士階級や官僚は、ただのヤクザの太守から実権を奪い取ろうとはしなかったのですか。というかしますよね?」
まゆ子「盛大にやりますねやりましたよ。
でもここの所は、弥生ちゃんが大きな法を作っていましたから。
曰く「もしも太守が統治の任を果たすに能わざると判断された場合、近隣の太守がその封領を侵す事を許す」
あくまでも「太守」が「太守」をです。」
じゅえる「正統統治権を「太守」家系にのみ認める、てわけか。それじゃあいつまで経っても民主革命とか起きないな。」
まゆ子「とにかく、家来が実権を奪って自ら太守になろうとすれば、近隣の太守が攻めてくるのです。
また近隣の太守は、そのような状況になるように間者を送って下剋上を支援したりしているわけです。」
釈「おお陰謀の乱れ飛び。」
じゅえる「それでいいのか?」
まゆ子「それでいいんじゃないかい、ヤクザってそういうの得意でしょ。」
じゅえる「まあねえ、戦国大名ってのはヤクザの大きいのみたいなもので、メンツとかでやり合ってたしね。」
釈「でも民主国家の成立とかは、弥生ちゃんきゃぷてんは望まなかったのですか。」
まゆ子「だってー、民主主義政権て世界中の歴史を見ても分かるけれどさ、ヤクザの抗争だよほとんど。」
じゅえる「だね。」
釈「まあ、ですね。」
まゆ子「最初から無理なものを望むわけがない。弥生ちゃんは賢いのだ。」
まゆ子「まあというわけで、シンドラにおいて「太守」は増えない。
もしも「太守」の家系が断絶した場合、「連合王」が諸太守と協議して、いずこかの「太守」の家系から継承者を送り込む。
そもそもが太守間で婚姻関係を結んで、それぞれに補完体制を構築する。
むろん封領がそのまま維持ということは無いのだけど、色々と帳尻合わせをして。」
釈「転封もアリですか。」
まゆ子「ありますねえ。特に家臣団に実権があるような封領だと、家臣団まるごと転封で厄介払いさせられますねえ」
じゅえる「元の土地には新しい殿様が新しい家臣団と共に移住してくる、ってことか。」
釈「そいつは凄いや、と思いますが、それだけの指導力が連合王にありますか?」
まゆ子「無いねえ。でも有力太守の連合軍を相手に立ち向かうのは無理だね。
連合王は転封の処分に正当性・大義名分を与える役に過ぎません。
でもそれを無視してしまうと、太守達のヤクザ魂が炸裂ですよ。」
***
釈「そういう体制が1200年前に成立したのは分かります。でも今は現代ですよ。
民衆は、創始歴6200年代のシンドラ民衆はそれをよしとするのですか?」
じゅえる「というか、シンドラ歴はどうなってるんだ。」
まゆ子「革命歴ですね。
まあ「げばると処女」と「罰市偵」は時間軸が若干ずれているから、多少の乱れは許してもらうこととして、
革命歴1202年です。弥生ちゃんがシンドラを離れてから1202年ですね。
1200年祭は大騒ぎでしたよ。」
釈「民主主義・共和主義、もしくはタンガラムから習った民衆協和制は、シンドラ人は望まないのですか。」
まゆ子「うーん、ここが難しくてね。
シンドラ人はそもそも「太守」がただの人である事をよく知っている。弥生ちゃんと共に戦ったから、その地位を認められたと熟知する。
その上で、その封領がこれまでどのように統治されてきたかを考える。
良い国であったか、悪い統治で苦しめられてきたか。で、結果良かった国のみが残っている、と考える。
もちろん今の統治者である「太守」の手腕によってどうにでも転ぶが、これまでの経験からしておおむね上手く行くと思っている。
何故ならば、というのは簡単だ。
この世界がまだ遅れているからだ。」
まゆ子「いやね、世間一般の人は誤解していると思うんだけどさ、
現在の世界の国で王政、それも王族が直接国家を統治している国はそう多くはない。
これは進歩によってそう発展したのだ。と思い込んでいるが、それは部分的には正しいが、正しくない。
進歩したのは科学技術だ。それも通信・交通・金融・情報処理技術の進歩だ。
