2018/12/25

まゆ子「くっちゃりぼろけっとー!
 ついでにシンドラ連合王国の地図も作りました。」

じゅえる「まだ未完成か。」
釈「地名が入っていませんね。これ、今回やりますか。」
まゆ子「それも悪くはないけど、まあとりあえずたたき台として考えてみよう。

 私としてはだね、このマップにさらに深海地形図も描き込もうとか考えている。」
じゅえる「なんで?」
まゆ子「いやだって、海底火山はあるだろやっぱり。」

釈「というか、この地図全体、コレ全部火山島じゃないですか。
 まるい穴は噴火口でしょコレ。」
じゅえる「どう見てもカルデラだよな、湖は。」
まゆ子「というわけで、シンドラは火山から切り離してはまったく考えられないという土地です。」

じゅえる「で、島だから海がある。かなり狭い水路が無数に入り組んでいるわけだ。」
釈「海軍国ですね、これ。」
まゆ子「と思うだろ。タンガラムみたいにだだっ広い平原が無いから海軍が発達したって。
 でも実は、シンドラは陸軍王国なのだ。」

じゅえる「どういう理屈だ。」
まゆ子「よくよく地図を見てもらえると分かるんだけど、これらの島は極めて細い水路で鼻を突き合わせるように
 接近して遭遇するのだ。
 一番離れている島との間を見ても、数十キロがせいぜい。目と鼻の先です。」

釈「はあ。橋を掛けたくなるような地形がいたるところにありますね。」
じゅえる「ひょっとすると、大規模な海軍は必要ないのか。」
まゆ子「そういうことです。丸木舟でも十分に渡海して他国を侵略出来る地形です。」

じゅえる「はー、そうなると話は別だな。」
釈「でもゥアム帝国は全土が一つの大陸だったのに、地中海が決定的に意味を持っていましたけどね。」
じゅえる「ゥアムは海軍国なんだろ。」
まゆ子「ゥアム帝国では進歩した軍船を持つ国が決定的な利益を得ることが出来ました。
 だから伝統的に海軍に力を入れています。」

じゅえる「それはよく分かる。
 だがシンドラはー、うーん、釈ちゃんどう思うよ。」
釈「海軍が意味を持たないとは思いませんが、遠洋航海とかまったく考える必要の無い土地柄ですね。」
じゅえる「だよな。外回りで航海すれば別だろうが、この複雑怪奇な水路を通っていけば、いやでも……
 おいまゆ子、これ、海賊天国だろ!」

まゆ子「ご理解いただけますか。
 シンドラ連合王国は、歩兵主体の陸軍国と、海賊部族との抗争こそが歴史の本道なのです。」
釈「はー、地形を見れば歴史も分かるってもんですね。
 でもこれ、ぜったい統一国家て作れないでしょ。」
まゆ子「作れませんね。でも作ってましたけどねコガネムシ神族が。」

 

  シンドラ全図

じゅえる「まず基本的なことを抑えておこう。

 各島、大陸じゃないよな、に番号が振っているがこれの意味は。」
まゆ子「大きい順です。
 えーと、タンガラム方台と比べると、最大の1の島でも面積で小さいですから、島でいいですね。
 シンドラ諸島全体でシンドラ方台です。」

釈「白いところが平地、黄緑が草原、緑が森林地帯ですか。
 薄い青緑のところはなんです。」
まゆ子「低湿地樹林、マングローブ森林だね。」
釈「こんなに広く有るんですか。それに、利用不能な土地みたいですが。」
まゆ子「利用していませんね。干拓やら灌漑はできるかもしれないけど、シンドラ人はその必要を認めていません。
 平地と草原で十分食料生産が間に合ってます。」

じゅえる「そもそも南方だから生産力高いて話だ。
 となると、1の極めて広大な平地草原を持つから、最大の人口を持つ最有力な土地だな。」
まゆ子「というわけです。基本的に1の島に住む人々がシンドラ人と言っても良いでしょう。」

釈「文明国はここだけだった、という事ですね。火山もありませんから、天変地異にも襲われない。」
じゅえる「連合王というのも、この1島に王宮があるわけか。」
まゆ子「そこはどうだろう。考えている。
 王様が一番豊かな発展した土地に都を置いているのは、分かる。
 でもシンドラ連合王は、各太守によって祭り上げられている存在で、そこまで繁栄の中心ではない。」