これによって国家の意思決定機構がとてつもなく複雑になって、もはや世襲の後継者が国家を経営するのが難しくなった。
いや、世襲血統によって優秀な支配者を輩出するのを待てなくなった。
だから議会制度や官僚制を整えて、政治家を選んだ中から国家を運営する人材を選び出す。王様は象徴的な存在として留まるのをよしとする。
お手軽インスタントに支配者が出て来るシステムが必要なんだ。質はともかくとして。
だからさ、それら技術が未だ不十分な世界においては、むしろ血統による統治の方が効率的だったりする。
というか、民間企業にあっても未だ発展途上においては血族支配による財閥制度がちゃんと機能するでしょ。
或る程度の大きさまでの組織においては、世襲制度は特に酷いものではないのだ。
むしろ決定が迅速で支配力が非常に大きいというメリットがある。
組織の永続性の観点からしても、支配に属する人達に安心感を与えることさえある。
責任をちゃんと取る、いやでも取らざるを得ない。
民主主義がそれを否定するのは、まあごちゃごちゃと理屈はありますが、イデオロギーに基づいているから、ですね。」
じゅえる「まあ分かるよ、今だってサウジアラビアとか世襲の王様支配だからね。」
釈「北朝鮮も世襲の王様ですよね。」
まゆ子「現代社会のスピードが王政を排除してしまうわけだ。
でも「罰市偵」の世界はそこまで早くない。なにせ方台間通信ケーブルすら引かれていない。」
釈「飛行船を使った無線通信中継システムが、ようやくゥアム帝国と繋がるんでしたね。」
釈「しかしですよ、太守達は未来の先を見通していますよね。有能であればなおのこと。
彼等は統一されていないシンドラをこのまま続けて行けると考えているのですか。」
まゆ子「そこは議論争鳴百花繚乱でね、人によって考え方が違う。
特に「連合王」存在をどう定義するかで、まったくに違ってくるのだ。」
「連合王」は「天皇」ではないんだよ。神秘的なシステムによって選ばれる祭祀王の役目ではあるけれど、その候補者は「太守」の息子達だ。女性はこれまでに無い。
つまり「連合王」の下で絶対の忠誠を誓うという構図には成りえない。そいう存在ではない。
これは弥生ちゃんの罠だ。
「太守」という血統を重視するシステムに世俗社会の統治を任せていながら、精神世界の権威に関しては徹底的に血統の構築を阻害している。」
釈「黄金の「黒ひげ危機一発」で選んでるんでしたね。」
じゅえる「「天皇」でないとすれば、あくまでも「太守」システムを続ける限りは「連合王」システムも必要、またどこかの太守が独占的な立場を得ない為にも必要、てことか。」
まゆ子「まあやるとすれば、太守の一人がシンドラ全土征服しないと、統一王朝は作れない。
でも、この「連合王」システムの公正さは「太守」の間では強く支持されてるからね。
勢力の大小、兵数の多寡を問わず、身分と権威は同等に保証される。「連合王」の候補を出す権利は維持される。」
まゆ子「ついでに言うとね、「連合王」の選出はだいたい4年に1回くらい行われ、各太守の継嗣つまり跡継ぎ候補により生涯1回だけ許される。
黒ひげ危機一発に剣を1本突き刺す権利を持つわけだ。
でも毎回当たりが出るわけではなく、4回に1回くらいしか「連合王」は選定されない。
で、この儀式を行うことによって、太守の継嗣・太子として公式に認められる。ありがたいものだ。
儀式を行わずに太守になったら、それは不名誉だとされる。太守社交界において爪弾き対象だね。
そして、当たりが出たらどのような人物であっても「連合王」にさせられてしまう。」
じゅえる「バカでもか?」
まゆ子「結果的にバカということはある。が、単なる飾りとしてはそれで十分。
問題は、極めて有能な人材が当たると、その太守の家では有能な跡継ぎを失ってしまうということだ。」
釈「あーそれは痛い。」
まゆ子「それだけ有能であれば、太守達の合議による「連合王」の王宮での政治もそれなりにちゃんと機能するのだ。
上手くいけば自分の家の権力や封領を拡大も出来る。太守断絶の復活や転封に関しても意思を反映出来る。