釈「どうしたものですかねー。2の島は1の島にも近いから、そこに王宮を置いてもいいですかね。
 しかしこれまた凄い火山だな。」

 

     ***

じゅえる「こうしてみると、大きな都市が結構散らばってるな。
 辺境みたいな島にも大都市が有る。どういうことだ。」
まゆ子「そこが太守制のちからだよ。

 太守はそれぞれが治める領域が決められていて、他に進出は出来ない。まあ侵略の手順は有るにはあるが、めんどうだ。
 で、各太守は自分たちが住んでいる場所を豊かにしなければ贅沢が出来ない。
 民衆に重税を課しても、辺境に住んでいてばさほど儲かりもしない。
 ならば殖産興業で地域振興だな。」

釈「王道ですね。賢明なる君主のなさることです。」
じゅえる「そんなにうまくいくのか?」
まゆ子「うまくいかない太守の国は連合各太守が総掛かりで潰します。潰して、有力太守の近親者をそこの太守の配偶者とかにして送り込みます。
 つまりはうまくいかなかったバカ太守はさっくりと排除されてきたのです。」

 

じゅえる「太守制って、どういう秘密があるんだ。」
釈「そんな素敵制度が有るのなら、世の中平和そのものですよ。秘訣はなんです?」

まゆ子「だから、各国つまり「封領」の支配は「太守」の家系にしか許されないという縛り。
 もう一つは、各「太守」は決められrた「封領」以外を支配できないという縛り。
 だが領民は自由に出ていく事が許されているんだな。」

じゅえる「出てくっても、そこの住民はその土地に土着の部族とか氏族だろ。
 その連中が太守に反抗して独立とか出来ないのか?」
まゆ子「出来ません。
 「封領」の支配権は「弥生ちゃん革命」に参加したヤクザの親分衆にのみ与えられるもので、その血統以外の勢力が独自の支配権を主張するのを、すべての「太守」が許しません。
 それは各「太守」の「封領」支配の根源を否定する行為ですから。」

じゅえる「つまり、太守を押し付けられたら泣く泣く支配に甘んじなければならない、て事かい。」
釈「どうしたらいいんですか、それ。」
まゆ子「いや簡単さ。地元部族やら氏族やらと婚姻を重ねて、太守家系を部族そのものにしてしまえば万事OK!」
じゅえる「かんたんだ。」
釈「かんたんだ。」

じゅえる「つまりは、土着の部族よりも「太守」の方が権力が上なのは分かった。
 でも、なんで領民が自由に逃げられるんだ?」
釈「それって逃散ですよね。徳川支配体制における反逆行為ですよ。」

まゆ子「いやだって、「太守」てのは元がヤクザだよ。親分衆だよ。
 何者にも縛られずに自由に動いていたからこそ、「弥生ちゃん革命」に参加できたんだ。
 その根源である自由性を縛るわけにはいかんだろ。」

じゅえる「それは支配に不都合ではないか?」
まゆ子「というか弥生ちゃんはこう考えた。
 この統一なんか出来っこなさそうな島々を一つに繋ぐ手段は無いものか、と。
 で、移動の自由を保証した。」

釈「ふむふむ。統一国家成立の為に必要な手段だったわけですね。」
じゅえる「だが強権で土地に領民を縛り付けておくのは可能だろ。そこはどうするんだ。」
まゆ子「それはまあ、
 そこを理解するためには、「太守」てのが実にやばい存在だというのを理解しなければならない。

 簡単に言うと、他国の太守が謀略や暗殺を普通に使って、各太守の封領を奪い取ろうとしているのだ。
 住民に太守に対する不満や抑圧があれば、他国に乗じられる。
 で、無茶苦茶になった状態で、「徳の無い太守はさっさとすげ替えてしまえばいいのだ」が発動するのだ。」

釈「まるでヤクザの仕業ですね。」
じゅえる「というか、元がヤクザだしな。」

まゆ子「まあそんなわけで、太守は自らの封領を豊かにして謀略や侵略に対抗する実力を備えなければいかんのだよ。
 全部が全部うまくいくわけじゃないけど、うまく行ったところは大きな街を作れるほどには発展する。」

 

     ***

釈「「太守」て何人居るんです? 江戸幕府みたいに三百諸侯ですか。」
まゆ子「60家くらいだね。」
じゅえる「少なくないか?」
まゆ子「1万石ていどの弱小太守は居ないからねえ。5万石くらいだと思ってくださいな。
 ま、一万石以下の国力しか無いとこだってありますが。」

じゅえる「分家で太守が増えるってことは、」
まゆ子「ありません。というか、相撲の親方株みたいに総数が決まってます。
 というか、「太守」株、売ってます。」
じゅえる「えーーーー。」
釈「いいんですか、それ。」
まゆ子「誰でもが買えるわけじゃないし。

 どこその太守が嫡子でない息子を太守にしたいと思えば、カネでよその「太守」株を買うわけさ。
 もちろん元の「太守」家系が支配の能力を既に失っている事が前提となるけれど、そこは謀略でなんとでもなる。
 で、買われる方の同意と連合王の承認があれば、株の譲渡も出来ます。
 もちろん大金が必要で、しかも同額を連合王にも支払わねばなりませんが。
 というか、まず連合王に代金の二倍を払って、連合王から元の太守家系に支払われるというごまかしが利かない制度です。」

じゅえる「うーむ。それじゃあ金持ちの太守の家系がシンドラ全土を掌握、て事にならないか?」
まゆ子「独占ではありませんが、現在は60家が10の血族くらいには収斂してますね。」
釈「寡占状態ですか。いいんですか。」
まゆ子「いやだって、太守家系ってそもそもがただのヤクザの親分衆であって、別に高貴な血筋が古代から連綿とてのは無いし。」
じゅえる「あ、ああ。」
釈「無いんでしたね。」

じゅえる「でも地元の土着部族とかの血統は関係無いのか?」
まゆ子「あんまり関係なかったですねえ。婚姻で太守家系を部族に引き込んだとしても、負ける時は負けるのです。
 太守家系を守る為に地元部族が全滅するほどに頑張る、という理屈は無いのです。」
釈「かなり冷たいですねえ。そんなものですかね。」

 

釈「「太守」」家系、てのは具体的にはどの程度の血縁関係なのでしょう。やっぱり男子直系ですか。」
じゅえる「なんだかんだ言っても、男子直系は便利な制度だからね。」

まゆ子「あ〜、まずは「弥生ちゃん革命」に参加した親分衆がオリジナルだね。これが60人ほど。
 で、その子息つまり男子がまずは認められる。ただし長子に限定されるものではない。
 で、男子が居なければ娘までは相続が許される。女太守もアリ。

 でも女太守の子や孫は継承権を持たない。男系だから。

 で、太守を相続した者以外の男子、つまり兄弟の子孫は、だがやっぱり継承権は持つのだ。」
釈「男子直系ですからね。」

じゅえる「つまり、男子直系であれば「太守」家系はどんどん増えると。」
まゆ子「増えますね。というか、「太守」を相続してその実子に自動的に相続できる、わけではありません。
 やっぱり連合王に承認されるべきですし、また連合王選出の儀式である黄金の黒ひげ危機一発をしなければ、正統な嫡子とは認められません。」

釈「ちょっと待ってください。
 つまりなんですか、「太守」の実子を差し置いて、まったく遠縁ではあるが直系男子であれば、「太守」になるのは可能ですか。」
まゆ子「特に制限するものはありません。
 実子がバカとか素行不良でとても政治が出来ないとなれば、
 いやそもそも、「太守」というのは各「封領」の軍隊の最高司令官でもあります。
 とにかくまともな人間でなければ務まりませんね。」

じゅえる「ということは、家臣が謀略をめぐらしてバカ若様廃して、賢い親戚筋を「太守」に据えるとか、可能。」
まゆ子「はい。」
釈「普通に王家の相続争いが起きる、てことですね。」
まゆ子「起きないわけ無いじゃん。」
じゅえる「もっともだ。」

釈「殺そう!」
まゆ子「まあそうです。余計な枝葉は切り払って、相続権者は出来るだけ少数にしておくのが正しい選択ですね。」
じゅえる「うーむ、王道だなあ。」

まゆ子「で、女太守の配偶者ですが、これが然るべき他の「太守」家系の継承権者であった場合です。
 この場合、女太守が自分とこの「太守株」を買って夫に渡す、という手段が取り得ます。夫でなくても子でもいい。」

じゅえる「なるほど。」
釈「ああ、事実上の養子制度はアリなんですね。カネは係るけれど。」
まゆ子「この手段用いると、「太守」家系を双方から血縁で引き継ぐという形が取り得ます。
 この方法を使って、現在では10家の寡占状態が成立した。てなわけです。」
釈「割と穏便な策が使えるんですね。」