ただ、茨の道だねえ。」
じゅえる「ふうむ、意外と上手く出来てるのだな。」
まゆ子「なにせ1200年持つシステムですから。」
じゅえる「次のシステムをまだ構想出来ていない、て事か。」
まゆ子「弥生ちゃん、1200年の時を超えて勝利してます。」
釈「もし次のステージに国家が移るとすれば、民衆の間に独立的な機運が高まり、それこそ市民革命をするしかない。てわけですね。」
じゅえる「だがその為には、民衆の中にブルジョアジーが興隆してこなければ無理だ。
どうなんだ、その民衆の実業家ってのは。」
まゆ子「「太守」てのは、経済的な存在でもあります。特に地方の少領主であれば、直接に経営者です。カネも土地も人も、また産業資源や生産設備を一手に握っています。」
釈「おう! 太守自身がブルジョアでしたか。」
じゅえる「そういう産業構造ったか。そりゃー市民革命無理だな。」
まゆ子「そもそもシンドラ連合軍は、各太守が固有の武力・兵力の集合体だ。国民軍ではないのだよ。」
釈「うーん、そこはー、武力蜂起はなしですねえ。」
まゆ子「だからさ、もしシンドラ社会が変わるとすれば、経済からだ。
現在シンドラでは産業革命が進行中であるが、その主体は各地方太守だ。
独占資本主義が進展して、太守の間に大きな格差が生じて、没落太守が続出すれば、権力構造が一極に集中して新しい国家体制に変革する。
ただそれが望ましいものであるかは、誰にも分からない。たぶん、ダメだろう、てのが大方の推測。
なにせ未来への展望がある中での変革ではないから、それに民衆の権利を拡大するという観点はまったくに存在しない変化だから。」
釈「民衆の間から変革を望む声は出て来ないんですか?」
じゅえる「タンガラム民衆協和国の存在は、刺激にならないのか?」
まゆ子「いや、かなり大きいですよ。相当の影響力を持っています。
また同時にゥアム帝国の厳然とした身分秩序による統治体制についての知識も、広まっています。
シンドラ連合王国はその中間にあたる国家体制です。
さすがにゥアム的な一元的支配体制の構築は不可能だと理解し、
でもタンガラムの民衆の総意という名のペテンに乗った政治制度も、まあ無数の失敗例をタンガラムから学んでますから、これもどうかなと考える。」
釈「やっぱりダメですか。」
まゆ子「そうでもなくてね、
さすがに中央省庁が必要だとは理解した。各太守バラバラの体制ではシンドラとしての統一的な意思に基づく国家戦略が描けない。
その為に必要なのが、中央官僚制度だと。また統一軍だと。
そこで「連合王」の権力拡大、という方向性でシンドラの改革は進んでいる。また太守達の賛同も多い。
やはりゥアムやタンガラムに比べると、一枚岩ではないシンドラに危惧を覚える太守も多いんだ。
なにせ彼等は実業家であり、利には聡く、それを脅かされるものを常に警戒するからね。」
釈「各太守による地方分権の構造を残したままで、シンドラ中央に権力を集中する方法を模索しているわけですか。」
まゆ子「あと、議会だね。
さすがに太守がすべてを決定できる世の中ではなく、民衆の権利を尊重しなければならないというのはもはやデフォルトだ。
一般民衆も政治参加を求めており、太守の中には独自に民衆議会を結成させて、政策決定の助けとしている。
これを中央にも国家総議会として、タンガラムに習って作ろうというのが、今のシンドラの民衆主義運動の焦点だ。」
じゅえる「憲法制定は?」
まゆ子「ああうん、無いな。シンドラは慣習法の世界だから。」
釈「そこだけイギリス風でしたか。」
まゆ子「実は、国家総議会の発足は、国民徴兵制度とのバーターというのがもっぱらの評判。
各太守が兵力を提供する連合軍の方式は、さすがに負担が大き過ぎる。なんとかしたいと考えるのが、太守達の現在の要望なのだ。
だから、国民総議会構想は太守の間でも強く推進されており、おそらくは10年以内には成立するだろうというのが大方の見方。
ただその議会がどこまでの権限を持つか、で議論が紛糾しているのさ。」