まゆ子「でもまあ、この制度を使うためにはまず女太守が成立するように、その男兄弟を皆殺しにする必要があります。
 その他の継承権者は、基本的には「太守」の遺言による指名が優先しますから、実子がだいたい「太守」に就任します。」

じゅえる「亡き「太守」の娘に、遠縁の継承権者が、部族やら家臣団やらの後押しでむりやり婿養子になる。てのは。」
まゆ子「いや全然問題ありませんよ。家臣やその他勢力が謀略を使うのは、特に禁止もされていません。
 でもそれらを誅伐するのも、また特に禁止されていません。
 なにせ太守ですから、謀反を認めれば問答無用で皆殺しに出来ます。あとの政治的混乱は知りませんが。」

釈「要するに普通のお家騒動はあらゆる意味で解禁されてるわけです。」
まゆ子「つまりは、各「太守」連合と連合王が認める継承権者が行うのであれば、ですね。」

 

     ***

じゅえる「ハーレムは?」
まゆ子「ありますよお。別に禁止する宗教的制約はありません。」
釈「まあ、生まれた子供の継承権がめんどくさいだけで、女を侍らせるのに制限はないわけです。」

じゅえる「というか、シンドラの一般庶民とか金持ち限定でもいいが、一夫多妻制?」
まゆ子「はあ。多夫一妻制もアリです。というか、どちらか経済力の有る者が多くの伴侶を養うのはアリなのです。」
釈「いや、多夫制はさすがに道徳的に厳しくありませんか?」
まゆ子「まあ実質は、同居では無いな。
 別宅に若いツバメが何人も居る金持ち夫人、てのは普通に居るし、一人ずつ家にやってくる形式でもアリだな。」

釈「はあ。シンドラの道徳制度はどうなってるんですかね。」
まゆ子「そこは天神十六星信仰を土台とした、立派な宗教があります。道徳はそこから来てますね。」

じゅえる「多夫制を認める神様なのか。」
まゆ子「というか、そういう女神が居ます。」
じゅえる「神様が居るのかあ、そりゃ仕方ないなあ。」
釈「神様がお手本であれば、致し方ありませんねえ。」

まゆ子「ちなみに「シンドラ」という名前が出来る前は、「十六神星方臺」というのがこの方台の名前でした。
 タンガラムが「十二神方台系」と呼んでいたのと似たようなものですね。」

釈「でもですよ、その若いツバメが奥様以外の女の人とセックスするのは、許されるのですか。」
まゆ子「首が飛びますね。」
じゅえる「難しいなあ。」

まゆ子「というか、ここらへんはおフランス風味で、首が飛んでもいいから不倫をしたいという自由恋愛欲求がまかり通っていますよ。」
釈「そもそも誰に首を斬られるんです?」
まゆ子「カニ巫女みたいのが、ナギナタ持って歩いてる。」
釈「うわー。」

 

じゅえる「十六神信仰ってのはどういうのだ。」
まゆ子いやタンガラムと同じ十二神信仰に太陽・白い月・蒼い月の3神を加えて、さらに最高宇宙神を加えて16神だ。
 現在ではさらに、すべてを滅ぼす羅睺星「ぴるまるれれこ神」を加えて、17神ですね。」
釈「あ、やっぱりぴるまるれれこ神はアリですか。」

じゅえる「やっぱり最高宇宙神が一番偉いんだ。」
まゆ子「偉いというか、宇宙を作った神様ですから別格です。」
釈「唯一神信仰になったりしません?」
まゆ子「歴史上、無いね。むしろゼロの概念とかと関連する、形の無い形而上の神だから。」
じゅえる「なんだありがたみが無いな。」

釈「じゃあ、何が一番偉いんですか。」
まゆ子「そりゃ太陽神だよ。当たり前じゃん。」
じゅえる「というか、タンガラムが太陽信仰無いのが変なんだな。」
釈「ゥアムでは、太陽信仰は?」
まゆ子「生贄大好き神です。最高神です。」

釈「十二神はタンガラムと一緒ですか。」
まゆ子「似てるけど違うねえ。だいたい、神様もっとたくさん居るし。

 つまりだね、太陽・月2に4人ずつの神様がお供をする事になるのさ。
 で、お供の12神もそれぞれお供を引き連れて歩いてる。1年333日神だね。
 で、そのお供にもまた従属神というのが有る。
 総計千人は神様が居ますね。 

 でも最高宇宙神は一人だけ。強いていうなら羅睺星のみが従神かな。」
じゅえる「あー、まさにインド的多神教だったか。」
釈「インドですからねえ。」

(注; この惑星は1年=333日  333=9×37であるから1週間=9日で37週ある。てのが世界的に共通の暦。
     37=3×12+1 であるから、1年を12ヶ月に分割するのも一般的である。1月=27日
     27日は白い「大の月」の公転周期と同じであるから、これが「暦の神」扱いされるのも世界標準。

      問題は残った1週分の処理方法で、シンドラにおいては新年1日から9日までは「0月」ということにしてお祭り三昧でお祝いする。

     タンガラムでは28日ある大の月を作って消化。ゥアム帝国では太陰太陽暦を使うので、3年に1回閏月が増える。)

釈「これ、タンガラムは例外で変なんですね?」
じゅえる「普通、大の月に合わせて27日にするだろ。どうしてだ。」

まゆ子「いや、単純に言うと、厳密に言うと27日かっきりじゃないからだよ。」
釈「はあ、そりゃ人間の都合のいいようには天文も出来てないですからね。」
じゅえる「そうか、ゥアムの暦でもだんだん狂っていくのか。」
まゆ子「そこらへんのつじつま合わせを閏月で合わせるわけです。

 タンガラムでは閏日を小の月に突っ込むことで、適当に処理してますね。」
じゅえる「シンドラではお祭り日を増やせばいいってことか。」

まゆ子「つまりはタンガラムでは1年を均等に12分割し、シンドラでは12月を平等に扱い例外処理をして、ゥアムでは月に合わせる。
 そういう思想です。」

釈「バシャラタンは?」
まゆ子「バシャラタン法国では、1年9月で1月37日と一番合理的な分割方法を使ってます。」
じゅえる「ああ、頭いい。」
まゆ子「てなわけで、バシャラタンでは1週間が6日で、6週間+1日で1月です。最後の1日が仏様を拝む日ね。六曜です。

 とまあそういうわけで、タンガラムシンドラバシャラタンはお正月というか冬至が1月1日になる、というので固定です。
 ゥアムだけ違って換算が面倒なんだな。
 まあ、シンドラは0月1日から新年が始まるんだけど。」

 

     ***

まゆ子「あ、そうだ!
 第六のカニ巫女事務員「ヤャラアタ」が居るでしょお。」
釈「はい。」
まゆ子「あの子、全身に放射線でないと見えない入れ墨で海図が彫ってある、という設定だよね。」
じゅえる「うん。ネガラニカの御本尊である巨大ダイオウグソクムシ神の海底神殿につながってるんだ。」

まゆ子「あれをちょこっと変えるよ。
 ヤャラアタの海図には、潜水艦でなら行ける、まったく新しい「未発見方台」への航路が描かれているんだ。」

釈「おお!」
じゅえる「おお、潜水艦か。巡航潜水艦ならその方台に行けるわけだ。」
まゆ子「これなら「潜水艦事件」の巨大巡航潜水艦の存在理由にもなるだろう。この線で以後物語を進展させていくぞ。」
釈「了解です!」

 

          ***

【シンドラの兵制】

 ありていに言うと、シンドラ連合王国は江戸幕府みたいなもので、各地方領主である「太守」が藩を作っている。
 各藩独自の軍隊があり、シンドラ統一軍というものは無い。
 無いが、それではゥアム帝国・タンガラム民衆協和国に勝てないので全国同盟を作った。
 また海外派遣軍においては各藩各太守から独立した指揮命令系統を有する軍隊を作っている。

 海外派遣軍の兵員は基本的に自由公募だが、人員を供出するとなにかとメリットが有る為に、各太守が相当数を派遣している。
 それ故の騒動も起きていた。

 海外派遣軍での階級は、タンガラム軍を模倣する形で作られている。

 兵<曹<士 <<令<督<将   (もちろんシンドラ語)

 海外派遣軍所属であるから、「海派兵」「海派士」という風に呼ぶ。

 士官に相当するのが「令」からであるが、これはだいたい大尉レベルの階級を意味する。
 「士」は小隊長レベルであるのだが、シンドラ社会においてこのレベルの軍人は、各藩で「武人」と呼ばれる階級だ。
 各太守の藩において、正式な家臣として認められる最低の階級が「武人」。
 プライドも高く格式を要求する。
 そして「令」は「士」より隔絶して高い身分とみなされる。

 つまりシンドラにおいては、兵<士官<指揮官 という区分があると考えるべき。

 階級が少ないように見えるが、同じ階級内でも序列が与えられる。
 階級章に付く星が多い方が偉いのだが、割と簡単に増えたり減ったりする。
 上官の裁量で信賞必罰の原則が行使される。

            ***

 では各太守の独自軍の階級はどうなっているかと言えば

役夫(民間から動員) <徒卒(足軽相当)<軍兵(組頭で常雇い)<武人(ここから正式な臣下)

  <<武臣(役付)<武将(重役級)<宿将(家老級) <<<太守本人(代理人は「帥」と呼ばれる)

 太守ごとに様々異なるが、だいたいこんな感じ。「武人」から甲冑を着る。

 さらに傭兵と軍師の存在がある。
 太守の家臣は平時には行政官として働いており、必ずしも戦争を目的とした組織とはなっていない。演習も足りないのが通例。
 そこで戦闘のプロフェッショナルである「傭兵」と、軍隊指揮・作戦企画の専門家「軍師」が雇われる事になる。
 彼等は各太守の間を渡り歩き、戦争が起きそうな所に集結する。

 

 江戸時代とは違って、シンドラには公的に認められる階級としての「武人」は無い。
 どこその太守もしくはその重臣に雇用されているからこその「武人」である。
 とはいえ上述のように戦争が起きた時には戦うことを求められるから、弓刀鉄砲武術の心得が無いと「武人」としては雇われない。
 だから就職活動の一環として武術を習い覚えるのが必須であり、一般人から見るとやはり違う人種だ。

 単なる官僚はそこまで高い位を世間からは認められない。(「宰相」他)
 というよりも、このシステムでは各地の太守の下を流れ歩く転職は普通に発生する。
 採用は当然に能力本位、武術が不得手でも財務や典礼・産業工芸など様々な領域での達者が雇われる。
 普通に「武人」であっても有能なのだ。

 「武臣」「武将」「宿将」は、つまり「家臣」「重臣」「家老」格である。
 旗本であり、その下に位置する「武人」は御家人と呼べよう。
 彼等は「庄」と呼ばれる土地の行政・徴税権を許されている。世襲によって権利を保持している。
 現在では特定産業や工場を「庄」の代わりに任される者もあり、藩が一種のコングロマリットを形成していた。

 

 なおシンドラの戦争では首を取る習慣は無い。鉄砲時代になってからはなおさらだ。

 刀剣類の常時携行は、兵であれば「徒卒」からでも許可される。
 むしろ拳銃の携帯許可で、「武人」以上に限られた。
 拳銃を所持しているとは、つまり何処かの家中である証明とも言え、実際太守や主家の家紋を入れている。
 であるから、シンドラ製の拳銃は性能はともかくスタイルは美麗でセンスが良い。

 一般人の銃の所持は、ある程度の大きさがあり隠し持てないものならば、許可証を取って許される。
 密林で虎が出るから「パースペクト銃」と呼ばれるリボルバーライフルが普及している。
 猟銃ほどは長くない携行に便利な、密林や湿地でも確実に作動する信頼性の高い銃だ。

 

 こう言ってはなんだが、ゥアム帝国よりもシンドラ連合王国の方が社会制度的には進化している。
 ゥアムは古代的な氏族制度が今も根強く残り社会を厳格に規制している。
 だが、シンドラは自由な一般市民が主体となる開放的な社会だ。太守制度は民衆を拘束するものではなく、むしろ開明的ですらある。

 これが『革命レボルシヲン』の成果である。

 ゥアム社会が聖戴者の支配から脱したのは300年ほど昔。しかも神族制度が今も厳然として存在する。
 タンガラムにおいても社会的には500年、最後の聖戴者が消滅したのが200年前と最近だ。
 対して、シンドラにおいては1000年も前に聖戴者時代が終了している。

 旧い神聖秩序を新しい「太守」制度で置き換えて、しかも太守には伝統的魔術的な崇拝、精神的支配力が無い。
 いわば人工的に定められた社会ルールに則ってゲームをするように支配していく、合理精神の時代に突入した。

 

シンドラ方台地名入り

まゆ子「というわけで、シンドラ地図に地名が入りました。」

釈「どういう基準で地名を付けたのですか今回は。」
まゆ子「シンドラという国は、「パヤパヤ」「フォワフォワ」とかの楽しい響きの音が普通に使われます。
 だから畳語になるような短い地名が欲しかったので短いです。」

じゅえる「で、地名をどうやって考えてるのだ。」
まゆ子「普通は、元となる単語の発音を弄り回して、原型を留めないまでに変えたのを使います。
 でも今回、短いから元ネタ分かりますよバレますよ。」
釈「元ネタは何ですか。」
まゆ子「アイドルマスター。」

じゅえる「げ!」
釈「ぅげ!」

まゆ子「とにかくたくさんの名前が必要だったから、たくさん名前がある事象から取るべきです。
 で、すぐに思いついたのが、「アイドルマスター」。アイドル200人とか居るからね。」

釈「えーと、あ!「ヤヨイ」があった。」
じゅえる「「カナコ」てのは、まんま「かな子」なんじゃないか?」
釈「「アスタクシャリ」て絶対「アナスタシア」ですね。」
じゅえる「いや、「アスタリスク」なんじゃないか。」
釈「というか「ダーリ」って。」
じゅえる「「ズブ凛」てなんだよ……。」

まゆ子「テレビアニメ1期とデレマス1期からです。」
じゅえる「うーん、まー、いいか。不都合があったらまた変えよう。」
まゆ子「えーと、ローマ数字にも名前を与えていきますね。」

 

T 「宝豊大島」〜シンドラで最も開発が進む、生産力が高く人口の多い島

北部田舎県
  「チヒャ」
  「キミネ」
  「アスタクシャリ」〜大森林奥地に独自の文化圏がある
  「ミリャ」〜海賊の巣窟として歴史的に有名であった

中部都会県
  「アンン」〜Nが2個付くアン 経済的な首都と言える。
  「アンラキ」
  「ジョカレ」
  「カミヤ」

南部端っこ県
  「ノマレヲ」
  「ェエデ」

 

U 「王央火山島」〜最も神聖な島として崇められる

北島
  「ヨコタン」
  「ッコサン」〜ほとんど人は住んでいないが、海賊は居る

南島
  「アルカ」〜連合王の居る神聖首都が有る
  「カカネ」〜シンドラ最大の火山である

 

V 「東濡島」〜シンドラ最大のマングローブ林地帯がある 結構開発が進む
  「ニオ」
  「ズブリン」
  「ドゥキ」〜ほとんどマングローブだが、不思議と人は棲んでいる。特殊な部族

 

W 「禄風島」〜気候は良くて割と生産力が高い
  「ワィサコ」
  「ナサミン」
  「リョッコサン」

 

X 「北冠島」〜数奇な歴史に彩られる。宝豊大島の中央からの反逆者が再起を図る島として有名
  「ズサ」
  「ユッホ」
  「ヰホリ」
  「ワコト」

Y 「冠裂島」〜ちょっと田舎でバカにされるが、思ったよりは発展している
  「ニャア」
  「ダーリ」

 

Z 「安康島」〜中央から外れて独自の文化圏を形成する
  「チェリ」
  「カカ」
  「ジオム」
  「カナコ」〜ただの火山であるが、聖地であり特別な一族が支配する

 

[ 「独鼓島」〜純然たる田舎ド田舎
  「モミモミ」
  「ヨイヤ」

\ 「糠濘島」〜全面密林の人が住むにはまるで適していないにも関わらず、結構人が住む
  「ナハナミ」〜島全体の名前も、部族名も「ナハナミ」

] 「牙歯島」〜なんか気難しい人が住む。歴史的には島流しの刑で中央から結構な重要人物が流されている
  「ガハハ」〜そのまた先の小島が、有名な流刑島

 

じゅえる「これで34の県が出来たと。」
釈「でも、太守って60家なんですよね。まだ足りないってことですか。」
まゆ子「足りないねえ。おおむね1県に2家の太守が居ることになるねえ。」

じゅえる「まあど田舎は統一されていてもいいけど、最も発展する島はたくさん太守居るかな。」
釈「そうですねー、逆に既に統一されていると考えてもいいかもしれませんね。」

まゆ子「あと、水道と湾と主要都市の名前付けないといけないけど、まあやめておこう。」
釈「水路、この狭い水路にも名前が当然有って、海賊部族が居るんですね。」
じゅえる「そこまで設定したくないなあ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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